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第二章
第3話 ※
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カロイアス夫妻と別れた後、2人は早速屋敷内にある源泉を引いている湯殿へと入ることにした。
「まあ、警備上仕方ないとは言え、景色が見れないのはやはり味気ないな」
「でも、屋敷内にまで引いているのは凄いですよ。王宮内じゃ無理ですし」
ドレスを脱いでウィッグを外せば、ティルスディアでは無く、サファルティアとしての時間だ。
「サフィ」
「何でしょう」
シャーロットが不満そうにサファルティアを呼ぶ。
「もっと近くに来い」
「嫌です」
基本的には湯浴みまで済ませてシャーロットを待っていることが多いせいか、こうして一緒に湯浴みするなど何年ぶりだろうか。
それこそ幼い頃以来ではないだろうか。
いや、もしかしたら初めてかもしれない……。と思うと何となく気恥ずかしくて、サファルティアはシャーロットと距離を置いたのだが、シャーロットは当然面白くない。
いくら広い湯殿と言っても、人ひとり分の間がある。これでは混浴を希望した意味がない。
互いの裸なんて見慣れているはずなのに、落ち着かないのはいつもと場所や雰囲気が違うせいだろう。
シャーロットは小さくため息を吐くと、サファルティアを無理やり引き寄せる。
「ちょ、何するんですか!」
すっぽりと腕の中に納まったサファルティアが、シャーロットを睨む。
だが、湯に浸かっているせいかサファルティアの瞳はどことなく潤んでいるように見えて、大変そそられる。
「いや、誘われているのかと」
「そんなわけないでしょう! ……って、ちょ、本当にどこ触ってっ……ひっ!」
腰のラインを指先でなぞられ、尻にたどり着くとサファルティアが面白いくらいに反応する。
シャーロットは柔らかいけれど硬さのあるサファルティアの尻の感触を楽しみながら、「男の尻だな」などと変な感想を内心呟きつつも、尻の割れ目に指を這わせる。
「やっ、本当に、怒りますよ」
「だが、期待はしているだろう?」
言葉では嫌だといいながらも、抵抗らしい抵抗はしない。
この後のことはサファルティアも想定していただろうが、まさか湯舟の中で悪戯されるとは想定外だった。
サファルティアは顔を真っ赤にしながらシャーロットにお湯をぶっかける。
「うわっ! サフィ! なにすっ……」
「陛下が変なことを言うからですよ!」
遠慮のないじゃれあいは、兄弟として育ち、互いに信頼関係があるからだ。
シャーロットからすればサファルティアの抵抗など、子猫の威嚇と変わらないのだが、本人が気にするので敢えて伝えはしない。
それでも恥ずかしがるサファルティアを見るのは面白くて、可愛くて、つい意地の悪いことをしたくなる。
「変なこと、か。その割にはこちらは素直なようだが?」
サファルティアの腕を掴んで引き寄せ、耳元で囁きながらサファルティア自身に触れる。
「んっ……」
期待していないといえば嘘になる。
しかし、この風呂は存外声が響くのだ。女性であるはずのティルスディアの声でなく、男の声がしたとなれば、捕まるのはサファルティアだ。
もちろん、シャーロットは庇うだろうし、王弟である以上滅多な事にはならないだろう。
口元を抑えたサファルティアの、期待と羞恥の混ざった表情は、シャーロットをその気にさせるのに十分だった。
「……シャーリー、当たってます」
「愛するサフィがこんなに近くにいて、そんな表情をしていれば当たり前だろう」
しれっと答えるシャーロットに、サファルティアは「どんな表情ですか……」と、呆れたように返す。
しかし、好きな人に求められるのはやはり嬉しい。
「……ベッドでしたら」
