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47 ダンスの最初の御相手は?
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夕闇が深く成り、オーケストラが音楽を奏で始めると、貴族子息や令嬢がダンスホールで社交ダンスを踊り始めた。
2階では、六皇子が揃ってジャンヌに向かって歩いて来る。
「「「「「「ジャンヌ嬢、私と踊ってくれませんか?」」」」」」
そう言って、一斉に右手を前に差し出した。
最初に踊る相手には意味がある。婚約者がいる貴族は最初に婚約者と踊らなければならない。
つまり、最初に踊る相手が本命だという事だ。
返答する言葉を考えて困り顔をしているジャンヌに、レドケルン公爵が助け船を出した。
「皇子殿下、今日初めて会ったばかりなのです。ジャンヌ嬢は6人の内の1人を選べませんよ」
「それではしょうがない、ジャンケンで決めよう」
「「「「「そうしよう」」」」」
六皇子はジャンケンを始めたが、勿論あいこが続き、中々決まらない。
「はぁ……」と、ジャンヌは溜息を付いた。
「……ジャンヌ様、わたしは初めて六皇子にお会いしましたが、全く見分けがつきませんね……」
飾り扇子で口を隠した千代が、ジャンヌに囁いた。
「だろう、チヨ。……しかも、あの締まりのない腑抜け顔だ、選ぶ気になど成れぬぞ」
「ジャンヌ嬢、皇子達は貴方に一目惚れの様です。婚約も視野に入れて、良く考えて1人を選んでくださいね。次期皇帝が、この中に居るのですから」
「レドケルン公爵様、彼らの性格に違いがあるのですか? 一卵性は性格もそっくりなのではないですか?」
「ふむ、似ている所もあるが、違う所もありますぞ。多少の所は目をつぶって頂ければ、ジャンヌ嬢なら上手く皇子を手玉に取れるのではないですかな。ははははは」
「はぁ、そうなんですね」
「ジャンヌよ、皇妃に成れる確率は6分の1ですが、皇族には必ず入れますよ」
「お母様、わたしは国王に成るのです」
「まぁまぁ、社交ダンスなのですから、これも社会勉強と思って踊って来なさいな。おほほほほ」
「はい、お母様」
皇子の中から1人が勝ちぬけて、渋ってるジャンヌと1階のホールへと降りて行くと、残った王子達の目が千代をロックオンした。
最初のジャンケンで負けたけど、残った彼らとしては今日初めて踊る女性を決めなければならない、どうやらその相手に千代を選ぶつもりだ。
ふと気が付くと、他国の王女や上級貴族の令嬢達が、遠巻きに『ジィィィッ』と、こちらを窺っている。その眼には嫉妬の炎が燃えているようだった。
「まぁ、どうしましょう。何も騎士爵の私を選ばないで、王女や上級貴族令嬢から御相手を選んで欲しいのですけど……」
「チヨ様、名誉な事ですから、御誘いを御請けしなくてはいけせんよ」
「でも、ペネロペ様……」
「ほら、ジャンケンが終わりましてよ。おほほほほ」
勝ちぬけた1人の皇子が歩み寄り、千代に右手を差し出した。
「オーソン・パインフィルドと申します。わたしと踊って頂けませんか?」
「はい、身に余る光栄でございます。わたくしはジョセフィーヌ・ド・ボアルネ騎士爵と申します。わたくしなどで宜しければ是非お願い致します」
「ほほぅ、騎士爵ですか。それでは婚約前に、ラフラン王国の王族と養子縁組してもらいましょう」
「まぁ……そんな恐れ多い事を!?」
「ジャンヌ嬢と仲が良いのでしたら、ジャンヌ嬢と姉妹に成ったらいかがですか?」
「まぁ、それは私の一存では……決められませんわ」
ジャンヌと千代は、結局六皇子全員と踊る事になった。しかも他国の王女や上級貴族の令嬢を差し置いて。
