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第六十三話 かねきくぅぅん!
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───結界───
結界とは体内にあるMPを体外に排出し硬化させる技術である。硬化させたMPで攻撃を防ぐのが主な利用方法となる。スキルではないため、特訓をしたら誰でも出来るようになる。また、結界の硬度は使用者の魔力と消費MPに依存する。──────Maoupediaより抜粋
☆ ☆ ☆ ☆
「動きがあった」
「む?そうか」
俺の言葉に雑談していた3人が顔を上げてナップとコレトの席へと視線を向ける。
2人は席から立ち上がってレジへと向かっている途中だった。
「3人は外で2人の行方を追ってくれ。俺は会計をしてから追いかける」
「了解じゃ。ミル、シース、行くぞ」
3人は気配を完全に消してナップとコレトを追いかける。3人が店が出たのを確認し、俺は入口と逆の席へと足を進める。そして、サングラスをかけているコーヒーを飲んでいる女性の向かいに座る。
「奴は?」
「現れたわ。でもまだ行動を起こす気配はないわね」
「分かった」
女性とそれだけ言葉を交わすと、俺はレジで会計を済ませて外へと出てフランと念話する。
『フラン、今どこだ?』
『大通りの武器屋の前じゃ』
『了解』
俺は大通りへ出るとアクセサリー屋の前へ向かう。すると、建物の陰から覗き込む形で武器屋の前を覗き込む3人が居た。
「どうだ?」
「2人は武器屋へ入っていった。入る前にコレトがナップ用の武器を選ぶと言っておったからそれじゃろう」
「だけど、中へはどうやって入るんだい?お店の中で後をつけたら流石に目立つと思うけど?」
「そこは考えてます。フラン」
「分かった。全員目を閉じるんじゃ。何があっても目を開く出ないぞ」
ミルとシースは不思議そうにしながらも言われた通り目を閉じる。俺も目を閉じると瞼の裏に武器や防具を選んでいるロワとコレトの様子が映し出された。
「うわっ!なにこれ!?」
「これは……店の中かしら?」
「フランのスキルで視覚と聴覚を店の中に飛ばしました。目を開くと今の視界と重なって気持ち悪くなるので気を付けてください」
「分かったよ」
のぞき見はあまり良くない事だが、追跡している段階で今更なので無視する。
武器屋の2人は最初にローブがおいてるフロアへと向かっていった。
『ナップ君はどういったローブが好き?』
沢山ローブがある中で黒のローブを手に取ってコレトがナップに聞く。
『そうですね……、防御力が高くて軽いローブが好みですね』
『そうじゃなくて、どんな見た目のローブがいいか聞いているの』
『見た目?機能面が高ければ特にこだわりはないです』
『えー、もったいない。ナップ君かっこいいから身だしなみに気を使ったらもっと格好良くなると思うのに』
『そ、そうですかね?』
顔を真っ赤にして頭を掻くナップ。分かりやすく照れているな。
「あんなに楽しそうなナップは初めて見たよ」
「そうね、いつも不機嫌そうにしているわよね」
「確かに笑ったところはあまり見ないのう」
いつも不機嫌な奴がデレデレしているのを見るのは新鮮だ。それほど嬉しかったんだな。
武器屋では2人がローブを選んでいた。コレトがいくつかのローブを手に取ってナップに広げて見せている。
『これなんかどうかな?明るめの色でナップ君に似合うと思うけど?』
『僕としてはもう少し暗めの色が好みですね』
『だったら……このローブはどうかしら?袖に模様が付いていてナップ君に似合うと思うわよ』
黒のローブの袖に白の刺繍が施されたローブをナップに見せる。
『ねえ着てみてよ』
『分かりました……どうですか?』
ナップがローブを羽織って両手を広げながらコレトに姿を見せる。
『そうね……悪くはないけど今のアンダーシャツには合わないわね』
『そうですか。でしたら他の物に────』
