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今日も『あの方』は最高だった
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「今日もほんっとうに!!! さいっこうに!!! かっこよかったんだって!!!」
その日もオレは、騎士科の学食で親友のドルフを相手に絶好調に推し語りをしていた。
「ハイハイ、良かったね」
めちゃくちゃおざなりに返されて、オレはちょっとだけ唇を尖らせる。
なんでドルフはこんなに淡泊でいられるんだろう。あんなに強くて優しくて麗しくて時に儚げで……見る度に胸がきゅうんとなってしまう『あの方』を間近で見る事ができる、幸運な学生時代をおくれているというのに。
オレの最愛の『推し』は騎士科Sクラスの中でも群を抜いて強い、アルロード様だ。
金髪碧眼、王子様のようにキリッと麗しい顔、細身ながら鍛えられた身体に健康的な小麦色の肌、もちろん高身長でスッと伸びた背筋が美しい。
ひと目でアルファって分かる容姿に相応しく文武両道で、剣技は他の追随を許さないし、学業の成績も十位から落ちた事がない。しかもヴァッサレア公爵家の次男なんだから、出自さえも完璧。
騎士道精神に満ちあふれた高潔な振る舞いは感動しかないし、物腰柔らかで女性は勿論オレ達下位貴族や平民にだって親切だ。
アルロード様はアルファの中でも圧倒的に上位のアルファだった。
もちろんモテモテにモテているわけで毎日のように告白されているけれど、いつだってアルロード様は優しげな笑みを浮かべ丁重に断っている。恋人も婚約者もいなければ、常に一緒にいるような友人も思い当たらない。
誰にも靡かない孤高の人。
そんなところもまた魅力的で、オレのようにただただアルロード様の幸せを願い、陰ながら応援する……いわゆる『推し活』する人も後を絶たない。
オレはそんな同志であるお嬢さん方や男友達に混ざって、日々アルロード様の素晴らしさを存分に語っていた。お互いからもたらされるほんの僅かな情報を共有し、キャッキャウフフと笑い合いながら大好きな人の素敵なところを語り合うのはめちゃくちゃ楽しい。
それだけ魅力的な人なのだ。
でも、そんな推し仲間にいつでも会えるわけじゃないからさ。日々の滾る思いのはけ口はもっぱら親友であるドルフだ。アカデミーに入ってからこっち、アルロード様にすっかり心酔したオレの推し語りを聞き慣れているドルフは、いつも適当に相槌を打ってくる。
「で? 今日は何があったわけ?」
それでも一応聞いてくれる気はあるらしい。いつものように先を促された。
「えっと今日さ、合同模擬試験あったじゃん? あのあとBクラスのやつらがさぁ、二対一でも全然敵わないから、ちょっとムカついたんだろうね、後ろから四人がかりであの方に挑んだんだけど」
その日もオレは、騎士科の学食で親友のドルフを相手に絶好調に推し語りをしていた。
「ハイハイ、良かったね」
めちゃくちゃおざなりに返されて、オレはちょっとだけ唇を尖らせる。
なんでドルフはこんなに淡泊でいられるんだろう。あんなに強くて優しくて麗しくて時に儚げで……見る度に胸がきゅうんとなってしまう『あの方』を間近で見る事ができる、幸運な学生時代をおくれているというのに。
オレの最愛の『推し』は騎士科Sクラスの中でも群を抜いて強い、アルロード様だ。
金髪碧眼、王子様のようにキリッと麗しい顔、細身ながら鍛えられた身体に健康的な小麦色の肌、もちろん高身長でスッと伸びた背筋が美しい。
ひと目でアルファって分かる容姿に相応しく文武両道で、剣技は他の追随を許さないし、学業の成績も十位から落ちた事がない。しかもヴァッサレア公爵家の次男なんだから、出自さえも完璧。
騎士道精神に満ちあふれた高潔な振る舞いは感動しかないし、物腰柔らかで女性は勿論オレ達下位貴族や平民にだって親切だ。
アルロード様はアルファの中でも圧倒的に上位のアルファだった。
もちろんモテモテにモテているわけで毎日のように告白されているけれど、いつだってアルロード様は優しげな笑みを浮かべ丁重に断っている。恋人も婚約者もいなければ、常に一緒にいるような友人も思い当たらない。
誰にも靡かない孤高の人。
そんなところもまた魅力的で、オレのようにただただアルロード様の幸せを願い、陰ながら応援する……いわゆる『推し活』する人も後を絶たない。
オレはそんな同志であるお嬢さん方や男友達に混ざって、日々アルロード様の素晴らしさを存分に語っていた。お互いからもたらされるほんの僅かな情報を共有し、キャッキャウフフと笑い合いながら大好きな人の素敵なところを語り合うのはめちゃくちゃ楽しい。
それだけ魅力的な人なのだ。
でも、そんな推し仲間にいつでも会えるわけじゃないからさ。日々の滾る思いのはけ口はもっぱら親友であるドルフだ。アカデミーに入ってからこっち、アルロード様にすっかり心酔したオレの推し語りを聞き慣れているドルフは、いつも適当に相槌を打ってくる。
「で? 今日は何があったわけ?」
それでも一応聞いてくれる気はあるらしい。いつものように先を促された。
「えっと今日さ、合同模擬試験あったじゃん? あのあとBクラスのやつらがさぁ、二対一でも全然敵わないから、ちょっとムカついたんだろうね、後ろから四人がかりであの方に挑んだんだけど」
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