せっかくBLゲームに転生したのにモブだったけど前向きに生きる!

左側

文字の大きさ
302 / 364
第六章 ~ゲームと違ってオレのハーレムは自動生成されない~

新たに妻が一人増えたぞ

しおりを挟む
ビリーはちょっと緊張したような面持ちでオレを見た。
横に並んでカシュも、真剣な表情でオレを見る。


「俺は……、イグゥの、事が……好き、だよ……。」
「あぁ、分かってる。」
「……だ、けど。……カシュの、事も…好きだ、から……別れたく、ない。俺…っ、イグゥも……カシュ、も……両方、欲しい……。」
「うん、……そうか。」

一生懸命に喋ってるビリー。
その隣ではカシュがコクコク頷いてる。
同じようにオレもコックリして聞いてた。


ビリーのその気持ちは良く分かる。
オレだってそうだ。
今ここにはルサーとビリーしか居ないけど、リオも、リッカも、ユーグも……そしてフィロウも。オレのハーレムに入って欲しい。……あぁ、フィロウと家族との話し合いが上手く行きますように。


「だから、ね……イグゥ。……お願いなん、だけど…」
「あぁ、言ってくれ。」
「…俺と、カシュ……、二人…とも……。……して。」


……シ、……テ。


ハッ……! 今、凄いエッチな変換しちゃったぞ。ヤバい。

ビリーとカシュの身体を重ねて、三人でセックスするの想像しそうになった。
慌てて自分の両頬っぺたをパシパシ叩いて、気を引き締めるオレ。


「え~っと? ……して、ってのは…」
「妻。」
「……だよな、うん。」

バツが悪くなったオレ、そっと隣を見てルサーに苦笑される、の巻。
たぶんこれ、ルサーにはオレの下ネタな勘違いがバレてるだろうな。


「俺……。……カシュ、と…こっそり、会うの……嫌、だから。」
「そうだよな。」
「……イグゥ、に……秘密も、嫌……。」
「そうか、……そうだな。」

妻がハーレムの外に『男』を作るのは、世間一般の目にも晒されやすいし、そうなったら妻に対しても『男』に対しても厳しい言葉を掛けられるだろう。
同じハーレムの妻同士なら、……宮殿に住むかどうかはともかくとして、恐らく外部の人間には漏れにくいハズだからな。


「なるほど。天守のオレが妻同士の交流を認めれば、特に問題にはならない……って話、だよな?」
「……ん、ちょっと……違う。」

オレの認識について一応確認しとこうって思って。
声に出して聞いてみたら、ビリーは緩やかに首を振った。
聞いて良かった。


「つ、……妻同士が……交流、するんじゃ……なくて。……えっと……、恋人…同士の、俺とカシュを……妻に、して……欲しい……。」
「んん? オレには違いが良く分かんないんだけど…」
「まぁ、なんつ~か……微妙な差ァかも知れねぇんだがな……。」

正直言ってオレには、ビリーがそこを訂正する理由が分かんなかった。
はてなマークが浮かんでそうなオレに、ルサーがそっと教えてくれる。


「妻になった後から、妻同士でそういう関係になったらよ? そりゃ……妻が天守から相手にされてねぇからだ、とか。逆に妻が天守を蔑ろにしてるとか、そういう話になるだろ。必然的にソイツらは、周囲からバレねぇように密かな関係を続ける事になる。」
「あぁそうか。」
「……だが、元々が恋人同士の二人をまとめて妻にした、って事なら。その辺を気に病まねぇでイイだろ?」
「へぇ~、なるほど。ルサーって色々、知ってるんだなぁ。」

感心してたら、ルサーは照れたように鼻の頭を指で掻いた。

ハーレムについての法律周りは色々勉強したけど、オレはまだまだ全然、本に書いてない事柄とかは知らないことだらけだから。
こうやってルサーがフォローしてくれるのは凄く有難い。
しかも格好良いし、エロ可愛いし、やっぱりルサーは頼れる本妻だな。


「そっか。話は分かったぞ。……じゃ、それで行こうか。」
「……本当? カシュも、一緒で…」
「嘘は吐かないぞ。二人がいいなら。」

目を瞬かせて、ビリーは嬉しそうだ。
小さい頃のビリーの表情はいつも控えめだったから、こうやって喜ぶ顔を見たら、なんだかオレもくすぐったいような嬉しさが広がって来る。


「ルサー、いいか? もう一人、妻が増えるんだけど。」
「イグザがそれでいいってンなら、俺も別に構わねぇ。……本当にいいのか? 自分の妻に、他に男がいるってので。」
「あぁ分かってる。でもオレ、ビリーにカシュを諦めてツライ思いをして欲しくないし、カシュも泣かせたくないんだ。……変な気持ちだなって、自分でも分かってるぞ。」

もしかしたら一般的な天守とは違う対応してるのかも、だけど。
これはオレのハーレムの話なんだから、一般的とは外れてても別にいいよな?