サファルティアとて、シャーロットに触れたい。
だが、温泉も楽しみたい。そんな葛藤がありありと分かり、シャーロットは苦笑する。
「は、ん……ぁ……」
湯浴みを終えて、ベッドの上で2人は抱き締め合う。
唇が重なり、最初は触れ合わせるだけだったそれが物足りなくなり、舌を絡め、唾液が混ざり合う。
口の中をシャーロットの長い舌が蹂躙し、サファルティアも負けじと悪戯な舌を追いかける。
気持ち良くて、頭がふわふわして、サファルティアはシャーロットの首に腕を回せば、繋がりがより深くなる。
「ん、んむ……はぁ……ふ……」
唇が離れると、銀色の糸が引いて、それがいやらしくて、サファルティアの心臓はドキドキする。
「可愛いな、サフィ」
「あっ! ん、ふっ……あ、シャーリー……そんな、吸ったら……ひぁっ!」
首筋や鎖骨、胸に唇が触れ、主張し始めた胸の飾りは赤く、甘い果実のようだ。
シャーロットが片方を口に含むと、吸い上げたり舌で転がす。反対側も指で摘まれたり弾かれたりすると、サファルティアは堪らず声を上げる。
「ここも、ずいぶん感じるようになったな。そのうち胸だけで果てることが出来そうだ」
「ンンッ、やっ……いじわる、いわないで……」
「意地悪なんて人聞きの悪い。サフィが私なくしては生きられないくらい堕ちればいいと思っているだけだ」
シャーロットの言葉に、サファルティアはきゅうっと胸が締めつけられる。
もうとっくにそうなっているのに。でなければわざわざ王弟と側妃の二重生活なんて大変なことはしない。だけど、その執着が嬉しい。
全身を丁寧に撫でられて、擽ったいけれどじれったくもあり、サファルティアはもじもじと足を擦り合わせる。
(落ち着かない……)
シャーロットに触れられるのは、いつだって幸せな気持ちになる。自分も何かしたいのに、気がついたら思考も身体も溶かされてしまう。
嫌ではないけれど、そこに行き着くまでが恥ずかしいとか、目のやり場に困るとか、いろいろ考えてしまってソワソワする。
サファルティアは思い切って身体を起こす。
「サフィ?」
シャーロットが不思議そうに首を傾げる。
「き、今日は僕が、します……」
サファルティアから触れたいと言うのは決して珍しいことではないが、生娘のような顔をしているのはあまりない。
ここがいつもの寝室ではなく、旅先だからだろうか。
そう思うと、あまりにも可愛らしいサファルティアに、シャーロットも喉奥で笑いをかみ殺す。
「ああ、私もサフィに触れられたい」
甘く囁けばサファルティアは嬉しそうに微笑み返してくれる。
自分とは違う逞しい身体に、サファルティアはそっと唇を落としていく。
シャーロットはくすぐったいと笑っているが、やめさせようとはしない。
だんだんと下に近づき、シャーロットの中心に来る。
(大きい……)
シャーロットの方が背が高く、軍人のような体型のせいだろうか。サファルティアも平均的な男性の身長はあるが、シャーロットほど大きくはない。
緩く勃ち上がってはいるものの、サファルティアのナカを責め立てる剛直には遠い。
思い出しただけでずくりと、腹の奥が重くなる。
ナカの気持ちのいいところを何度も突かれて、最奥を優しく捏ね回すあの快感を、シャーロットの形と熱を身体が欲している。
「ん、んむ……ふぁ……」
裏筋や括れをたっぷりの唾液を絡めた舌で愛撫する。
先端を口に入れれば、じわりと先走りが溢れ、じんと頭の奥が痺れた。
口でするのは、サファルティアは実は嫌ではない。
顔を上げればシャーロットが僅かに頬を染め、興奮してくれているのが分かる。
嬉しくて、もっと気持ち良くなって欲しくて、サファルティアは口全体を使ってシャーロット自身を愛撫する。次第にサファルティア自身も身体の疼きが強くなり、空いている手を自身の淫穴に伸ばして、シャーロットを迎える準備をする。