『でもアンダーシャツが変われば中々似合うと思うわ。この後に洋服屋さんにも行かない?』
『ぜひお願いします!』
どうやら次に行くところも決まったみたいだな。
ナップとコレトが和やかに買い物をしている様子を見てみるが胸をなでおろす。
「中々順調だね。これなら僕たちが見ていなくても大丈夫そうかな」
「どうかしら?ナップの事だから調子に乗ってボロを出すに決まっているわ」
「たまにはナップを信頼したらどうだい?」
「信頼しているからこその評価よ」
「辛辣じゃな」
「間違ってはないと思うがな」
シースとミルがナップの話をしているのを見ると自分たちの子供について話しているかのように見える。2人にとってナップは子供みたいな手のかかる子供みたいなものだろうか。
「心配ならもう少し見ていったらどうですか?」
「そうさせてもらうよ。ここまで来たら最後まで見届けたいからね」
「私もそうするわ」
こうして俺達は2人を引き続き見守ることにした。
☆ ☆ ☆ ☆
その後、ナップ達は洋服屋やアクセサリーショップを順調に廻った。太陽が傾き始めた頃、コレトの提案で2人はとある川のほとりへ来ていた。
夕日が街を赤く照らしている中、2人はベンチに座りながら流れる川を眺めていた。
「いい雰囲気じゃな」
「そうだな」
ここまでのデートの内容も良かったし、この雰囲気であれば告白しても承諾されそうだ。
そんな良い雰囲気の中で俺達が2人を固唾をのんで見守っていると、コレトがおもむろに口を開いた。
『ナップ君、今日は一緒に遊んでくれてありがとうね』
『こちらこそ今日はありがとうございました。僕も楽しかったです』
『それで……その…………』
コレトは何かを言い掛けた様に口を開いたが、言葉は外に出されることは無くそのまま口は閉ざされた。その様子を感じ取ったナップはコレトの方を見ずに口を開く。
『何か僕に隠しているですよね?』
『!?、ナップ君気が付いていたの!?』
絵を丸くしているコレトに視線を向けてナップは微笑む。
『今日一緒にいてなんとなくそんな気はしました。無理して明るくしているような感じが。具体的には何を隠しているかは分かりませんが』
『………………』
ナップの言葉を聞いたコレトは罰が悪そうに俯く。そんなコレトを見たナップはふたたび川へと視線を向けて話し始めた。
『コレトさん、実は僕────俺も無理してたんだよ』
『……ナップ君?』
不思議そうなコレトをよそにナップは話を続ける。
『コレトさんに無理やりデートしてもらっている手前、俺が下手なことをする訳にはいかない。そういう思いで俺はコレトさんのデートに臨んだ』
『………………』
『だけど、自分を隠してその人に好かれたとしても、それは本当に良い事じゃないと気が付いた。好かれているのは本当の自分じゃないからだ』
『……………………』
『本当の自分をさらけ出すのは難しいとは思う。だが、その勇気を出した時に本当の恋が始まるんだと俺は思う』
ナップは目を丸くしているコレトに向き直る。
「今のセリフはちょっと恥ずかしくないのではないか?」
「フランちゃん、今いい所なんだから静かにして」
ナップはコレトに向き直ると手を握って真っすぐにコレトを見つめながら口を開く。
『一つだけわがままを言っていいですか?』
『何?』
『今、この時だけでいいので本当のコレトさんと話せませんか?』
『…………』
ナップの言葉を聞いたコレトは黙っていたがしばらく口を閉ざす。
数秒とも数分とも感じる時間が流れると、コレトは意を決したような表情になる。
『ナップ君、実は────』
コレトは何か言葉を口にしようとした瞬間、何かに気が付いたように川の向こうへと視線を向ける。そして何かに気が付くと慌てた表情へと変わった。
『ナップ君危ない!』
『うおっ!』
コレトがナップの頭を力ずくで下げると、ナップの頭があった所を通って後ろの木にナイフが突き刺さった。
『何が起こった!?』
『いいから木の後ろへ!』
コレトがナップを連れて木の後ろへと隠れようとすると、川の向こうから男が渡ってきていた。
「一体何が!?」
「敵なの!?」
「待っとれ、わしが奴の四肢を引きちぎってくる」
フランが杖をだして意気揚々と飛び出そうとしたところを俺は手で制する。出鼻を挫かれたフランは俺を睨みつけてくる。
「なぜ止める?」
「本当に危なくなったら指示するからそれまでは待機しておいてくれ」
「なぜかを聞いておる。さっさと答えんかい」
「見てれば分かる」
フランは俺の答えに不満そうだったが渋々といった様子で杖を仕舞う。
一方、コレトとナップは川の向こうから現れた男と対峙していた。ナップは男を睨みながら杖を取り出す。
『おい、お前は何者だ?なんで俺を狙った?』
『なんでぇ狙ったぁ?』
男は首を傾げながらナイフを取り出す。そしてナイフの刃を舐めながらケタケタと笑う。
『コレト様に寄り付く悪い虫は俺が駆除しないとなぁ?』
『俺はコレトさんとそういう関係じゃない』
『覚悟しろよぉ害虫ぅ?』
『話を聞かないタイプか!』
ナップが魔法を放とうとMPを込めようとすると、男がナイフを取り出してナップに襲い掛かってきた。
『しぃねぇぇぇぇ!』
『くっ!』
ナップはナイフを杖で受け止めると、ナイフを押し返して無防備になった腹に魔法を放つ。
『火の矢!』
『がはっ!』
ナップが作り出した火の矢が男の腹へと命中し川まで吹っ飛ばす。
「やったか!?」
「ミルさんそれフラグです」
ミルの立てたフラグの通り、男は笑いながら立ち上がる。
『あひゃひゃひゃ、やるじゃないか魔法使い』
『不気味な奴だ、すぐにとどめを刺してやる』
そう言うと、ナップは次の魔法を放つ為に杖にMPを込め始める。その様子を男は笑いながら見つめている。
杖にMPを込め終えたナップは慎重に男に狙いを付ける。
「あいつ、何で何もしてこないのかしら?」
「考えられる理由はいくつかありますが、一番考えられる理由は大技を誘ってその隙を突くか────」
『これで終わりだ!炎の息吹!』
杖から放たれた炎の渦が男に向かって襲い掛かる。誰もが男の死を確信した瞬間、男の瞳がきらりと光った。
「魔法を跳ね返すスキルがあるかですね」
男の前に半径1mくらいの輪っかが現れ、炎の渦がすべて吸い込まれた。
『な!?なんだと!?』
『よそ見していいのかぁ?』
うろたえているナップの横にさっきと同じ輪っかが現れる。何が起こるか察して結界を張ったナップに輪っかから発射された炎の渦が襲い掛かる。
「ナップ!」
「ミルさん落ち着いてください。ナップはまだ生きています」
俺の言葉通り、煙が晴れてくるとボロボロになりながらもなんとか立っているナップの姿があった。
『ナップ君!』
『コレトさん下がっていてください。こいつは俺が……うっ!』
言葉を言い切る前にナップは膝をつく。その様子を見ていた男は上機嫌に鼻歌を歌いながらナップに近付いてきた。
『ふふふーん、コレト様は見ていてくださいねぇ。この害虫がぁバラバラになる姿をねぇ』
「ホウリこれ以上は限界じゃ。わしは行くぞ」
「もう少し待て」
イラついた様子のフランだったが俺が肩を掴んで止めると、鬼のような形相になったが一応は止まった。
俺の見立てだとナップのHPは4分の1を切っているしMPも火球が打てない程度しかないだろう。だが、それでもナップの目は闘志を失っていない。
俺の見立て通り、ナップは杖にもたれかかりながらもなんとか立ち上がる。
『はぁはぁ……』
『立ち上がらない方がいいぜぇ?苦しむ時間が増えるだけだからなぁ!』
立ち上がったナップの腹に男が蹴りを入れる。
『うぐっ!』
ナップは一瞬倒れそうになったが、なんとか足で踏ん張って男を睨みつける。そんなナップを見た男は顔から笑顔を無くして目を鋭くする。
『なんで倒れないんだよ』
『……俺がコレトさんを守る。そう決めたから俺は倒れない。それだけだ!』
『うぜぇんだよお前は!』
殴りかかったナップの拳をかわした男はナイフをナップの喉元に向けて突き出した。瞬間──────