「そういう話で……カシュも、それでいいか?」
「ぅんっ、もちろん。それよりぃ……。……ご免ね? ビリーだけじゃなくて。」
「やっ、大丈夫だ、全然っ、問題無いから。それよりカシュこそ、その……嫌じゃないか? ビリーの恋人なのに、オレの妻……って扱いにされるの。」
「えっ? あっ、や……ううぅん? い、嫌じゃない、よ……? だって、ヴィルと話して、一緒に……イグゥさんの妻にして貰いたい、って。……そう言うって、決めてたんだもん。」

念の為に確認してみたオレ。
返事するカシュがワタワタして、仄かに顔もピンク色に染まる。

なんか、小動物みたいで、凄い可愛い。
ただちょっと、一つだけ気になる点がある。


「なぁ……カシュ? さん付けは止めないか?」
「え、えっ?」
「カシュだって、オレの妻になるんだぞ? 自分の妻から、さん付けで呼ばれるのは嫌だなぁ。」

オレの言葉で、カシュは更にワタワタする。
小さな声で「そんなぁ…」って言うけど、オレは逃亡を許さない。


何回か根気強くお願いして、無駄に粘り強さを発揮したオレ。
とうとうカシュが根気負けした。



「結構、ネチっこいんだねぇ。……イグゥ……って。」
「悪いんだけどカシュ、そこは諦めてくれ。」

カシュから初めて呼び捨てにされたオレ、顔をだらしなく綻ばせる。
ビリーがちょっと口を尖らせて「俺の夫と恋人がイチャイチャしてる」ってスネて、何もかもを包み込むような微笑のルサーが優しく宥めてた。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

泥酔している間に愛人契約されていたんだが

暮田呉子
BL
泥酔していた夜、目を覚ましたら――【愛人契約書】にサインしていた。 黒髪の青年公爵レナード・フォン・ディアセント。 かつて嫡外子として疎まれ、戦場に送られた彼は、己の命を救った傭兵グレイを「女避けの盾」として雇う。 だが、片腕を失ったその男こそ、レナードの心を動かした唯一の存在だった。 元部下の冷徹な公爵と、酒に溺れる片腕の傭兵。 交わした契約の中で、二人の距離は少しずつ近づいていくが――。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…

こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』  ある日、教室中に響いた声だ。  ……この言い方には語弊があった。  正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。  テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。  問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。 *当作品はカクヨム様でも掲載しております。

実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…

彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜?? ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。 みんなから嫌われるはずの悪役。  そ・れ・な・の・に… どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?! もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣) そんなオレの物語が今始まる___。 ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️

ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜

キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」 (いえ、ただの生存戦略です!!) 【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】 生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。 ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。 のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。 「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。 「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。 「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」 なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!? 勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。 捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!? 「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」 ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます! 元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!

メインキャラ達の様子がおかしい件について

白鳩 唯斗
BL
 前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。  サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。  どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。  ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。  世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。  どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!  主人公が老若男女問わず好かれる話です。  登場キャラは全員闇を抱えています。  精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。  BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。  恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。

イケメンチート王子に転生した俺に待ち受けていたのは予想もしない試練でした

和泉臨音
BL
文武両道、容姿端麗な大国の第二皇子に転生したヴェルダードには黒髪黒目の婚約者エルレがいる。黒髪黒目は魔王になりやすいためこの世界では要注意人物として国家で保護する存在だが、元日本人のヴェルダードからすれば黒色など気にならない。努力家で真面目なエルレを幼い頃から純粋に愛しているのだが、最近ではなぜか二人の関係に壁を感じるようになった。 そんなある日、エルレの弟レイリーからエルレの不貞を告げられる。不安を感じたヴェルダードがエルレの屋敷に赴くと、屋敷から火の手があがっており……。 * 金髪青目イケメンチート転生者皇子 × 黒髪黒目平凡の魔力チート伯爵 * 一部流血シーンがあるので苦手な方はご注意ください

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件

碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。 状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。 「これ…俺、なのか?」 何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。 《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》 ──────────── ~お知らせ~ ※第3話を少し修正しました。 ※第5話を少し修正しました。 ※第6話を少し修正しました。 ※第11話を少し修正しました。 ※第19話を少し修正しました。 ※第22話を少し修正しました。 ※第24話を少し修正しました。 ※第25話を少し修正しました。 ※第26話を少し修正しました。 ※第31話を少し修正しました。 ※第32話を少し修正しました。 ──────────── ※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!! ※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。

処理中です...