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最終章 世界調律師アルフレッド
第9話 ありがとう サヨナラ
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破滅の魔獣と化したセクメトが吐き出したモザイク液が砂の大地を埋め尽くす中、緊急避難のためにアリアナが積み上げた永久凍土の上に僕と彼女は避難していた。
だけど……。
「アリアナ! しっかりしてアリアナ!」
積み上がった永久凍土の上でガックリと力なく膝をつくアリアナを抱きかかえながら、僕は必死に声を上げた。
アリアナは背中にセクメトのモザイクを浴びてしまい、今にも消えようとしている。
ど、どうして彼女が……。
そう考え、僕はハッとした。
さっき彼女が僕を凍土の上に引っ張り上げてくれた時、押し寄せるモザイク液が凍土にぶつかって波しぶきを上げたんだ。
僕はそのモザイク液の波しぶきを浴びずに済んだけれど、隣にいたアリアナはおそらくその時に……くっ!
「そ、そんな。アリアナ、僕を守ろうとして……」
そう言う僕に、アリアナは苦しそうな表情の中にも笑みを浮かべたんだ。
「違うよ……アル君。私が未熟だっただけ。だから……そんな顔しないで」
「でもアリアナ。アリアナが……」
僕は声を震わせて喘ぐようにそう言った。
アリアナの命の灯火が尽きようとしていることが受け入れられなくて、僕の視界が涙で滲む。
だけどアリアナはそんな僕を見つめると、静かな笑みをたたえたまま言ったんだ。
「ふふ。こんなふうにアル君の腕の中で消えていくなら、幸せな最後なのかもね」
「アリアナ。消えていくなんて……そんなこと言わないでよ。そんなの嫌だよ」
こみ上げる感情で胸がつまり、堪え切れずに僕の目から涙がこぼれ落ちた。
「もう。アル君たら。君は他人のことで泣いてばっかりだね。でも、そんな優しいアル君だから、私なんかと友達になってくれたんだよね」
そう言うとアリアナは震える手を伸ばして、僕の頬を伝う涙を拭ってくれた。
その手はヒンヤリと冷たくて、僕の涙が瞬時に凍ってしまう。
僕は思わず息を飲んだ。
「アリアナ? 魔力はもうないはずじゃ……」
そう言いかけた僕の両手を握ると、アリアナはそのまま僕の手を足場の凍土にペタリとつけた。
途端に僕の両手は凍りついて凍土と結び付き、僕はその場から動けなくなってしまった。
そんな僕を見てアリアナは申し訳なさそうに眉尻を下げて笑みを浮かべたんだ。
「ア、アリアナ?」
「ごめんねアル君。その氷は1~2分で溶けてすぐに動けるようになるから。こうでもしないと私が今からやろうとすることをアル君に止められちゃうし」
「な、何をするつもりなの?」
彼女の考えていることが分からずに僕は困惑と焦燥の声を上げた。
そんな僕の問いかけにアリアナは歯を食いしばる。
「こんな状態だけど……私にはまだひとつだけやれることがあるから。あの2人だってがんばってる。私もアル君を少しでも助けることが出来るなら……」
そう言うとアリアナは前方を指差した。
その先ではミランダとジェネットがセクメトの周囲を飛び回り、その注意を引きつけてくれている。
残り少ない魔力で2人は必死に宙を舞っている。
セクメトがそんな彼女らを撃ち落とそうとモザイク液の鉄砲水を口から吐きまくるけれど、2人はそれを巧みに避けていた。
そのおかげで僕らはセクメトから狙い撃ちされずに済んでいるんだ。
そんな2人に触発されたのか、アリアナは消えかけた体でそれでも立ち上がった。
僕は驚いて声を上げる。
「アリアナ。動いちゃダメだ……うわっ!」
その時、僕らが足場にしている凍土がガクンと揺れて急に落下した。
それはすぐに止まったけれど、さっきより見える周囲の景色が低くなっている。
僕はすぐに状況を理解した。
そ、そうか。
垂直に6段積み重なった凍土のうち、一番下のそれがモザイク液に浸食されて消え、残った5段の凍土がだるま落とし式に下に落ちたんだ。
それが何を意味するのか僕もアリアナも分かっていた。
「このままじゃ、いずれ凍土も全部飲み込まれちゃう。その前にやっておかないと」
そう言うとアリアナは苦しげに息をつきながら両手を真横に伸ばして腰を落とした。
彼女のその構えに僕は目を見開いた。
ま、まさか……。
消え始めているアリアナの体が青白い光を放つのを見て僕は息を飲んだ。
アリアナの魔力がゼロになった時にだけ、たった一度放つことが出来る強大魔法。
