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第24話 せまる刻
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その頃、深琴を助けるべくチームに分かれて探している聖夜メンバーのディープとハマ組は何やら街の様子が慌ただしいのに気付いていた。
「ハマさん、 なんか慌ただしくないですか?」
「うん、そうだよね」
「もしかして、琴ちゃんの処刑の準備そろそろ完了したってことなんですかね?」
「そうかもしれない! 急がないと!」
またミワンとヒロサスの二人もその雰囲気に気付き、慌ただしさの中心となる場所を探っていた。
「どう?」
「場所は大広場って所らしいですが、まだ時間がわかりませんね」
「そうね……まだ準備してるって事は、時間があるって事よね」
「そうですね。急ぎましょう」
ピロ、桔梗、アーマー、ポン、アル、リリシアたちもその情報を掴みながら、深琴が捕らわれている場所を探していた。
(最悪の場合はその処刑場で助けるしかないっちゃね……)
そう思うアーマーだった。
処刑の準備が進められる中、ジャミスのいる執務室のドアをノックして案内の者と共に先ほどジンラッハに叱責されて追い返された使者が入って来た。
「失礼します」
「なんだ?」
「はい、只今ジンラッハ様の所へ行ってきた者が帰って参りました」
「そうか、ジンラッハの様子はどうだった」
「それが……」
使者の者の説明を聞いて、ジャミスは怒りを露わにした。
「ジンラッハめ! そんな事を言ったのか! くそ!」
その会話にどこからともなく、入り込む声が聞こえてきた。
「ジャミス殿……上手くいっていないのですかな」
その声にオドオドしながら使者が部屋を見回すが姿が無い。
ジャミスは使者たちを部屋から退室させると、声の主の名前を呼んだ。
「クーガか」
ジャミスが呟くと床に黒い円ができ、その中から全身を覆うローブを被った男が現れた。
「お手伝いいたしましょうか?」
クーガの声は少し反響している感じでジャミスに声が届く。その言葉には棘がありジャミスは苛立つように答えた。
「上手くいってないなど有るはずもない! 順調だ、ジンラッハには直ぐにでも退いてもらう!」
そう言うと椅子に腰を落とし、クーガに問いかけた。
「貴様が来たという事は何か始まるのか?」
「そうですね」
そう言うとクーガは魔法紙をジャミスの座る席に手も触れずに届けた。その中身を見たジャミスの顔が不敵な笑みに変わったいた。
「あの御方が動かれるのか!」
「その様です。その為にはジャミス殿にこのラスグーンできっちり仕事をしていただかないと」
「わかっている! 今日はまず手始めにマスターアランの息子の処刑をするのだ」
その話を聞くとクーガの下に、また黒い円が現れる。
「そうですかジャミス殿、期待してますよ」
「私を誰だと思っている? マスターアランを超える者だぞ!」
そう伝えると、クーガの姿は消えて行った。
外の慌ただしさから処刑の準備が進んでいることを理解した深琴は、変化のない現状に少々焦りを感じ始めていた。
「ちょ~っと~レバンナ~ 時間無いんじゃないの? これだけ外が騒がしいってことは……もう準備できてるってことでしょ?」
その言葉にレバンナが申し訳なさそうに答えた。
「すまない深琴、まだ動けない……」
「レバンナは何を待っているの?」
「頼んだ物がある」
「頼んだ物? でも、もう私たちの処刑の準備すすんじゃってるでしょ?」
「間に合う筈だ……だからもう少しギリギリまで時間をくれ」
深琴はため息を漏らしながら答えた。
「もう~……でも無理だと思ったら! その時は行動するわよ!」
「わかっている。俺も素直に処刑されるつもりはないしな」
そんな話をしていると、ジャミスの部下が何人か入って来た。
「出ろ!」
二人はすぐに手と足に鎖で繋がれて広場に向かって連れて行かれた
「ハマさん、 なんか慌ただしくないですか?」
「うん、そうだよね」
「もしかして、琴ちゃんの処刑の準備そろそろ完了したってことなんですかね?」
「そうかもしれない! 急がないと!」
またミワンとヒロサスの二人もその雰囲気に気付き、慌ただしさの中心となる場所を探っていた。
「どう?」
「場所は大広場って所らしいですが、まだ時間がわかりませんね」
「そうね……まだ準備してるって事は、時間があるって事よね」
「そうですね。急ぎましょう」
ピロ、桔梗、アーマー、ポン、アル、リリシアたちもその情報を掴みながら、深琴が捕らわれている場所を探していた。
(最悪の場合はその処刑場で助けるしかないっちゃね……)
そう思うアーマーだった。
処刑の準備が進められる中、ジャミスのいる執務室のドアをノックして案内の者と共に先ほどジンラッハに叱責されて追い返された使者が入って来た。
「失礼します」
「なんだ?」
「はい、只今ジンラッハ様の所へ行ってきた者が帰って参りました」
「そうか、ジンラッハの様子はどうだった」
「それが……」
使者の者の説明を聞いて、ジャミスは怒りを露わにした。
「ジンラッハめ! そんな事を言ったのか! くそ!」
その会話にどこからともなく、入り込む声が聞こえてきた。
「ジャミス殿……上手くいっていないのですかな」
その声にオドオドしながら使者が部屋を見回すが姿が無い。
ジャミスは使者たちを部屋から退室させると、声の主の名前を呼んだ。
「クーガか」
ジャミスが呟くと床に黒い円ができ、その中から全身を覆うローブを被った男が現れた。
「お手伝いいたしましょうか?」
クーガの声は少し反響している感じでジャミスに声が届く。その言葉には棘がありジャミスは苛立つように答えた。
「上手くいってないなど有るはずもない! 順調だ、ジンラッハには直ぐにでも退いてもらう!」
そう言うと椅子に腰を落とし、クーガに問いかけた。
「貴様が来たという事は何か始まるのか?」
「そうですね」
そう言うとクーガは魔法紙をジャミスの座る席に手も触れずに届けた。その中身を見たジャミスの顔が不敵な笑みに変わったいた。
「あの御方が動かれるのか!」
「その様です。その為にはジャミス殿にこのラスグーンできっちり仕事をしていただかないと」
「わかっている! 今日はまず手始めにマスターアランの息子の処刑をするのだ」
その話を聞くとクーガの下に、また黒い円が現れる。
「そうですかジャミス殿、期待してますよ」
「私を誰だと思っている? マスターアランを超える者だぞ!」
そう伝えると、クーガの姿は消えて行った。
外の慌ただしさから処刑の準備が進んでいることを理解した深琴は、変化のない現状に少々焦りを感じ始めていた。
「ちょ~っと~レバンナ~ 時間無いんじゃないの? これだけ外が騒がしいってことは……もう準備できてるってことでしょ?」
その言葉にレバンナが申し訳なさそうに答えた。
「すまない深琴、まだ動けない……」
「レバンナは何を待っているの?」
「頼んだ物がある」
「頼んだ物? でも、もう私たちの処刑の準備すすんじゃってるでしょ?」
「間に合う筈だ……だからもう少しギリギリまで時間をくれ」
深琴はため息を漏らしながら答えた。
「もう~……でも無理だと思ったら! その時は行動するわよ!」
「わかっている。俺も素直に処刑されるつもりはないしな」
そんな話をしていると、ジャミスの部下が何人か入って来た。
「出ろ!」
二人はすぐに手と足に鎖で繋がれて広場に向かって連れて行かれた
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