序列学園

あくがりたる

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虎狼の章

第60話 斑鳩の命令

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    水音みおの遺体は東の岩壁の上に葬った。
    カンナがいつも修行をする場所であり、水音が死んだ場所。
    カンナは最後まで水音と光希みつきと仲良くなることを諦めなかった。だが水音は最後までカンナを認めてくれなかった。
    水音の葬儀は体裁上学園の人間全員でやった。体裁上というのは葬儀に参列しない人間が何人かいたからだ。
    総帥である割天風かつてんぷう、水音の処刑執行の張本人畦地あぜちまりか、影清かげきよ、そして神髪瞬花かみがみしゅんか。師範勢は体特の重黒木じゅうくろきと弓特の神々廻かがまえの2名しか参列しなかった。

    葬儀が終わり一段落した翌日の放課後。カンナは蔦浜つたはまと共に割天風の居室を訪れた。
    この部屋に入るのは入学以来のことだった。               
 重苦しい雰囲気は変わっていない。変わったのは割天風の後ろにいる女があかねリリアではなく、畦地まりかだということだ。
    カンナと蔦浜は割天風の机の前で直立した。

「割天風先生。水音と光希はなぜ学園の規定で裁かれず死罪になったのですか?」

    カンナは率直に言った。
    まりかは割天風の後ろでつまらなそうに窓の外を眺めていた。

「その答えを、儂が言うと思ったのか? お主ら生徒の疑問に儂が答えたことなどあったか? いちいち説明する必要はない。説明が必要な場合はその都度こちらから説明する」

「生徒が1人が死んでいるんですよ!?」

    カンナは怒鳴った。
    しかし割天風は微動だにしない。後ろのまりかはゆっくりと割天風の横に出てきた。

「いい? カンナちゃん。学園の決定は絶対。生徒に文句があるならその生徒より上になればいい。つまりは序列仕合で勝てばいい。でもね、学園総帥である割天風先生は学園そのもの。お馬鹿なカンナちゃんでも分かるわよね? 納得がいかないなら出て行きなさい」

    まりかの口調は厳しかった。
    カンナは口を閉じた。学園からは出て行きたくない。せっかく見つけた”居場所”なのだ。       
    ここでたくさんの友達が出来た。また1人流浪の旅をするのは嫌だった。
    たじろぐカンナを見兼ねて隣に立っていた蔦浜が口を開いた。

「説明するのは責任者として当然の責務です!  何故説明出来ないんですか? やましいことがないなら説明してください! すべてを隠し通していてはほかの生徒達もいずれ声を上げますよ?」
 
    普段へらへらとしていて頼りない蔦浜がいつになくカッコよくに見えた。

「総帥になんて事を言うのかしらこのガキは!  総帥に拾ってもらった恩を忘れたのかしら??」

「良い。まりか」

    イラついて身を乗り出したまりかを割天風は手で制した。

「知りたいことがあるなら力ずくで聞け。それがこの学園の規則じゃ。儂の方針が気に入らなければ儂を倒すことじゃ」

「そんな……先生を倒すなんて……私はただ」

「出て行くのも自由。止めはせん」

    心が折れかけたカンナに割天風は追い打ちを掛けてきた。カンナにこの学園から出ていくという覚悟はない。
     カンナは一礼して部屋を出た。慌てて蔦浜もカンナの後を追った。
    2人が出て行ったのを確認すると割天風は出されていた茶を啜りながら言った。

「まりか。珍しいのぉ。お前が笑顔を解いて話すなど」

「澄川カンナ。私はあの女が好きではないのです。見ていると虫唾が走るんです。あの真っすぐで純粋な目。総帥のお許しが出ればすぐにでも澄川カンナを殺したいです」

    まりかは笑顔を作り直しながら言った。

「澄川カンナだけは殺してはならぬぞ。柊舞冬ひいらぎまふゆの時のような事をしたらまりか、今度はお前の首が飛ぶぞ」

「はい……」

    割天風の言葉にまりかは静かに返事をした。




    カンナと蔦浜は割天風の居室を後にして体特寮へ歩いていた。
    夕日が水平線に綺麗に輝いていた。
    肩を落とすカンナに蔦浜が声を掛けた。

「カンナちゃん、総帥に直談判して駄目ならもう打つ手はないよ。俺達はやるだけの事はやった。後は連れ去られた光希をどうやって助けるか。それを考えよう」

    光希の事は割天風もまりかの報告ですでに知っており帝都軍の久壽居くすいに捜索の依頼を出したという。しかしカンナはそれすらも信じられなかった。
    突然、肩に手が置かれた。
    カンナは咄嗟に反応し、手を置いてきた人物を投げ飛ばした。

