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勇者の農村計画1
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「それで……こんなところどうしろって言うんだよ!」
ユノにつれてこられた場所を見てルシアは大声を上げた。それもそのはず目の前にあるのは、山の麓に位置する平原。
すでに日が暮れた広大な大地の中で肩で息をしながらルシアは顔を赤くしていた。
「こんなところでいったい何をするつもりだっ!」
焚き火を炊いているユノの隣でルシアは尚も大声を上げる。
草と木と山しかない。それも街道からかなり外れていた。そしてあいにくな事に、川からも少し遠い。
「いや、言ったじゃないですかルシア。王様からこの土地をもらったので村を作ろうと思っているんですって」
「いや、思っているんですってじゃないよっ! どうすんだよ、道具も何もないんだろ?」
先ほど、食事を頂き元気を取り戻したルシアは餓死寸前の体調は何処へやら大声を張り上げても大丈夫なほどに回復していた。
何もない平原に村を作ると言われ、家はおろか、道具すらもない。そんな状況の中でいく当てのないルシアは頭を抱える。
「とりあえずは野宿ですかね?」
「いやいやいや、ちょっと待て。衣食住は保障しますって言ったじゃないか!」
「ええ、ですからこれから衣食住を確保するんです」
――いかん、こいつやばい……。
逃げ出そうにも行く当てもないので、大人しく従おうかと思ったがそれどころの話ではない。
――この勇者、教育をしなくては……。
窮地に立たされたルシアはすでに夕暮れも近いということもあって、これからどうするかを考える。さすがに勇者と二人で野宿をすることは可能だが、雨風くらいしのげる場所はほしい。
「とりあえず、今日は寝ましょう……明日から本気で取り組めば大丈夫でしょう」
「絶対に明日もやらずに終わりそうな予感がする……」
――本気でまずい……。
勇者の話を聞いて本日、何度目かになる命の危機を覚える。
特製の寝袋のようなものの中に入ったまま動かなくなってしまったユノを見ながら、冷や汗を流しルシアは頭を巡らせる。
――とりあえず、お金はユノが持っているから良いとして問題は家か……。簡易的なもので雨風をしのいで、本格的なものは後から作った方がいいな。
昔読んだ蔵書の記憶を頼りにどんな方法があるかを模索する。現状でできる一番いいものをということを考えた上で、ユノにも色々学ばせなければと思うと頭が痛くなった。
――家の次は水場と食料……服は街で買えば良いとして……。
周りにある木などを確認しながらルシアは更に頭をひねる。本当にこれからどうすれば良いのか、ルシアにとっては頭を抱えるような問題しかない気がしてならなかった。
――道具……これを買うのにもお金が……さすがにユノがいくら持っているのかわからんからな……。
自分も着の身着のまま追い出されたので、売れるようなものなどもっていなかった。持っていたとしたら、そもそも飢えて行き倒れてなどいない。
「とりあえず、寝るか……」
するべきことを頭の中に入れつつ明日のために、大地の真ん中でルシアも寝転がって目を閉じた。
※
「ルシア、起きてください!」
「ん……あぁ……」
ボーっとする頭を押さえながらこちらを覗き込むユノを見て、ルシアは盛大なため息を付いた。
――夢じゃないのね……。
「はいっ、ルシア。これ朝ごはんですよ」
昨日の焚き火の火種を使って火をつけなおしたであろう場所でスープを作っていた。
昨日は硬いパンだけだったので、暖かいものがあると非常に嬉しい。
「……ユノ、今日はどうするんだ?」
差し出されたパンとスープを飲みながらユノに話しかける。寝ぼけ眼で正直に言えば顔を洗ったりしたかったがあいにくそういう用途に使える水は無さそうだ。
「とりあえず、街に買い物に行きます?」
「何で疑問系なんだよ!」
「私、村とか作ったことないので……」
ため息しか出てこなかった。おそらく勇者として長い間生活していたためだろうか、野宿でもぜんぜん平気そうなユノを見ながら疲れきった表情でルシアは口を開く。
「住む場所を作らないと……」
「木の家などそんな一朝一夕ではできませんよ?」
「仮の寝床だよ! さすがにすぐに木で家を作るのはできないだろうから」
そう言いながら食べ終わった食器をユノに返す。
本当にこれからどうしたら良いのかわかっていないようだ。
「とりあえず、仮の寝床作るからユノは道具を買いに行ってくれ……」
今日中にできる借りの家を作ることを優先してこのあたりを探索するところから始めることにした。
「何を買ってこればいいのですか?」
「できれば木を切れるようなものがあれば……」
「でしたら、もうありますよ」
ユノはそう言いながら自らの持つ片手の直剣をこちらに見せるつけてきた。
「おい……それってまさか……」
――勇者の剣が木を切る道具だと……嘘だろ……。
「私の剣です!」
元気よく言い放つユノの言葉にルシアはあきれて開いた口がふさがらない。
――俺を切るためだった剣が木材伐採用だなんて……。
なんだか、悲しい気持ちになりながら今日のミッションを達成するために行動することにした。
「ユノ、長めの枝をいくつか切って持ってきてくれ」
「はい、わかりました」
仮の住居を作るための資材集めだ。
何はともあれやはり住むところは必須。
ルシアは歩きながら、木と木をつなぎ合わせるのに良さそうな弦を探すことにした。
「なかなか良さそうなものが……おっ、良いのがある」
どうやらこのあたりの植物の弦は非常に頑丈そうだ。
お目当てのものと一緒にいくつかの植物の実を見つけたので、一緒に持って帰るとそこには山が出来上がっていた。
大量の木の枝を集めた山だ。
――おいおいおいおいっ!