嫉妬の目が特に千代に集中している。
一応ジャンヌはペネロペ王姉の娘だから、しょうがないとしても。王女や上級貴族の令嬢を差し置いて、2階に居た唯一の下級貴族の女性である千代が、先に王子と踊った事を受け入れる事が出来ないのは当然だった。
六皇子はシュッとしているジャンヌに一目惚れしていたし、童顔で異国風の顔立ちをしている千代にも興味を惹かれているようだ。
しかも、エムっ気のある皇子達は、ジャンヌのエスっぽい視線にゾクゾクしながら踊っていたようだ。
六皇子とのダンスを終えて、ようやくペネロペの元に戻って来たジャンヌと千代は、
「「ウへェェェッ!」」と、同時に呟いた。
「六つ子同士で乳繰り合ってろ! せめて、私に剣で勝てたら考えてやる!」
「右に同じ……です」
2人は周りに聞こえない様に呟きあう。
「でも、ジャンヌ様。良く考えたら皇妃に成れるかもしれないのですよ。皇帝は公には帝国のトップですが、後宮内では皇妃は皇帝より偉いのです。裏ボス、又はラスボスと言っても過言では無いと聞いています」
「あんなヘアスタイルのアホ面男は嫌だ! 俺は王になってチヨを王妃にするぞ」
「まぁ、又そんな事を仰って! 女同士ではお世継ぎが出来ませんよ。好みの男性はいないのですか? どんなタイプの男性ならいいのですか?」
「男はみんな、ジャガイモにしか見えんのだ。興味無い」
「はぁ……そういう所から教育してゆかないといけないのかぁ……」
「チヨの子ならば、魔力の大きな子供が生まれるだろう?」
「だから、女同士では子は出来ません。諦めて男と結婚しましょうね」
「嫌だ、魔法で子供を作ろう。な、いいであろう?」
「そんな魔法は、聞いた事が有りません!」
「誰か知ってるかもしれないし、無ければ作ろう」
「え……作れないと思いますよ」
「術式を適当に組み合わせれば、その内に出来るかもしれないぞ」
「悪い事が起きないうちに、そんな事は止めましょうね」
「そうかなぁ……?」
2階では、六皇子が揃ってジャンヌに向かって歩いて来る。
「「「「「「ジャンヌ嬢、私と踊ってくれませんか?」」」」」」
そう言って、一斉に右手を前に差し出した。
最初に踊る相手には意味がある。婚約者がいる貴族は最初に婚約者と踊らなければならない。
つまり、最初に踊る相手が本命だという事だ。
返答する言葉を考えて困り顔をしているジャンヌに、レドケルン公爵が助け船を出した。
「皇子殿下、今日初めて会ったばかりなのです。ジャンヌ嬢は6人の内の1人を選べませんよ」
「それではしょうがない、ジャンケンで決めよう」
「「「「「そうしよう」」」」」
六皇子はジャンケンを始めたが、勿論あいこが続き、中々決まらない。
「はぁ……」と、ジャンヌは溜息を付いた。
「……ジャンヌ様、わたしは初めて六皇子にお会いしましたが、全く見分けがつきませんね……」
飾り扇子で口を隠した千代が、ジャンヌに囁いた。
「だろう、チヨ。……しかも、あの締まりのない腑抜け顔だ、選ぶ気になど成れぬぞ」
「ジャンヌ嬢、皇子達は貴方に一目惚れの様です。婚約も視野に入れて、良く考えて1人を選んでくださいね。次期皇帝が、この中に居るのですから」
「レドケルン公爵様、彼らの性格に違いがあるのですか? 一卵性は性格もそっくりなのではないですか?」
「ふむ、似ている所もあるが、違う所もありますぞ。多少の所は目をつぶって頂ければ、ジャンヌ嬢なら上手く皇子を手玉に取れるのではないですかな。ははははは」
「はぁ、そうなんですね」
「ジャンヌよ、皇妃に成れる確率は6分の1ですが、皇族には必ず入れますよ」
「お母様、わたしは国王に成るのです」