「いやらしいな、サフィ」
「いや、ですか?」
サファルティアが自分で解すのを見れば、いじらしくていやらしくて、可愛いサファルティアと早く繋がりたいと思う。
「まさか。だが、ここを愛でるのは私にもさせて欲しい」
シャーロットの長い指が、既に入っているサファルティアの指で広がっている縁を撫で、広げて割って入ってくる。
「んあっ……あっ……そんな、ひぁっ!?」
普段から指より太いものを受け入れているとはいえ、ソレとは違う動きにサファルティアもビクリと身体を震わせる。
堪らず口を放してしまうと、シャーロットはそれを咎めるように、サファルティアのナカを掻き回す。
「サフィ、止まってる。ほら、自分でするのだろう?」
「んぅ……やっ、手、とめっ……んあぁっ!!」
前立腺にシャーロットの指が触れ、そこを集中的に責め立てられると口淫どころではない。しかも、サファルティアの指はまだ、自分のナカに入ったままシャーロットが抜けないように押さえている。自分でも広げてみろということだろう。
サファルティアは恐る恐る指を動かすと、シャーロットの指とぶつかって、ナカで指先を撫でられるといつもとはまた違う快感が走る。
「あ、ゆ、び……ぬかせ……てぇ……んんっ…」
びくびくと震えるサファルティアを、見兼ねたシャーロットが一度指を抜く。
「サフィ」
あと少しで絶頂するという手前で止められ、サファルティアは肩で息をする。
見ればシャーロット自身もだいぶ固くなっていて、サファルティアはごくりと息を飲む。
シャーロットが欲しくて堪らない。
あの固くて太いもので気持ちのいい場所をたくさん愛して欲しい。
物欲しそうな顔をしていたのか、シャーロットはくすりと笑う。
「自分でできるか?」
自分からやると言った手前、出来ないとは言い辛い。しかし、せっかくいつもと場所や雰囲気が違うのだし、シャーロットにも気持ち良くなってもらいたい。
サファルティアは、こくりと頷いてシャーロットの膝の上に乗り上げる。
シャーロットの肩を支えに、自分で位置を調整する。窄まりに先端が掠めると悦ぶようにヒクついた。
「ぁっ……ん、んぅ……は……あぁ……」
隘路を掻き分けてシャーロットの昂りがサファルティアのナカに入ってくる。粘膜を擦られると堪らなくなって、サファルティアは喘ぐ。
「は、はぁ……はぁ……ぅ……あ、つぃ……」
内側からシャーロットとその熱に支配されていくようで、呼吸が苦しいくらい心臓が高鳴っている。
自重もあって、最奥の少し手前まで飲み込んで、サファルティアはシャーロットにしがみつくように座り込む。
その間サファルティアを見守っていたシャーロットは、珍しく積極的な様子に当然ながら興奮し、理性を繋ぎ止めるのに必死だった。
「サフィのナカも、熱いな」
「ぁ……しゃ、りー……も、気持ちいい?」
健気に聞いてくるサファルティアを今すぐ押し倒して、自分の思うように突いて、善がらせて、鳴かせたい。
そんな欲求を無理やり抑え込みながら、シャーロットはサファルティアの頭を撫で、口付ける。
「気持ちいいよ、サフィ。私をこんなに昂らせるのは、お前だけだ」
ここ数年、ドレスに隠された肢体は、細身でありながら靭やかで肌理の細かい触り心地のいい肌。優美な線を描く腰のラインは色気すら感じる。
サファルティアも欲情し、トロトロと先端から先走りを溢れさせ、結合部を濡らす様子もいやらしい。
この景色を見られるのは自分だけだと思うと優越感が満たされ、支配欲が湧き上がる。
「ほら、それだけだと気持ち良くないだろう?」
下から揺すられ、早く動けと急かされる。
サファルティアはゆっくりと腰を上げ、半分ほどのところで腰を落とす。
「あ、あっ、あっ……ナカ、きもち……っ、んぁっ!」