『は!』
突然男のナイフが何者かの足によって弾き飛ばされる。男は驚いた表情で足が伸びてきた方へ顔を向けると、その顔に肘鉄が突き刺さった。
突然の出来事にナップが呆けていると、男とナップの間にそいつが立ちはだかった。
『……コレトさん!?』
『やあ!』
コレトは肘鉄で悶絶している男の足を払って体制を崩すと、倒れてきた男を蹴り上げる。
『があ!』
『これで……とどめよ!』
コレトが飛び上がり、倒れこんだ男の背中に蹴りを加える。すると何かが折れる嫌な音と共に男が白目をむいて意識を失った。
男が意識を失った事を確認したコレトは紐を取り出して男の手と足を縛り始める。その様子を見たナップは呆けながらもなんとか話し始めた。
「コレトさん、これは一体……うっ!」
緊張がゆるんだのか、ナップが地面へと倒れる。
『ナップ君!』
コレトは倒れたナップを機へともたれ掛からせる。そして、傷に手をかざすとナップの体が淡い青の光に包まれた。
コレトの治療を受けながら、ナップは再び疑問を口にした。
『コレトさん、奴は一体?』
『簡単に言えば私のストーカーね』
コレトは治療を続けながらナップに説明を始める。
数日前にコレトの元に脅迫状が届いた。内容は『神殿長であるコレト・ガーナは誰かと付き合う事は許されない。よって今の彼氏と別れろ。さもなくば彼氏を殺す』というものだった。差出人は不明だった。一番の問題としてコレトには彼氏と言われている人物の心当たりがなかったのだ。犯人を逮捕するまでに関係ない人が襲われる訳にはいかない。そこで、憲兵と相談した結果、おとり捜査をすることになった。
『本当はホウリ君とやるつもりだったけど、ホウリ君は自由に動きたいからってナップ君を紹介されてね』
『俺への隠し事はそれですか』
ナップが合点がいったようにうなずく。
ナップと同じように合点がいったのかしきりに頷く。
「なるほど、コレトの性格が不自然だったのは恋人に見せかけるためじゃったか」
「そういう事だ」
「なんでナップには伝えてなかったんだい?」
「ナップに伝えたら警戒しすぎて不自然になりそうだったからな」
「あー、ありそうね」
私服の憲兵を何人か紛れ込ませていて、犯人を取り抑える準備は万端だった。しかし、中々犯人が姿を見せなかったため、コレトには人気が無い場所に向かうように伝えておいた。案の定、犯人は姿を見せてくれたって訳だ。
「じゃが、なぜ犯人が現れた段階で取り押さえなかった?」
「ナップのためだ」
「ナップの?」
「男が現れた段階でナップはコレトを守るという決意を固めていた。そこに俺達が現れて犯人を取り押さえたらどうなる?」
「ナップの立つ瀬がなくなるね」
「だからナップには死なない程度に命を張ってもらおうと思ってな」
コレトも強いしあまり心配はしていなかったし、コレトの事だから自分で決着を付けたかっただろうしギリギリまで手を出すのは避けたかった。
コレトも俺達の存在以外の説明を済ませると目に涙を溜めながらナップへと頭を下げた。
『私の事情でこんなに危険な目に合わせちゃってごめんなさい』
『…………』
説明を聞き終えたナップは無表情で黙りこくる。
『謝っても許されることじゃない事は分かっている。けど────』
『コレトさん』
泣きそうなコレトの言葉をナップが遮る。
『確かにコレトさんがやったことは誉められたことではないとは思う。なにせ殺されかけているんだからな』
『…………』
『けど』
ナップは無表情な顔を笑顔に変える。
『戦っている時のコレトさんは着飾っていない本当のコレトさんだった。俺はそれが見られただけで満足だ』
『ナップ君……』
コレトは涙をぬぐうと再びナップへと頭を下げる。
『ありがとう、ナップ君』
『コレトさん、もう一つだけ我儘をいっていいか?』
『何かしら?』
『来週もう一度俺とデートして欲しい。今度はお互いに本当の自分でな』
『うん!』
ナップの言葉にコレトは満面の笑みで頷く。
「……行くか」
「そうだね」
「そうじゃな」
