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第8章
チャラ男を拗らせるともう無理
しおりを挟む「...唯ちゃんはなんも悪くねーんだけどさ」
「うん。」
そっぽ向いたままだけど話し始めてくれたのでそのままの距離を保って大人しく聞いてやる。
私が悪くない、なんて前置きをしてくれてるけど、それ以外考えられないんだけど。他にどんな理由があるっていうんだ。
「...あんま、..........ち、近過ぎると、.....」
「.....ん?」
どんどん声が小さくなっていって、つい前のめりに聞き返すと、消え入りそうな声で「てっ、...て、照れる.....」と俯いてしまった。
片手で顔を覆っているものの、耳まで赤いので丸見えだ。スケスケだ。
今この人照れるっていった?え?なにこの反応?えっ?ちょっとまってキャラ崩壊どころの問題じゃないんだけど誰これこわい。
「.,..今まで結構くっついてきてたじゃん。なにを今更。本当にどうしたの和兄」
「真っ当な疑問です!わかってってけどさ....こんな情けねーとこ見られたくなくて、ちょっと逃げてた。」
「...なにが情けないの?」
「や、なんか...これくらいで、うだうだ言うっつーか...」
「...じゃあ私がいつも近いとか言うのも情けないって思ってたの?」
「っあー!もう!違うって!もう勘弁シテクダサイ.....」
落ち着きなく頭掻いたりキョロキョロしだして最終的にしゃがみ込んで顔を両手で覆ってしまった。
.....この前ナルシストに騙されたばっかりなのでこいつ本当に和兄か?と疑ってしまったがどうやら本物らしい。
照れまくってる和兄なんて初めて見た。
.....今までされてきた分からかってやろうとも思ったけど、なんか可哀想になってきてやめた。ここでからかうだなんて鬼の所業である。
このままっていうのも困るので、ベンチから立ち上がって近すぎないくらいの距離で横にしゃがんだ。
人が立ち上がっただけでびくってなる和兄は一体どうしてしまったのか。
視線を合わせた状態で話しかけてみる。目が合ってなんとなく気まずかった。
「...このくらいなら平気?」
「....平気、だと思う」
「ん。...ねぇ、私和兄のこと情けないとか思ってないよ。理由はよくわかんないけど、そんなことであーだこーだ言わないってば。
...だから逃げるのだけはやめて欲しいな。嫌われたと思ったじゃん。流石に寂し....っわ、ちょ、...な、なにしてんの...」
まるで弟をに言い聞かせるように言ってやると、途中で手を引っ張られて態勢を崩して和兄のほうへ倒れこんだらそのまま抱き締められた。...地面に膝ついてる、とか文句を言ってやりたくなったけど、無理に離れるにはやけに優しくて、なんもできなかった。
照れてる人の行動じゃないと思う。本当になんなんだ今日の和兄。
「...嫌いになるわけねーじゃん」
「和兄耳まで赤いよ。なんでわざわざ自分から近づいてきてんの...意味わかんない...」
「....唯ちゃんも顔赤いじゃん」
「うっさい。...い、いつまで抱きついてんの、もういいじゃん」
「....もーちょい、このままでいさせて」
「...........へんなとこ触ったら怒るよ」
普通、異性に抱き締められたら照れるっていうか、反射というか、赤くなるのは普通だと思う。もちろん人によるけど。
軽く手で背中を叩いて抵抗してみたけど、真正面から頼まれて正直戸惑った。これで断れるやついるの?むしろどう断るのか教えてくれよ。最後のあがきでこれ以上変な体勢にされないように釘を刺しとく。
「...変なとこって、どこ?」
頬っぺた赤いくせに、目を細めて聞いてくる和兄はやっぱり私が知ってる兄でした。
ただ、前よりかなりタチが悪いようです。
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