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片目のジャガー

片目のジャガー

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痛快サスペンス小説「新、片目のジャガー」献残屋藤吉郎



1)新「片目のジャガー」

銃声の音で家に飛び込んだ、流健次郎警部補だったが、、、遅かった、、犯人は拳銃で狙いを定めて待っていた。

そして、流健次郎は撃たれたのであった。

狙い撃ちだからたまらない、、、流健次郎警部補は撃たれてその場に倒れた。

気が付いた時には病院のベットだった。

そして、知らされた。。。残酷であったが妻の芽衣子と子供の正一も襲われていた。

流健次郎が気が付いたのは銃撃されてから、1か月がたっていたのであった。

妻の芽衣子と子供の正一は即死だったと。。。

流健次郎警部補は左目を撃ちぬかれ、頭部に弾痕が残ったのであった。

即死状態だったのが一命をとりとめたのが奇跡だった。

流健次郎は退院してから、まずは二人の墓前に花を添えた。

そして、、、一人で涙した。

みえぬ目にも涙が流れたような気がした。

流健次郎は誓った。

必ず、犯人は逮捕すると、、、二人の仇討ちはすると。。

墓参りを済ませた後、誰もいない我が家に戻り、一人酒を飲んだ。



2)(酔いどれ、ジャガーの復讐心)

病院から退院した、流健次郎警部は警視庁過去の事件記録を調べた。同僚の如月弥生巡査部長が記録室に勤務していたので、流健次郎警部補が過去5年間に関わった事件で、犯人を銃殺した記録を作ってもらった。

その記録資料を見て、びっくりした、、、5年間で120件もあり、その全ての事件を逮捕時に銃殺しているか、重軽症

を負わせていた。

同僚の如月弥生巡査部長が、、、

「びっくりしたな、、、流、、、ほとんどを殺しているな、、でなければ片輪にしているよ、、」

「これでは本人か、、家族がいれば、恨まれても仕方がないな。。。復讐もあるよ、、、きっと」

と言われ、流健次郎警部補もびっくりした。

これらを全部、捜査するのは大変なので、、、本人で出所している者、、、遺族で生きている者をリストアップしてもらった。

「ありがとうな、、、如月。。。また、何かを頼むかも知れないからよろしくな。。。」

と言って、流健次郎警部補はリストアップした資料をひとつ一つ潰していった。

警視庁殺人課に所属していたので、、、本庁の事件も捜査しなくてはならなかった。

大和田捜査課長からも。。。。「流、、、自分の捜査は休みにな。。。勝手はだめだからな。。」

と、念を押された。

流健次郎警部補は休みは、、、資料を潰していった。

そんな流健次郎を見ていた、、、如月弥生が捜査を手伝ってくれた。

休みの今日も疲れて、、、、いつもの居酒屋に来ていた。

居酒屋八千代は流警部が独り身であることを知っていたので、夕食を用意していてくれた。

流警部補にしてみれば、癒しの時間であり、いっぱいのビールが美味かった。

自分の捜査の方はなかなか、、、、はかどって居なかった、

しかし、流健次郎はあきらめなかった。



3)(今回の休みも情報を頼りに九州博多へ)

流健次郎警部補は休みを利用して、流れてきた情報をもとに九州博多を訪ねた。自分が逮捕時に射殺した家族ががいるというので探し求めて、尋ねてみると、犯人の妻は再婚して幸せに暮らしていた。