ナカを擦るように腰を上下させたり、円を描くように揺らしたり、自分のいいように動かしているからそれだけでも気持ちいいけれど、少し物足りない。シャーロットを見ればまだ余裕がありそうな顔をしていて、なんだか悔しい。
「気持ちいい、ですか?」
「そうだな。悪くはない、が……」
「え、ひあああっ!!」
突然腰を掴まれ、サファルティアを持ち上げたかと思うとギリギリまで抜かれ、そのまま勢いよく落とされる。
いきなりの刺激にサファルティアはガクガクと震える。
「ああ、すごいな。吸い付いてくるようだ」
主導権を奪われたサファルティアは、もう成すすべがない。
シャーロットが下からガツガツと責め立ててくると、ナカも望んでいた刺激に悦ぶように締め付ける。
「あんっ、あっ、やぁ、あっ、あぁ、は、げしっ……!」
サファルティアはシャーロットに抱きつき、快感を逃がそうとするが、シャーロットがしっかりと掴んでいるせいか思うように逃がせない。何より、シャーロットとサファルティアの腹の間で擦られるサファルティア自身も気持ち良くて、合間にキスをされると思考も溶けていくように何も考えられない。
「可愛いな、サフィ」
シャーロットの熱い吐息がサファルティアの耳を擽る。
言葉も、全身を巡る熱も熱くて、すべてを委ねてしまいたくなる。
「ふぁ、あ、ふ……しゃ、りー、あいして、ます……んあぁっ!!」
「私もだ」
「も、あっ、イく、ひっ、ああ~~~~~っ!!」
びくびくと身体を震わせながらサファルティアが絶頂する。同時に、シャーロットがサファルティアのナカでビクリと震えて果てる。
互いに見つめ合って、余韻を楽しむように唇が重なる。
何度も重ねていると、いつの間にかサファルティアはベッドに寝かされていた。
「さて、今度は私の番だな」
手を握られて、シャーロットが再び律動を始めると、サファルティアは快感に身を任せることにした。
「まあ、警備上仕方ないとは言え、景色が見れないのはやはり味気ないな」
「でも、屋敷内にまで引いているのは凄いですよ。王宮内じゃ無理ですし」
ドレスを脱いでウィッグを外せば、ティルスディアでは無く、サファルティアとしての時間だ。
「サフィ」
「何でしょう」
シャーロットが不満そうにサファルティアを呼ぶ。
「もっと近くに来い」
「嫌です」
基本的には湯浴みまで済ませてシャーロットを待っていることが多いせいか、こうして一緒に湯浴みするなど何年ぶりだろうか。
それこそ幼い頃以来ではないだろうか。
いや、もしかしたら初めてかもしれない……。と思うと何となく気恥ずかしくて、サファルティアはシャーロットと距離を置いたのだが、シャーロットは当然面白くない。
いくら広い湯殿と言っても、人ひとり分の間がある。これでは混浴を希望した意味がない。
互いの裸なんて見慣れているはずなのに、落ち着かないのはいつもと場所や雰囲気が違うせいだろう。
シャーロットは小さくため息を吐くと、サファルティアを無理やり引き寄せる。
「ちょ、何するんですか!」
すっぽりと腕の中に納まったサファルティアが、シャーロットを睨む。
だが、湯に浸かっているせいかサファルティアの瞳はどことなく潤んでいるように見えて、大変そそられる。
「いや、誘われているのかと」
「そんなわけないでしょう! ……って、ちょ、本当にどこ触ってっ……ひっ!」
腰のラインを指先でなぞられ、尻にたどり着くとサファルティアが面白いくらいに反応する。
シャーロットは柔らかいけれど硬さのあるサファルティアの尻の感触を楽しみながら、「男の尻だな」などと変な感想を内心呟きつつも、尻の割れ目に指を這わせる。
「やっ、本当に、怒りますよ」
「だが、期待はしているだろう?」
言葉では嫌だといいながらも、抵抗らしい抵抗はしない。
この後のことはサファルティアも想定していただろうが、まさか湯舟の中で悪戯されるとは想定外だった。
