処刑官キリエ

中田ムータ

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第一部

Act.7 オムツの中

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ココナッツミルクプリンの最後の一口を食べ終えたムータロは、何年かぶりの満腹感を味わっていた。そして満腹感もさることながら、膝枕で準密着したキリエから香るえもいわれぬよい芳香が、ムータロをさらなるヘブン状態へと誘っていた。満腹の至福感とその芳香とのコラボレーションは、ムータロの中にもう一つの本能的欲求を湧き立たせた。
下半身のある部位に血が集まり、それは徐々に屹立していく。そしてあたかも自らの意思を持っているかのように、彼の分身はオムツの前を突き破らんと激しく主張しはじめた。

キリエに悟られまいと、さりげなく体を横にしてオムツの前を死角にしようとするムータロ。
しかし、処刑官として職務をこなす中で磨かれたキリエの観察眼は、ムータロの体のいかなる微細な変化も見逃すはずがなかった。

「そうだ、忘れてた。オムツ替えてあげるね❤︎」

にんまり笑ってキリエが言う。無論これは、ムータロの動揺や狼狽を観察するための、いじわるな意図的婉曲である!
そしてキリエの思惑通り、大いに狼狽するムータロ!

「も、もらひてないれふ! おひっこもうんこもでないでふ! おむつかえなくてだいじょうぶれふ!」

「本当に? 事前処置のとき、あんなにいきんで泣いてたでしょう?」

「ほ、ほんとにだいじょうぶれふぅ⋯⋯! あっ、あっ、やめてくらはい!」

「ふふ、だーめ。ほら、オムツの中見せてごらん!」

嫌がってベッドの上を這って逃走するムータロをふんづかまえ、無理やりオムツをひっぺがすキリエ!

「ほらぁ、やっぱりうんちが漏れちゃってるじゃない。それに⋯⋯あらあら、これはどうしたのかなぁ。大きくなって、ピクピクしてるよ❤︎」

「うぅぅ⋯⋯あぁぁぁ⋯⋯ご、ごめんなふぁい⋯⋯うっ、うっ⋯⋯」

堪え難い羞恥と、キリエを怒らせてしまったのかもしれないという恐怖で泣き出すムータロ。
そんなムータロの頭をキリエは優しく胸に抱き寄せる。

「いいよ⋯⋯。男の子だもんね。」

優しい声音で言う。続けて、

「私に欲情したの?」ストレートな問い。

「は、はい⋯⋯」ムータロは素直に答えた。

「私のどこに?」

「ひ、ひざまくらで、ず、ずっと、いいにおいがひてて⋯⋯おなかいっぱいでかいでたら、お、おれ、なんかきもひよくなって⋯⋯」

恥ずかしそうに答えるムータロ。

「そっかぁ⋯⋯膝枕でいい匂いがして、それが良かったんだ。ふーん⋯⋯」

「じゃあ、素直に答えたご褒美に、明日はすごくいいことをしてあげる。楽しみにしてなさい❤︎」


今日はもう寝なさい。事前処置を頑張って疲れたでしょう。

そんな言葉をかけて、キリエはムータロを寝かしつけた。
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