つまりは女子高生が最強

amama

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第9章

帰り道なんて怖い

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「坪倉さん、女の子がこんな暗くなってから一人で出歩くのは危ないよ。送らせて?」

そういって坪倉へ手を差し出した唯ちゃんはとんでもなくイケメンでした。
坪倉は一瞬顔を赤くした後あんただって女でしょーが!!って怒鳴ってた。ごもっともだと思うわまじで。もっといってやって。


「あ、俺ら坪倉と帰り道一緒なんで、送ってきますよ?」

「...みんなで帰れば良いんじゃないかな!」

「坪倉と俺たちとでは反対方向だぞ」

「和兄に付き合わされてこの仕打ちとは。女子と登下校も許されないとは何事だ。」

「唯ちゃん坪倉超困ってるからやめてやって」

「やめましょう。」

坪倉と一緒に帰れないと悟るとさっさと帰る唯ちゃんってさ、本当時々不安になんだけど男が好きなんだよね?
俺がくっついたら顔赤くしてくれんだからそれでいんだよな?
なんだか不安になりながら坪倉たちと別れて校門を出る。
もうだいぶ遅くなったしなー...
俺と唯ちゃん、帰り道が同じ誠ちゃんで歩いてたら校門をでてすぐのところに人がいる。
暗がりでとても目立つ赤い髪と、誠ちゃんより余裕ででかい、2m超えてんじゃね?っていう大男。なんだありゃ。もう残ってる部活はないし保護者って感じでもなさそ。なーんかヤな感じすんなー。誠ちゃんとたわいない話をしてた唯ちゃんの腕を掴んで自分の横へ移動させる。まぁ念のため?


「ちょ、急に引っ張んないでよ和兄」

「...えー、だって唯ちゃん誠ちゃんとばっか喋ってんだもん」

「そんなこ........」

「どうした?」

あの違和感ある二人を見て唯ちゃんが固まって、誠ちゃんはなんも気付いてないのか、立ち止まった唯ちゃんに不思議そうに首かしげてた。あれ、この反応おかしくね?もしかして知り合いとか?俺見たことねーんだけどなー。
その二人もこっちに気付いたみたい。俺ら、てか唯ちゃん、だな。


「誰あれ。知り合い?」

「.......えーっと....」

唯ちゃんに問いかけて見ても頭を抱えてしまって何も言わない。多分この後は誰にも通用しないような嘘をつくんだろーなーと、簡単に予想がついてしまう。嘘つくのが下手すぎるのもどうかと思うぜ、俺は。


「...知り合い、です...。ちょっと、あの二人と話してくるんで先帰っ「普通に話せばいーじゃん。なんかあったら守る為に俺がついてんだけど」

「女子を夜置いて行けるわけがないだろう」

「うっわぁなんだよイケメンかよぉお!...じゃ、じゃあ、ちょっとだけ話してくるから、手を離「え?聞かれたくねーことでも話すの?俺離れる気ねぇけど。絶対。」

「このシスコンが」


ことごとく唯ちゃんが言うだろうことを遮って掴んでた腕を引っ張って引き寄せる。
 それを誠ちゃんはシスコンって眉間にシワ寄せて睨んできた。まーシスコンじゃないんだよねー普通に恋しちゃってるだけなんでただの思春期なんだよねーこれが。
ま、んなことは言えるわけもなく。
唯ちゃんが諦めたように深いため息をついた。


「...じゃあ絶対口出さないでね。話しかけたりしないでね。絶対だからね!破ったら嫌いになるからね!!!!まつ...ごっふ!た、た.....せ、誠ちゃん先輩もですからね!だめ!ですからね!」


唯ちゃんは俺にきつくそう言うと誠ちゃんの苗字がわかんなかったのかずいぶん可愛らしい呼び方で念をおした。
あーぁ、そんな呼び方すっからー...誠ちゃん顔真っ赤じゃんよ。そんなん知らん顔で唯ちゃんはさっさとどう見ても怪しい二人へと向かって歩く。

うわー、なんだこの展開。
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