もう一人の女は鹿児島にいた。子供と二人で水商売をしながら生きていたが、娘の近藤彩芽は18歳になって、行方不明だった。

娘、近藤彩芽は16歳の時に傷害事件を起こして、:少年院に服役していたが、出所していた。

流健次郎警部補は思った。。。この、近藤彩芽と言う少女を探さないとと、、、、

最終の新幹線で東京へもどり、同僚の如月弥生巡査部長に調査を頼んだ…少年院を出所してからの近藤彩芽の足取りを。。。

流健次郎警部補は翌日から合同捜査に戻りながら、考えていた。

そして、近藤彩芽の近況報告を待った。

その後、少年院の記録によると、東京へ出て、万引きで補導されたいた。その足取りも如月巡査部長に追ってもらった。

その間にが流健次郎警部補が逮捕時に重傷を負わせて、現在は出所してい大木戸誠が千葉県松戸市に在住していることがわかって、尋ねることにした。

大木戸誠は松戸で施設に入っていた。逮捕時の銃弾がもとで、半身不随になっていた。とても、流健次郎警部補を襲えるようなことは不可能だった。しかし、流健次郎警部補はしみじみした、、、事件を起こした犯人を逮捕す時とは言えど、自分の行動で一人の人間を片輪にしてしまったことに、、、何か仏心が出た。

半身不随にして生かしているよりは、、いっそ、殺した方がよかったのではと、、、

そんな時に、如月巡査部長から連絡が入った。

調査を頼んでおいた、近藤彩芽の報告が入った。現在、住んでいるところがわかったので、今度の休みに行くことにした。、、、、



4)(近藤彩芽を訪ねて、、、、、)

流健次郎警部補は自分の休みを利用して、過去の自分の事件簿を追いかけたいた。資料は同僚の記録室に勤務する、如月巡査部長から情報を流してもらったいた。

過去の捜査記録を見ると、普段気に気にしていなかった資料から、自分がいかに犯人逮捕をしたか、、びっくりした。

そして、逮捕時に射殺したり、負傷させていたかがわかり、

少々、反省をした。

今回は殺人課で事件が起こり、その捜査をしながらだったので、流健次郎警部補も忙しかった。

上司に藤田課長から、、、「おい、、流、、殺人課の捜査にも力入れてな、、、、頼むぞ」

と念を押されていた。

しかし、流健次郎警部補は自分の捜査も手を抜かなかった、

今回の休みも如月巡査部長からの情報をもとに、千葉県千葉市に出かけた。

流健次郎警部捕は一番関係が有るような気がした、近藤彩芽と期待していたのであったが、千葉市の自宅マンションを訪ねてみたら、本人は交通事故で亡くなっていた。

千葉市の帰り、電車の中で考えていた。本当の下手人は何処にいるんだよ、、、、必ず、見つけてやるからな。。。

「待ってろよ。。。」と、、、更に探す意思を固めた。

流健次郎警部補は東京へ戻ってから、殺人課の捜査に戻った。

殺人課の相棒、轟肇と今回の殺人事件の捜査に当たった。

「流さん、、、休みなくて大丈夫ですか、、、心配ですよ。

自分が動く時には、少し、休んでください」

と、後輩の轟刑事部長は気を使ってくれた。

「ありがとう、、、心配するなよ」

と流健次郎警部補は感謝をしていた。

今回の事件は人質を取っての引き籠り事件で有った。

今までの流健次郎警部補なら乗り込んで、強引に犯人を射殺して済ませたいたような事件で有った。

なぜか、今回は慎重だった。

自分の過去の事件記録を見ているうちに、変わり始めたのであった。

余りにも犯人を射殺しすぎている、、、そのために、復讐されたのではないかと思うようになってきたのであった。

出来れば、射殺無しで逮捕したかったのであった。

流健次郎警部補は相棒の轟巡査部長と引きこもりの現場についた。しかし、今回は突入をしなかったのであった。

引き籠りした新興銀行代々木支店の周囲には、警察官と報道関係でいっぱいだった。

警察の説得が思うようにいっていなかった。

その現場の状況を見ているうちに、流健次郎警部補は少し苛ついてきた。



5)(流健次郎警部補は、事件記録を見て、少しは変わったような気がしたが、、そうではなかった)