「ユノオオォォォォォ!」
もはや絶叫だった。ルシアの声が平原に木霊する。
「どうしたんですルシア?」
「どうしたもこうしたもない! いくらなんでも切り過ぎなんだよ!」
今ある山の十分の一、いや二十分の一あれば二人分の住居くらい楽に作れたはずなのだが。さすがに量が多すぎる。
「でもルシア、木を切ってくれって言いましたよね?」
「いや、言ったよ! 言いましたよ。でもいくら何でもこの量はないでしょ!」
「ルシア……言いましたよね……」
目に涙を貯めながら悪いことして叱られた子供のような言い訳をしだすユノに罪悪感を覚えつつルシアはため息を付いた。
「ごめん……量を言わなかった俺が悪かった」
――人間風情になんていわれようだ。
そんなことを腹の中で思いつつ、ユノへの恩と比べると些細なことだと思い謝ることにした。
「はいっ!」
途端の笑顔。人間の女とはここまでめんどくさいものなのかとルシアは思いながら、作業を始める。
倒れないようにいくつかの木を固定しなくてはいけない。
「ユノ、地面にさせるようにこういった形状のものを作りたいのだが、作れるか?」
形状をわかりやすく伝えるために、地面に図を描いて説明する。
「これくらいだったら、すぐ作れますよ」
さくさくと勇者の剣で木を削り始めるユノを見ながら、だんだんと剣が哀れなになってきた。
その間にルシアは自分の手で弦についている葉っぱを引きちぎっていく。弦が頑丈なだけあって、葉っぱも中々千切るとができなかったが、なんとか終わった頃にユノの方を見るとまたしても大量の木の杭が出来上がっている。
――まじでか……。
あまり学習してないようだった。
「刺さるか……」
ひとまずユノのことは置いておいて地面に木を押し当ててねじ込むようにしてみるが徐々にしか入らなかった。
――どうしたものか……。
「これを地面に刺せばいいんですか?」
「地面に刺せればな」
「私がやりますよ」
「じゃあ、頼む」
こちらの了承を聞き取ってユノはルシアが木の杭を打ち込もうとしていた場所に杭を押し当てて、剣の鞘で木片をたたき始めた。
――またしても勇者の剣が……。
武器が正規の扱い方をされていないことに再び憐れみを覚えつつも、ユノの手元を見れば自分の力では入っていかなかった杭が見る見るうちに地面に突き刺さっていた。
「これでいいんですか?」
「大丈夫だ。この印を打ったところにどんどん打ち込んでいってくれ」
「わかりましたっ!」
ユノが木片を地面に指している間に、木の先端部分を持ってきた弦で縛り上げて骨組みを組上げて、二本一組の部品をいくつか組上げていく。
「できましたよ、ルシア」
「よし、ではこの部品をその木片にくくりつけてもらってもいいか?」
「わかりました」
ユノが返事と共にすばやいペースで縛ってあるほうと反対側へ木片をくくりつけ始める。
――なんだか少し楽しいな。
そんなことを思いながら、組みあがった骨組みに地面と垂直になるように木を縛り付けていく。
その骨組みに大きな葉の植物をいくつかかけて雨をしのげるようにする。
「これで、雨と風をしのげる家が完成したわけだ」
「なんか、達成感がありますね」
出来上がったのは木で骨組みを作ったテントのようなものだったが、二人で寝るには十分なスペースがある。この調子で色々なものを充実していけば飢えることは無さそうだとルシアは満面の笑みを浮かべる。
「とりあえず、日も傾きかけたことですし昼食にしますか?」
「そうだな……」
ルシアが家の中に入ると同時に、ユノが外で昼食の準備を始めていた。
ユノにつれてこられた場所を見てルシアは大声を上げた。それもそのはず目の前にあるのは、山の麓に位置する平原。
すでに日が暮れた広大な大地の中で肩で息をしながらルシアは顔を赤くしていた。
「こんなところでいったい何をするつもりだっ!」
焚き火を炊いているユノの隣でルシアは尚も大声を上げる。
草と木と山しかない。それも街道からかなり外れていた。そしてあいにくな事に、川からも少し遠い。
「いや、言ったじゃないですかルシア。王様からこの土地をもらったので村を作ろうと思っているんですって」
「いや、思っているんですってじゃないよっ! どうすんだよ、道具も何もないんだろ?」
先ほど、食事を頂き元気を取り戻したルシアは餓死寸前の体調は何処へやら大声を張り上げても大丈夫なほどに回復していた。
何もない平原に村を作ると言われ、家はおろか、道具すらもない。そんな状況の中でいく当てのないルシアは頭を抱える。
「とりあえずは野宿ですかね?」
