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43 舞踏会前のシャンボール城
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時を戻そう……。
貴族学院からシャンボール城に帰って来たジャンヌが、母ペネロペに連絡事項を伝える。
「母上、10日後にロゼワール迎賓館で舞踏会が行われると言う事です」
「まぁ、懐かしい。貴方の着れるドレスがあるかしら? 間に合えば作るのだけど……」
「ドレスですか? 私は軍服でいいですよ」
「何を仰るのですか。殿方の注目を一身に集める事が出来る素敵なドレスを着るのです。ダンスの誘いを沢山頂くのです」
「ドレスも嫌ですけど、ダンスはもっと嫌です。男となど踊りたくありませんっ!」
「まぁ、大変。……そうでしたわ、熊獣人の里ではダンスパーティーなど有りませんでしたわね。武骨で野蛮な民族でしたから」
「ですから、ドレスは不要です」
「いいえ、成りません。貴族の令嬢には必須なのです。結婚して子を成し子孫繁栄を図る事こそが、我々上級貴族の生きる道なのです。
当然、チヨ様も貴族になったのですから、ドレスを着てダンスを踊るのですよ」
「はい。
いいえ、ペネロペ様。わたくしはジャンヌ様の護衛騎士として舞踏会に出席しなければなりません」
「チヨ様、護衛騎士では踊れませんから、ドレスを着て貴族令嬢として出席しましょうね。舞踏会での護衛は要りませんし、形ばかりの護衛なら……ほら、そこの2人でもいいでしょう」
ペネロペは、部屋の片隅に控えてるドニロとカシオを指さした。
「何か失礼な事を言ってますよリーダー」
「んにゃ、カシオ君。まだまだワシらは、そう言われてもしょうがない立場じゃろうが」
「チェッ、ジャンヌ御嬢様と稽古して結構強くなってるのになぁ。いつか本当の騎士に成ってやるぞ!」
「その意気や良しじゃ、カシオ君!」
「ペネロペ様、その様にお取り計らい下さいましても結構でございますが。取り敢えず今は、ジャンヌ様のダンス練習を致しとうございます。不肖このチヨが、稽古の御相手を務めさせて頂きます。
それと、ジャンヌ様に似合いそうなドレスを出して下さいませんか? それもチヨがジャンヌ様の体系に合わせて『お直し』させて頂きます。【修復Ⅴ】スキルを持っていますので」
「おほほほほ、ダンスも出来て、ドレスも『お直し』出来るとは……チヨ様には、まったく驚かされますわね。時間が無いので今回はその様に致しましょう。2人とも来年はオーダーメードでドレスを作るのですよ」
「畏まりました」
「チェッ、気が乗らないなぁ。そこまでしなくてもいいのに……」
ヴィクトリア王太后と王姉ペネロペは、衣裳部屋にドレスを見繕う為に出て行った。
ジャンヌと千代は、取り敢えずダンスのレッスンを始めてみる。
ジャンヌが女性パートで、千代が男性パートを受け持った。
千代はミルキーハムス(性別男)の『中の人』として10年以上パレードや舞台で踊っていたので、むしろ男性パートの方が上手いぐらいだった。
「チヨ、ダンスも出来るのか! チヨのリードは凄く踊りやすいぞ!