流健次郎は事件現場に戻ると捜査エンジンがかかってしまう様な。。。

「轟、、人質立てこもりで、何をやっているんだ、、、まだろっこしいいな。。。俺はいくぞ。。。」

「流警部捕。、まずいですよ、、、他の係の事件ですし、ちょいとひかえましょうよ、、」

「馬鹿野郎、、、犯人は待ってくれないよ、、早く要求をのまないと。。。人質事件の時は要求を断るか、飲むかだけだよ、、、」

といいながら、人質を取っている犯人の前に立ち肌っていた。

流健次郎警部補は、、「あんたの要求はのむから、、、人質を離せよ、、」と、近距離2mのところまっで近づき、拳銃を素早く打ち込んだ。。

犯人はびっくりして、後ろにのけぞった。

流健次郎警部は人質を撃って、その撃った銃弾が近距離だったので、犯人まで貫通して倒れていた。

銀行強盗はもう一人いた、、人質の中にまぎれていたが、その犯人が拳銃を構えた瞬間に流健次郎に撃たれた。

その瞬間に周囲を取り囲んでいた警察が
犯人たちが取り押さえた、、、そして、救急車も来て、怪我した人質を運んでいった。

犯人逮捕もしたが、犯人にも、人質にも怪我人がでたので。。。

警視庁殺人課の藤田課長から苦言が出た。

「流、、、死人が出なかったら良かったけど、、、控えろよ」と、、、、

事件を解決しながら思った。

そうか、犯人ではないが、事件解決の時に巻き添えを食った人間からの恨みもあるな。。。。

警視庁に戻ってから、記録室の如月巡査部長に会いにいった。

そして、過去の犯罪記録の中で、巻き添えをした第三者がわかったら、調べて欲しいと。。。。

それから1週間たった日に、如月巡査部長から連絡が入り。。。

その晩に流健次郎警部補はいつものいつもの居酒屋八千代で如月巡査部長とあった。

流健次郎は疲れていたが、、如月巡査部長の話を聞いて、いくつか気になる事件があった。



6)(流健次郎警部補が気になった事件を見つけた)

流警部補は今回の銀行強盗で分かったことがあった。

どんな事件でも第三者を犠牲にしてはいけないと、、、、犯人が逮捕できれば

多少の犠牲は仕方がないと思っていた自分が、恥ずかしくなった。

警視庁記録室に如月巡査長を訪ねて、、、、流警部補は聞いてみた。

「流警部補の逮捕には第三者の犠牲者が多すぎます。。。犯人逮捕はいいのだけれど、

その際のケガ人や、死人が多すぎる感じがする。。。。」

いわれて、、、流警部補はやっぱりと思った。

その関係の犠牲者の恨みを忘れてたような気がする。。。

「如月、、、巻き添えを食った、関係者を調べてくれないか。。。大変だと思うけどな、、」

「わかった、、、警部補、この調査は高くつくからね、、、」

流警部補は了解した。。。。




7)(流警部補の事件簿控えの調査)

流警部補に依頼された如月巡査長は、過去の事件記録の調査を始めた。

そして、1週間後に調査結果が出た。

如月巡査長もびっくりした。犯人逮捕は殺人課ナンバーワンであったが、その事件の被害者が多いことであった。事件の巻き添えを食って,けが人の多いことで。

死人は出なかったが、第三者からの苦情が多かった。

その結果の後始末には時間を要していた。

そのことに気が付いた、流警部補はその第三者を調べることにしたのであった。

恨み、苦情をうけていたのだと。

自分のやってきたことが恐ろしくなってきた。

そのいくつかの恨みの中に、、、今回の妻と子供の復習があったのだと。。。。

すべてが、自分のなすが故の結果のような。

流警部補はその晩に如月巡査長といつもの居酒屋であった。

「如月。。。いろいろとありがとうな、、、本当にありがとう」

事件記録を調べてくれたお礼を告げた。

「如月、、、俺の捜査は間違っていたような、、、少々強引すぎたかな。。。

あの記録簿を見ると、第三者の犠牲が多すぎる。。。」

「如月もそう思うだろう。。。少し、反省しないとな」

「警部補の捜査が間違ってるとは言えないと思いまながすが、、、」と言葉を濁した。

自分の復讐のことばかり考えていたような気がする






8)(流健次郎は過去の事件簿を調べた)