「いやいやいや、ちょっと待て。衣食住は保障しますって言ったじゃないか!」
「ええ、ですからこれから衣食住を確保するんです」
――いかん、こいつやばい……。
逃げ出そうにも行く当てもないので、大人しく従おうかと思ったがそれどころの話ではない。
――この勇者、教育をしなくては……。
窮地に立たされたルシアはすでに夕暮れも近いということもあって、これからどうするかを考える。さすがに勇者と二人で野宿をすることは可能だが、雨風くらいしのげる場所はほしい。
「とりあえず、今日は寝ましょう……明日から本気で取り組めば大丈夫でしょう」
「絶対に明日もやらずに終わりそうな予感がする……」
――本気でまずい……。
勇者の話を聞いて本日、何度目かになる命の危機を覚える。
特製の寝袋のようなものの中に入ったまま動かなくなってしまったユノを見ながら、冷や汗を流しルシアは頭を巡らせる。
――とりあえず、お金はユノが持っているから良いとして問題は家か……。簡易的なもので雨風をしのいで、本格的なものは後から作った方がいいな。
昔読んだ蔵書の記憶を頼りにどんな方法があるかを模索する。現状でできる一番いいものをということを考えた上で、ユノにも色々学ばせなければと思うと頭が痛くなった。
――家の次は水場と食料……服は街で買えば良いとして……。
周りにある木などを確認しながらルシアは更に頭をひねる。本当にこれからどうすれば良いのか、ルシアにとっては頭を抱えるような問題しかない気がしてならなかった。
――道具……これを買うのにもお金が……さすがにユノがいくら持っているのかわからんからな……。
自分も着の身着のまま追い出されたので、売れるようなものなどもっていなかった。持っていたとしたら、そもそも飢えて行き倒れてなどいない。
「とりあえず、寝るか……」
するべきことを頭の中に入れつつ明日のために、大地の真ん中でルシアも寝転がって目を閉じた。
※
「ルシア、起きてください!」
「ん……あぁ……」
ボーっとする頭を押さえながらこちらを覗き込むユノを見て、ルシアは盛大なため息を付いた。
――夢じゃないのね……。
「はいっ、ルシア。これ朝ごはんですよ」
昨日の焚き火の火種を使って火をつけなおしたであろう場所でスープを作っていた。
昨日は硬いパンだけだったので、暖かいものがあると非常に嬉しい。
「……ユノ、今日はどうするんだ?」
差し出されたパンとスープを飲みながらユノに話しかける。寝ぼけ眼で正直に言えば顔を洗ったりしたかったがあいにくそういう用途に使える水は無さそうだ。
「とりあえず、街に買い物に行きます?」
「何で疑問系なんだよ!」
「私、村とか作ったことないので……」
ため息しか出てこなかった。おそらく勇者として長い間生活していたためだろうか、野宿でもぜんぜん平気そうなユノを見ながら疲れきった表情でルシアは口を開く。
「住む場所を作らないと……」
「木の家などそんな一朝一夕ではできませんよ?」
「仮の寝床だよ! さすがにすぐに木で家を作るのはできないだろうから」
そう言いながら食べ終わった食器をユノに返す。
本当にこれからどうしたら良いのかわかっていないようだ。
「とりあえず、仮の寝床作るからユノは道具を買いに行ってくれ……」
今日中にできる借りの家を作ることを優先してこのあたりを探索するところから始めることにした。
「何を買ってこればいいのですか?」
「できれば木を切れるようなものがあれば……」
「でしたら、もうありますよ」
ユノはそう言いながら自らの持つ片手の直剣をこちらに見せるつけてきた。
「おい……それってまさか……」
――勇者の剣が木を切る道具だと……嘘だろ……。
「私の剣です!」
元気よく言い放つユノの言葉にルシアはあきれて開いた口がふさがらない。
――俺を切るためだった剣が木材伐採用だなんて……。
なんだか、悲しい気持ちになりながら今日のミッションを達成するために行動することにした。
「ユノ、長めの枝をいくつか切って持ってきてくれ」
「はい、わかりました」
仮の住居を作るための資材集めだ。
何はともあれやはり住むところは必須。
ルシアは歩きながら、木と木をつなぎ合わせるのに良さそうな弦を探すことにした。
「なかなか良さそうなものが……おっ、良いのがある」
どうやらこのあたりの植物の弦は非常に頑丈そうだ。
お目当てのものと一緒にいくつかの植物の実を見つけたので、一緒に持って帰るとそこには山が出来上がっていた。
大量の木の枝を集めた山だ。
――おいおいおいおいっ!
