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第543話:無能の宿娘
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「あなた、なにを…言ってるの?
新しいユニファ様ってどういうこと…?」
水晶玉の向こうで赤子と少女を囲う、老いたハイエルフ達。
その状況だけでも頭がクラクラしてるってのに、もう一人の『私』は爆弾を投下してきた。
「…族員ノオ婆様、アナタシアガ気ヅイタノヨ。
レイト君ガ祭壇デ壊シタ、モウ一ツノ水晶玉ニ『妖魂』ヲ御スル鍵ガアルッテネ。
アノ水晶玉ニ入ッテイタ力ガ何カハ覚エテル?」
「それは…ユニファ様の『霊魂』って話だったわよね?」
「エエ、ソウヨ。ユニファ様ノ『幽焔』ハ、『擬体』ト『霊魂』ガアッテ初メテ完成スル。
奴ラ、ソノ真実ニ自力デタドリ着イタワ。
一族ノ血ナンカノタメダケニ、アノ子ヲ…!」
『私』はそう言うと、憎々しげに族員たちを睨みつけた。
とても自分と同じ顔とは思いたくないほどの、凄まじい形相…。
もしかして、私が怒ったときっていつもこんな感じなのかしら…?
「…ねえ、〝ミュアヘッド〟。最初から教えて。
グスタフに拐われたあと、何があったの?」
それはともかく、今は状況を整理しないと。
時間も襲われてからどれくらい経っているのか分からないわ。
「アナタ、ヤッパリ覚エテイナイノネ…。
イヤ、自覚シテナイダケデ本当ハ覚エテルハズ。
『滅霊解放』ヲアンナ直ニ受ケタンダモノ」
「シャード…なんですって?」
『幻霊』でも似た魔法があったわね。
ひと握りの戦士だけが扱える、霊力の大技。
そんな話をイザークから聞いたことがある。
『私』は小さく息をつくと、歪んだ表情を改めて、説明を始めた。
「イイワ、全テ教エテアゲマショウ。
ココへ連レラレテ来タノハ、午前4時頃ヨ。
アノ通リ、族員ガ全員デ待チ構エテイタノ」
4時か…襲われた時刻から逆算すると、それなりに時間が経過してしまっているわね。
…というか、族員たちの姿が見えないと思ったら、まさかここに居たなんて。
よくドノヴァン山を登れたものだわ。
それともグスタフが彼らをこっそり迎えに来ていたのかしら?
「彼ラハズット、社デユニファ様ヲ造ルタメノ『霊魂』ノ準備ヲシテイタノヨ。
『霊魂』ニ欠ケテイタモノハ二ツ。
壊レタ水晶玉ニ代ワル物ト、霊魂ノ器ヨ。
ツマリ、『私達』カ『ヴェロニカ』ッテワケ」
「は、はぁ!?」
ちょ…いきなり意味が分からないわよ!
どうしてその二つに私らが関係するの!?
「『霊魂』ッテ言ウノハネ、霊体ノ核ノコトヨ。
核ヲ特殊加工デ施サレタ水晶玉ニ入レルト『霊魂』ガ出来上ガル…奴ハソウ言ッテイタワ」
「奴って…アナタシアが?」
彼女はこくりと頷いた。
あの人、霊魂の知識なんてどこで知ったのかしら…?
「ダケド、霊体ノ核ヲ取リ出スコトナンテ、誰モヤッタコトナイシ、普通デキッコナイデショ?
ダカラ奴ハ考エタノヨ…『妖魂』ヲ使ッテ霊魂ヲ〝抽出〟デキナイカッテ」
「…!!!」
な、なんてこと…!!
「最初ハアナタニ『妖魂』ヲ掛ケテ、命令デ自発的抽出ヲ試ミタノ。
ダケド、全クウマクイカナカッタ。
心ガ分裂シタバカリノ『私』ハ、誰ノ命令モ聞ケズ、タダタダ発狂シマクッタワ」
「……」
「次ニサレタ事ガ、サッキ言ッタ『滅霊解放』。
肉体カラ霊体ヲ引キ摺リ出ス魔法ヨ。
恐ラク、威力ヲ調整スレバ霊魂ダケヲ狙エルトデモ思ッタンデショウネ」
…なんとなく、経緯が見えてきた。
もしかするとこの魔法で私は…。
「オ察シノ通リ、ソレモ失敗シタ。
乱暴ニ霊体ヲ抜カレタ『私達』ハ、身体ヲ失イ、グスタフガ持ッテキタ水晶玉へ憑依シタノ。
イツマデコノ状態ガ保テルノカハ知ラナイケド、コッチヨリモ最悪ナ事ガ、イマ目ノ前デ起キテイルワ」
「そ、それって…!」
私と『私』は、再び水晶玉の外へ視線を向けた。
大の大人達がよってたかって赤ん坊を虐めている、狂気ですら生ぬるい異常な光景…。
「ヴェロニカ。アイツラハ、アノ子ノ霊魂ヲ直接〝手作業〟デ取リ出ソウトシテルノヨ…!