彼女の第4のスキル、乱気流雪嵐。
アリアナはそれをこの状況で敢行しようとしている。
「アリアナ。そんな状態で無茶だ。それにセクメトには……」
いくら強力な威力を誇る魔法でも、セクメトには通用しない。
だけどアリアナは首を横に振る。
その顔には一片の迷いもない。
「私の最後の技はセクメトを倒すために使うんじゃないの。アル君を……私の大切な友達を守るために使うんだよ」
そう言うとアリアナは最後の力を振り絞って乱気流雪嵐を放った。
強烈な凍気は猛烈な風となり、雪と氷をないまぜにした暴風と化す。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
アリアナはそれを前方に浮かぶセクメトではなく、凍土から見下ろす眼下に向けて放ち始めたんだ。
すると僕らが足場にしている凍土で出来た即席の塔の根元辺りが、乱気流雪嵐を浴びて分厚い氷で覆われ始める。
途端に1メートル四方だった立方体が凍結によってより太く、分厚く変化していく。
あっという間に辺り一体、十数メートル四方が凍りつき、僕らのいる場所を頂上にした氷山が出来上がった。
「アリアナ……」
そこで僕は彼女の意図を理解した。
僕の足場を固めて、モザイク液による侵食を少しでも遅れさせようとしてくれているんだ。
苦しげに肩で息をするアリアナは僕を見るとわずかに笑みを浮かべた。
「ハッ……ハッ……わ、私にはこれくらいしか出来ないけれど、でもこれが私の力の正しい使い方だと思うから」
そう言うとアリアナはとうとう力尽きてその場にガックリと膝をつき、首をうなだれた。
そこでようやく僕の手を凍りつかせていた氷が溶け、僕は痛むのも構わずに強引に凍土から手を引きはがし、アリアナの肩を後ろから抱き止めたんだ。
彼女の肩はすでにモザイクに包まれていたけれど、僕はそんなこと構わずに彼女から手を放さない。
だけど僕は彼女に一体なんて声をかけたらいいのか分からず、その肩を掴む手に力を込めるしかなかった。
「アリアナ……」
「アル……君。私がプレイヤーからNPCに変わった時も、変わらずに友達でいてくれて……嬉しかった」
アリアナの声は力なく掠れ、その目は虚ろで焦点が合っていない。
そしてその体は今や首より下がほとんどモザイクに包まれている。
弱りきった彼女の姿に僕は唇を震わせた。
そんな僕を見て、アリアナの目に浮かぶわずかな光が揺らぐ。
「……ダメだなぁ私。最後くらいカッコつけたかったのに」
そう言って肩越しに僕を見つめるアリアナの目から大粒の涙がこぼれ落ちる。
「わ、私ね……私ね……」
彼女はその口から嗚咽を漏らしながら、しゃくり上げた。
それでもアリアナは必死に声を絞り出したんだ。
「もっとアル君と冒険したかった。もっとアル君と遊びたかった。もっと……もっとアル君と一緒にいたかったよぅ……」
そんな彼女の訴えを聞いて僕は唇を震わせた。
う、うううう。
アリアナ……。
「消えたくない。いつまでもアル君のそばにいたい」
そう言うとアリアナは僕が彼女の肩に置いた手に自分の手を重ねる。
そして僕の目を見つめて言ったんだ。
「私が消えるまで……最後まで……そばにいてくれる?」
辛すぎて声すら出せずにいる情けない僕は、必死に何度も何度も頷いた。
そんな僕を見たアリアナは、ようやく安心したように笑ってくれたんだ。
それは悲しいくらいに綺麗な笑顔だった。
「アル君の友達になれて嬉し……かった。アル君。どうか死なないで。これからもずっと生きて、時々……時々でいいから、私のこと思い出してね」
「アリアナ……行かないでよアリアナ!」
「アル君……大好きだよ。ありがとう。サヨナラ……」
その言葉を最後にアリアナはモザイクに全身を包まれて僕の腕の中から消え去ってしまった。
「ううう……うあああああああっ! アリアナァァァァァァァァッ!」
声の限りに叫んだ僕の慟哭が、閉ざされた世界に虚しく響き渡った。
だけど……。
「アリアナ! しっかりしてアリアナ!」
積み上がった永久凍土の上でガックリと力なく膝をつくアリアナを抱きかかえながら、僕は必死に声を上げた。
アリアナは背中にセクメトのモザイクを浴びてしまい、今にも消えようとしている。
ど、どうして彼女が……。
そう考え、僕はハッとした。
さっき彼女が僕を凍土の上に引っ張り上げてくれた時、押し寄せるモザイク液が凍土にぶつかって波しぶきを上げたんだ。
僕はそのモザイク液の波しぶきを浴びずに済んだけれど、隣にいたアリアナはおそらくその時に……くっ!
