拾われ仔狼が、聖龍様の唯一になるまで

竜也りく

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ヨギの悩み

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そんな事を頭では考えつつも、口は普通に食事の感想を述べている。私は心のどこかで、もうしばらくこの暖かい時間を続けていたいと思っているのかも知れない。

「今日の肉は本当に美味だった。柔らかいのに噛みごたえがあるとは、不思議なものだな」

「うん! 肉汁だくだくでめっちゃ美味かった! オレ、今度ダンジョンに行った時にいっぱい狩ってくるよ。そういえばライアとカーマインが次は野宿のやり方も教えてくれるっていってたんだ。オレ、 楽しみだなー!」

この子はきっと時が経つごとに、もっともっと頼もしくなっていくのであろう。

風呂から出て髪を乾かして貰ってから共に布団に入る。ヨギが怖い夢を見るからと共に寝るようになってから随分経つ。ベッドはかなり大きいから狭いとは思わないが、もう怖い夢を見て泣くような歳でもあるまい。

そのうち寝所もまた分けた方が良いであろうなぁ。

そんな事を考えながら、私は健やかに眠っているヨギの頭をそっと撫でた。


***


そんな穏やかな毎日を送っていた、ある日の朝だった。

「聖龍様、聖龍様、聖龍様、どうしよう……!」

ヨギの悲痛な声で目を覚ました。

「聖龍様、ちんちんが腫れて、変なんだ……! なんかパンツも膿みたいなのいっぱいついてて、オレ」

目を覚ました私に、ヨギは剥き出しの生殖器を見せてくる。それは硬く勃ちあがっており、白い子種に塗れていた。

青くなって泣きそうなヨギの頭を「大丈夫」と撫でながら、私は寝ぼけた頭で考える。

これは……射精したということだろうか。

龍種は長い長い命を持つが故に生殖に対しての興味が薄い。性的欲求もさほどないため知識が少ないのだが、人や獣人といった短命の種族は大人になると発情したり、こうして勃起したりして子を成すための準備をするのだと聞いたことがある。

「ヨギ、これは病気ではない。お前の番と子を成す準備ができた…… ヨギが大人になったということの証だよ、安心なさい」

「で、でも、すごいジンジンして変なんだ……っ」

「ううむ、私は自慰も滅多に行わぬからなぁ。ロンを呼ぶか? 獣人の性のことならロンの方が良く分かるであろう」

「やだ……やだ! なんか恥ずかしい……!」

「しかし私は龍種だからな、獣人特有の成長や性交についての知識が乏しいのだよ」

「それでいいから、聖龍様が知ってること、教えて……!」

顔を赤くして涙目で訴える様はとても愛らしい。恥ずかしそうにしているが興奮の方が勝るのであろう、ヨギの耳はピンと立って震えており、しっぽは所在なげにゆらゆらと揺れていた。

ううむ、仕方あるまい。

性的なことに羞恥を感じ、過敏に反応する者は多いと聞く。私たち龍種とは違って性的欲求が強い種族だからこそ感じるものがあるのかも知れぬ。本人が嫌だと言うものを、無理に呼びつけるわけにもいくまい。

私にどこまで出来るかは分からぬが……まぁ、欲の吐き出し方くらいは知らぬわけでもない。

よし、やってみるか。私は決意を固めた。

「ヨギ、それでは下を脱いで私の膝に座りなさい。私に分かる事は教えよう」

「……うん」

既に半分下ろされていたズボンと下着を脱いで、ヨギはおずおずと私の膝へと跨がる。そんなちょっとした動きでも、勃ち上がった可愛らしいペニスに振動が伝わるようで、ヨギは顔を赤くして震えていた。

それでも腫れ上がったように見えるペニスに触れるのは怖いのか、頑なに触れようとしないのがいじらしい。

恐ろしさと恥ずかしさゆえか、ヨギの月石のような銀の瞳が涙で潤んでいる。真っ黒な犬耳がぺしょんと垂れて、めったに聞けぬピー……という悲しむような甘えるような音がヨギの鼻から漏れた。

あまりの愛らしさに私はつい相好を崩し、ヨギのふわふわとした頭を撫でる。

「ヨギ、心配しなくとも良いのだよ。多くの種のオスは、子を成せるようになるとここから子種を吐き出せるようになるのだ」

「こだね……?」

「そう、さっき下着に白いものが付いていただろう? あれが子種……子供の種、子供の元となるものだ」

「あれが子供になるの!?」

「そうだ。メスの中にある子供の核と結合すれば子を成せる」

どんぐりのようにまんまるな目で私を真っ直ぐに見て、ヨギは信じられない、という顔をした。サクやロンには尋ねられなかったから、きっとその時養い親を買って出てくれた七階のヤシフ達がその辺も教育してくれたのだろう。

「こうして、ほら……大丈夫だから触ってごらん、硬くなっているだろう?」

「う、ああっ」

途端にヨギがまだ細いその体をしならせる。年若い雄鹿のように細く締まった体は刺激に敏感に反応するのだろう。

「自分でも触ってごらん、気持ち良い筈だよ?」

「気持ち、いい……? 電気、触っちゃったみたい、だった……」

指先で僅かに触れただけだったのだが、刺激が強すぎたのであろうか。若干心配したが、私の事を信頼してくれているらしいヨギは、言われるままに自身の可愛らしいモノにそっと手を添えた。

「手を上下に動かしてごらん。……そう、上手だ」

おずおずと手を動かし始めたヨギからはすぐに何かをねだる時のような甘やかな声が上がるようになり、私はホッと息をつく。
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