青の追蹤

須磨 優壱

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色褪

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これで何度目だろう。
嫌な夢を見た。4年前の学生時代の夢だ。
ぼやけた視界が鮮明になっていくのを感じながら、枕元のスマートフォンへと手を伸ばす。
時刻は午前4時。
隣で眠る彼女を起こさないよう、静かに身体を起こす。

静寂な暗闇の中で、俺は眩しかった青色の季節を思い出していた。
それは確かな記憶として、まるで昨日の事のように、色鮮やかに再生されていく。
俺は未だに、あの輝きが忘れられない。
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