「うおっ!?」
 
    何故か目の前には蔦浜が倒れていた。

「あ、あれ? 蔦浜君!?」
 
    カンナは状況的に蔦浜が肩に手を置いたことをようやく理解した。

「酷いなカンナちゃん。いきなり投げるなんて。カンナちゃんが消えてしまいそうな程小さくなってたから励ましてやろうと思ったんだよ!」

    蔦浜は起き上がりながら身体のホコリを払った。

「ご、ごめん……ちょっと考え事してて…身体が反応しちゃった」

「ま、まあ体術使いはそうでなくっちゃ……いでっ!?」

    蔦浜が言い終わらぬうちに真っ赤な棒が蔦浜の頭を後ろから叩いた。

「蔦浜ぁ……カンナに触るな! コラ! 立て! カンナに手出すなんて私のこの豪天棒ごうてんぼうの味がお気に入りなのね?」

    つかさは相変わらずの巨乳をゆさゆさと揺らしながら蔦浜の前髪を引っ張り引きずり回していた。

「カンナも、こいつは女好きのクソ野郎なんだから気を付けないとダメだよ! どうせカンナに近付いたのも身体目当てじゃないの?」

「ち、違う! カンナちゃんは違う!」

「つかさ、いいよ。私を元気づけようとしてくれたんだから。もうやめてあげて」

    カンナの意外な返事につかさはキョトンとしてカンナを見つめた。

「カンナがいいっていうなら……いいか」

    つかさは蔦浜の前髪を放しカンナの隣に立った。

「ところでつかさ。何か用があって来たんじゃないの?」

    カンナの質問につかさは思い出したかのように本題を切り出した。

「そうだそうだ。このエロガキのせいで忘れるところだった。御影みかげ先生が呼んでる。この後予定なければ御影先生の部屋に来て」

    カンナは御影の招集ということですぐに用件が思い当たった。

「つかさ。蔦浜君も連れて行っちゃ駄目かな?」

    つかさはカンナの蔦浜擁護に驚いていたようだ。

「カンナがいいならいいんじゃない?」

    つかさはカンナの意見なら基本的に尊重してくれた。そういうところもカンナは大好きだった。
    カンナは蔦浜に招集の説明を簡単に済ませ、つかさと蔦浜の3人で御影の部屋へ向かった。

    部屋には前回集まったメンバーである御影、斑鳩いかるが、リリア、詩歩しほあかりがいた。
    蔦浜はつかさに棒で叩かれた頭をさすりながらカンナの後に続いて部屋に入って来た。

