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第五章 ~ゲームに無かった展開だから遠慮しないで歯向かう~
妙な体勢だけど改めてプロポーズ
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落ち着いた口調でルサーは話してくれた。
リスタニアって国の第二王子として育てられた過去。
全部かどうかは分かんないけど、ハーレムに関わる『嫌な思い出』を。
ゲーム画面のテキスト文章を見るより、ルサーの身に起こった現実は酷かった。
まだ子供だったのに。たった一人で、見ず知らずの天守の元に、本妻としてハーレムに連れて来られて。
「清らかじゃない」って一方的に責められて、宮殿に幽閉されて。
一度も天守に会わないまま、ノマルの町に追いやられた。
もっと感情的に恨み言を吐いてもいいのに、ルサーは淡々と説明した。
聞いてるオレが気分を悪くしないよう、酷い場面では出来事が分かる程度に省いて話したり、言葉を選んだりしてくれた。
オレは沸々怒りが湧いて来るのを、意識をその感情から必死に背けながら聞いた。
ルサーが話してくれてるのは、別に、オレに怒りや悲しみを共有して欲しいからじゃない。目的はそれじゃない。
「ほんの一時でも俺は、他の男のハーレムに居た。……知ってるようだな?」
「ん……いや。部分的にだし、ただの推測なだけだ。」
攻略テクとして、ゲームでの知識があっただけだ。
『本妻にしたキャラに、わざと他の男をけしかけて、放置して追い出す』。
サイトの掲示板に書いてあるから、沢山のプレイヤーがやってる方法だ。廃人ゲーマーなオレも実際にやってた。特に酷いとも何とも思わずに。
……こんな風になる、なんて思ってもみなかった。
「そう、か……。」
呟いたルサーが身じろいで、被せてた毛布がずれて肩が剥き出しになった。
二人ともベッドに寝てるから、普段より身長差が無くて真っ直ぐに視線が合う。
ルサーはオレの瞳を覗き込んで、何かを探るような窺うような、不安そうな表情をしてた。
毛布の中で握ったルサーの手がちょっとだけ震えてる。
オレはその手を引いて、毛布の外に出した。チュッて音を立てて手の甲に口付ける。
ルサーがピクッと肩を震わせて息を呑む。
「ありがとう、ルサー。話し難かっただろ。」
「い、いや……そうじゃなくて、よ…」
「ルサーの話はこれで全部か?」
なるべく優しい声で。だけどオレは、シッカリとルサーの言葉を遮った。
戸惑った感じのルサーが頷く。
ルサーが言いたいのは。たぶん。
自分の過去を、自分の口から伝えたルサーは。
こんな自分でもいいのか、って確認したいんだろうな。
もしかしたらオレは、ルサーの過去を全部知ってるかも知れないって思いながら。オレに天守のシルシがある以上は、ハーレムの話は避けて通れないから。
薄々予想が付いてた話でも、実際にそれが過去の事実だったのが分かれば、オレの気持ちが変わるかも知れない。そう考えて怯えながら、だけど黙ったままでオレの言葉……「妻になって欲しい」って願いを受け入れることは出来なかったんだろう。
「オレの気持ちは変わらない。ルサーが好きだ。ルサーが欲しい。」
そう思ったから、ルサーに続きを言わせなかった。
だって、オレが遮らなかったら。ルサーは言うだろう。自分を卑下するような言葉を。汚れてる、とか言うかも知れない。
聞いてあげる方が良かったのかも分かんない。けど、いくらルサーの言葉でもそれは聞きたくない。
我が儘なんだ、オレは。
「オレの妻になって欲しい。……ルサーをくれ。オレの、ものになって。」
オレはルサーの手を両手で包んだ。
恭しく首を垂れてから、馬鹿の一つ覚えでルサーを見詰める。
体勢もシチュエーションも微妙だけど。本当に本音だから。何度でも言うツモリだ。
「わ……、……分かっ、た。」
すぐに答えは返って来ないだろうって思ってたのに、意外と早めにルサーが返事をくれた。
視線を逸らさないルサーの頬がジワジワ赤くなってく。
「お前のモンに……なってやる。……大事にしろよ?」
「……! ルサーっ!」
一気に嬉しさが込み上げた。
二人並んで寝そべる状態から、毛布を跳ね上げる勢いでルサーの上に圧し掛かる。
衝動的に、ルサーの顔中……頬、鼻、目蓋、額、あちこちにキスを落とした。むしろ、舐め回したいくらいだ。
ちょっとは緊張してた反動だろうけど、勝手にオレの口角が上がってる。
「凄い、チョー嬉しいっ。ルサーっ、好き、好きだ。」
「あぁもう……分かった、分かったから。……ったく、もう…」
いつもなら調子に乗って飛び掛かったオレが怒鳴られるパターンなんだけど。
擽ったそうにルサーは目を細めた。
「ソコじゃねぇだろ……?」
