ラスボス悪役ヒーローには、ならないよ！

第一章・幼少期

9.グレイシアたんは、思い立ったが吉日！が、モットーのようです

小型の蜘蛛の使い魔に情報諜報させて。俺がポロッと零した言葉に反応して、即考察に走っちゃって、しかも的を射てて、可愛らしい顔をして、洞察力が鋭い。流石、公式チート。俺は、何か役に立ててるのかな。わかんない。


グレイシア「フフッ。なるほど、なるほど？？」


蜘蛛が、情報諜報してきたようだと、気付いたのは、蜘蛛の巣を張られたから、わかるけど、気持ち悪っ、いや、やめてくれ。Gも嫌だけど、足が何本もある虫って、本当、嫌ぁああああ、


グレイシア「ちょっと厄介なことになりそうだね！ちょっくら行ってくるねっ！」


母上のいない隙見計らって、行ってしまった。だけど、そこは、王都ではなくて、辺鄙な村。だけど、変な噂が立っている。貴族の妾の子供がいると。これで、シアたんは、ヒロインの元に向かったのだと、気付いた。スマートフォンを弄って、アニメやマンガの中でしか見ない、グルグル眼鏡を掛けて、アホ毛をぴょんぴょん跳ねさせて、シアたんは、黒髪茶色の瞳のまま、向かっていた。


薄紅色した髪の毛をした女の子が、目の前に現れる。そこに向かって、白い煙のようなものが浮かんでいる。シアたんは、加速スキルを使って、サッと女の子に近付き、炎を使って燃やした。どうやら【浄化の炎】のように、見えた。只今、5歳児なのに、魔法の顕現は、早すぎるんでねぇええの！アレ、基本的に、8～～10歳で、発動するものよ。唯でさえ、童顔なのに。あっ、王族魔法！？


でも、この子間違いない。『Fortune Lover』のヒロイン、アリアン・ロッドだっ！


シアたんは堅苦しい口調で、アリアン・ロッドに声をかける。


？？「……今、君には邪悪なものに取り憑かれそうになっていたよ。だから、浄化させてもらった。悪く思わないでくれ」


アリアンは素直に頷くと共に申し訳なさそうな表情を浮かべる。


アリアン「……あっ、ありがとうございます。こんなわたしにおきをつかわせてしまって」


そういうとシアたんはフフッと笑う。


？？「何も怯えることではない。君は君らしく笑っていればいい。これが私の仕事だ。……これは失敬。私は自分の名前を名乗っていなかったね。フェレット・ジーンだ。君は？」

アリアン「アリアン・ロッドです。まじゅつしさん、たすけてくれてありがとうございます」

フェレット「別に礼を言われることではない。ではまた何処かで逢えたら良いな」

アリアン「本当ですか？」


不安そうな表情を浮かべるアリアン。シアたんは軽く笑って、アリアンと握手した。


フェレット「またきっと何処かで逢えるさ。だから、またね・・・」


と手を振った。彼女は『また』と言う言葉に惹かれて、ゆっくり離れていくシアたんを見送った。その間、ずっと手を振り続けた。


サッと元に戻るとグルグル眼鏡をスマートフォンの中に戻した。そして、髪の毛を整え、母上の住まう自宅へと戻った。


グレイシア「あ～～ぁ、性悪女が入り込むところだった。間一髪！」


やはりヒロインには転生者が乗り移る予定だったのか。


グレイシア「だけどね、もう二度と転生者は入ってこられない……フフ！あはは！」


握手した時、何かかけたのね。後は課金ショップで真偽を確かめるだけ。