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第2章・のんびりまったりスローライフ?
ルリアルーク王の衣装②
しおりを挟む「鎧とかは、作らないのか? 例えば、宝石を埋め込んだ金銀の豪華な鎧……」
「鎧かぁ。ガレアスさんが居るし、私も作れない事はないけど、うちの店の売りは、特殊な加工だからねぇ。それに、軽くて動きやすいものの方が良くないかい?」
リュシーさんの言葉は確かにその通りだと思うけど、ユリウスは、少し黙り込む。
「あんたさ、ジュニアスの事とか、あいつの好みとか、調べたのか?」
「え?」
「あんたが作ろうとしているのは、確かにいいものだと思うけど、身に着ける相手の好みでなければ、選ばれない可能性もあると思う。ジュニアスは肌以外、ルリアルーク王の色を持っていない。金銀の色に、かなり執着しているんだ。だから、金銀が目立つ衣装の方が、選ばれる可能性が高いと思うけど……」
ユリウスの発言を聞いて、リュシーさんは驚いたように、
「何、あんた、ジュニアス王子の知り合いなの?」
と言い出した。
ユリウスははっとした表情をして、
「う、噂で聞いただけだ!」
と言ったけれど、見るからに怪しかった。
まぁ、ユリウスとジュニアスが、互いに嫌い合っている兄弟だとは気づかないだろうけど、絶対に知り合いだと思われただろうな。
「でも、確かにそうだね。あんたの衣装じゃないし……ジュニアス王子の好みに寄せていないと、選ばれないよねぇ」
リュシーさんは苦笑していた。
商人ギルドから依頼を受けたけど、やっぱり乗り気じゃないのかなぁ。
いや、でも、服を作りたいっていう気持ちは、ものすごく強いような気がする。
衣装の納品までは、まだ日にちがあるらしいから、リュシーさんはいろいろと参考にさせてもらうって言っていた。
その後、私たちはリュシーさんの言っていたとっておきのお酒と、美味しい家庭料理をいただいいて、一週間後にまたお店に来ると言って、泊っている宿に戻った。
ユリウスのための衣装じゃないけれど、私はリュシーさんが作る衣装が、とても楽しみだ。
そして、多分それは、ユリウスも同じだと思う。
ちなみに、リュシーさんのとっておきのお酒をほとんど飲み干したのは、サーチートで、リュシーさんは、
「面白いけどさ、なんであんたがほとんど飲んじゃうんだよっ!」
って言って、頭を抱えていた。
サーチートは、またたくさんお酒をいただいて、お腹いっぱいで満足して寝ちゃってるんだけど、私は明日、サーチートに、しばらくの間はお酒を飲むのは禁止って言い渡そうと思っている。
最近、ちょっと、飲みすぎだもんねぇ。
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