せっかくBLゲームに転生したのにモブだったけど前向きに生きる!

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第四章 ~なんだかんだでゲームに沿う形でハーレムっぽい感じになる~

ちょっと気になったんだ

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「カっ、……カシュうぅ~っ!」

心なしかトボトボ歩いてる背中へと、大声で名前を呼んだ。
結構な大声だったからか、通りを歩いてる人が皆オレの方を振り返った。朝の一番賑わった時間帯は終わろうとしてるけど、普通に通行人が多いからちょっと恥ずかしいぞ。
だけどカシュは振り返ってくれない。


「カ、シュっ。カシュってば。……ちょっと待ってくれっ。」

通り越して正面から呼び掛けたらようやく気付いた。
驚いた表情でカシュが足を止める。

「イグゥ、さん……。……どしたの?」
「どした……って。えぇと…」

あれ? カシュって、髪型もだけど雰囲気もふわってイメージだったけど。
外側のイメチェンだけじゃなくキャラチェンもしたのか? ……って言う程、中身を知ってるわけじゃないけど。
おっとりで可愛らしい喋り方して来る、ってのがオレの脳内にあったから、ちょっと意外過ぎてオレはコッソリ驚いてた。


「昨日はオレ、急いでお店出ちゃったからさぁ……。」
「うん……?」

本題を話す前に、まずは様子見で昨日の件を話題にしながら。
歩きながら話そうって意思を、カシュの進行方向に軽く腕を伸ばす仕草で伝える。
オレがそっちへ足を踏み出すと、察してくれたカシュもゆっくり歩き出した。

「せっかくオレを誘ってくれたフィロウも置いてきちゃって。……あの後って、どうしたんだ?」
「あー、あの後……。……うぅ~ん……。」
「うーん?」

その表情って、どう予測したらいいんだ?
ニヤニヤするのと、ちょっと不機嫌なのが混じった感じの顔……か?

「ぇと、ほら……。初対面同士で同じ席、なわけじゃん? 三人でどんな話したのかな~って、ちょっと興味惹かれるし。」
「……ん~。」

オレの言葉に、今度はカシュ、分かりやすく考え込んだ。

あれは、きっと何か説明するのが難しい話題で盛り上がったんだな。分かるぞ。
どうでもいいけどカシュ、ちゃんと前を見なきゃ転ぶぞ?


「……もし、話し難かったら無理に言わなくてもいいぞ?」
「そうだねぇ……。その内、本人達から聞くといいよ。イグゥさんが、愛されてるなぁ…って話だから。」
「え゛っ、……そんな話? もうちょい他に話題あるだろぉ?」

瞬間的に、ルサー、リオ、ユーグ、それにリッカとビリーまで浮かんで来た。
オレの反応が面白かったのか、カシュはクスクス笑い出す。
短い時間だけど、一頻り笑って。
それから、フッと息を吐くカシュ。
隣を歩くオレを見上げたカシュは、オレがイメージしてたような、ふわって感じの笑顔を見せた。


「そ、れ、でぇ~? 何か用事があるんでしょっ?」
「バレてたか。」
「そりゃあね? ヴィルの事だ、よ、ねぇ?」
「あぁ、ビリーの……。って、違う呼び方するのってややこしいかな。」
「いいんじゃな~い? お互いに、誰の事かは分かってるもんねぇ~?」

機嫌が良さそうに、コロコロ転がるように話すカシュ。
足を止めて、正面からオレに向き直った。

「ね…、これから、ヴィルに会わない……?」
「これから? でもビリーだって用事…」
「大丈夫。今は家にいるハズ。会えるよ? ……どう?」

勧めてくれカシュに頷いた。会えるんなら、オレが断るような都合は無い。
近い内に会えれば、って考えてたから丁度良かった。


「…………良かったぁ~。じゃあ、案内するねっ。」

人懐っこい甘えん坊の笑い方。
嬉しそうで、喜んでるように感じる声の出し方。

オレがイメージしてたカシュ。
……そしてたぶん、カシュの知り合いが見ても、『らしい』んじゃないかな?


だから気になった。



「なぁ、カシュ……。」
「ぅん? なぁに?」
「髪、触っていいか? 駄目?」

ビリーの恋人にして貰ってる。って自己紹介したカシュ。
ちょっと試すみたいで悪いけど、道端で、頼んでみた。

「え、え? …ぅ、……うん? いい、けど……。」

カシュはオレの方を向いたままで、だけど素早く周囲を窺った。
通行人に注目されてる程じゃないけど、誰からでも見える場所にオレ達はいる。
その状況で、カシュは了承した。
もちろんコレだけで、カシュについて分かった。なんて言わないけど。


「自分で切ったのか? ……髪。」
「……え? あ、……ぅん。」
「随分、短くしたんだな。」

声を掛けながらカシュに触る。
指を潜り込ませて撫でながら、頭皮や髪の毛先まで状態を確認してく。



お前は何をしてるんだ。って感じだろ?

カシュの髪を弄りながら、オレは、自傷行為をちょっとだけ疑ってたんだ。
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