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第二章 闇の魔女ミランダ
第6話 砂漠都市ジェルスレイム
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「ひぃ。ひぃ。はぁ」
暑い。
ただひたすら暑かった。
僕は燦々と照りつける太陽の下、砂まみれの道を踏みしめながら歩き続けていた。
ここは砂漠地帯の中に作られた街道。
僕の後ろには白い日傘を差して悠々と闊歩する闇の魔女・ミランダの姿がある。
彼女はいつもの漆黒のローブ・深闇の黒衣ではなく、クリーム色の半袖ブラウスにベージュのスカートという町娘のような身軽な服装の上に、旅人が使う日除け用の茶色いマントを羽織っていた。
「何よ。これくらいでヒィヒィ言っちゃって。だらしないわね」
ミランダは涼しい顔で僕を見つめてそう言った。
くっ。
「そりゃ君は体温調節用の軽装に高温遮断用の日傘という万全の装備だから、たいして暑くないだろうね」
ミランダは暑さ対策バッチリ。
一方の僕は普段通りの兵服。
何だこの格差社会はぁ!
僕、安月給だから仕方ないけど。
しかも僕、普段は兵帽を被ってるんだけど、この日に限って顔をスッポリと覆う鉄の兜をかぶってるんだ。
これにはとある理由があるんだけれど、それは後ほど話します。
僕の恨み言にもミランダは平然とした顔を見せた。
「何言ってんの。暑いと思うから暑いの。気合いがあれば暑くない!」
日傘をフリフリしながら言うことか!
パワハラだ!
訴えてやる!
それにしても何でこのゲームはこんな温度設定まであるんだ。
リアリティ重視にもほどがあるよ。
「あんた。そんな苦しそうな顔してないで、もっと楽しそうにしなさいよ。せっかくこの私のお供という栄職に就けてるのに」
「栄職とか言うならせめて僕にも高温対策用の兵服を支給してもらえませんかねぇ」
僕の嫌味にもミランダは涼しい顔で首を横に振る。
「暑かったら裸で歩けばぁ? これは馬鹿には見えない服です、とか言って」
「裸の王様か! 僕が馬鹿だと思われるだろ」
そんなやりとりをしているうちに前方にオアシスといくつもの建物群が見えてきた。
渇きに満ちた砂漠に滾々と湧き出すオアシス。
そのオアシスを街の中心に据えた砂漠都市『ジェルスレイム』だった。
街に近付くにつれ、道行く人々の姿が増えてきて、街の喧騒が僕らの耳に届くようになっていく。
やがて目の前に見えてきた門をくぐり抜けて街の中に足を踏み入れると、砂漠の暑さとは別の熱気が僕とミランダを包み込んだ。
ジェルスレイムはこの辺り一体に広がる砂漠の中継地点にして交易の中心となる都市で、かなり人の多い街だ。
多くの店が立ち並び、手荷物を持った人々やラクダの背に様々な品を積んだ人々がすれ違う。
今回、ミランダは出張襲撃サービスとしてこの街に襲い掛かる予定なんだ。
でもね……それって明日なんだよ。
え?
じゃあ今日は何してるのかって?
……下見です。
いや、ミランダが強引に事前視察として前日の現地入りを申し出たんだ。
こんなことで運営から外出許可をもらえるとは思わなかったけれど、最近おとなしくしているミランダの態度を評価して、運営が便宜を図ってくれたみたいなんだ。
でも前日に街に入っていることがバレないよう、僕たちは変装を義務付けられていた。
だからミランダは闇の魔女だということがバレないよう見慣れない旅装束だし、僕は顔を隠すために暑苦しい鉄兜をかぶってるんだ。
おかげで死ぬほど暑いし息苦しい。
まあ別にバレても運営から何かしらのペナルティーを与えられるわけじゃないんだけど、当日になってミランダがバーンと襲撃に現れるからこのイベントが盛り上がるわけで、前日から街をウロウロしていることが分かると明日の盛り上がりに欠けるんだよね。
だからミランダは僕に厳命する。
「どこの誰が見てるか分からないんだから、絶対にその兜を脱ぐんじゃないわよ」
そう言うミランダはスカーフを頭にかぶり、素顔がバレないようにしている。
「君は有名人だからともかく、僕の顔なんて知ってる人いるのかなぁ」
「まあ、あんたの顔は一度見てもすぐ忘れる平凡顔だしね」
悪かったな!