ハハハ、楽しいな! 凄く楽しいぞ! まるで雲の上をスキップしているみたいだ」
「ジャンヌ様は、のみ込みが早いですね。この調子なら舞踏会に間に合うでしょう」
「ふん、俺は小さい頃から体を使う事が得意なんだ。ダンスなど他愛もない」
ジャンヌと千代は、踊りながら会話を続ける。
「ジャンヌ様、舞踏会には他国の王族や貴族も招かれているのですから、言葉使いも気を付けましょう。今日からは『俺サマ』言葉は禁止です。普段から御令嬢言葉だけを使ってください」
「えぇ、そんなぁ。勘弁してくれよぅ」
「今日1日守れたら、御褒美に新作のブルーベリーチーズケーキを上げましょう」
「おぉ、何だそれは? 聞いただけで涎が出てきそうだな。よし、頑張るぞ! チヨも頼むぞ」
「そこは……『努力いたしますわ、よろしくお願いいたします』と、言ってくださいませ」
「うっ。……努力いたし…ますわ、よろしくお願い…いたします」
「よくできました。御褒美にハーブキャンディをさしあげます」
チヨは小さな紙に包まれた飴玉を取り出して、ジャンヌの口に放り込んだ。
「ングッ……ほう、スッキリとしてちょっと甘いな。美味い美味い」
「そこは……『爽やかで、ほんのり甘味がございますわ。おいしゅうございます』と、仰ってくださいませ」
「うん。いや……はい。仰せの通りに致します」
「ジャンヌ様は言葉使いさえ出来れば、王国一の御嬢様に成れますわ」
「わたくしは、御嬢様では無く、王様に成りたいのでございますのよ」
「「おほほほほ」」
2人は踊りながら見つめ合って笑うのだった。
ダンスのレッスンを続けてるところへ、ヴィクトリア王太后とペネロペ王姉が帰ってきた。
侍従に沢山のドレスを持たせている。
「まぁ、上手に踊れていますね。特にチヨ様、とても素晴らしいですわ。私とも踊って下さいな」
と、ペネロペが言った。
「おほほほほ、私もお願いしますわね」
と、ヴィクトリアも続いて言った。
千代はヴィクトリア王太后とペネロペ王姉ともダンスを踊る。勿論千代が男性パートを受け持った。
「はぁ、久しぶりに踊りました。とても気持ちよく、優雅に踊れた気がいたします」
「本当にそうですわ、お母様。チヨ様のリードはとても気持ちよく踊れます」
「ジャンヌもチヨ様も、舞踏会は大丈夫そうですね」
「「はい」」
王太后と王姉の見立てで2人に合うドレスを選んで頂いて(ジャンヌと千代の意見は通らなかったし、聞いてもくれなかった)千代が【修復Ⅴ】スキルで、一瞬で『お直し』してしまった。
「ほんに、チヨ様は優秀な魔導士様ですね。ありがとうごさいます」
「いいえ、わたくしなどが御役に立つことが出来まして、光栄でございます」
貴族学院からシャンボール城に帰って来たジャンヌが、母ペネロペに連絡事項を伝える。
「母上、10日後にロゼワール迎賓館で舞踏会が行われると言う事です」
「まぁ、懐かしい。貴方の着れるドレスがあるかしら? 間に合えば作るのだけど……」
「ドレスですか? 私は軍服でいいですよ」
「何を仰るのですか。殿方の注目を一身に集める事が出来る素敵なドレスを着るのです。ダンスの誘いを沢山頂くのです」
「ドレスも嫌ですけど、ダンスはもっと嫌です。男となど踊りたくありませんっ!」
「まぁ、大変。……そうでしたわ、熊獣人の里ではダンスパーティーなど有りませんでしたわね。武骨で野蛮な民族でしたから」
「ですから、ドレスは不要です」
「いいえ、成りません。貴族の令嬢には必須なのです。結婚して子を成し子孫繁栄を図る事こそが、我々上級貴族の生きる道なのです。
当然、チヨ様も貴族になったのですから、ドレスを着てダンスを踊るのですよ」
「はい。
いいえ、ペネロペ様。わたくしはジャンヌ様の護衛騎士として舞踏会に出席しなければなりません」
「チヨ様、護衛騎士では踊れませんから、ドレスを着て貴族令嬢として出席しましょうね。舞踏会での護衛は要りませんし、形ばかりの護衛なら……ほら、そこの2人でもいいでしょう」
ペネロペは、部屋の片隅に控えてるドニロとカシオを指さした。
「何か失礼な事を言ってますよリーダー」
「んにゃ、カシオ君。まだまだワシらは、そう言われてもしょうがない立場じゃろうが」
「チェッ、ジャンヌ御嬢様と稽古して結構強くなってるのになぁ。いつか本当の騎士に成ってやるぞ!」
「その意気や良しじゃ、カシオ君!」
「ペネロペ様、その様にお取り計らい下さいましても結構でございますが。取り敢えず今は、ジャンヌ様のダンス練習を致しとうございます。不肖このチヨが、稽古の御相手を務めさせて頂きます。
それと、ジャンヌ様に似合いそうなドレスを出して下さいませんか? それもチヨがジャンヌ様の体系に合わせて『お直し』させて頂きます。【修復Ⅴ】スキルを持っていますので」
「おほほほほ、ダンスも出来て、ドレスも『お直し』出来るとは……チヨ様には、まったく驚かされますわね。時間が無いので今回はその様に致しましょう。2人とも来年はオーダーメードでドレスを作るのですよ」
「畏まりました」
「チェッ、気が乗らないなぁ。そこまでしなくてもいいのに……」
ヴィクトリア王太后と王姉ペネロペは、衣裳部屋にドレスを見繕う為に出て行った。
ジャンヌと千代は、取り敢えずダンスのレッスンを始めてみる。
ジャンヌが女性パートで、千代が男性パートを受け持った。
千代はミルキーハムス(性別男)の『中の人』として10年以上パレードや舞台で踊っていたので、むしろ男性パートの方が上手いぐらいだった。
「チヨ、ダンスも出来るのか! チヨのリードは凄く踊りやすいぞ!