「そうね」
その様子を見た俺達は2人に声を掛けずにその場を後にしたのだった。
結界とは体内にあるMPを体外に排出し硬化させる技術である。硬化させたMPで攻撃を防ぐのが主な利用方法となる。スキルではないため、特訓をしたら誰でも出来るようになる。また、結界の硬度は使用者の魔力と消費MPに依存する。──────Maoupediaより抜粋
☆ ☆ ☆ ☆
「動きがあった」
「む?そうか」
俺の言葉に雑談していた3人が顔を上げてナップとコレトの席へと視線を向ける。
2人は席から立ち上がってレジへと向かっている途中だった。
「3人は外で2人の行方を追ってくれ。俺は会計をしてから追いかける」
「了解じゃ。ミル、シース、行くぞ」
3人は気配を完全に消してナップとコレトを追いかける。3人が店が出たのを確認し、俺は入口と逆の席へと足を進める。そして、サングラスをかけているコーヒーを飲んでいる女性の向かいに座る。
「奴は?」
「現れたわ。でもまだ行動を起こす気配はないわね」
「分かった」
女性とそれだけ言葉を交わすと、俺はレジで会計を済ませて外へと出てフランと念話する。
『フラン、今どこだ?』
『大通りの武器屋の前じゃ』
『了解』
俺は大通りへ出るとアクセサリー屋の前へ向かう。すると、建物の陰から覗き込む形で武器屋の前を覗き込む3人が居た。
「どうだ?」
「2人は武器屋へ入っていった。入る前にコレトがナップ用の武器を選ぶと言っておったからそれじゃろう」
「だけど、中へはどうやって入るんだい?お店の中で後をつけたら流石に目立つと思うけど?」
「そこは考えてます。フラン」
「分かった。全員目を閉じるんじゃ。何があっても目を開く出ないぞ」
ミルとシースは不思議そうにしながらも言われた通り目を閉じる。俺も目を閉じると瞼の裏に武器や防具を選んでいるロワとコレトの様子が映し出された。
「うわっ!なにこれ!?」
「これは……店の中かしら?」
「フランのスキルで視覚と聴覚を店の中に飛ばしました。目を開くと今の視界と重なって気持ち悪くなるので気を付けてください」
「分かったよ」
のぞき見はあまり良くない事だが、追跡している段階で今更なので無視する。
武器屋の2人は最初にローブがおいてるフロアへと向かっていった。
『ナップ君はどういったローブが好き?』
沢山ローブがある中で黒のローブを手に取ってコレトがナップに聞く。
『そうですね……、防御力が高くて軽いローブが好みですね』
『そうじゃなくて、どんな見た目のローブがいいか聞いているの』
『見た目?機能面が高ければ特にこだわりはないです』
『えー、もったいない。ナップ君かっこいいから身だしなみに気を使ったらもっと格好良くなると思うのに』
『そ、そうですかね?』
顔を真っ赤にして頭を掻くナップ。分かりやすく照れているな。
「あんなに楽しそうなナップは初めて見たよ」
「そうね、いつも不機嫌そうにしているわよね」
「確かに笑ったところはあまり見ないのう」
いつも不機嫌な奴がデレデレしているのを見るのは新鮮だ。それほど嬉しかったんだな。
武器屋では2人がローブを選んでいた。コレトがいくつかのローブを手に取ってナップに広げて見せている。
『これなんかどうかな?明るめの色でナップ君に似合うと思うけど?』
『僕としてはもう少し暗めの色が好みですね』
『だったら……このローブはどうかしら?袖に模様が付いていてナップ君に似合うと思うわよ』
黒のローブの袖に白の刺繍が施されたローブをナップに見せる。
『ねえ着てみてよ』
『分かりました……どうですか?』
ナップがローブを羽織って両手を広げながらコレトに姿を見せる。
『そうね……悪くはないけど今のアンダーシャツには合わないわね』
『そうですか。でしたら他の物に────』
『でもアンダーシャツが変われば中々似合うと思うわ。この後に洋服屋さんにも行かない?』
『ぜひお願いします!』
どうやら次に行くところも決まったみたいだな。