「まぁまぁ、社交ダンスなのですから、これも社会勉強と思って踊って来なさいな。おほほほほ」
「はい、お母様」
皇子の中から1人が勝ちぬけて、渋ってるジャンヌと1階のホールへと降りて行くと、残った王子達の目が千代をロックオンした。
最初のジャンケンで負けたけど、残った彼らとしては今日初めて踊る女性を決めなければならない、どうやらその相手に千代を選ぶつもりだ。
ふと気が付くと、他国の王女や上級貴族の令嬢達が、遠巻きに『ジィィィッ』と、こちらを窺っている。その眼には嫉妬の炎が燃えているようだった。
「まぁ、どうしましょう。何も騎士爵の私を選ばないで、王女や上級貴族令嬢から御相手を選んで欲しいのですけど……」
「チヨ様、名誉な事ですから、御誘いを御請けしなくてはいけせんよ」
「でも、ペネロペ様……」
「ほら、ジャンケンが終わりましてよ。おほほほほ」
勝ちぬけた1人の皇子が歩み寄り、千代に右手を差し出した。
「オーソン・パインフィルドと申します。わたしと踊って頂けませんか?」
「はい、身に余る光栄でございます。わたくしはジョセフィーヌ・ド・ボアルネ騎士爵と申します。わたくしなどで宜しければ是非お願い致します」
「ほほぅ、騎士爵ですか。それでは婚約前に、ラフラン王国の王族と養子縁組してもらいましょう」
「まぁ……そんな恐れ多い事を!?」
「ジャンヌ嬢と仲が良いのでしたら、ジャンヌ嬢と姉妹に成ったらいかがですか?」
「まぁ、それは私の一存では……決められませんわ」
ジャンヌと千代は、結局六皇子全員と踊る事になった。しかも他国の王女や上級貴族の令嬢を差し置いて。
嫉妬の目が特に千代に集中している。
一応ジャンヌはペネロペ王姉の娘だから、しょうがないとしても。王女や上級貴族の令嬢を差し置いて、2階に居た唯一の下級貴族の女性である千代が、先に王子と踊った事を受け入れる事が出来ないのは当然だった。
六皇子はシュッとしているジャンヌに一目惚れしていたし、童顔で異国風の顔立ちをしている千代にも興味を惹かれているようだ。
しかも、エムっ気のある皇子達は、ジャンヌのエスっぽい視線にゾクゾクしながら踊っていたようだ。
六皇子とのダンスを終えて、ようやくペネロペの元に戻って来たジャンヌと千代は、
「「ウへェェェッ!」」と、同時に呟いた。
「六つ子同士で乳繰り合ってろ! せめて、私に剣で勝てたら考えてやる!」
「右に同じ……です」
2人は周りに聞こえない様に呟きあう。
「でも、ジャンヌ様。良く考えたら皇妃に成れるかもしれないのですよ。皇帝は公には帝国のトップですが、後宮内では皇妃は皇帝より偉いのです。裏ボス、又はラスボスと言っても過言では無いと聞いています」
「あんなヘアスタイルのアホ面男は嫌だ! 俺は王になってチヨを王妃にするぞ」
「まぁ、又そんな事を仰って! 女同士ではお世継ぎが出来ませんよ。好みの男性はいないのですか? どんなタイプの男性ならいいのですか?」
「男はみんな、ジャガイモにしか見えんのだ。興味無い」
「はぁ……そういう所から教育してゆかないといけないのかぁ……」
「チヨの子ならば、魔力の大きな子供が生まれるだろう?」
「だから、女同士では子は出来ません。諦めて男と結婚しましょうね」
「嫌だ、魔法で子供を作ろう。な、いいであろう?」
「そんな魔法は、聞いた事が有りません!」
「誰か知ってるかもしれないし、無ければ作ろう」
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「そうかなぁ……?」
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