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地獄怪僧の章
第75話 魂の集う場所・慈縳殿
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日が昇った。
山は落ち着いた雰囲気で微風が吹いている。
カンナは目覚めるとすぐに茉里から貰った鳥笛を吹いた。とても高い音で遠くまで響いた。
「本当に来るかな」
カンナが不安そうに言うとつかさは微笑んだ。
「大丈夫だよ。滝夜叉丸は必ず飛んでくるよ。お利口だから」
カンナとつかさは簡単な朝食を取りながら滝夜叉丸の到着を待った。すると10分足らずで空を覆わんばかりの木々の枝の間から大きな鷹が飛んできた。
滝夜叉丸だ。
カンナとつかさは顔を見合わせて喜んだ。
滝夜叉丸はカンナの愛馬の響華の鞍の上に下りた。
「ピヨちゃん! 後醍院さんと燈は無事?」
カンナが滝夜叉丸に話しかけると滝夜叉丸の脚に紙が巻き付いているのを見付けた。カンナはその紙を解き開くと茉里の達筆な字が書いてあった。
『わたくしと火箸さんは無事です。響音さんとも合流しました。そちらに向かいますので動かず待機してください』
内容を一読するとカンナはつかさの顔を見た。
「つかさ、お願いがあるの。ここに残っていてくれない? 私は先に慈縛殿へ向う」
「な、何言ってるの?? 1人で行かせられるわけないでしょ!? 慈縛殿にはすでに斑鳩さんが捕まえられなかった孟秦や響音さんと月希ちゃんの2人がかりでも傷一つ付けられなかった青幻本人がいるかもしれないんだよ? その青幻の部下の牙牛や阿顔だってとてつもなく強かったじゃない? あなた1人で」
「それでも、光希が解寧の依代にされてからじゃ遅いの! 一刻も早く慈縛殿へ行かないと」
カンナは必死につかさに訴えた。
「嫌だよ」
つかさは低いトーンで言った。
見たこともないつかさの表情にカンナは困惑した。
「私はカンナが1人で行ってしまってそして死んでしまったらと思うと耐えられないのよ。だから、カンナが行くんなら私が代わりに行く。カンナがここに残って」
「これは、隊長命令!」
つかさはカンナの発言に言葉を失った。目を見開いてカンナを見つめている。
「約束するよ。私は死なない。絶対に」
その言葉を言った時、カンナは斑鳩の事を思い出した。彼も同じ事を言っていた。
つかさは拳を握り締め俯いた。
「ずるいなぁ、カンナは。こういう時だけ隊長とか言い出すんだから。それじゃあ従うしかないじゃない。約束だからね。死なないでよ」
カンナは頷いた。
「氣は一晩寝たら完全に回復したから大丈夫。響音さんの助言のおかげ。つかさ。みんなと合流したらすぐに慈縛殿へ来て!」
「もちろん」
カンナとつかさはお互いに見つめ合い、軽く頷いた。そしてカンナは響華に飛び乗って颯爽と駆け去った。
滝夜叉丸はつかさの馬へ飛び移った。
つかさは駆け去るカンナの後ろ姿を見えなくなるまで見届けていた。
滝夜叉丸が動いた。
それは早朝の朝日が昇り初めてすぐの事だった。
茉里も燈も響音も3人ともすでに目覚めていて持参したパンをかじっていたところだった。
茉里と燈はすぐに馬に飛び乗り響音の方を見た。
「あれ? 多綺? そういえばお前馬は?」
燈が辺りを見回しながら響音の馬がいない事に今更気付いた。
「なに? あんた。あたしが馬に乗っていたのはまだ月華がいた頃よ。あたしは月華と響華以外の馬には乗らないわ。だって自分で走った方が速いんですもの」
「あぁそうだったな。それにしても自分で走った方が速いってすげーな」
燈は響音に手当てしてもらった顔の包帯を触りながら頷いた。
「行きますわよ! 早くしないとピヨちゃんが見えなくなってしまいます」