「斑鳩さん、お疲れ様です……って、げっ!」

    蔦浜は斑鳩に挨拶したかと思うと何かに驚きカンナの後ろに隠れるように立った。

「蔦浜!? なんでそいつがいんだよ!?」

    椅子に座って肉まんをかじっていた燈は蔦浜の顔を見るや否や立ち上がり睨み付けた。

「言われると思ったー!! なんで火箸さんもいるんですかー!?」

    蔦浜は燈が苦手なのか物凄く嫌な顔をして言った。つかさのようなタイプも苦手なのだから燈はもっと苦手なのだろう。それは分からなくもない。

「おい! カンナ! お前こんな奴連れてきたのかよ!? 大丈夫か!? このエロガキ」

    蔦浜は他の女子生徒にはあまり好かれていないようだった。エロガキと呼ばれているがカンナにはそのような印象はなかった。

「リリアさーん火箸さんが酷いこと言うんですよ! なんとか言ってやってくださいよー」

「燈。いきなりそんな事言っちゃダメでしょ? 蔦浜君だってカンナちゃんが大丈夫だと思って連れて来たんだから」

「はぁ? リリアさんさぁ、こんな奴に優しくしちゃ駄目だぜ? そのうち胸の1つでも揉まれるぞ」

    燈は蔦浜に優しくするリリアに不満げに忠告した。
    それを聞いたリリアは顔を赤らめ腕で胸を隠す仕草をした。

「そ、そんな事俺したことないし!? なんでそんなイメージが!? あ、詩歩ちゃん、お疲れ!」

「やぁ、久しぶり」

 蔦浜の挨拶に詩歩は右手を小さく上げて答えた。

「ほーら、詩歩にも馴れ馴れしく話し掛けて!  詩歩も気を付けろよ」

「俺と詩歩ちゃんはタメで同期だから仲良いんだよな!」

「仲良くはない」

    詩歩の痛烈な言葉に蔦浜の心は折れた。

「まあ座りなよ。蔦浜君」

    カンナは優しく席に座るように促した。

「澄川が蔦浜を連れて来たのならそれはそれでいい。では早速、俺と御影先生が調べた事を話す」

    斑鳩が本題を切り出したので全員席に着いた。
    燈は相変わらず肉まんをばぐばぐと頬張っていた。

「その前に澄川。今回は辛かったな。身体の具合は大丈夫か? 俺も同じクラスの仲間がこうなってしまったことはとても辛い。だから俺は澄川が周防水音すおうみおに託された篁光希たかむらみつきの奪還に協力する」

    斑鳩の突然の発言に場が静まり返った。

「斑鳩さん、ありがとうございます。でもきっと光希を取り戻すには学園から出て行かないといけません。響音ことねさんのように学園を去る覚悟が必要だと思うんです」

    カンナは下を向きながら言った。

「学園を抜ける? そんな事しなくても、総帥に頼んでその光希って奴の奪還任務をやらせてもらえばいいだろ!」

    燈はいつの間にか肉まんを完食しておりさも簡単な事とばかりに言った。

「その総帥が簡単にそんな事してくれるかって問題でしょ? 燈」

    リリアは優しく燈を諭した。

「そうだな。協力するとは言っても大陸側へ行かないとならなければ簡単にはいかない。だがそれに関しては俺にいい考えがある。その前にまずは調査結果を聞いてくれ」

    斑鳩の話に全員が静まり返った。
    御影は眼鏡を掛け手元の資料を見ていた。

「柊の件だが、学園に拘束されていない事が確認出来た。これは俺が地下牢を見聞して来た。その他学園の隅々まで調べたが柊が拘束された可能性は極めてゼロに近い。もしも隠し部屋などがあれば別だが俺はこの学園にはいないと思っている」

「じゃあどこに? 畦地さんの言う通り特殊任務に出たんですか?」

    カンナが質問した。
    すると御影が手元の資料を置き眼鏡を外した。

「それもまりかちゃんの嘘ね。辛い話だけど、舞冬ちゃんはもうこの世にはいないわ」

    御影の言葉に斑鳩を除く全員が声を上げて驚いた。

「そ、そんな殺された……ってこと??」

    つかさが恐る恐る御影に聞いた。

「恐らく。それも学園にね。その証拠に学園のある場所で血痕を見つけたの。その血痕が残念ながら舞冬ちゃんのDNAと一致したわ。そしてその血痕は海へと続いていた」

「嘘……舞冬さん……」

    皆愕然として言葉を失っていた。
    さらに御影は続けた。

「もちろん周辺の捜索も私と斑鳩君でやったけど、海の中までは探しきれなかったわ。実際に学園の者の仕業か青幻せいげんの仕業かまでは分からない」

    御影の言葉を補足するように斑鳩が言った。

「ほかの証拠となるものは何も出なかった。学園の陰謀も今のところは何も分からない」

    その報告に方方で溜め息が漏れていた。

「そこで俺は新たな情報元として俺に付いている3人の見張りを拘束する。そうすることでまた進展があるだろう」

「危険ですよ! 斑鳩さん!」

    誰よりも早くカンナが身を乗り出し反論した。

「危険を侵さないと真実は知り得ない。そういう状況になっている」

    斑鳩の言葉にカンナは先程蔦浜と一緒に割天風の居室でした問答を思い出した。確かに何の情報も得られなかった。リリアが側近だった時代も何の情報も教えてくれなかったという。

「それでも……斑鳩さんだけが危険を犯すのはおかしいです……私も」

「澄川、これは俺が最も適任だ。俺は覚悟は出来ている」

    カンナが堪らず斑鳩を説得しようとしたがその意志の固さにそれ以上の言葉が見付からなかった。

「覚悟というのは、学園から出て行く覚悟ですか? 斑鳩さん」

    今度はリリアが問い掛けた。

「違う。死ぬ覚悟だ」

    斑鳩の覚悟に場はしんとした。

「嫌ですよ! そんなの!」

「柊は死んだんだ!!!」

    いつも冷静な斑鳩はこの時は声を上げて言った。
    その場の全員が固まっていると斑鳩は我に返ったように額に手を当ててまた口を開いた。

「すまん。取り乱した。俺が命を賭ける理由は柊の死。それで充分なんだ。これ以上異論は認めない。後は俺がやる。万が一俺が死んだら後のことは御影先生に任せてある。これは序列7位斑鳩爽いかるがそうの命令だ」