生マレテ間モナイ、アンナ幼イ赤子ヲ!!」
「…ッ! ひどい…」
あそこにいる人間は、『ヒト』じゃない。
人の皮をかぶった悪魔よ!
あんな奴らに私は…!
「ゴメン…ゴメンなさい、ナターシャ姉さん。
私、私…ヴェロニカを守れなかった…!
ゴメンなさ…うう、うっ…、あああ…!」
硝子にへばりつきながら、膝を落とす。
私はいつも口ばっかりだ。
理想だけ語るのは一丁前で、他の面倒事や尻拭いはいつも他人任せ。
私は何か一つでも、自分の力だけで成し遂げたことはあるの?
先週や今日だってそうだ…村が大変な時期に、私は宿の娘だからと理由を付けて、レイト君たちに迷惑を押し付けていたじゃない。
抗うことも、幼い命を守ることもできない私は…なんて〝無能〟なんだろう。
「…ヨウヤク認メルノネ? 『私』ヲ」
「……… (コクン)」
「タシカニ『私』ハ能無シノ役立タズヨ。
大ノ運動音痴ダシ、恋愛経験モナイシ、口ノ五月蝿サダケ天下一品ノ、喧シイ女ダワ」
「……そ、それは、ちょっと言い過ぎ…」
「ソレデモ、絶対ニ譲レナイ物ノ一ツクライ…『無能ノ私達』ニダッテアル」
「え…?」
背中に感じるヒンヤリとした感触。
『私』は私の腕を引いて、自らの正面へ立たせた。
「思イダシテ、〝ミュアヘッド〟。
夏ノアノ日、エリートイザークハアナタノ夢ヲ受ケ入レテ、応援シテクレタデショウ。
アナタ…イエ、『私達』ニハ、夢ヲ現実ニシナケレバイケナイ義務ガアルトイウコトヲ」
新しいユニファ様ってどういうこと…?」
水晶玉の向こうで赤子と少女を囲う、老いたハイエルフ達。
その状況だけでも頭がクラクラしてるってのに、もう一人の『私』は爆弾を投下してきた。
「…族員ノオ婆様、アナタシアガ気ヅイタノヨ。
レイト君ガ祭壇デ壊シタ、モウ一ツノ水晶玉ニ『妖魂』ヲ御スル鍵ガアルッテネ。
アノ水晶玉ニ入ッテイタ力ガ何カハ覚エテル?」
「それは…ユニファ様の『霊魂』って話だったわよね?」
「エエ、ソウヨ。ユニファ様ノ『幽焔』ハ、『擬体』ト『霊魂』ガアッテ初メテ完成スル。
奴ラ、ソノ真実ニ自力デタドリ着イタワ。
一族ノ血ナンカノタメダケニ、アノ子ヲ…!」
『私』はそう言うと、憎々しげに族員たちを睨みつけた。
とても自分と同じ顔とは思いたくないほどの、凄まじい形相…。
もしかして、私が怒ったときっていつもこんな感じなのかしら…?
「…ねえ、〝ミュアヘッド〟。最初から教えて。
グスタフに拐われたあと、何があったの?」
それはともかく、今は状況を整理しないと。
時間も襲われてからどれくらい経っているのか分からないわ。
「アナタ、ヤッパリ覚エテイナイノネ…。
イヤ、自覚シテナイダケデ本当ハ覚エテルハズ。
『滅霊解放』ヲアンナ直ニ受ケタンダモノ」
「シャード…なんですって?」
『幻霊』でも似た魔法があったわね。
ひと握りの戦士だけが扱える、霊力の大技。
そんな話をイザークから聞いたことがある。
『私』は小さく息をつくと、歪んだ表情を改めて、説明を始めた。
「イイワ、全テ教エテアゲマショウ。
ココへ連レラレテ来タノハ、午前4時頃ヨ。
アノ通リ、族員ガ全員デ待チ構エテイタノ」
4時か…襲われた時刻から逆算すると、それなりに時間が経過してしまっているわね。
…というか、族員たちの姿が見えないと思ったら、まさかここに居たなんて。
よくドノヴァン山を登れたものだわ。
それともグスタフが彼らをこっそり迎えに来ていたのかしら?
