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第2章・のんびりまったりスローライフ?

酔っぱらいのその後①

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「あれ? 私、どうしたの?」

「オリエ、起きた? 気分はどう? 水、飲む?」

「え? う、うん……」

 気づいたら知らない場所で、私はユリウスの腕を枕にして眠っていたようだ。
 ユリウスは体を起こすと、二つのベッドの間に置いてあるサイドテーブルから水の入ったコップを取り、私を抱き起して渡してくれた。
 ぬるめの水を少しずつ飲みながら、私は自分の記憶を探る。
 私は一体どうしたのだろう?

「ユリウス、ここ、どこ?」

「ここは、ジャンたちが取ってくれた宿だよ」

「私、どうしちゃったの?」

「美味しい料理に美味しい酒、オリエは酔っぱらって寝ちゃったんだ。君は、本当に酒に弱いよね。そこがまた可愛いんだけど」

 うひゃあ、寝ちゃったかぁ。私、本当にお酒に弱いんだよね。
 飲むとすぐに赤くなるし、眠くなっちゃう。
 何か粗相をしなかっただろうかと、おそるおそる聞いてみると、どうやら粗相はしていなかったようで、安心した。

「ごめんね、迷惑かけちゃって……」

「いや、酔っぱらって眠った寝顔は可愛かったし、オリエは酒を飲む時は俺がそばに居る時だけにしてくれているから、それは別に構わないんだけど……」

「どうかした?」

「ただ、今日は二人きりじゃないなぁって……」

「え? どういう事?」

「もう一つのベッド、見て」

 ユリウスに言われた通り、隣のベッドに目を向けると、そこには小さな体で大きなベッドを独り占めにしたサーチートが、ぽこんとしたお腹を上にして、ぷしゅぷしゅと可愛くて面白い寝息を立てながら、気持ち良さそうに眠っていた。

「サーチート?」

「うん」

 サーチートはシルヴィーク村を出てから、ジャンくんとモネちゃんと一緒に居る事が多かったけど、今日はどうしてこっちに居るんだろう?

「サーチートさ、オリエが寝ちゃった後も、思いきり飲み食いして、満足して寝ちゃったんだよね。そして、今日はジャンとモネに、よろしくお願いしますって言われて、預かった」

「サーチートを?」

「そう。ビジードでの買い物が終わったら、シルヴィーク村に戻る事になるだろ? だから、少しは二人だけにしてくださいって言われてさ」

 それで、ユリウスは食事の後、私とサーチートを連れて宿に戻って来たのだそうだ。
 ジャンくんとモネちゃんは恋人同士だけど、私とユリウスみたいに結婚しているわけじゃないし、シルヴィーク村に戻ったら、帰る家は別々だ。
 村は結界で守られてはいるけれど、閉鎖的な空間でもある。
 だから彼らは今回の買い出しで、恋人同士の甘い時間を過ごそうと思っていたのかもしれない。
 それなのに二人はずっとサーチートの面倒を見てくれていたから、なかなか二人きりになれなかったって事か。

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