ナップとコレトが和やかに買い物をしている様子を見てみるが胸をなでおろす。
「中々順調だね。これなら僕たちが見ていなくても大丈夫そうかな」
「どうかしら?ナップの事だから調子に乗ってボロを出すに決まっているわ」
「たまにはナップを信頼したらどうだい?」
「信頼しているからこその評価よ」
「辛辣じゃな」
「間違ってはないと思うがな」
シースとミルがナップの話をしているのを見ると自分たちの子供について話しているかのように見える。2人にとってナップは子供みたいな手のかかる子供みたいなものだろうか。
「心配ならもう少し見ていったらどうですか?」
「そうさせてもらうよ。ここまで来たら最後まで見届けたいからね」
「私もそうするわ」
こうして俺達は2人を引き続き見守ることにした。
☆ ☆ ☆ ☆
その後、ナップ達は洋服屋やアクセサリーショップを順調に廻った。太陽が傾き始めた頃、コレトの提案で2人はとある川のほとりへ来ていた。
夕日が街を赤く照らしている中、2人はベンチに座りながら流れる川を眺めていた。
「いい雰囲気じゃな」
「そうだな」
ここまでのデートの内容も良かったし、この雰囲気であれば告白しても承諾されそうだ。
そんな良い雰囲気の中で俺達が2人を固唾をのんで見守っていると、コレトがおもむろに口を開いた。
『ナップ君、今日は一緒に遊んでくれてありがとうね』
『こちらこそ今日はありがとうございました。僕も楽しかったです』
『それで……その…………』
コレトは何かを言い掛けた様に口を開いたが、言葉は外に出されることは無くそのまま口は閉ざされた。その様子を感じ取ったナップはコレトの方を見ずに口を開く。
『何か僕に隠しているですよね?』
『!?、ナップ君気が付いていたの!?』
絵を丸くしているコレトに視線を向けてナップは微笑む。
『今日一緒にいてなんとなくそんな気はしました。無理して明るくしているような感じが。具体的には何を隠しているかは分かりませんが』
『………………』
ナップの言葉を聞いたコレトは罰が悪そうに俯く。そんなコレトを見たナップはふたたび川へと視線を向けて話し始めた。
『コレトさん、実は僕────俺も無理してたんだよ』
『……ナップ君?』
不思議そうなコレトをよそにナップは話を続ける。
『コレトさんに無理やりデートしてもらっている手前、俺が下手なことをする訳にはいかない。そういう思いで俺はコレトさんのデートに臨んだ』
『………………』
『だけど、自分を隠してその人に好かれたとしても、それは本当に良い事じゃないと気が付いた。好かれているのは本当の自分じゃないからだ』
『……………………』
『本当の自分をさらけ出すのは難しいとは思う。だが、その勇気を出した時に本当の恋が始まるんだと俺は思う』
ナップは目を丸くしているコレトに向き直る。
「今のセリフはちょっと恥ずかしくないのではないか?」
「フランちゃん、今いい所なんだから静かにして」
ナップはコレトに向き直ると手を握って真っすぐにコレトを見つめながら口を開く。
『一つだけわがままを言っていいですか?』
『何?』
『今、この時だけでいいので本当のコレトさんと話せませんか?』
『…………』
ナップの言葉を聞いたコレトは黙っていたがしばらく口を閉ざす。
数秒とも数分とも感じる時間が流れると、コレトは意を決したような表情になる。
『ナップ君、実は────』
コレトは何か言葉を口にしようとした瞬間、何かに気が付いたように川の向こうへと視線を向ける。そして何かに気が付くと慌てた表情へと変わった。
『ナップ君危ない!』
『うおっ!』
コレトがナップの頭を力ずくで下げると、ナップの頭があった所を通って後ろの木にナイフが突き刺さった。
『何が起こった!?』
『いいから木の後ろへ!』
コレトがナップを連れて木の後ろへと隠れようとすると、川の向こうから男が渡ってきていた。
「一体何が!?」
「敵なの!?」
「待っとれ、わしが奴の四肢を引きちぎってくる」
