本を読み、私は考える

MIA

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『流浪の月』 凪良ゆう・著

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誘拐された少女と、誘拐した青年の出会いから別れ。その先に何が待ち受けているのかを描かれた作品。

久しぶりに良作だった。と染み染みと感じました。
何とも言えない読了感だけど、深く考えされる。

人はどうして本人でもないのに他人をわかった気になるのだろうか。
その状況を経験した本人にしかわからない感情、体験、現実を理解できるわけがない。
共感できるわけもない。
なのに、同情する。

それは傲慢で、無責任で。
人間とはつくづく身勝手な生き物だと痛感する。

わかってほしい。も。わかってるよ。も。
私は求めない。
だって、私はその人ではない。
何でも知ってる神様なんかじゃない。

物語を読んでいて、私は主人公の最後の決断に爽快さを感じました。
そう、それで良いと。
理解を求めることで苦しいならば、自分の世界で生きた方が何倍も幸せじゃないかと思ってしまう。

他人は他人。
所詮はわかりえない。

理解しようとすることは優しさなのかもしれない。
だけど、その優しさが万人に通用するわけではないのだ。
そうして、歪められた感情や真実は時に針となる。
チクチクと心を刺すそれは、痛みを伴い、苦痛を引き起こす。

この作品を読んだら、それがどれほどまでの無自覚の攻撃なのかが痛烈に伝わる。

人は人。

それを改めて感じさせてくれるお話でした。
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