流健次郎は過去の事件簿を調べてみた。確かに逮捕数は多い、、、しかし、その逮捕に伴って犠牲が多いような、、、

その結果の恨みを買っているのではと思うようになって来た。

そして、如月に巡査部長に逮捕時の犠牲者を詳細に調べてもらった。

その結果を流健次郎警部補は追跡調査を追ったのである。

そして、いくつかの犠牲者が浮かんできた。

その地殺した犠牲者の中に、意外な人間がいた。殺人課の後輩の轟刑事部長の家族が含まれていた。

それも、轟刑事部長の妹さんが犠牲者の中にいたのであった。

流警部補が担当した通り魔連続殺人事件があった、、、その中の犠牲者の中に轟刑事部長の妹さんがいたのである。

妹さんが拉致されて、犯人が追い込まれ、妹さんを人質に取って立てこもった時である。

流警部補が強引に逮捕に踏み切り、犯人を撃ち殺したときに、妹さんも巻き添えを食ってしまっていた。。

轟刑事部長がまだ、警察官になる前のことだったので、、、流警部補もしらなかったのであった。



9)(過去の事件帳のなかに、轟警部補の妹がいた)

以前に通り魔事件の犯人逮捕の時に、偶然であったが、被害者の中に轟警部補の妹が含まれていたのだ。
当時は犯人逮捕にだけ気を配り、周辺の人々への配慮がなかった。
ただ、がむしゃらに犯人逮捕にだけ集中して、検挙率ばかり考えいた。こうして過去の事件控え簿をみて、恥じるところ出てきた。
犯人逮捕だけが先ばしってしまい、よくよく考えてみれば、過ちであると、、、、
今になると反省だけである。
流警部は自分勝手な捜査をして、第三者に迷惑をかけていたと。。。。
流警部は過去の事件控えの資料をみて、、、、ただ、単に事件関係者というか、、、その家族だけを調べていたような気がした。
事件に関係のない第三者を巻き込んでいたことを見落としていた。
その中に後輩刑事の轟警部補の妹さんが、事件に関係のない第三者にいたのであった。
。。。。「きっと、、、轟警部補は恨んでいるだろうな、、、」と痛感した。
すぐにでも、話をして、謝ろうと思ったが、、、それが出来なかった。
いつかは事情を話して、心から謝ろうと思った。
しかし、なかなかできなかった。
そして、他の事件控え簿を丹念に調べなおした。
しかし、他には見つからなかった。
それから、如月巡査部長を夕食をしたときに、、、流警部は思い切って、彼女に話をした。
「如月、、、過去の事件控えをみて、後悔していることがあるんだよ」
「それはな、、、俺の捜査はあらっぽいだろう、、、、だから、犯人逮捕の時にすぐに拳銃を使ってしまう。。
そんな逮捕時に、第三者に怪我をさせたりしている。。。」
「その第三者の被害者に。。。。轟警部補の妹さんがいたんだよ。。。そして、運悪く死亡していたんだ。。
俺、本当に後悔している。。。」
「如月、、、本当に今、まいって要るんだよ。。」
流警部はことの次第を、、、悩みを話して、さらに悩みながら酒を飲んだ。
話を聞いた如月巡査部長も困っていた。
その夜、流警部は深酒をしてしまった。


10)(深酒で寝覚めが悪い流警部)
前夜、飲みすぎたのか頭が痛い。。。。
正直悩んだいた、、、、同僚の轟警部補の妹の件では、、、
謝って済むものではないことも分かっていた。
しかし、話さなければならないと。。。
もし、轟警部補が妹の復讐のために、俺を撃ち、家族を殺していたらと
思うと、、、
正直言って、どうしていいかわからなかった。。。。
流警部はもう少し時間をおいて、、、様子を見て判断しようと思った。」

11)(流警部の心揺らぐ)

