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第8章
人を好きになるって本当に厄介
しおりを挟むなんとか私も落ち着いて誤解もとけて、夕飯作ろうとキッチンにいったら美子さんとばーちゃんが既に準備してくれてた。
美子さん仕事帰りだしかわるよーと何気なくいったら子供がそんなこと気にしないの!可愛くないんだから!!とまたツンデレ発揮されてしまった。
慣れるとただの痛いツンデレだなこの人....
「あ、和に...えっまって何で逃げんの!」
「にっ逃げてないって!ちょっと待って、本当に、少し時間を下さいマジで」
部屋に戻ろうと階段を上ろうとしたら降りてくる和兄と目があって、すごい勢いで顔そらされて逃げられた。
さすがにこの仕打ちは傷つく。泣きまくって迷惑かけたのは謝るけど!てかもう謝ったのに!意地になって追いかけると初めて拒否されたので結構ショックだった。
あまり近付きすぎると逃げられるのである程度距離をとって逃げられないように袖を引っ張った。
「...まだ怒ってる?」
「......っ、怒ってないです....」
「和兄なにしてんの?」
「....唯ー、和也今思春期だからほっといたげてー。ほら下で一緒にプリン食べよー駅前のとこで買って来てあげたんだから。」
「美佳姉大好き」
「本当プリン好きよね唯」
まだ怒ってんのかなーと思ったら怒ってないって言ってるのに目も合わせてくれない。それどころか私が掴んでる手とは反対の手で顔を隠されてしまった。
本格的に嫌われたのだろうか。ちょっと不安になる。
部屋から顔だした美佳姉にプリンで吊られて一緒にリビングへ行く。夕飯前にプリンだなんて....至福の時である。
和兄の反応は解せないがプリンに勝てることなどない。
リビングでプリンを堪能してると美佳姉がガン見してきたので目があったらまた逸らされた。...えっさすがに傷付く。
「....和兄も美佳姉も、なんか怒ってる?」
「いや、怒ってんじゃなくて....唯、あのさ。思春期ってあると思うの。和也絶賛思春期中だから。気にしないであげて。」
「ふーん...難しいね。」
「そうそ、唯はなんも悪くないの。ただ思春期なだけ。怒っても嫌ってもないからほっといてあげて。」
「怒ってないならいいや。」
美佳姉のいってることは理解できなかったけど、とりあえず嫌われてないならいいかなと、無理やり納得した。
でも思春期ってそんな急にくるもんなの?
この前まで自分からくっ付いて来てたくせに一体どうしたのかと。疑問ではある。
思春期難しすぎてマジ困る。
にしてもプリンうまい。
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