サファルティアは顔を真っ赤にしながらシャーロットにお湯をぶっかける。
「うわっ! サフィ! なにすっ……」
「陛下が変なことを言うからですよ!」
遠慮のないじゃれあいは、兄弟として育ち、互いに信頼関係があるからだ。
シャーロットからすればサファルティアの抵抗など、子猫の威嚇と変わらないのだが、本人が気にするので敢えて伝えはしない。
それでも恥ずかしがるサファルティアを見るのは面白くて、可愛くて、つい意地の悪いことをしたくなる。
「変なこと、か。その割にはこちらは素直なようだが?」
サファルティアの腕を掴んで引き寄せ、耳元で囁きながらサファルティア自身に触れる。
「んっ……」
期待していないといえば嘘になる。
しかし、この風呂は存外声が響くのだ。女性であるはずのティルスディアの声でなく、男の声がしたとなれば、捕まるのはサファルティアだ。
もちろん、シャーロットは庇うだろうし、王弟である以上滅多な事にはならないだろう。
口元を抑えたサファルティアの、期待と羞恥の混ざった表情は、シャーロットをその気にさせるのに十分だった。
「……シャーリー、当たってます」
「愛するサフィがこんなに近くにいて、そんな表情をしていれば当たり前だろう」
しれっと答えるシャーロットに、サファルティアは「どんな表情ですか……」と、呆れたように返す。
しかし、好きな人に求められるのはやはり嬉しい。
「……ベッドでしたら」
サファルティアとて、シャーロットに触れたい。
だが、温泉も楽しみたい。そんな葛藤がありありと分かり、シャーロットは苦笑する。
「は、ん……ぁ……」
湯浴みを終えて、ベッドの上で2人は抱き締め合う。
唇が重なり、最初は触れ合わせるだけだったそれが物足りなくなり、舌を絡め、唾液が混ざり合う。
口の中をシャーロットの長い舌が蹂躙し、サファルティアも負けじと悪戯な舌を追いかける。
気持ち良くて、頭がふわふわして、サファルティアはシャーロットの首に腕を回せば、繋がりがより深くなる。
「ん、んむ……はぁ……ふ……」
唇が離れると、銀色の糸が引いて、それがいやらしくて、サファルティアの心臓はドキドキする。
「可愛いな、サフィ」
「あっ! ん、ふっ……あ、シャーリー……そんな、吸ったら……ひぁっ!」
首筋や鎖骨、胸に唇が触れ、主張し始めた胸の飾りは赤く、甘い果実のようだ。
シャーロットが片方を口に含むと、吸い上げたり舌で転がす。反対側も指で摘まれたり弾かれたりすると、サファルティアは堪らず声を上げる。
「ここも、ずいぶん感じるようになったな。そのうち胸だけで果てることが出来そうだ」
「ンンッ、やっ……いじわる、いわないで……」
「意地悪なんて人聞きの悪い。サフィが私なくしては生きられないくらい堕ちればいいと思っているだけだ」
シャーロットの言葉に、サファルティアはきゅうっと胸が締めつけられる。
もうとっくにそうなっているのに。でなければわざわざ王弟と側妃の二重生活なんて大変なことはしない。だけど、その執着が嬉しい。
全身を丁寧に撫でられて、擽ったいけれどじれったくもあり、サファルティアはもじもじと足を擦り合わせる。
(落ち着かない……)
シャーロットに触れられるのは、いつだって幸せな気持ちになる。自分も何かしたいのに、気がついたら思考も身体も溶かされてしまう。
嫌ではないけれど、そこに行き着くまでが恥ずかしいとか、目のやり場に困るとか、いろいろ考えてしまってソワソワする。
サファルティアは思い切って身体を起こす。
「サフィ?」
シャーロットが不思議そうに首を傾げる。
「き、今日は僕が、します……」
サファルティアから触れたいと言うのは決して珍しいことではないが、生娘のような顔をしているのはあまりない。
ここがいつもの寝室ではなく、旅先だからだろうか。
