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第3章・冒険者デビュー
商人ギルドのギルドマスター②
しおりを挟む「本当ですねぇ。これは、驚きました。思わず傅いてしまいそうになりましたよ」
そう言ったローレンスさんの声に、私は我に返った。
ユリウスは驚いたような表情で、私を見つめていた。
どうしたんだろうと考え、すぐに気づく。
私がユリウスのことを、「ルリアルーク」と呼んでしまったからだろう。
「ご、ごめん、ユリウス……」
自分がルリアルーク王である事が嫌だと思っているユリウスには、不快だったかもしれないと思いすぐに謝ると、ユリウスは優しく私を見つめたまま、首を横に振った。
「大丈夫だよ。オリエにそう呼ばれるとは思っていなかったから、少し驚いただけだ」
「そう? それならいいんだけど。あのね、ユリウス。その衣装、すごく似合ってる。すごくカッコいいよ」
「ありがとう。でも、俺に似合っていても仕方がないと思うけどね」
「そうかもしれないけど、でも、本当に似合ってるし、カッコいい」
ユリウスの褐色の肌に、白い軍服は本当に良く映えていた。
白い軍服を彩る金銀銅の刺繍は、華やかだけれどとても上品だ。
そして、マント……白の軍服のマントは、軍服と同じ白だった。
「リュシーさん、マント、白にしたんですね」
「うん。最初は、赤か青って考えていたんだけど、アンタが言っていたように、白にしたよ。どう? 良く似合っているだろう?」
「はい! とても!」
「うん! まるで、ユリウス君の服みたいだよ!」
「だから、俺に似合っても仕方ないだろ? これは、ジュニアスのために作られた衣装なんだからさ」
「いや、そうでもありませんよ。確かにジュニアス様より衣装を作れと言うご命令をいただきましたが、作る衣装はルリアルーク王の衣装ですから。私は、リュシーが作ったこの衣装は、ルリアルーク王が纏うに相応しいものだと思います」
ユリウスの言葉に首を横に振ったローレンスさんは、リュシーさんを見ると深く頷いた。
「リュシー、これは素晴らしい衣装だよ。選ばれないとわかっていても、私はこの衣装を堂々とジュニアス様にお見せするよ」
「そうでしょ! この衣装はアタシにとって、最高傑作になるよ!」
「あぁ、私もそう思う。頑張って仕上げてくれ」
「ありがとうございます」
がしりと固い握手をする、リュシーさんとローレンスさんなんだけど、今の二人の会話を聞いた私は、頭の中でクエスチョンマークを飛ばしていた。
選ばれないとわかっていても、と言うのは、どういう事だ?
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