せっかくBLゲームに転生したのにモブだったけど前向きに生きる!

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第四章 ~なんだかんだでゲームに沿う形でハーレムっぽい感じになる~

隣の部屋からやって来た幼馴染み

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「……はい、お待たせしました。良かったら、こちらもどうぞ?」

エステードさんがローテーブルに置いてくれた物は、予想してたのとは違った。


飲み物の器が、インドやネパール系の専門的なカレー屋さんで出て来そうな、鎚目付き銅装飾カップ。めっちゃ冷えそうだ。
その中には白み掛かった茶色の液体が注がれてた。見た目はミルクティーに似てるけど香りがちょっと違う。

一緒に並べられた皿にはオツマミっぽく、一口大の渦巻き……たぶん、ベーコンと重ね合わせたパイ生地を筒状にクルクル巻いて焼いて、輪切りにした感じ……が乗ってる。
それともう一皿は。掌より一回りくらい大きな、カマンベールチーズっぽい物。の上から、メイプルシロップが掛かってるやつ。
食べ物の方はどっちも買った物っぽいぞ。

美味しそうだけど個性強いな~。合う・合わないを考えてないラインナップ。
……って、オレもとやかく言えるようなセンスじゃないけどさ。


「珈琲と紅茶をブレンドしたものですよ。甘みも少し入ってますが、もし苦いようならミルクもありますから言ってください。」

カップを近付けて香を嗅いでたら、察して説明してくれるエステードさん。
ちょっと聞き馴染みが無くて興味を惹かれた。

「へぇ~、そんなブレンドした粉があるんだ。何処で売ってるんだ?」
「あっ、それは……その…、……王都、で。」
「そっかぁ~。それは残念。」

どうりで知らないわけだ。
エステードさんは流石、領主の息子なだけあって王都から買い付けてるんだろう。


一口飲んで見たら、濃いミルクティーだった。
珈琲とのブレンドなんて味が喧嘩しそうなもんだけど、オレは意外とイケる。


「……いかがです? 私は結構好きな味なんですが。」

同じカップをテーブルに置いて、エステードさんはオレの斜め横に、正座の膝を崩したような姿勢でラグに座る。
そんな座り方するから、見る気が無くてもつい目が……足に向かっちゃう。
膝上までのバスローブの丈が、床に座ったら太腿までたくし上がってる。
色気もその気もないのに、ついつい見ちゃう。

下着履いてないっぽいエステードさん、自分で気にならないのか?

必要以上にエステードさんの足を見ないように。その姿をうっかりルサーに変更して想像しちゃわないように。
オレは目の前にある珈琲紅茶やオツマミに集中しようとした。



そのタイミングで。


隣の部屋から音がした。

ヴォオーン、とか。フウゥォオーッ、とか。そんな感じの。


「……エステードさん。隣の部屋、誰かいる?」
「え、ぇ? ……い、いえ、誰も…」
「…何か音がした。」
「気の所為ですよ。」

小声で尋ねながら、音をさせずにオレは立ち上がる。
オレに釣られて小声になったけど、キッパリ言うエステードさん。

でもオレの耳には聞こえた。
現に今も。
扉の向こう側に人の気配を感じてる。
特に足音を消そうともしないで、誰かがコッチに歩いて来てる。
部屋を荒らしたり、殺気のようなものは感じないけど、情報が無くて不気味だ。


「ぁ、あの……私、隣で着替えて…」
「……シィー。」

気付いてないエステードさんが隣の部屋へ行こうとするのを止めた。
それから、手振りで離れるよう指示するのと同時に。

オレは扉のすぐ前。真正面に立った。
ジッと見詰めるドアノブがゆっくり回される。


…………来る!


開く扉の陰から声がした。

「……ンだよ。居ねぇのか、……ったく、エステー…」
「……ぁれ?」

頭を掻きながら、ぶつくさ文句を言ってた人が、オレを見て固まる。
対処するツモリで待ち構えてたハズのオレも、その人を見て固まる。

「………。」
「………。」

二、三瞬の間、無言で見詰め合ったオレ達だけど。


「メリクル……?」

オレが呟いた瞬間。



ギイィッ。  ガッ。  むんずっ。


相手が扉を閉めようとした音。オレが咄嗟に押さえた音。相手の腕を掴んだ音だ。



「え? えっ? なんで? なんでココに居るのっ? ねぇっ…」
「……るさいっ! 離せっ、お前に用事なんか無いからなっ!」
「なんでぇっ? なんでそんな冷たいんだよっ。久し振りに会ったのにぃっ!」
「知らねぇよ、初対面だわっ!」

厳しい対応のメリクル。
懐かしさを共有してくれる気持ちが乏しそうだ。

オレの背後でハラハラしてるっぽいエステードさんに声を掛けた。

「エステードさん、この人、知ってる?」
「えっ、あ…ハイ……い、いや……、あの……。」
「メリクル……だよな?」

否定も肯定も明らかにしないけど、エステードさんはきっと知ってる。
そして、ここに居るのはメリクルだ。


「チッ……。ナニやってんだよ。」

舌打ちするメリクルだけど。


いやいや、メリクルの方こそ。なんでそんな感じになっちゃったんだ?
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