そう思うと、あまりにも可愛らしいサファルティアに、シャーロットも喉奥で笑いをかみ殺す。
「ああ、私もサフィに触れられたい」
甘く囁けばサファルティアは嬉しそうに微笑み返してくれる。
自分とは違う逞しい身体に、サファルティアはそっと唇を落としていく。
シャーロットはくすぐったいと笑っているが、やめさせようとはしない。
だんだんと下に近づき、シャーロットの中心に来る。
(大きい……)
シャーロットの方が背が高く、軍人のような体型のせいだろうか。サファルティアも平均的な男性の身長はあるが、シャーロットほど大きくはない。
緩く勃ち上がってはいるものの、サファルティアのナカを責め立てる剛直には遠い。
思い出しただけでずくりと、腹の奥が重くなる。
ナカの気持ちのいいところを何度も突かれて、最奥を優しく捏ね回すあの快感を、シャーロットの形と熱を身体が欲している。
「ん、んむ……ふぁ……」
裏筋や括れをたっぷりの唾液を絡めた舌で愛撫する。
先端を口に入れれば、じわりと先走りが溢れ、じんと頭の奥が痺れた。
口でするのは、サファルティアは実は嫌ではない。
顔を上げればシャーロットが僅かに頬を染め、興奮してくれているのが分かる。
嬉しくて、もっと気持ち良くなって欲しくて、サファルティアは口全体を使ってシャーロット自身を愛撫する。次第にサファルティア自身も身体の疼きが強くなり、空いている手を自身の淫穴に伸ばして、シャーロットを迎える準備をする。
「いやらしいな、サフィ」
「いや、ですか?」
サファルティアが自分で解すのを見れば、いじらしくていやらしくて、可愛いサファルティアと早く繋がりたいと思う。
「まさか。だが、ここを愛でるのは私にもさせて欲しい」
シャーロットの長い指が、既に入っているサファルティアの指で広がっている縁を撫で、広げて割って入ってくる。
「んあっ……あっ……そんな、ひぁっ!?」
普段から指より太いものを受け入れているとはいえ、ソレとは違う動きにサファルティアもビクリと身体を震わせる。
堪らず口を放してしまうと、シャーロットはそれを咎めるように、サファルティアのナカを掻き回す。
「サフィ、止まってる。ほら、自分でするのだろう?」
「んぅ……やっ、手、とめっ……んあぁっ!!」
前立腺にシャーロットの指が触れ、そこを集中的に責め立てられると口淫どころではない。しかも、サファルティアの指はまだ、自分のナカに入ったままシャーロットが抜けないように押さえている。自分でも広げてみろということだろう。
サファルティアは恐る恐る指を動かすと、シャーロットの指とぶつかって、ナカで指先を撫でられるといつもとはまた違う快感が走る。
「あ、ゆ、び……ぬかせ……てぇ……んんっ…」
びくびくと震えるサファルティアを、見兼ねたシャーロットが一度指を抜く。
「サフィ」
あと少しで絶頂するという手前で止められ、サファルティアは肩で息をする。
見ればシャーロット自身もだいぶ固くなっていて、サファルティアはごくりと息を飲む。
シャーロットが欲しくて堪らない。
あの固くて太いもので気持ちのいい場所をたくさん愛して欲しい。
物欲しそうな顔をしていたのか、シャーロットはくすりと笑う。
「自分でできるか?」
自分からやると言った手前、出来ないとは言い辛い。しかし、せっかくいつもと場所や雰囲気が違うのだし、シャーロットにも気持ち良くなってもらいたい。
サファルティアは、こくりと頷いてシャーロットの膝の上に乗り上げる。
シャーロットの肩を支えに、自分で位置を調整する。窄まりに先端が掠めると悦ぶようにヒクついた。
「ぁっ……ん、んぅ……は……あぁ……」
隘路を掻き分けてシャーロットの昂りがサファルティアのナカに入ってくる。粘膜を擦られると堪らなくなって、サファルティアは喘ぐ。
「は、はぁ……はぁ……ぅ……あ、つぃ……」