「でも、念には念を入れてってことよ。その兜だって私が買ってあげたんだから文句言うんじゃないわよ」
そう言うとミランダはスカーフがズレないよう手で押さえながら街の中をズンズン進んでいく。
そもそも、こんなコソコソしてまで視察なんて必要なのか?
……なんて、もちろん僕はそんな野暮なことは言わないよ。
普段はずっと闇の洞窟で待機し続けているミランダだから、たまには外で羽を伸ばしたいよね。
僕は少し先を歩くミランダの背中を見つめながらその後を追う。
彼女の足取りは軽く、心なしかウキウキしているように見えた。
「視察って具体的に何をするの?」
ここまでの道中で僕がそう尋ねた時、ミランダは街の大きさや路地の位置、それから街中での人の流れや風の通り方なんかを確認して最適な襲撃方法を考えるのだと答えた。
それを聞いた時、随分ときめ細やかなことを考えて襲撃を行うものだと僕は感心したんだけどね。
でも今、僕の目の前でミランダは露店の立ち並ぶ通りを嬉々として往来し、次々と食べ物を買い込んでは各種の郷土料理に舌鼓を打っていた。
オイッ。
視察はどうしたんだ。
僕は内心でそんなツッコミを入れながら、彼女の後について回る。
コンガリと焼かれた肉の放つ香辛料の香りや、甘い焼き菓子の匂いが漂っていて、僕の体に搭載された食欲機能がビンビン刺激される。
僕もミランダもNPCだから別に食事で栄養を摂取する必要はないんだけど、こうした食べ物をおいしいと感じる機能は搭載されていて、食事を楽しむことが出来る。
ミランダは嬉しそうに焼き菓子を頬張りながら僕を振り返った。
「あんたも食べる? けっこうイケるわよ?」
「僕はいいよ。でもミランダ、そんなに色々買い込んでお金大丈夫なの?」
「平気平気。こないだ返り討ちにしてやったプレイヤーがけっこう金持ちでさ。たんまりせしめてやったから」
このゲームでは敵に倒されたプレイヤーは所持金の半分を奪われてしまうんだけど、ミランダに倒されたプレイヤーは何と有り金すべてを奪われてしまうんだ。
お、恐ろしい。
でも王国から給料をもらっている僕と違ってミランダの収入源はほとんどそれだった。
なるほど。
要するに今はミランダ、懐が温かいのか。
そりゃ日傘に高温対策用の衣装をバッチリ用意できるわけだ。
「ちょっと店主。そこのビール豚の蒸し焼きサンド追加で2つ。マスタードたっぷりね」
「あいよ!」
ミランダはまだ食べ足りないのか、豪快に注文を重ねていく。
そういえば僕、彼女が食事をしているところを初めて見たな。
闇の洞窟にいる間は僕も彼女も食事なんてしないしね。
たまにこうして外に出た時くらいいいのかな。
そんなことを思いながら僕は買い物を楽しむミランダの様子を見つめた。
露店の店主は蒸し焼きサンドを2つミランダに手渡しながら快活な声を上げた。
「よう姉さん! いい食べっぷりだね。どこから来たんだい?」
ミランダは受け取った蒸し焼きサンドの1つにさっそく喰らいつきながら、あっけらかんと答える。
「地の底よ」
「地の底? 洞窟にでも暮らしてるのか? ハハハッ。まるで闇の魔女ミランダみたいだな」
ギクッ!
ちょ、ちょっとミランダ。
僕は思わず息を飲み、ミランダの袖をそっと引っ張ろうとした。
だけどそんな僕の焦りなど知りもせず、店主とミランダは会話を続ける。
「そう言えば明日はミランダがこのジェルスレイムに襲撃に来るんだぜ。おかげで人出も多くて商売繁盛! ミランダさまさまだ」
「そう。じゃあミランダに感謝しないとね」
「まったくだ。そういえばお姉さん、ちょいとミランダに似てるな。よく言われないかい?」
ギクギクッ!
本人です本人!
