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しおりを挟む「あいつも水以外で挑めばまだいい勝負になったかもしれないものを…」
「シェード、私は負けるつもりなんてありませんよ?」
もとより私は負ける気がないのだ。
まだ、回復魔法も、聖属性もあるのだ。
いざとなれば聖を反転させ闇で勝ったし。
それか、怪我を追わせることも考えれば回復魔法を反転させれば難なく勝てるのだ。
うわー、回復魔法最強じゃん。
まぁ、それを言うつもりはないが。
「ルー、先程の魔法は……」
「あれは、私ではなくシヴァのものです。
シヴァは水を得意としていますから」
「そういうこと、ですか……」
ルドは考えるような素振りを見せてから、思い出したように私を労った。
「次、ジェラルド対クロエ!!」
「…私の番、ですか」
「ルド、頑張ってください。
応援しています」
「っ…はい。
ありがとうございます、ルー」
少しだけ嬉しそうに微笑んだルドはそのまま舞台へと上がっていく。
ルドの対戦相手であるクロエさんは布で口元を覆い隠している。
まるで、暗殺者のような格好だった。
「クロエの属性は闇だ。
特に影を操る術を得意としている」
……あれ?
益々暗殺者っぽいイメージになってきたんだけど?
「初め!」
開始の合図でルドは風を操り空に浮かぶ。
確かにそれならば影はあまり意味が無くなってくるだろう。
だが、だからといってそう簡単に止まるとは思えないが。
「あいつ……大技で仕留める気か?」
というシェードの言葉でハッとする。
だが、そのような大技を使う時の魔力の流れとは少し違うように感じる。
クロエさんはといえば、一旦影の中に入り息を殺して隠れている。
これでは埒が明かない気もするが。
「自由を尊びし気高き風達よ……舞い上がれ」
ルドは嵐のように風を操る。
つまり、場内に出てくればクロエさんは場外へ吹き飛ばされ失格となる。
……かなり酷い気もするが。
「…………降参」
クロエさんは先生の背後に出てくるとポツリと降参の一言を口にした。
「お疲れ様です、ルド」
「ありがとうございます、ルー」
「相変わらず酷いな、ジェラルド」
シェードの言葉から察するにルドの戦い方はいつもこんな感じなのだろう。
ちなみに、私ならあの風に乗ってルドの付近まで行ってから反転させてルドの魔法を両方共消してからの攻撃、かな。
その後、私達3人は順調に勝ち上がり、準決勝で私とルドがようやく当たった。
「ルーには負けません」
「私も負けるつもりはありません。
……今回、シヴァを使う気もありません。
純粋な私の能力だけで戦います」
それはルドに敬意を表してのことだ。
ただ、純粋に戦ってみたい。
そう思ったのだ。
それが伝わったのだろう。
ルドは微かに微笑んだ。
「双方いいな?
初め!!」
その合図で私達は動き出した。
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