「ユノオオォォォォォ!」
もはや絶叫だった。ルシアの声が平原に木霊する。
「どうしたんですルシア?」
「どうしたもこうしたもない! いくらなんでも切り過ぎなんだよ!」
今ある山の十分の一、いや二十分の一あれば二人分の住居くらい楽に作れたはずなのだが。さすがに量が多すぎる。
「でもルシア、木を切ってくれって言いましたよね?」
「いや、言ったよ! 言いましたよ。でもいくら何でもこの量はないでしょ!」
「ルシア……言いましたよね……」
目に涙を貯めながら悪いことして叱られた子供のような言い訳をしだすユノに罪悪感を覚えつつルシアはため息を付いた。
「ごめん……量を言わなかった俺が悪かった」
――人間風情になんていわれようだ。
そんなことを腹の中で思いつつ、ユノへの恩と比べると些細なことだと思い謝ることにした。
「はいっ!」
途端の笑顔。人間の女とはここまでめんどくさいものなのかとルシアは思いながら、作業を始める。
倒れないようにいくつかの木を固定しなくてはいけない。
「ユノ、地面にさせるようにこういった形状のものを作りたいのだが、作れるか?」
形状をわかりやすく伝えるために、地面に図を描いて説明する。
「これくらいだったら、すぐ作れますよ」
さくさくと勇者の剣で木を削り始めるユノを見ながら、だんだんと剣が哀れなになってきた。
その間にルシアは自分の手で弦についている葉っぱを引きちぎっていく。弦が頑丈なだけあって、葉っぱも中々千切るとができなかったが、なんとか終わった頃にユノの方を見るとまたしても大量の木の杭が出来上がっている。
――まじでか……。
あまり学習してないようだった。
「刺さるか……」
ひとまずユノのことは置いておいて地面に木を押し当ててねじ込むようにしてみるが徐々にしか入らなかった。
――どうしたものか……。
「これを地面に刺せばいいんですか?」
「地面に刺せればな」
「私がやりますよ」
「じゃあ、頼む」
こちらの了承を聞き取ってユノはルシアが木の杭を打ち込もうとしていた場所に杭を押し当てて、剣の鞘で木片をたたき始めた。
――またしても勇者の剣が……。
武器が正規の扱い方をされていないことに再び憐れみを覚えつつも、ユノの手元を見れば自分の力では入っていかなかった杭が見る見るうちに地面に突き刺さっていた。
「これでいいんですか?」
「大丈夫だ。この印を打ったところにどんどん打ち込んでいってくれ」
「わかりましたっ!」
ユノが木片を地面に指している間に、木の先端部分を持ってきた弦で縛り上げて骨組みを組上げて、二本一組の部品をいくつか組上げていく。
「できましたよ、ルシア」
「よし、ではこの部品をその木片にくくりつけてもらってもいいか?」
「わかりました」
ユノが返事と共にすばやいペースで縛ってあるほうと反対側へ木片をくくりつけ始める。
――なんだか少し楽しいな。
そんなことを思いながら、組みあがった骨組みに地面と垂直になるように木を縛り付けていく。
その骨組みに大きな葉の植物をいくつかかけて雨をしのげるようにする。
「これで、雨と風をしのげる家が完成したわけだ」
「なんか、達成感がありますね」
出来上がったのは木で骨組みを作ったテントのようなものだったが、二人で寝るには十分なスペースがある。この調子で色々なものを充実していけば飢えることは無さそうだとルシアは満面の笑みを浮かべる。
「とりあえず、日も傾きかけたことですし昼食にしますか?」
「そうだな……」
ルシアが家の中に入ると同時に、ユノが外で昼食の準備を始めていた。
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