せっかくBLゲームに転生したのにモブだったけど前向きに生きる!

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第六章 ~ゲームと違ってオレのハーレムは自動生成されない~

モブ顔の王子なんて誰が得するんだよ

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黙っててもしょ~がない。シスターに質問してみるか。
実はちょっと、心当たりを思い付いたんだ。


「リスタニア王家に連絡したんだったっけ? オレについて、何か言ってた?」
「はい。殿下がご無事だった事を、とても喜ばれていましたよ? もしご希望があれば、ここからお手紙を出す事も出来ます。宛先がお城であればすぐに届けられますので是非、殿下からも御連絡差し上げてください。」
「あぁ~……。」

シスターの提案を受けて考えるフリで、オレはそっと頭を押さえた。
これだけシッカリしたシスターが言うんだ。このオレがリスタニア国の王子って登録されてるのは勘違いや誤解じゃなさそうだな。
これはもしかしたら本当に、オレの予想が当たってるかも知れないぞ。



オレの予想は、こうだ。

リスタニアの第一王子だったアレイスティは、今は養育所の所長をやってるんだから、流石に国王じゃないだろう。とりあえずまだ王族の一員だって仮定しとく。
そんでもって、オレは養育所でセンセイをしてた。成人後も養育所に残って手伝いをするように言って貰えるくらいには、アレス所長に可愛がられてた。
そんなオレが山賊に襲われて行方不明になったんだ。きっとアレス所長はオレを探してくれただろう。
一人の人間を探すなら。自国の兵士を動かすにしても。養育所のセンセイとしてより、王子を探させる方が結果を期待出来るだろう。
他国の教会にまで捜索話を広めるなら、尚更だ。

つまり、アレス所長は。
行方不明になったオレを発見・保護しやすくする為に、王族のコネをフル活用して、一時的にでもオレを王子として登録させたんじゃないか。……って感じだ。
この世界には妊娠や出産が無いから、血の繋がりって意識も無い。王位継承に関わらないって前提でなら、一人くらい王子登録が増えてもあんまり問題じゃない…かも。
それだったら、オレ自身やビリーが知らなくても不思議じゃないぞ。



「そうだな……、そうする。悪いけど、書く物を用意して貰えるか?」
「少々お待ちください。」

シスターの背中を見送って。
オレは膝から崩れ落ちそうになり……ちょっと持ち堪えて、やっぱり崩れ落ちた。


ほんの十メートル向こうから、悲鳴が聞こえた、っぽい。
orzの姿勢になってるオレの元へ、皆が駆け寄って来る気配がする。


「イグゥ…っ、大丈夫……っ?」

一番早いのはやっぱりビリーだった。流石はオレよりも速い男。
蹲ってるオレを助け起こすように、背中を支えてくれる。

次に来たのがカシュ。可愛いのに流石は兵士。
心配そうな表情でオレを覗き込んでる。

ルサーが走れないリオを支えながらやって来た。
リオが無茶しなくて良かったぞ。
ありがとう、ルサー。ルサー、ありがとう。


「スミマセンっ、殿下って呼ばない方がいいですかっ?」
「ぃや……別にもう、いぃよ……。」

元気良さを取り戻した眼鏡シスター。
それ言ったらもう内緒に出来ないだろって発言に、オレは力なく返事する。

殿下呼びされる違和感は物凄い。
だからって「やっぱり止めてくれ」って言うのも今更だ。
隠すも何も、もう、皆に聞こえちゃってるし。


「顔色は悪かねぇが……とりあえず椅子に座ったらどうだ。」
「あぁ、そうする。」

ビリーの手助けで立ち上がって、近場の壁際にある長椅子に腰掛けた。
ウチにあるソファよりだいぶ座面が硬いのが、今は座りやすくて助かる。


「ねぇ大丈夫~? イグゥは~、殿下云々って辺り、知らなかった~?」
「カシュ……それは後で、イグザが落ち着いてからにしろ。」
「はぁ~い。」
「俺…も、知らなか…った……。」
「もぉ……シッカリしろよ、イグゥ。」

皆が心配してくれるのが申し訳ない。
単にオレ、酷い現実に気付いてショックを受けただけだから。

だって、オレが王子だって、さ。
完全にモブ顔な王子じゃないか。
色々な創作物の王子、そして王子好きの読者達に、謝罪が必要な案件だぞ。
こんなモブ男が王子だなんて、一時的にでもゴメンナサイ、だぞ。


「知らなかったんだよなぁ。まぁ……後でオレの予想を話すから。」

そう言えば、馬車に乗る前のリオに「王子様みたい」って言われたっけ。
こんなフラグ回収は要らない、……って言うか、皆もガッカリだろうよ。
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