茉里はすぐにでもカンナ達を追いたいのかすでに馬に乗っており、手綱を持ち準備万端だった。
「無理するんじゃないわよ、茉里。あなたの脚の怪我は本当は安静にしていないといけないんだから。また傷が開くわよ」
「分かっていますわ。でも澄川さんと斉宮さんのところへ急がないと」
「よし! じゃあ出発! あたしが先行するわ。あんた達に見えるように走ってあげるからついてきなさい!」
そう言うと響音は滝夜叉丸の飛んで行った方角へ走り出した。その足取りは人間のものとは到底思えないほどの軽やかなもので美しささえ感じた。
茉里と燈も響音を見失わないように足場のあまり良くない山道を駆け始めた。
****
入ってくる。とても気持ちの悪い不快な感覚が入ってくる。意識が乗っ取られそうな感覚。
ふと、目の前が真っ白になった。そう思った時、辺りが白い世界になっていた。足元には色あざやかな花が咲き乱れているが、周りは白以外何も無い。ただ、花だけが色を持って咲いている。
「ここは、どこ? 私は慈縛殿にいたはず」
誰もいない。青幻も孟秦も董韓世もいない。
光希はただただ何も無い世界に立ち尽くしていた。
「ここが本当の慈縛殿だ」
不意に光希の背後から声がした。いつの間に背後を取られたのだろうか。
振り向くとそこには思い出したくもない存在の男、解寧が立っていた。
「解寧老師!? 何故……生きてるの!?」
死んだと聞いていた解寧が目の前にいる。それは紛れもなく解寧だった。
解寧はにやりと笑った。
「儂は確かに死んだ。肉体の寿命が尽きたのだ。人の身体などほんの僅かな年月しか持たぬ。これは自然の摂理故、仕方のないことだ」
「意味が分かりません。では何故死んだはずのあなたが生きているのですか?」
「ここは慈縛殿体術の会得者の魂が集う場所、慈縛殿。死んだ儂がここにいるのは当然だ」
解寧の恐ろしい言葉に光希は目を見開いた。
「じゃあ、私も死んだと言うことですか!?」
「いや、お前はまだ正式には死んでおらぬ。青幻の呪文で仮死状態になりここへ来ているに過ぎない。だが、ここにいる時が長過ぎるとお前はここから帰れなくなる」
解寧は顎に生えた髭を指で弄りながら言った。
「それじゃああの話は本当だったのですか。ということはつまり、私の身体を乗っ取りここから出て現世に蘇る事が目的ということですね」
光希の早い理解に解寧は満足そうに頷いた。
「老師。1つだけ聞いても良いでしょうか?」
「なんだ?」
「ここに、水音もいるんですか?」
光希は生きて帰れなくてもいいと思っていた。むしろここに水音がいるのならこのまま死んでしまってもいいと思っているのだ。
「周防水音か? 彼奴も死んだのか?死んだのならここにいるはずだな。だが残念ながらここら一帯は邪魔が入らんように儂の術で隔離されている。ここは儂とお前の2人だけだ、篁光希」
解寧は不気味な笑みを浮かべた。
「水音と合わせてくれるなら私の身体は差し上げます」
「無理だ」
光希の頼みに解寧は間髪入れずに拒否した。
「残念ながら、お前の身体を儂が手に入れた瞬間、お前の意識は儂の中に封印される。今現世にあるお前の肉体は抜け殻であり、儂はお前の魂がここから出て肉体に戻る時に共に抜け出し現世に復活する。それに他の死者の魂を探すことなどあまりにも膨大な労力と時間がかかる。儂にはそんな時間はない。お前が身体を差し出すのを拒むなら力ずくで奪うまで。ここにいる以上、儂はお前に対しては本来の力で闘うことが出来る。大人しく儂に身体を差し出すのが賢明だと思うぞ」
解寧の話を聞いて光希は目を瞑った。そして膝を伸ばし始めた。
「だったら、老師。私はあなたを倒します」
解寧は溜息をついた。
「馬鹿な奴だ。慈縛殿での修行を最後まで成し遂げられずに逃げ去った腰抜けが、慈縛殿体術の始祖であるこの解寧を倒すなどとはたわけた事を」