ニコニコしながら店主のオジサンは、スカーフの下から覗くミランダの目を見つめている。
やばいよミランダ。
バレちゃうよ。
「そ、それじゃあ僕らそろそろ行くから。オジサン、ありがとうございます」
僕はもういよいよガマン出来ずにミランダの袖を引っ張りながら店主にそう告げると店を後にした。
「あいよぉ。どうもね! ニイチャン、彼女を大事にしてやんなよ!」
か、彼女って……。
冷やかすような店主の声を背中に受けて僕は思わず首をすくめた。
ミランダは何だか上機嫌で店のオジサンに手を振っていた。
ああもう。
ヒヤヒヤするなぁ。
僕はあまり人目につかないようミランダの手を引っ張って早々に路地裏に退散したのだった。
暑い。
ただひたすら暑かった。
僕は燦々と照りつける太陽の下、砂まみれの道を踏みしめながら歩き続けていた。
ここは砂漠地帯の中に作られた街道。
僕の後ろには白い日傘を差して悠々と闊歩する闇の魔女・ミランダの姿がある。
彼女はいつもの漆黒のローブ・深闇の黒衣ではなく、クリーム色の半袖ブラウスにベージュのスカートという町娘のような身軽な服装の上に、旅人が使う日除け用の茶色いマントを羽織っていた。
「何よ。これくらいでヒィヒィ言っちゃって。だらしないわね」
ミランダは涼しい顔で僕を見つめてそう言った。
くっ。
「そりゃ君は体温調節用の軽装に高温遮断用の日傘という万全の装備だから、たいして暑くないだろうね」
ミランダは暑さ対策バッチリ。
一方の僕は普段通りの兵服。
何だこの格差社会はぁ!
僕、安月給だから仕方ないけど。
しかも僕、普段は兵帽を被ってるんだけど、この日に限って顔をスッポリと覆う鉄の兜をかぶってるんだ。
これにはとある理由があるんだけれど、それは後ほど話します。
僕の恨み言にもミランダは平然とした顔を見せた。
「何言ってんの。暑いと思うから暑いの。気合いがあれば暑くない!」
日傘をフリフリしながら言うことか!
パワハラだ!
訴えてやる!
それにしても何でこのゲームはこんな温度設定まであるんだ。
リアリティ重視にもほどがあるよ。
「あんた。そんな苦しそうな顔してないで、もっと楽しそうにしなさいよ。せっかくこの私のお供という栄職に就けてるのに」
「栄職とか言うならせめて僕にも高温対策用の兵服を支給してもらえませんかねぇ」
僕の嫌味にもミランダは涼しい顔で首を横に振る。
「暑かったら裸で歩けばぁ? これは馬鹿には見えない服です、とか言って」
「裸の王様か! 僕が馬鹿だと思われるだろ」
そんなやりとりをしているうちに前方にオアシスといくつもの建物群が見えてきた。
渇きに満ちた砂漠に滾々と湧き出すオアシス。
そのオアシスを街の中心に据えた砂漠都市『ジェルスレイム』だった。
街に近付くにつれ、道行く人々の姿が増えてきて、街の喧騒が僕らの耳に届くようになっていく。
やがて目の前に見えてきた門をくぐり抜けて街の中に足を踏み入れると、砂漠の暑さとは別の熱気が僕とミランダを包み込んだ。
ジェルスレイムはこの辺り一体に広がる砂漠の中継地点にして交易の中心となる都市で、かなり人の多い街だ。
多くの店が立ち並び、手荷物を持った人々やラクダの背に様々な品を積んだ人々がすれ違う。
今回、ミランダは出張襲撃サービスとしてこの街に襲い掛かる予定なんだ。
でもね……それって明日なんだよ。
え?
じゃあ今日は何してるのかって?
……下見です。
いや、ミランダが強引に事前視察として前日の現地入りを申し出たんだ。
こんなことで運営から外出許可をもらえるとは思わなかったけれど、最近おとなしくしているミランダの態度を評価して、運営が便宜を図ってくれたみたいなんだ。
でも前日に街に入っていることがバレないよう、僕たちは変装を義務付けられていた。
だからミランダは闇の魔女だということがバレないよう見慣れない旅装束だし、僕は顔を隠すために暑苦しい鉄兜をかぶってるんだ。
おかげで死ぬほど暑いし息苦しい。
まあ別にバレても運営から何かしらのペナルティーを与えられるわけじゃないんだけど、当日になってミランダがバーンと襲撃に現れるからこのイベントが盛り上がるわけで、前日から街をウロウロしていることが分かると明日の盛り上がりに欠けるんだよね。
だからミランダは僕に厳命する。
「どこの誰が見てるか分からないんだから、絶対にその兜を脱ぐんじゃないわよ」
そう言うミランダはスカーフを頭にかぶり、素顔がバレないようにしている。
「君は有名人だからともかく、僕の顔なんて知ってる人いるのかなぁ」
「まあ、あんたの顔は一度見てもすぐ忘れる平凡顔だしね」
悪かったな!