言いながらルサーが自分の唇の膨らみを人差し指の先でトントンする。
ルサーからのお強請りの攻撃力に、当然、オレが勝てるハズは無かった。
リスタニアって国の第二王子として育てられた過去。
全部かどうかは分かんないけど、ハーレムに関わる『嫌な思い出』を。
ゲーム画面のテキスト文章を見るより、ルサーの身に起こった現実は酷かった。
まだ子供だったのに。たった一人で、見ず知らずの天守の元に、本妻としてハーレムに連れて来られて。
「清らかじゃない」って一方的に責められて、宮殿に幽閉されて。
一度も天守に会わないまま、ノマルの町に追いやられた。
もっと感情的に恨み言を吐いてもいいのに、ルサーは淡々と説明した。
聞いてるオレが気分を悪くしないよう、酷い場面では出来事が分かる程度に省いて話したり、言葉を選んだりしてくれた。
オレは沸々怒りが湧いて来るのを、意識をその感情から必死に背けながら聞いた。
ルサーが話してくれてるのは、別に、オレに怒りや悲しみを共有して欲しいからじゃない。目的はそれじゃない。
「ほんの一時でも俺は、他の男のハーレムに居た。……知ってるようだな?」
「ん……いや。部分的にだし、ただの推測なだけだ。」
攻略テクとして、ゲームでの知識があっただけだ。
『本妻にしたキャラに、わざと他の男をけしかけて、放置して追い出す』。
サイトの掲示板に書いてあるから、沢山のプレイヤーがやってる方法だ。廃人ゲーマーなオレも実際にやってた。特に酷いとも何とも思わずに。
……こんな風になる、なんて思ってもみなかった。
「そう、か……。」
呟いたルサーが身じろいで、被せてた毛布がずれて肩が剥き出しになった。
二人ともベッドに寝てるから、普段より身長差が無くて真っ直ぐに視線が合う。
ルサーはオレの瞳を覗き込んで、何かを探るような窺うような、不安そうな表情をしてた。
毛布の中で握ったルサーの手がちょっとだけ震えてる。
オレはその手を引いて、毛布の外に出した。チュッて音を立てて手の甲に口付ける。
ルサーがピクッと肩を震わせて息を呑む。
「ありがとう、ルサー。話し難かっただろ。」
「い、いや……そうじゃなくて、よ…」
「ルサーの話はこれで全部か?」
なるべく優しい声で。だけどオレは、シッカリとルサーの言葉を遮った。
戸惑った感じのルサーが頷く。
ルサーが言いたいのは。たぶん。
自分の過去を、自分の口から伝えたルサーは。
こんな自分でもいいのか、って確認したいんだろうな。
もしかしたらオレは、ルサーの過去を全部知ってるかも知れないって思いながら。オレに天守のシルシがある以上は、ハーレムの話は避けて通れないから。
薄々予想が付いてた話でも、実際にそれが過去の事実だったのが分かれば、オレの気持ちが変わるかも知れない。そう考えて怯えながら、だけど黙ったままでオレの言葉……「妻になって欲しい」って願いを受け入れることは出来なかったんだろう。
「オレの気持ちは変わらない。ルサーが好きだ。ルサーが欲しい。」
そう思ったから、ルサーに続きを言わせなかった。
だって、オレが遮らなかったら。ルサーは言うだろう。自分を卑下するような言葉を。汚れてる、とか言うかも知れない。
聞いてあげる方が良かったのかも分かんない。けど、いくらルサーの言葉でもそれは聞きたくない。
我が儘なんだ、オレは。
「オレの妻になって欲しい。……ルサーをくれ。オレの、ものになって。」
オレはルサーの手を両手で包んだ。
恭しく首を垂れてから、馬鹿の一つ覚えでルサーを見詰める。
体勢もシチュエーションも微妙だけど。本当に本音だから。何度でも言うツモリだ。
「わ……、……分かっ、た。」
すぐに答えは返って来ないだろうって思ってたのに、意外と早めにルサーが返事をくれた。
視線を逸らさないルサーの頬がジワジワ赤くなってく。
「お前のモンに……なってやる。……大事にしろよ?」
「……! ルサーっ!」
一気に嬉しさが込み上げた。
二人並んで寝そべる状態から、毛布を跳ね上げる勢いでルサーの上に圧し掛かる。
衝動的に、ルサーの顔中……頬、鼻、目蓋、額、あちこちにキスを落とした。むしろ、舐め回したいくらいだ。
ちょっとは緊張してた反動だろうけど、勝手にオレの口角が上がってる。
「凄い、チョー嬉しいっ。ルサーっ、好き、好きだ。」
「あぁもう……分かった、分かったから。……ったく、もう…」
いつもなら調子に乗って飛び掛かったオレが怒鳴られるパターンなんだけど。
擽ったそうにルサーは目を細めた。
「ソコじゃねぇだろ……?」
言いながらルサーが自分の唇の膨らみを人差し指の先でトントンする。
ルサーからのお強請りの攻撃力に、当然、オレが勝てるハズは無かった。
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