内側からシャーロットとその熱に支配されていくようで、呼吸が苦しいくらい心臓が高鳴っている。
自重もあって、最奥の少し手前まで飲み込んで、サファルティアはシャーロットにしがみつくように座り込む。
その間サファルティアを見守っていたシャーロットは、珍しく積極的な様子に当然ながら興奮し、理性を繋ぎ止めるのに必死だった。
「サフィのナカも、熱いな」
「ぁ……しゃ、りー……も、気持ちいい?」
健気に聞いてくるサファルティアを今すぐ押し倒して、自分の思うように突いて、善がらせて、鳴かせたい。
そんな欲求を無理やり抑え込みながら、シャーロットはサファルティアの頭を撫で、口付ける。
「気持ちいいよ、サフィ。私をこんなに昂らせるのは、お前だけだ」
ここ数年、ドレスに隠された肢体は、細身でありながら靭やかで肌理の細かい触り心地のいい肌。優美な線を描く腰のラインは色気すら感じる。
サファルティアも欲情し、トロトロと先端から先走りを溢れさせ、結合部を濡らす様子もいやらしい。
この景色を見られるのは自分だけだと思うと優越感が満たされ、支配欲が湧き上がる。
「ほら、それだけだと気持ち良くないだろう?」
下から揺すられ、早く動けと急かされる。
サファルティアはゆっくりと腰を上げ、半分ほどのところで腰を落とす。
「あ、あっ、あっ……ナカ、きもち……っ、んぁっ!」
ナカを擦るように腰を上下させたり、円を描くように揺らしたり、自分のいいように動かしているからそれだけでも気持ちいいけれど、少し物足りない。シャーロットを見ればまだ余裕がありそうな顔をしていて、なんだか悔しい。
「気持ちいい、ですか?」
「そうだな。悪くはない、が……」
「え、ひあああっ!!」
突然腰を掴まれ、サファルティアを持ち上げたかと思うとギリギリまで抜かれ、そのまま勢いよく落とされる。
いきなりの刺激にサファルティアはガクガクと震える。
「ああ、すごいな。吸い付いてくるようだ」
主導権を奪われたサファルティアは、もう成すすべがない。
シャーロットが下からガツガツと責め立ててくると、ナカも望んでいた刺激に悦ぶように締め付ける。
「あんっ、あっ、やぁ、あっ、あぁ、は、げしっ……!」
サファルティアはシャーロットに抱きつき、快感を逃がそうとするが、シャーロットがしっかりと掴んでいるせいか思うように逃がせない。何より、シャーロットとサファルティアの腹の間で擦られるサファルティア自身も気持ち良くて、合間にキスをされると思考も溶けていくように何も考えられない。
「可愛いな、サフィ」
シャーロットの熱い吐息がサファルティアの耳を擽る。
言葉も、全身を巡る熱も熱くて、すべてを委ねてしまいたくなる。
「ふぁ、あ、ふ……しゃ、りー、あいして、ます……んあぁっ!!」
「私もだ」
「も、あっ、イく、ひっ、ああ~~~~~っ!!」
びくびくと身体を震わせながらサファルティアが絶頂する。同時に、シャーロットがサファルティアのナカでビクリと震えて果てる。
互いに見つめ合って、余韻を楽しむように唇が重なる。
何度も重ねていると、いつの間にかサファルティアはベッドに寝かされていた。
「さて、今度は私の番だな」
手を握られて、シャーロットが再び律動を始めると、サファルティアは快感に身を任せることにした。
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結衣可
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戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
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