フランが杖をだして意気揚々と飛び出そうとしたところを俺は手で制する。出鼻を挫かれたフランは俺を睨みつけてくる。
「なぜ止める?」
「本当に危なくなったら指示するからそれまでは待機しておいてくれ」
「なぜかを聞いておる。さっさと答えんかい」
「見てれば分かる」
フランは俺の答えに不満そうだったが渋々といった様子で杖を仕舞う。
一方、コレトとナップは川の向こうから現れた男と対峙していた。ナップは男を睨みながら杖を取り出す。
『おい、お前は何者だ?なんで俺を狙った?』
『なんでぇ狙ったぁ?』
男は首を傾げながらナイフを取り出す。そしてナイフの刃を舐めながらケタケタと笑う。
『コレト様に寄り付く悪い虫は俺が駆除しないとなぁ?』
『俺はコレトさんとそういう関係じゃない』
『覚悟しろよぉ害虫ぅ?』
『話を聞かないタイプか!』
ナップが魔法を放とうとMPを込めようとすると、男がナイフを取り出してナップに襲い掛かってきた。
『しぃねぇぇぇぇ!』
『くっ!』
ナップはナイフを杖で受け止めると、ナイフを押し返して無防備になった腹に魔法を放つ。
『火の矢!』
『がはっ!』
ナップが作り出した火の矢が男の腹へと命中し川まで吹っ飛ばす。
「やったか!?」
「ミルさんそれフラグです」
ミルの立てたフラグの通り、男は笑いながら立ち上がる。
『あひゃひゃひゃ、やるじゃないか魔法使い』
『不気味な奴だ、すぐにとどめを刺してやる』
そう言うと、ナップは次の魔法を放つ為に杖にMPを込め始める。その様子を男は笑いながら見つめている。
杖にMPを込め終えたナップは慎重に男に狙いを付ける。
「あいつ、何で何もしてこないのかしら?」
「考えられる理由はいくつかありますが、一番考えられる理由は大技を誘ってその隙を突くか────」
『これで終わりだ!炎の息吹!』
杖から放たれた炎の渦が男に向かって襲い掛かる。誰もが男の死を確信した瞬間、男の瞳がきらりと光った。
「魔法を跳ね返すスキルがあるかですね」
男の前に半径1mくらいの輪っかが現れ、炎の渦がすべて吸い込まれた。
『な!?なんだと!?』
『よそ見していいのかぁ?』
うろたえているナップの横にさっきと同じ輪っかが現れる。何が起こるか察して結界を張ったナップに輪っかから発射された炎の渦が襲い掛かる。
「ナップ!」
「ミルさん落ち着いてください。ナップはまだ生きています」
俺の言葉通り、煙が晴れてくるとボロボロになりながらもなんとか立っているナップの姿があった。
『ナップ君!』
『コレトさん下がっていてください。こいつは俺が……うっ!』
言葉を言い切る前にナップは膝をつく。その様子を見ていた男は上機嫌に鼻歌を歌いながらナップに近付いてきた。
『ふふふーん、コレト様は見ていてくださいねぇ。この害虫がぁバラバラになる姿をねぇ』
「ホウリこれ以上は限界じゃ。わしは行くぞ」
「もう少し待て」
イラついた様子のフランだったが俺が肩を掴んで止めると、鬼のような形相になったが一応は止まった。
俺の見立てだとナップのHPは4分の1を切っているしMPも火球が打てない程度しかないだろう。だが、それでもナップの目は闘志を失っていない。
俺の見立て通り、ナップは杖にもたれかかりながらもなんとか立ち上がる。
『はぁはぁ……』
『立ち上がらない方がいいぜぇ?苦しむ時間が増えるだけだからなぁ!』
立ち上がったナップの腹に男が蹴りを入れる。
『うぐっ!』
ナップは一瞬倒れそうになったが、なんとか足で踏ん張って男を睨みつける。そんなナップを見た男は顔から笑顔を無くして目を鋭くする。
『なんで倒れないんだよ』
『……俺がコレトさんを守る。そう決めたから俺は倒れない。それだけだ!』
『うぜぇんだよお前は!』
殴りかかったナップの拳をかわした男はナイフをナップの喉元に向けて突き出した。瞬間──────
『は!』
突然男のナイフが何者かの足によって弾き飛ばされる。男は驚いた表情で足が伸びてきた方へ顔を向けると、その顔に肘鉄が突き刺さった。
突然の出来事にナップが呆けていると、男とナップの間にそいつが立ちはだかった。