    斑鳩の命令に皆俯いた。

「話は以上ね。さ、今日は皆帰りなさい」

    御影の言葉に皆腰をすぐには上げなかったが、初めに燈が不服そうな顔で腰を上げた。

「死なないでくださいよ」

    それだけ言うと燈は部屋から出て行った。それに続き詩歩も出て行った。

「斑鳩さん、ずるいっすよ。そんなの」

    蔦浜も不服そうな顔で退室した。

「私はいつでも力になりますからね?」

    リリアは悲しそうな顔でそう言うと蔦浜の後に続いた。
   動こうとしないカンナの肩につかさが手を置いた。

「カンナ、行こ」

「ごめんつかさ。先、帰ってて」

   カンナは下を向いたままつかさを見ずに言った。

「わかった」

    つかさは静かに返事をするとカンナにバレないように斑鳩に目で合図を送り、部屋から出て行った。
    斑鳩は小さく頷いた。

「斑鳩さん、少しお時間いいですか?」

「ああ、いいよ」

    カンナの様子を見て御影はおもむろに立ち上がった。

「さ、私はこれから用事があるから、早く出て行ってちょうだい。斑鳩君。カンナちゃんを宜しくね!」

     御影は斑鳩にウインクした。
     斑鳩もそれに応えて手を軽く上げた。




     カンナと斑鳩は2人で御影の部屋から出た。
     外には先に出たメンバーは誰もいなかった。
 代わりに斑鳩の3人の見張りの氣を感じた。
     2人は体特寮へ歩き始めた。

「どうした? 澄川」

     斑鳩が切り出した。

「どうしても、さっき言ってたことやるんですか?」

「ああ」

     カンナと斑鳩は立ち止まった。

「私はやめて欲しいです」

「異論は認めないと言ったはずだぞ」

「嫌です……斑鳩さん、死んじゃうかもしれないんですよね? そんなの私には耐えられない!!」

    カンナは言いながら涙を流し始めた。

「澄川、わがままを言うな。お前達をこの学園で楽しく過ごせるようにするにはこれしか」

「斑鳩さんがいない学園なんて嫌です! 私は、斑鳩さんの事が好き! 一緒にいたいんです! だから死ぬ覚悟なんて言わないでください!」

    カンナの口からは斑鳩への好意の言葉が自然に出ていた。斑鳩がいなくなってしまうかもしれない恐怖。それを考えた時、とても尊いものを失ってしまうような気がした。そしてこの時確信した。

 ──私は斑鳩爽の事が好き──

「ありがとう。澄川。でも私情は持ち込むな。これはこの学園の為だ。俺もこの学園は好きだった。でも今の学園は嫌いだ。何もかも隠し通して柊の死までも隠蔽しようとした学園を俺は追及する」

「斑鳩さんは……舞冬さんの事……好きなんですか?」

    カンナは聞かない方が良かったことだと質問の直後に思った。
斑鳩は空を見上げた。
    カンナは自分の鼓動が速くなっていくのを感じた。

「好きだよ」

    カンナは唇を噛み締めた。
    初めて味わう気持ち。胸が張り裂けるようだ。拳を握り締めた。

「斑鳩さん……」

    カンナは悲しくて堪らなくなった。自分の気持ちが届かなかったからなのだろうか。もう自分を抑えきれない。
    カンナは斑鳩に抱きついて泣いた。
    舞冬はとてもいい人だ。だから斑鳩が好きになるのも分かる。別に不満はない。しかしカンナの事を好きと言ってくれないことにどうしようもない気持ちになってしまった。
     これが嫉妬なのか。
     ふいに斑鳩の手がカンナの頭を撫でた。

「泣くな。澄川。そんなに俺のことを思ってくれるなら約束しよう。俺は死なない。死なずにこの学園の闇を払拭してみせる」

    カンナは斑鳩の顔を見上げた。

「それでいいか?」

「はい!!」

    カンナは大きな声で返事をした。
    斑鳩はカンナの頭を撫で続けてくれた。
    気持ちがいい。
    心地よい。
    カンナは斑鳩を抱き締めたまま斑鳩にされるがままに身を委ねた。
    カンナは恍惚とした表情で今にも眠ってしまいそうだった。
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