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私元勇者です 2

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 だが、これだけ読書をしているのだから、成績がいいと周りには思われてたが、意外にも、中の下という中途半端な位置ににいる。

 ただし、彼女は、読書の時間が減るのは耐えられないと、試験勉強をしたことがないのだったが・・・

 しかも、朝が弱いせいか、いつも朝は、異様にテンションが低い。そんな彼女だが、今日はいつもよりテンションが高めである。それは、勿論、お目当ての本の新刊が発売されるからである。
 テンション高めのレアな彼女が見れるのは、新刊発売日だけだったが、周りは特に気づいてなかった。
 
 そんなこんなで、授業は進み、あっという間に午後の授業が終わろうとしてた。

「それじゃあ、今日は、ここまで」

「起立 気を付け 礼」

「ありがとうございました」

 クラスのみんながバラバラと移動して、友達などと話をしながら帰り支度をしたり、部活に行こうとする中、礼のの字あたりで消えた人物がいた。

 そう、彼女は教室から、ものすごい勢いでダッシュをして本屋に向かったのである。(本来、廊下を走っては行けません)

 あらかじめ言っておくが、別に急がなくても、彼女は、すでにお目当ての小説を本屋に予約しているので、確実に手に入るはずである。ただ、そんなに心配しなくても、この作品はおそらく予約しなくても売り切れることなどないと思われる。

 いざとなれば、電子版もあるが、普段は電子版でも、抵抗なく読んでいるのだが、好きになった本に限っては、異様なこだわりを見せて、紙の本であることにこだわりを持っている。電子版でも購入して買うのだが、これは防災用であるらしい。
 同じ本を全部で三冊買い、一冊は読む用、もう一冊は保管用、最後の一冊は愛でるようとなっている。そもそも、かなりマイナーな作品であるからだ。ただ、久しぶりの新刊ではある。だが、無理に走る必要など微塵もないのだが、然し彼女曰く、

「早く買って、早く帰って、読みたい!」

 ただ、それだけの為に急いで走っているのである。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、・・・疲れた・・・」 

 学校を出て、すぐに息切れを起こす。そもそも、彼女の体力はミジンコであった。
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