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第4章:ゴブリン・スタンピード
VSゴブリンジェネラル
しおりを挟む武器をしまったユリウスは、ぐっと拳を握りしめる。
ユリウス……もしかして素手でゴブリンジェネラルと戦うつもりなの?
レイリーさんに良い武器を貰ったはずなのに、ユリウスは使うつもりはないみたいだ。一体、どうして?
「ユリウス、やっぱり私も手伝う?」
断られるだろうと思ったけれど、念のため聞いてみると、 ユリウスの答えは「大丈夫だ」で、予想通り断ってきた。
「早く終わらせて、帰ろう! だから、そこで待ってて!」
「う、うん、わかった!」
早く終わらせて家に帰りたいのは確かなことなんだけど、きっと簡単なことじゃないよね。
ユリウスは私を心配させないために、明るく言ってくれたんだろうな。
「じゃあ、始めるか」
ユリウスがそう言うと、グオォォォッ! とゴブリンジェネラルが吠えた。
まるで、生意気なことを言うなとでも言っているみたいだ。
そしてゴブリンジェネラルは持っている大斧を振り上げ、ユリウスめがけて振り下ろす。
ユリウスはゴブリンジェネラルの動きを読んでいたんだろう、後ろにジャンプして逃れた。
大斧はユリウスが居た地面を深く割り、瓦礫が舞う。
すごい一撃……あれが当たれば、間違いなく即死だ。
「ガアァァァッ! グオォォォッ!」
ゴブリンジェネラルはユリウスの倍以上の巨体であるというのに、動きが速かった。
地面を割った大斧を持ち上げると同時に、再びユリウスへと振り下ろす。
ユリウスはまたゴブリンジェネラルの攻撃を上手く避けたけれど、ゴブリンジェネラルのスピードに少し驚いているようだった。
「ユリウス!」
心配になって声をかけると、ユリウスからはまた大丈夫だと返ってきた。
ユリウスはゴブリンジェネラルから距離を取ると、ファイヤーボールを放つ。
ゴブリンジェネラルには魔法攻撃はあまり効かないと思ったんだけど、ユリウスは気づかなかったのかな?
それとも、何か考えがあるの?
ユリウスはファイヤーボール……火魔法の後、ゴブリンジェネラルに水魔法、風魔法、雷魔法、氷魔法を次々に撃ち込んだ。
だけどどの魔法も、ゴブリンジェネラルにとっては、大したダメージにはなっていない。
「グオォォォ! グオォォォー!」
吠えると同時に、ゴブリンジェネラルは再び大斧を振り上げ、ユリウスへと突進した。
ユリウスは振り下ろされた大斧を避けると、再び魔法を放つ。
今度放った魔法は、どの魔法も少し威力が大きいような気がした。
だけどゴブリンジェネラルは、斧で魔法攻撃を防ぐと、魔法攻撃が途切れると同時斧を振り上げてユリウスを襲う。
ユリウスもまた攻撃を避けると、隙をついて魔法で攻撃を行う。
今度の攻撃は、先ほどの魔法攻撃よりももう少し強いものだった。
まるで、少しずつ強さの調整しているみたいだ。
そしてユリウスが、私が先ほど上位種のゴブリンに撃ったファイヤーボールの五倍くらいの大きさのファイヤーボールを撃ったところで、それを受けたゴブリンジェネラルはよろめき、膝をついた。
今までの魔法攻撃も、じわじわ効いていたのかもしれない。
ゴブリンジェネラルはすぐには立ち上がれないようだった。
ユリウスはもちろんその隙を見逃さず、ゴブリンジェネラルの頭上へと跳ぶと、ゴブリンジェネラルの頭上から氷魔法のアイスランスを何本も撃ち込む。
アイスランスは深くゴブリンジェネラルの巨体を深く貫いていて、ゴブリンジェネラルは持っていた重そうな大斧をぼとりと地面に落とす。
ユリウスはゴブリンジェネラルが落とした大斧を拾い上げると、再びジャンプして自分の何倍もの巨体であるゴブリンジェネラルの左肩に、不思議な緑色の光をまとった大斧を振り下ろした。
「グアァァァァ!」
ユリウスが振り下ろした不思議な緑色の光をまとった大斧は、ゴブリンジェネラルの左肩からお腹の辺りまでめり込んで砕け散った。
砕け散った斧は不思議な光を失い、散らばった破片はただの鉄に変わる。
ゴブリンジェネラルが持っていたときには、ただの鉄の斧っぽかったのに、ユリウスが持つとどうしてあんな不思議な光を放ったのだろう?
ゴブリンジェネラルは紫色の血を流しながらも立ち上がろうとしたけれど、炎魔法に続き氷魔法、そして左肩から腹の辺りまで受けたダメージに、そのまま立ち上がれずにいた。
そんなゴブリンジェネラルの前に立ったユリウスは、先ほどの斧のように不思議な緑色の光をまとった右足で、ゴブリンジェネラルの頭を蹴り――ゴブリンジェネラルの後頭部は地面を転がり、頭を失った巨体はそのまま崩れ落ちた。
「オリエちゃん、ぼく、今と同じようなの、見たことあるよ」
サーチートの言葉に、そうだねと私も頷いた。
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