56 / 71
第四章 追跡! 響詩郎 救出 大作戦!
第13話 転生なるか? 白雪の賭け
しおりを挟む
「打てる手は打ちました。あとは響詩郎さまを信じます」
そう言った白雪の顔は言葉とは裏腹に不安がありありと表れていた。
命を落とした響詩郎に対し、部族の秘宝・転生玉による魔族転生を試みた白雪だったが、施術から1分以上経過した今のところ、何も変化は起きていない。
転生玉を体内に含んだ白雪自身が感じていたことだが、絶対的に熟成時間が不足していた。
本来ならばもっと長い時間をかけて白雪の体内で妖力を練り上げるべきだったのだが、準備期間が短すぎたのだ。
息絶えた響詩郎は血の気のない顔のまま白雪の前に横たわっている。
白雪は胸によぎる不安に重苦しいため息をついた。
「姫さま……」
傍に控えている紫水には白雪の不安が手に取るように分かった。
本来、転生の施術は生きている相手に行うものであり、すでに絶命している響詩郎への施術は効果がない恐れがある。
心配停止状態の響詩郎に、ほんのわずかでも生命力の欠片が残されていれば可能性はあるが、そうでない場合はこのまま何も起きないだろう。
転生術は死者を蘇生させるための術ではないからだ。
転生術については行うのはもちろん、実際に見るのも初めてのことなので、決められた手順以外のことは分からない。
本当に響詩郎が目覚めるのかどうか、白雪にも紫水にも見当がつかなかった。
だが、このままここにいても響詩郎の体にすがりついて泣いていることくらいしか出来ないことは分かっていた。
白雪は立ち上がると袖で涙を拭う。
船の外からは戦闘によるものと思しき音が聞こえてきた。
「先に戦場にまいりますわ。響詩郎さまのお目覚めをお待ちしております」
そう言って白雪は再び戦場へと舞い戻っていった。
そう言った白雪の顔は言葉とは裏腹に不安がありありと表れていた。
命を落とした響詩郎に対し、部族の秘宝・転生玉による魔族転生を試みた白雪だったが、施術から1分以上経過した今のところ、何も変化は起きていない。
転生玉を体内に含んだ白雪自身が感じていたことだが、絶対的に熟成時間が不足していた。
本来ならばもっと長い時間をかけて白雪の体内で妖力を練り上げるべきだったのだが、準備期間が短すぎたのだ。
息絶えた響詩郎は血の気のない顔のまま白雪の前に横たわっている。
白雪は胸によぎる不安に重苦しいため息をついた。
「姫さま……」
傍に控えている紫水には白雪の不安が手に取るように分かった。
本来、転生の施術は生きている相手に行うものであり、すでに絶命している響詩郎への施術は効果がない恐れがある。
心配停止状態の響詩郎に、ほんのわずかでも生命力の欠片が残されていれば可能性はあるが、そうでない場合はこのまま何も起きないだろう。
転生術は死者を蘇生させるための術ではないからだ。
転生術については行うのはもちろん、実際に見るのも初めてのことなので、決められた手順以外のことは分からない。
本当に響詩郎が目覚めるのかどうか、白雪にも紫水にも見当がつかなかった。
だが、このままここにいても響詩郎の体にすがりついて泣いていることくらいしか出来ないことは分かっていた。
白雪は立ち上がると袖で涙を拭う。
船の外からは戦闘によるものと思しき音が聞こえてきた。
「先に戦場にまいりますわ。響詩郎さまのお目覚めをお待ちしております」
そう言って白雪は再び戦場へと舞い戻っていった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
橘若頭と怖がり姫
真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。
その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。
高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる