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第3章・冒険者デビュー

商人ギルドからの依頼②

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「工務店の人たち、ユリウスさんの事、すごく強くて頼りになって、まるでルリアルーク王みたいだって言ってましたよ! あと、怪我を治してくださったそうで! 怪我人にかけてもらったポーション、特級らしいじゃないですか! 商人ギルドからお代をお支払いします!」

 ローレンスさんはそう言うと、革袋をユリウスに差し出した。
 ユリウスは気にしないでいいですよ、って言ったんだけど、ローレンスさんは首を横に振って譲らなかった。

「わかりました。では、受け取ります」

 ユリウスは頷くと、革袋を受け取った。
 中には、特級ポーションの代金……低級は三百ルド、中級は千ルド、上級は一万ルドが相場だって聞いているけど、特級はどのくらいのお値段なのだろう。
 そんな事を考えていると、まるで私の心を見透かしたみたいに、ローレンスさんが言った。

「特級ポーションの相場は、だいたい上級の三倍ですね。オリエさんはポーション作りがお上手だと、ゴムレスさんにお聞きしています。商人ギルドの方にも卸していただけると、ありがたいですね。上級でも特級でも、買取させていただきますよ」

「本当ですか? ありがとうございます」

 本当にありがたいなぁ~。
 冒険者ギルド用にこれからは低級と中級を多めに作っていくつもりだったけれど、上級や特級も作って、商人ギルドに買取をお願いしよう。

「ところで依頼の件なのですが、ユリウスさんとオリエさんに、森に伐採に行く工務店の人たちの護衛と手伝いをお願いしたいのです。お二人がGランクである事は理解していますが、そこは私がゴムレスさんに交渉しました」

「護衛と依頼? 交渉?」

 ゴムレスさんに目を向けると、護衛の依頼はDランクからしか受けられない決まりらしく、ローレンスさんが、ゴムレスさんに私たちが依頼を受けられるように交渉してくれたという事らしい。

「今回の護衛任務は、五ポイントと千ルド、工務店の手伝いの方は、二ポイントと五百ルド、さらに護衛中に討伐したゴブリンは、通常のゴブリン討伐の依頼とする。どうだ、受けるか?」

「もちろん!」

 こんな好条件の依頼、受けない選択肢なんてないよね。
 だけど、工務店の手伝いって何をしたらいいんだろう?
 木の伐採を手伝ったらいいのかな?

「もちろん伐採を手伝っていただければありがたいですが、お二人にお願いしたいのは、アイテムボックスを貸していただきたいのです。荷車に積んで馬に引かせるより、効率がいいでしょう?」

「わかりました!」

 私たちのアイテムボックス目当てとは、商人ギルドは目の付け所が違うね。
 アイテムボックスの貸し出しだけじゃなく、たくさんお手伝いをさせていただこう。


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