「そ、そんな。アリアナ、僕を守ろうとして……」
そう言う僕に、アリアナは苦しそうな表情の中にも笑みを浮かべたんだ。
「違うよ……アル君。私が未熟だっただけ。だから……そんな顔しないで」
「でもアリアナ。アリアナが……」
僕は声を震わせて喘ぐようにそう言った。
アリアナの命の灯火が尽きようとしていることが受け入れられなくて、僕の視界が涙で滲む。
だけどアリアナはそんな僕を見つめると、静かな笑みをたたえたまま言ったんだ。
「ふふ。こんなふうにアル君の腕の中で消えていくなら、幸せな最後なのかもね」
「アリアナ。消えていくなんて……そんなこと言わないでよ。そんなの嫌だよ」
こみ上げる感情で胸がつまり、堪え切れずに僕の目から涙がこぼれ落ちた。
「もう。アル君たら。君は他人のことで泣いてばっかりだね。でも、そんな優しいアル君だから、私なんかと友達になってくれたんだよね」
そう言うとアリアナは震える手を伸ばして、僕の頬を伝う涙を拭ってくれた。
その手はヒンヤリと冷たくて、僕の涙が瞬時に凍ってしまう。
僕は思わず息を飲んだ。
「アリアナ? 魔力はもうないはずじゃ……」
そう言いかけた僕の両手を握ると、アリアナはそのまま僕の手を足場の凍土にペタリとつけた。
途端に僕の両手は凍りついて凍土と結び付き、僕はその場から動けなくなってしまった。
そんな僕を見てアリアナは申し訳なさそうに眉尻を下げて笑みを浮かべたんだ。
「ア、アリアナ?」
「ごめんねアル君。その氷は1~2分で溶けてすぐに動けるようになるから。こうでもしないと私が今からやろうとすることをアル君に止められちゃうし」
「な、何をするつもりなの?」
彼女の考えていることが分からずに僕は困惑と焦燥の声を上げた。
そんな僕の問いかけにアリアナは歯を食いしばる。
「こんな状態だけど……私にはまだひとつだけやれることがあるから。あの2人だってがんばってる。私もアル君を少しでも助けることが出来るなら……」
そう言うとアリアナは前方を指差した。
その先ではミランダとジェネットがセクメトの周囲を飛び回り、その注意を引きつけてくれている。
残り少ない魔力で2人は必死に宙を舞っている。
セクメトがそんな彼女らを撃ち落とそうとモザイク液の鉄砲水を口から吐きまくるけれど、2人はそれを巧みに避けていた。
そのおかげで僕らはセクメトから狙い撃ちされずに済んでいるんだ。
そんな2人に触発されたのか、アリアナは消えかけた体でそれでも立ち上がった。
僕は驚いて声を上げる。
「アリアナ。動いちゃダメだ……うわっ!」
その時、僕らが足場にしている凍土がガクンと揺れて急に落下した。
それはすぐに止まったけれど、さっきより見える周囲の景色が低くなっている。
僕はすぐに状況を理解した。
そ、そうか。
垂直に6段積み重なった凍土のうち、一番下のそれがモザイク液に浸食されて消え、残った5段の凍土がだるま落とし式に下に落ちたんだ。
それが何を意味するのか僕もアリアナも分かっていた。
「このままじゃ、いずれ凍土も全部飲み込まれちゃう。その前にやっておかないと」
そう言うとアリアナは苦しげに息をつきながら両手を真横に伸ばして腰を落とした。
彼女のその構えに僕は目を見開いた。
ま、まさか……。
消え始めているアリアナの体が青白い光を放つのを見て僕は息を飲んだ。
アリアナの魔力がゼロになった時にだけ、たった一度放つことが出来る強大魔法。
彼女の第4のスキル、乱気流雪嵐。
アリアナはそれをこの状況で敢行しようとしている。
「アリアナ。そんな状態で無茶だ。それにセクメトには……」
いくら強力な威力を誇る魔法でも、セクメトには通用しない。
だけどアリアナは首を横に振る。
その顔には一片の迷いもない。
