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魔導書
9.詠唱型と魔法陣型
正しく術式を発動するためには、定められたレシピ通りに魔力を配置し、言霊(『魂』や、『意志』や、『念』と言い換えてもいい)を込めた言葉や、文字で命令を込める必要がある。
魔法というのは、そもそも星の心と、人の精神に起因する力。
そのため、念じる、という行為はまやかしでもなんでもなく、真に効力を発揮する。
特に、修練を積んだ魔法使いの『意志の力』は、術式の起動に無くてはならないものだ。
ちなみに、この時の使用する言葉は、どのような種類の言語でも構わない。
エルフ語でも、人族共通言語でも、魔神語でも。
そこに、意志や念を籠めることができるならば、言葉の違いが術式の発動に影響することは無い。
そして、術式の起動方法には、念の籠め方の違いにより、二つの方法が存在する。
つまり魔術師はその二つのタイプに分類されるわけだが。
一つは、言葉で術式を起動する、詠唱型の魔術師。
もう一つは、呪文によって術式を起動する、魔法陣型の魔術師。
この二つのタイプは、明確に利点と欠点を有するため、どちらが優れているかという議論はさほど意味を持たないだろう。
けれど、魔法陣型の方が新しい時代の魔術師であり、さらに現在の主流となっているため、逆に詠唱型の魔術師は古臭いというイメージが魔法使いの間で囁かれているらしい。
二つのタイプの術式の違いを列挙する。
詠唱型。
●詠唱を段階的に省略可能。(品質は犠牲になる)
●詠唱完了後に、術式が発動する。
●術者のメンタルや状況で、術の品質が左右される。(品質が不安定)
●その場で細かい調整が可能。
●術式図をアドリブで思い描くことが可能なら、その場で魔術を生み出せる。
●魔法に対する知識や理解がある方が扱いが上達する。
●一々手間がかかるため、より玄人向け。
●考え方としては、マニュアル型ともいえる。
魔法陣型
●あらかじめ呪文を刻んだ『陣』を構築しておく必要がある。
●術式名を宣言する発動宣言が必ず必要。
●発動宣言後に、魔法陣が展開し、自動的に術式を発動する。
●発動宣言だけ行えれば、後の全てを魔法陣に任せることができる。
●その場で細かい調整は不可能。
●術者のメンタルや状態で術の品質が左右されない。(品質が一定)
●発動宣言が出来ない状況では、発動できない。(言葉が出ないなど)
●発動までに常に一定の時間を有する。
●魔法陣の製作技術の腕前が如実に影響する。
●術式図をそのまま魔法陣に変換可能。
●魔道具の作成に使用できるため、応用が利く。
●陣を準備しておく意外に手間が無いため、簡単で手軽。
●考え方としては、オートマティック型とも言える。
魔法使いを目指す限り、どちらのタイプを選択するのか、早い段階で決めておいた方が、短い人族の寿命を無駄にしなくて済むのではないだろうか?
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