「でも、念には念を入れてってことよ。その兜だって私が買ってあげたんだから文句言うんじゃないわよ」
そう言うとミランダはスカーフがズレないよう手で押さえながら街の中をズンズン進んでいく。
そもそも、こんなコソコソしてまで視察なんて必要なのか?
……なんて、もちろん僕はそんな野暮なことは言わないよ。
普段はずっと闇の洞窟で待機し続けているミランダだから、たまには外で羽を伸ばしたいよね。
僕は少し先を歩くミランダの背中を見つめながらその後を追う。
彼女の足取りは軽く、心なしかウキウキしているように見えた。
「視察って具体的に何をするの?」
ここまでの道中で僕がそう尋ねた時、ミランダは街の大きさや路地の位置、それから街中での人の流れや風の通り方なんかを確認して最適な襲撃方法を考えるのだと答えた。
それを聞いた時、随分ときめ細やかなことを考えて襲撃を行うものだと僕は感心したんだけどね。
でも今、僕の目の前でミランダは露店の立ち並ぶ通りを嬉々として往来し、次々と食べ物を買い込んでは各種の郷土料理に舌鼓を打っていた。
オイッ。
視察はどうしたんだ。
僕は内心でそんなツッコミを入れながら、彼女の後について回る。
コンガリと焼かれた肉の放つ香辛料の香りや、甘い焼き菓子の匂いが漂っていて、僕の体に搭載された食欲機能がビンビン刺激される。
僕もミランダもNPCだから別に食事で栄養を摂取する必要はないんだけど、こうした食べ物をおいしいと感じる機能は搭載されていて、食事を楽しむことが出来る。
ミランダは嬉しそうに焼き菓子を頬張りながら僕を振り返った。
「あんたも食べる? けっこうイケるわよ?」
「僕はいいよ。でもミランダ、そんなに色々買い込んでお金大丈夫なの?」
「平気平気。こないだ返り討ちにしてやったプレイヤーがけっこう金持ちでさ。たんまりせしめてやったから」
このゲームでは敵に倒されたプレイヤーは所持金の半分を奪われてしまうんだけど、ミランダに倒されたプレイヤーは何と有り金すべてを奪われてしまうんだ。
お、恐ろしい。
でも王国から給料をもらっている僕と違ってミランダの収入源はほとんどそれだった。
なるほど。
要するに今はミランダ、懐が温かいのか。
そりゃ日傘に高温対策用の衣装をバッチリ用意できるわけだ。
「ちょっと店主。そこのビール豚の蒸し焼きサンド追加で2つ。マスタードたっぷりね」
「あいよ!」
ミランダはまだ食べ足りないのか、豪快に注文を重ねていく。
そういえば僕、彼女が食事をしているところを初めて見たな。
闇の洞窟にいる間は僕も彼女も食事なんてしないしね。
たまにこうして外に出た時くらいいいのかな。
そんなことを思いながら僕は買い物を楽しむミランダの様子を見つめた。
露店の店主は蒸し焼きサンドを2つミランダに手渡しながら快活な声を上げた。
「よう姉さん! いい食べっぷりだね。どこから来たんだい?」
ミランダは受け取った蒸し焼きサンドの1つにさっそく喰らいつきながら、あっけらかんと答える。
「地の底よ」
「地の底? 洞窟にでも暮らしてるのか? ハハハッ。まるで闇の魔女ミランダみたいだな」
ギクッ!
ちょ、ちょっとミランダ。
僕は思わず息を飲み、ミランダの袖をそっと引っ張ろうとした。
だけどそんな僕の焦りなど知りもせず、店主とミランダは会話を続ける。
「そう言えば明日はミランダがこのジェルスレイムに襲撃に来るんだぜ。おかげで人出も多くて商売繁盛! ミランダさまさまだ」
「そう。じゃあミランダに感謝しないとね」
「まったくだ。そういえばお姉さん、ちょいとミランダに似てるな。よく言われないかい?」
ギクギクッ!
本人です本人!
ニコニコしながら店主のオジサンは、スカーフの下から覗くミランダの目を見つめている。
やばいよミランダ。
バレちゃうよ。
「そ、それじゃあ僕らそろそろ行くから。オジサン、ありがとうございます」
僕はもういよいよガマン出来ずにミランダの袖を引っ張りながら店主にそう告げると店を後にした。
「あいよぉ。どうもね! ニイチャン、彼女を大事にしてやんなよ!」
か、彼女って……。
冷やかすような店主の声を背中に受けて僕は思わず首をすくめた。
ミランダは何だか上機嫌で店のオジサンに手を振っていた。
ああもう。
ヒヤヒヤするなぁ。
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