解寧は構えた。
睨み合う光希と解寧。
2人が走り出した時、その風圧で足元の花は散っていった。
真っ白な世界にただ花びらが舞った。
山は落ち着いた雰囲気で微風が吹いている。
カンナは目覚めるとすぐに茉里から貰った鳥笛を吹いた。とても高い音で遠くまで響いた。
「本当に来るかな」
カンナが不安そうに言うとつかさは微笑んだ。
「大丈夫だよ。滝夜叉丸は必ず飛んでくるよ。お利口だから」
カンナとつかさは簡単な朝食を取りながら滝夜叉丸の到着を待った。すると10分足らずで空を覆わんばかりの木々の枝の間から大きな鷹が飛んできた。
滝夜叉丸だ。
カンナとつかさは顔を見合わせて喜んだ。
滝夜叉丸はカンナの愛馬の響華の鞍の上に下りた。
「ピヨちゃん! 後醍院さんと燈は無事?」
カンナが滝夜叉丸に話しかけると滝夜叉丸の脚に紙が巻き付いているのを見付けた。カンナはその紙を解き開くと茉里の達筆な字が書いてあった。
『わたくしと火箸さんは無事です。響音さんとも合流しました。そちらに向かいますので動かず待機してください』
内容を一読するとカンナはつかさの顔を見た。
「つかさ、お願いがあるの。ここに残っていてくれない? 私は先に慈縛殿へ向う」
「な、何言ってるの?? 1人で行かせられるわけないでしょ!? 慈縛殿にはすでに斑鳩さんが捕まえられなかった孟秦や響音さんと月希ちゃんの2人がかりでも傷一つ付けられなかった青幻本人がいるかもしれないんだよ? その青幻の部下の牙牛や阿顔だってとてつもなく強かったじゃない? あなた1人で」
「それでも、光希が解寧の依代にされてからじゃ遅いの! 一刻も早く慈縛殿へ行かないと」
カンナは必死につかさに訴えた。
「嫌だよ」
つかさは低いトーンで言った。
見たこともないつかさの表情にカンナは困惑した。
「私はカンナが1人で行ってしまってそして死んでしまったらと思うと耐えられないのよ。だから、カンナが行くんなら私が代わりに行く。カンナがここに残って」
「これは、隊長命令!」
つかさはカンナの発言に言葉を失った。目を見開いてカンナを見つめている。
「約束するよ。私は死なない。絶対に」
その言葉を言った時、カンナは斑鳩の事を思い出した。彼も同じ事を言っていた。
つかさは拳を握り締め俯いた。
「ずるいなぁ、カンナは。こういう時だけ隊長とか言い出すんだから。それじゃあ従うしかないじゃない。約束だからね。死なないでよ」
カンナは頷いた。
「氣は一晩寝たら完全に回復したから大丈夫。響音さんの助言のおかげ。つかさ。みんなと合流したらすぐに慈縛殿へ来て!」
「もちろん」
カンナとつかさはお互いに見つめ合い、軽く頷いた。そしてカンナは響華に飛び乗って颯爽と駆け去った。
滝夜叉丸はつかさの馬へ飛び移った。
つかさは駆け去るカンナの後ろ姿を見えなくなるまで見届けていた。
滝夜叉丸が動いた。
それは早朝の朝日が昇り初めてすぐの事だった。
茉里も燈も響音も3人ともすでに目覚めていて持参したパンをかじっていたところだった。
茉里と燈はすぐに馬に飛び乗り響音の方を見た。
「あれ? 多綺? そういえばお前馬は?」
燈が辺りを見回しながら響音の馬がいない事に今更気付いた。
「なに? あんた。あたしが馬に乗っていたのはまだ月華がいた頃よ。あたしは月華と響華以外の馬には乗らないわ。だって自分で走った方が速いんですもの」
「あぁそうだったな。それにしても自分で走った方が速いってすげーな」
燈は響音に手当てしてもらった顔の包帯を触りながら頷いた。
「行きますわよ! 早くしないとピヨちゃんが見えなくなってしまいます」
茉里はすぐにでもカンナ達を追いたいのかすでに馬に乗っており、手綱を持ち準備万端だった。
「無理するんじゃないわよ、茉里。あなたの脚の怪我は本当は安静にしていないといけないんだから。また傷が開くわよ」
「分かっていますわ。でも澄川さんと斉宮さんのところへ急がないと」
「よし! じゃあ出発! あたしが先行するわ。あんた達に見えるように走ってあげるからついてきなさい!」
そう言うと響音は滝夜叉丸の飛んで行った方角へ走り出した。その足取りは人間のものとは到底思えないほどの軽やかなもので美しささえ感じた。
茉里と燈も響音を見失わないように足場のあまり良くない山道を駆け始めた。
****
入ってくる。とても気持ちの悪い不快な感覚が入ってくる。意識が乗っ取られそうな感覚。
ふと、目の前が真っ白になった。そう思った時、辺りが白い世界になっていた。足元には色あざやかな花が咲き乱れているが、周りは白以外何も無い。ただ、花だけが色を持って咲いている。
「ここは、どこ? 私は慈縛殿にいたはず」
誰もいない。青幻も孟秦も董韓世もいない。
光希はただただ何も無い世界に立ち尽くしていた。
「ここが本当の慈縛殿だ」
不意に光希の背後から声がした。いつの間に背後を取られたのだろうか。
振り向くとそこには思い出したくもない存在の男、解寧が立っていた。
「解寧老師!? 何故……生きてるの!?」
死んだと聞いていた解寧が目の前にいる。それは紛れもなく解寧だった。
解寧はにやりと笑った。
「儂は確かに死んだ。肉体の寿命が尽きたのだ。人の身体などほんの僅かな年月しか持たぬ。これは自然の摂理故、仕方のないことだ」
「意味が分かりません。では何故死んだはずのあなたが生きているのですか?」
「ここは慈縛殿体術の会得者の魂が集う場所、慈縛殿。死んだ儂がここにいるのは当然だ」
解寧の恐ろしい言葉に光希は目を見開いた。
「じゃあ、私も死んだと言うことですか!?」
「いや、お前はまだ正式には死んでおらぬ。青幻の呪文で仮死状態になりここへ来ているに過ぎない。だが、ここにいる時が長過ぎるとお前はここから帰れなくなる」
解寧は顎に生えた髭を指で弄りながら言った。
「それじゃああの話は本当だったのですか。ということはつまり、私の身体を乗っ取りここから出て現世に蘇る事が目的ということですね」
光希の早い理解に解寧は満足そうに頷いた。
「老師。1つだけ聞いても良いでしょうか?」
「なんだ?」
「ここに、水音もいるんですか?」
光希は生きて帰れなくてもいいと思っていた。むしろここに水音がいるのならこのまま死んでしまってもいいと思っているのだ。
「周防水音か? 彼奴も死んだのか?死んだのならここにいるはずだな。だが残念ながらここら一帯は邪魔が入らんように儂の術で隔離されている。ここは儂とお前の2人だけだ、篁光希」
解寧は不気味な笑みを浮かべた。
「水音と合わせてくれるなら私の身体は差し上げます」
「無理だ」
光希の頼みに解寧は間髪入れずに拒否した。
「残念ながら、お前の身体を儂が手に入れた瞬間、お前の意識は儂の中に封印される。今現世にあるお前の肉体は抜け殻であり、儂はお前の魂がここから出て肉体に戻る時に共に抜け出し現世に復活する。それに他の死者の魂を探すことなどあまりにも膨大な労力と時間がかかる。儂にはそんな時間はない。お前が身体を差し出すのを拒むなら力ずくで奪うまで。ここにいる以上、儂はお前に対しては本来の力で闘うことが出来る。大人しく儂に身体を差し出すのが賢明だと思うぞ」
解寧の話を聞いて光希は目を瞑った。そして膝を伸ばし始めた。
「だったら、老師。私はあなたを倒します」
解寧は溜息をついた。
「馬鹿な奴だ。慈縛殿での修行を最後まで成し遂げられずに逃げ去った腰抜けが、慈縛殿体術の始祖であるこの解寧を倒すなどとはたわけた事を」
解寧は構えた。
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