『……コレトさん!?』
『やあ!』
コレトは肘鉄で悶絶している男の足を払って体制を崩すと、倒れてきた男を蹴り上げる。
『があ!』
『これで……とどめよ!』
コレトが飛び上がり、倒れこんだ男の背中に蹴りを加える。すると何かが折れる嫌な音と共に男が白目をむいて意識を失った。
男が意識を失った事を確認したコレトは紐を取り出して男の手と足を縛り始める。その様子を見たナップは呆けながらもなんとか話し始めた。
「コレトさん、これは一体……うっ!」
緊張がゆるんだのか、ナップが地面へと倒れる。
『ナップ君!』
コレトは倒れたナップを機へともたれ掛からせる。そして、傷に手をかざすとナップの体が淡い青の光に包まれた。
コレトの治療を受けながら、ナップは再び疑問を口にした。
『コレトさん、奴は一体?』
『簡単に言えば私のストーカーね』
コレトは治療を続けながらナップに説明を始める。
数日前にコレトの元に脅迫状が届いた。内容は『神殿長であるコレト・ガーナは誰かと付き合う事は許されない。よって今の彼氏と別れろ。さもなくば彼氏を殺す』というものだった。差出人は不明だった。一番の問題としてコレトには彼氏と言われている人物の心当たりがなかったのだ。犯人を逮捕するまでに関係ない人が襲われる訳にはいかない。そこで、憲兵と相談した結果、おとり捜査をすることになった。
『本当はホウリ君とやるつもりだったけど、ホウリ君は自由に動きたいからってナップ君を紹介されてね』
『俺への隠し事はそれですか』
ナップが合点がいったようにうなずく。
ナップと同じように合点がいったのかしきりに頷く。
「なるほど、コレトの性格が不自然だったのは恋人に見せかけるためじゃったか」
「そういう事だ」
「なんでナップには伝えてなかったんだい?」
「ナップに伝えたら警戒しすぎて不自然になりそうだったからな」
「あー、ありそうね」
私服の憲兵を何人か紛れ込ませていて、犯人を取り抑える準備は万端だった。しかし、中々犯人が姿を見せなかったため、コレトには人気が無い場所に向かうように伝えておいた。案の定、犯人は姿を見せてくれたって訳だ。
「じゃが、なぜ犯人が現れた段階で取り押さえなかった?」
「ナップのためだ」
「ナップの?」
「男が現れた段階でナップはコレトを守るという決意を固めていた。そこに俺達が現れて犯人を取り押さえたらどうなる?」
「ナップの立つ瀬がなくなるね」
「だからナップには死なない程度に命を張ってもらおうと思ってな」
コレトも強いしあまり心配はしていなかったし、コレトの事だから自分で決着を付けたかっただろうしギリギリまで手を出すのは避けたかった。
コレトも俺達の存在以外の説明を済ませると目に涙を溜めながらナップへと頭を下げた。
『私の事情でこんなに危険な目に合わせちゃってごめんなさい』
『…………』
説明を聞き終えたナップは無表情で黙りこくる。
『謝っても許されることじゃない事は分かっている。けど────』
『コレトさん』
泣きそうなコレトの言葉をナップが遮る。
『確かにコレトさんがやったことは誉められたことではないとは思う。なにせ殺されかけているんだからな』
『…………』
『けど』
ナップは無表情な顔を笑顔に変える。
『戦っている時のコレトさんは着飾っていない本当のコレトさんだった。俺はそれが見られただけで満足だ』
『ナップ君……』
コレトは涙をぬぐうと再びナップへと頭を下げる。
『ありがとう、ナップ君』
『コレトさん、もう一つだけ我儘をいっていいか?』
『何かしら?』
『来週もう一度俺とデートして欲しい。今度はお互いに本当の自分でな』
『うん!』
ナップの言葉にコレトは満面の笑みで頷く。
「……行くか」
「そうだね」
「そうじゃな」
「そうね」
その様子を見た俺達は2人に声を掛けずにその場を後にしたのだった。
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