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1.幼少期。

16.魔法騎士なあいつと自由気ままな俺。

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Side メイディス

魔法騎士になってから、早2年が経って、俺は9歳になる。


「メイディス。これ、荷物持ちな。」


俺は、魔法騎士隊にこき使われている日々を送っている。・・・とは言え、こき使ってくるのは、ただ一人。『黒狼』だけなんだが。『黒狼』ことヴォルフ・ライアン。辺境伯の息子であり、現在、16歳になる。一番立場が近い人物で、俺の事を、王族とか身分関係なしに接してくれる唯一の人物である。



他の人は、どこか、遠慮してしまって、ぎこちない。でも、魔法はなんとかスムーズに使えるようになって、毎日が充実しています!!しかし、光魔法を使えるようになってからは、衛生兵として、働く事が多くなったかな。光魔法を使える者の事を『選ばれし者』と言う。滅多に光魔法を使う者はいないんだとか。


だから、俺は、『奇跡の子』と呼ばれるようになった。ちょっと、気恥ずかしい。光魔法だけでなく、他の3つの魔法も同時に使えるようになったから。一層、そう呼ばれる。属性魔法はそう多くは多重能力の人物は珍しいのに。珍しい光魔法が使えるってもんだから、一気に持ち上げられてしまう。


あぁ、俺には頭痛の種でしかない。属性魔法学の授業も受けている上に、魔法騎士隊の仕事、それに公務が入っているから忙しいっちゃあ、忙しい。


次の『メリアル』の街での仕事はどんな事になるだろうか?確か、魔物が多発しているらしい。これは、王族としても、魔法騎士隊としても放っておけはしない。覚悟を持って仕事をせねば。


~~~~~~~~

「はるとさま。おたんじょうび、おめでとうございます!」


今年、2歳になる子供から、誕生日を祝われた。街では盛大なパレードが催されている。俺、あまり誕生日とかそういうイベント祝われるの得意じゃないんだけど。引きニートにはあまり関係ないイベント!!でも、何故か、街の住民達からは慕われているんだよなー?何故だろうか?


「それは、陽翔様が素晴らしい人間だからですよ!!」


パシリ一号の言葉。到底信じられる訳もなく、さらに疑問符が浮かぶ。俺、基本的に面倒事を避けているだけなんだけどな。でも、アカネはニシシと笑う。


「陽翔様は、本当に自分のした事に鈍感なんだねー♪面倒事を避ける為に、街の活性化をするなんてー?矛盾してるよー?だから、皆、陽翔様が好きなんだよー♪」


・・・そうなのだろうか?皆、俺の事が好き?んー?俺、他人から向けられる好意とか鈍感だって事を自覚している。だから、その言葉がスッと入ってくる。胸の芯が熱くなるのを感じる。


「えへへ。皆、ありがとう。」
「はるとさまがわらったー!!」


子供に指さされて、余計に恥ずかしくなるが、でも、嬉しいものは嬉しい。


「今度は、俺、『メリアル』の街に行くんだけど、陽翔様もついてこねーか?」
「いきなり、ダンさん。なんですか?それって、俺がいると、便利だからでしょー?」
「そ、そんな事はねー?」
「(。´・ω・)?疑問形なんですか?」


ダンさん。タジタジです。しかし、今日は気分が良いので、乗ってあげましょう。さて、次の休み『メリアル』の街に行ってみますよー♪
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