「彼ラハズット、社デユニファ様ヲ造ルタメノ『霊魂』ノ準備ヲシテイタノヨ。
『霊魂』ニ欠ケテイタモノハ二ツ。
壊レタ水晶玉ニ代ワル物ト、霊魂ノ器ヨ。
ツマリ、『私達』カ『ヴェロニカ』ッテワケ」
「は、はぁ!?」
ちょ…いきなり意味が分からないわよ!
どうしてその二つに私らが関係するの!?
「『霊魂』ッテ言ウノハネ、霊体ノ核ノコトヨ。
核ヲ特殊加工デ施サレタ水晶玉ニ入レルト『霊魂』ガ出来上ガル…奴ハソウ言ッテイタワ」
「奴って…アナタシアが?」
彼女はこくりと頷いた。
あの人、霊魂の知識なんてどこで知ったのかしら…?
「ダケド、霊体ノ核ヲ取リ出スコトナンテ、誰モヤッタコトナイシ、普通デキッコナイデショ?
ダカラ奴ハ考エタノヨ…『妖魂』ヲ使ッテ霊魂ヲ〝抽出〟デキナイカッテ」
「…!!!」
な、なんてこと…!!
「最初ハアナタニ『妖魂』ヲ掛ケテ、命令デ自発的抽出ヲ試ミタノ。
ダケド、全クウマクイカナカッタ。
心ガ分裂シタバカリノ『私』ハ、誰ノ命令モ聞ケズ、タダタダ発狂シマクッタワ」
「……」
「次ニサレタ事ガ、サッキ言ッタ『滅霊解放』。
肉体カラ霊体ヲ引キ摺リ出ス魔法ヨ。
恐ラク、威力ヲ調整スレバ霊魂ダケヲ狙エルトデモ思ッタンデショウネ」
…なんとなく、経緯が見えてきた。
もしかするとこの魔法で私は…。
「オ察シノ通リ、ソレモ失敗シタ。
乱暴ニ霊体ヲ抜カレタ『私達』ハ、身体ヲ失イ、グスタフガ持ッテキタ水晶玉へ憑依シタノ。
イツマデコノ状態ガ保テルノカハ知ラナイケド、コッチヨリモ最悪ナ事ガ、イマ目ノ前デ起キテイルワ」
「そ、それって…!」
私と『私』は、再び水晶玉の外へ視線を向けた。
大の大人達がよってたかって赤ん坊を虐めている、狂気ですら生ぬるい異常な光景…。
「ヴェロニカ。アイツラハ、アノ子ノ霊魂ヲ直接〝手作業〟デ取リ出ソウトシテルノヨ…!
生マレテ間モナイ、アンナ幼イ赤子ヲ!!」
「…ッ! ひどい…」
あそこにいる人間は、『ヒト』じゃない。
人の皮をかぶった悪魔よ!
あんな奴らに私は…!
「ゴメン…ゴメンなさい、ナターシャ姉さん。
私、私…ヴェロニカを守れなかった…!
ゴメンなさ…うう、うっ…、あああ…!」
硝子にへばりつきながら、膝を落とす。
私はいつも口ばっかりだ。
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私は何か一つでも、自分の力だけで成し遂げたことはあるの?
先週や今日だってそうだ…村が大変な時期に、私は宿の娘だからと理由を付けて、レイト君たちに迷惑を押し付けていたじゃない。
抗うことも、幼い命を守ることもできない私は…なんて〝無能〟なんだろう。
「…ヨウヤク認メルノネ? 『私』ヲ」
「……… (コクン)」
「タシカニ『私』ハ能無シノ役立タズヨ。
大ノ運動音痴ダシ、恋愛経験モナイシ、口ノ五月蝿サダケ天下一品ノ、喧シイ女ダワ」
「……そ、それは、ちょっと言い過ぎ…」
「ソレデモ、絶対ニ譲レナイ物ノ一ツクライ…『無能ノ私達』ニダッテアル」
「え…?」
背中に感じるヒンヤリとした感触。
『私』は私の腕を引いて、自らの正面へ立たせた。
「思イダシテ、〝ミュアヘッド〟。
夏ノアノ日、エリートイザークハアナタノ夢ヲ受ケ入レテ、応援シテクレタデショウ。
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