「私の最後の技はセクメトを倒すために使うんじゃないの。アル君を……私の大切な友達を守るために使うんだよ」
そう言うとアリアナは最後の力を振り絞って乱気流雪嵐を放った。
強烈な凍気は猛烈な風となり、雪と氷をないまぜにした暴風と化す。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
アリアナはそれを前方に浮かぶセクメトではなく、凍土から見下ろす眼下に向けて放ち始めたんだ。
すると僕らが足場にしている凍土で出来た即席の塔の根元辺りが、乱気流雪嵐を浴びて分厚い氷で覆われ始める。
途端に1メートル四方だった立方体が凍結によってより太く、分厚く変化していく。
あっという間に辺り一体、十数メートル四方が凍りつき、僕らのいる場所を頂上にした氷山が出来上がった。
「アリアナ……」
そこで僕は彼女の意図を理解した。
僕の足場を固めて、モザイク液による侵食を少しでも遅れさせようとしてくれているんだ。
苦しげに肩で息をするアリアナは僕を見るとわずかに笑みを浮かべた。
「ハッ……ハッ……わ、私にはこれくらいしか出来ないけれど、でもこれが私の力の正しい使い方だと思うから」
そう言うとアリアナはとうとう力尽きてその場にガックリと膝をつき、首をうなだれた。
そこでようやく僕の手を凍りつかせていた氷が溶け、僕は痛むのも構わずに強引に凍土から手を引きはがし、アリアナの肩を後ろから抱き止めたんだ。
彼女の肩はすでにモザイクに包まれていたけれど、僕はそんなこと構わずに彼女から手を放さない。
だけど僕は彼女に一体なんて声をかけたらいいのか分からず、その肩を掴む手に力を込めるしかなかった。
「アリアナ……」
「アル……君。私がプレイヤーからNPCに変わった時も、変わらずに友達でいてくれて……嬉しかった」
アリアナの声は力なく掠れ、その目は虚ろで焦点が合っていない。
そしてその体は今や首より下がほとんどモザイクに包まれている。
弱りきった彼女の姿に僕は唇を震わせた。
そんな僕を見て、アリアナの目に浮かぶわずかな光が揺らぐ。
「……ダメだなぁ私。最後くらいカッコつけたかったのに」
そう言って肩越しに僕を見つめるアリアナの目から大粒の涙がこぼれ落ちる。
「わ、私ね……私ね……」
彼女はその口から嗚咽を漏らしながら、しゃくり上げた。
それでもアリアナは必死に声を絞り出したんだ。
「もっとアル君と冒険したかった。もっとアル君と遊びたかった。もっと……もっとアル君と一緒にいたかったよぅ……」
そんな彼女の訴えを聞いて僕は唇を震わせた。
う、うううう。
アリアナ……。
「消えたくない。いつまでもアル君のそばにいたい」
そう言うとアリアナは僕が彼女の肩に置いた手に自分の手を重ねる。
そして僕の目を見つめて言ったんだ。
「私が消えるまで……最後まで……そばにいてくれる?」
辛すぎて声すら出せずにいる情けない僕は、必死に何度も何度も頷いた。
そんな僕を見たアリアナは、ようやく安心したように笑ってくれたんだ。
それは悲しいくらいに綺麗な笑顔だった。
「アル君の友達になれて嬉し……かった。アル君。どうか死なないで。これからもずっと生きて、時々……時々でいいから、私のこと思い出してね」
「アリアナ……行かないでよアリアナ!」
「アル君……大好きだよ。ありがとう。サヨナラ……」
その言葉を最後にアリアナはモザイクに全身を包まれて僕の腕の中から消え去ってしまった。
「ううう……うあああああああっ! アリアナァァァァァァァァッ!」
声の限りに叫んだ僕の慟哭が、閉ざされた世界に虚しく響き渡った。
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