ハハハ、楽しいな! 凄く楽しいぞ! まるで雲の上をスキップしているみたいだ」
「ジャンヌ様は、のみ込みが早いですね。この調子なら舞踏会に間に合うでしょう」
「ふん、俺は小さい頃から体を使う事が得意なんだ。ダンスなど他愛もない」
ジャンヌと千代は、踊りながら会話を続ける。
「ジャンヌ様、舞踏会には他国の王族や貴族も招かれているのですから、言葉使いも気を付けましょう。今日からは『俺サマ』言葉は禁止です。普段から御令嬢言葉だけを使ってください」
「えぇ、そんなぁ。勘弁してくれよぅ」
「今日1日守れたら、御褒美に新作のブルーベリーチーズケーキを上げましょう」
「おぉ、何だそれは? 聞いただけで涎が出てきそうだな。よし、頑張るぞ! チヨも頼むぞ」
「そこは……『努力いたしますわ、よろしくお願いいたします』と、言ってくださいませ」
「うっ。……努力いたし…ますわ、よろしくお願い…いたします」
「よくできました。御褒美にハーブキャンディをさしあげます」
チヨは小さな紙に包まれた飴玉を取り出して、ジャンヌの口に放り込んだ。
「ングッ……ほう、スッキリとしてちょっと甘いな。美味い美味い」
「そこは……『爽やかで、ほんのり甘味がございますわ。おいしゅうございます』と、仰ってくださいませ」
「うん。いや……はい。仰せの通りに致します」
「ジャンヌ様は言葉使いさえ出来れば、王国一の御嬢様に成れますわ」
「わたくしは、御嬢様では無く、王様に成りたいのでございますのよ」
「「おほほほほ」」
2人は踊りながら見つめ合って笑うのだった。
ダンスのレッスンを続けてるところへ、ヴィクトリア王太后とペネロペ王姉が帰ってきた。
侍従に沢山のドレスを持たせている。
「まぁ、上手に踊れていますね。特にチヨ様、とても素晴らしいですわ。私とも踊って下さいな」
と、ペネロペが言った。
「おほほほほ、私もお願いしますわね」
と、ヴィクトリアも続いて言った。
千代はヴィクトリア王太后とペネロペ王姉ともダンスを踊る。勿論千代が男性パートを受け持った。
「はぁ、久しぶりに踊りました。とても気持ちよく、優雅に踊れた気がいたします」
「本当にそうですわ、お母様。チヨ様のリードはとても気持ちよく踊れます」
「ジャンヌもチヨ様も、舞踏会は大丈夫そうですね」
「「はい」」
王太后と王姉の見立てで2人に合うドレスを選んで頂いて(ジャンヌと千代の意見は通らなかったし、聞いてもくれなかった)千代が【修復Ⅴ】スキルで、一瞬で『お直し』してしまった。
「ほんに、チヨ様は優秀な魔導士様ですね。ありがとうごさいます」
「いいえ、わたくしなどが御役に立つことが出来まして、光栄でございます」
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