流警部はいくら考えても、正直言って考えがまとまらなかった。、、、
自分の過去の行動が、今回の引き金になっていたとは、、、、のである
若さにはやり、検挙率一番とはやっていた自分が蒔いた種とは思いもよらなかった。
自分の軽挙妄動が人を不幸に落としれ、取り返しの付かない過ちを起こしていたことの、、、
罪の重さを思い知ったのであった。
自分の軽挙妄動が恨めしかった。
しかし、反省しても遅かった、、、、どう、接していいか、分からなかったのである。
今頃になって、過去の過ちが、自分に覆いかぶさってくるとは、、、、
それでも何とかしなければならない。
部下でもあり、同僚の轟警部補にはどうすればいいのか、、、正直分からなかった。。。
今まで、轟警部補の心中を察したら、、、なんと,わびればいいのか。。。
自分への最初の攻撃というか、、、仕打ちを見ればわかる。
彼は妹さんの恨みを自分に向けてきたのだ、、、、そして、片目を失い、、、今も銃弾の破片が
流警部の頭の中には残っているのであった。
轟警部補にしてみれば、、、今すぐにでも、流警部を撃ち殺したいのだと、思ってるはずだ。
それをじっと、、しているのだ、、、、仇が 目の前にいるのに,、、
そのことを思うと、流警部は耐えられなかった。
流警部としては、、、死んでわびなければならないところだったが、自分の場合も妻と子供をころされているので、、、
どうしても、割り切れなかった。
今の流警部には、、、どうしていいのか、分からなく、、、、毎日、酒を飲んでいた。


12)(流警部の心を決めたものは、、、、)

毎晩、居酒屋で酒を飲み、悩んでいた時に、、、警視庁殺人課から連絡が入った。
当時、汚職事件で担当刑事が行方不明になり、、、その担当刑事が殺されたことが分かり、
流警部にも召集がかかった。
そして、その犯人が立てこもっていて、、、人質を取っていたのであった。
その人質は小学生3年生とのことであり、、、、警察としては、今、説得してる最中で
、その周囲を取り囲んでいるところであった。
流警部も、轟警部補と合流して、逮捕のための準備をしていた。
以前の流警部だったら、強硬突入していたところであったが、、、、できなかった。
指示を待って、取り囲んだ中にいた。
そこへ、上司の殺人課長が来て、、、
「流、、、どうだ、、、強硬突入できるか、、、」と聞かれたが
返事が出来なかった。
依然の流警部なら、やっていたかも知れない。
しかし、今は出来なかった。
そして、轟警部補を見た、、、、
その時、「流警部、、、あなたなら出来るよね、、、」
と言われたが、体が震えた。
そして、みんなが思っているのだ,、、
流健次郎警部は思った、、、
今度こそ話そうと、、轟警部に真実を話して、謝れるものなら心を尽くして謝ろうと。
それで、人質救出に立ち向かうことをきめたのであった。
「おい、、、今からそっちへ行くから、、撃つなよ、、、話があるから」
と、、、流警部は拳銃を犯人の見えるとこで地面においた。
「いいか、、、拳銃は持っていない、、丸腰だからな、、撃つなよ」
そうして、犯人の目のまえに歩いて近付いた。。」
犯人が「止まれ、、、それ以上近付いたら子供撃つぞ、、」と、脅してきたのである。。
「わかった、、、あんた、子供を撃ったら罪が重くなるから、、どうだ、、俺と人質の交換をしないか、、、俺は丸腰だし、片目片手の片和だから何もできない。。」と、、言って更に近付いて行った。
そして、犯人も流警部の容姿を見て、安心したらしく、子供との人質交換を飲んでくれたのである。
無事、人質の子供を返してもらい、子供が轟警部補のもとに戻ったことを確認した流警部は犯人を撃ったのであった。
失った片手から銃が撃たれて、犯人は崩れるように倒れた。
流警部の行動を見ていた周囲の警察官は流石にとおもったのである。
特に轟警部補は人質を庇いながらその逮捕劇を見ていたのであった。
轟警部補はおもったのである。。。流警部は警察には必要な警察官であり、
頼りがいのある刑事だと。
しかし、、流警部は命を捨てて犯人逮捕に尽力をしていく姿を轟警部補にみせたかったのである。
そして、心の中では葛藤して、、迷いが生じていた。



13)流警部を狙っている奴は別だった。

流警部は轟警部補を誘って、居酒屋八千代に飲みに行ったのである。
どうしても、轟警部補とははっきりしておきたいと思った、、、それで、思い切り聞いてみたのである。
「轟よ、、、お前に聞いておきたいことがある、、もし、それが事実なら、お前はどうする気でいるのか、、本当のところを教えて欲しい、、正直に答えてくれ、、、」と、、、ずばり、聞いてみたのであった。
「もし、そのことで,こだわっていたら、正面向かって言った欲しい」
轟警部補は逆に聞いてきた。
「なんですか、、、改まって、、僕は警部には何も言うことはありませんよ、、警部は凄い人だと思っています、、
警察官として尊敬していますから、、、」
と、、答えが返ってきたのである。
「じゃあ、、、轟よ、お前の妹さんを俺が犯人逮捕の時に撃ってしまったことを恨んではいないのか、、、本当の気持ちを教えて欲しい、、、言って欲しい」
と、、、流警部は短刀直入にいたのだった。
「ああ、、、そのことですか、、、恨んでなんかいませんよ、あれは不可抗力ですから、、、仕方がないことですし、、妹も恨みになんかおもっていませんから、、
安心してください、、」
と、、轟は遠い昔の思い出話をする様に答えてくれたのだった。
流警部は信じがたかった、、、本当なのかと。。しかし、轟警部補が言うのだから信じないわけにはいかなかったのである。
一緒に仕事をしている仲間を信じないわけにはいかなかった、、、信じなけれなこれからの警察業務を、、時には命がけの警察業務をできないのである。
流警部は轟警部補の言葉を信じた。



14)流警部は初めから自分のやってきた警察業務を見直した。

流警部は自分のやってきた捜査をもう一度、見直すことにしたのであった。自分の逮捕した犯人の再捜査をすべて、人を頼らずに自分の手で、目で確認し始めたのである。今までは全ての資料を如月巡査部長に調べてもらっていたが、今回は見える片目で資料をみたのであった。如月巡査部長を信じないわけではないが、、、すべてを再確認したかったのである。
勿論、如月巡査部長には手伝ってもらってはいるが。。。
「如月、、、ごめんな、二重手間になってしまって、、どうしても、見落としが無いか、調べたいのでな、、、宜しく頼む」
と、、流警部は誤った。
過去の記録も膨大なものであったが、、流警部は出来るだけ記憶をたどったのである。。。
犯人逮捕の時に、犯人や関係者を射殺した事件や、誤認逮捕が無かったか、資料を見ながら過去の事件を追っていった。
流警部もあまりにも犯人逮捕が多く、強引な捜査が多かったので、思い当たる事件が浮かんでこなかったのである。
一緒に再資料の検査をしていた如月巡査部長が一つの奇妙な事件を見つけてくれた。
7年前になるのかな、、、立てこもり事件で、一緒に捜査していた先輩警部の館林総一郎という警察官が殉職したことがあったのである。
その時の事件は、流警部がまだ警部補時代であり、館林警部の指揮下にあって、流警部は犯人逮捕時に発砲はしていなかったので、見落としていたが、、、犯人の撃った拳銃で館林警部が撃たれたのであった。
確かに、犯人逮捕時には現場にいたが、直接には銃撃戦には参加していなかったのである。
その殉職した際に、館林警部の援護射撃の中の一人ではあった。
しかし、まだ、警視庁捜査一課に配属になったばかりで経験も浅かったので、援護射撃ができなかったのである。
流警部は如月巡査部長から、その資料を見せられたので、、、そんなことは無いとは思うが、、、調べてみることにした。
そして、館林総一郎警部の住まいを訪ねることにしたのである。
埼玉県草加市の住居に家族は住んでいなかった。
館林警部の家族は妻の里美の実家に引っ越していたのである、、、茨城県つくば市に家族3人で済んでいたのであった。
息子の修一は現在23歳になり、陸上自衛隊特殊部隊勤務で、、娘の茜は22歳になり、警察学校を卒業して現在は警視庁生活安全課勤務であった。
実家を訪ねた流警部は奥さんの里美さんから話を聞いてびっくりしたのである、、、
館林警部が殉職したのは、援護射撃を担当していた当時警部補だった「流健次郎」の射撃ミスであったと聞かされていたという話であった。
当時、館林警部と同僚の「大河内重一」から聞かされていたのである。現在は警視まで出世して管理官を務めている。
その話を聞かされて、奥さんの里美さんは流警部補を恨んだこともあったというのであった。。多分、二人の子供たちも恨んでいたと思います、、、聞かされて愕然とした。
「そうだったのか、、それでは人を恨むよな、、、」そう思った流警部であった。


15)人に恨みを残すこととは、、、

雪崩警部補は警察間としての仕事に誇りを持って生きて来たのであった。世の中の悪に向かって、社会悪を、そして、悪事を働いた人間を罰することが正義と思い、悪人退治をしてきたつもりだった。
しかし、人の道にはやってはいけないことが、、、正しいと思っても、その悪への向き合いが間違うこともあるようだったのではないかと、、今となっては思うのである。
どんな悪にも、社会悪にも理由はあるのだと、、それらを正しての裁きが必要なのではないのか、、、
昔の歴史物語にもあるような「大岡裁き」が出来ればと、、最近の流警部を思うこともある。
ただ、がむしゃらに「猪武者」のような突進は違うような気がしてきたのであった。
流警部は悪への怒りから、何が何でも目の前の敵を倒さなければ、、逮捕しなかければと「しゃにむに」犯人へ向かっていったような気がするのである。
そのための犠牲は仕方がないと、、、今の流警部に出きることは反省と後悔だけだった。
しかし、何かできるはずと日々、葛藤する流警備である。
自分が撃たれt事や家族の命を奪った奴は、殺したいほど憎い、、、その原因を辿ればすべて自分の至らなさに帰ってくるのであった。しかし、、それでも犯人は憎い。
流警部は事情を知ったうえでも、今回の犯人に復讐行為が出来るかと、、自問自答したのであるが、、、自分に自信がもてなかった。
流警部は館林警部の事件を、当時の状況を調べた、、、入念に調べたのである。
自分に落ち度はなかったかと、、、あの時の自分の行動に迷いはなかったかと、、、何故、援護射撃ができなかったか、、、もし、援護射撃が旨くいってたら、、自分が犯人を銃撃していたら、、館林警部は死ななかったかも知れない。確証はなかったのである。。。
自信を持って、あの時の行動は間違っていなかったと言えるのか、、、何度も思い返した。
しかし、はっきり、「間違っていなかった」と、、言えなかったのである。
迷ったそんな、ある晩に如月巡査部長を誘って居酒屋「八千代」で飲んだ。
今回の流警部の計画を初めから知っていたのは、如月巡査部長だったので、、その晩は「愚痴」をこぼしたのである。
その晩は酔ったせいもあるのか、、、流警部も自分の心の迷いを覗かせたようだった。
「警部、、、難しいですよ。人の気持ちを知るということは、、、」
と、、、如月巡査部長はぼそりと答えたのである。
そして、居酒屋八千代のママが。。。「
「ケンちゃん、、、人に答えを求めては駄目だ、、、私もうっすらと話は分かるけどね、、
如月ちゃんもこまっているよ、、、大変だけど自分の人生だから、今夜はうーんと飲んで寝てしまえば、、明日は明日の風がふくから、、、」
と、、慰めにはならない慰めを聞きながら夜は更けた。










































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