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第5章
文化祭当日
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各クラス、文化祭の準備が着々と進み、俺たち2年A組も放課後遅くまで劇の練習をする日々が続いた。
ここまで練習してきて今更、変更なんて皆は納得しないよね……と言った藤原に、真生は「俺が暴走したことにすりゃーいーじゃん」と笑い、劇の最後の方の変更に関しては俺と真生と藤原3人の秘密ということにした。
ーー本当にこんなんで上手くいくのかよ……。
***
そして何だかんだで文化祭当日。各クラス出店を出したり、お化け屋敷をやったり喫茶店をやったり。
部活ごとの発表も外のステージで行われたり。
俺が想像していた以上に学校全体が盛り上がっていた。
俺達のクラスは、体育館で発表することになっている。
体育館での催し物は午後から始まり、決められた順番で発表していく。
「ねえ、2年A組楽しみだねー!」
「坂口先輩と本郷先輩が出る劇でしょ!? 見逃せない!」
ーーそんな話をされてもなー、どうなるのか俺は本当に不安だ。
そして時間はあっという間に過ぎ、俺らの前の3年C組の発表がもうすぐ終わるという頃、俺達は体育館に併設されたバスケ部の部室を借りて衣装に着替えていた。
「おー! 優希も真生もめっちゃカッコイイじゃん!!」
俺は全身黒のスーツに黒いマント。優希はなんか……勇者というより王子っぽい衣装だった。
転生前の勇者役は違うやつがやるため、真生は初めから勇者の衣装だ。
俺達男子が部室から外に出ると、バレー部の部室で着替えていた女子も外に出てきた。
「女神、なんだそのヒラヒラした服は。」
「綺麗でしょー!」
そう言ってクルクル回る佳奈の後ろに目を向けると、俺は目を見開いて固まった。
「ほら! 優珠も!!」
「あ、うん。どうかな……?」
優珠は、姫役だったか。フワフワした真っ白なドレスを身にまとい、長い髪もおろしていて。
俺が固まっていると、誠がニヤニヤしながら近づいてきた。
「おーい、優希! なんか言ってやれよー!」
「え、あ……ああ。似合う」
俺がそう言うと、優珠は顔を真っ赤にさせた。
「ありがとう、優希も……カッコイイよ」
「サンキュ」
そして、ついに俺達の劇の番になる。開演5分前。ステージでは、誠たち裏方が劇の道具や背景を準備していた。
「おい! 優希、見ろよ!」
俺は真生に呼ばれて、舞台袖から客席をそっと覗いてみた。
そこには俺と真生の母親が話している姿があった。
それから俺は体育館を見回して固まる。
「お、おい……どんだけ人入ってんだよ」
「ビビるよなー。客席はもちろん満席。立ち見も入り切ってないし。ほら、体育館の上まで人で埋まってるぞ」
よく見ると、他校の不良グループまで見に来てやがる……。
「おい、真生。ほんとーに、アドリブのアレ……やんのか?」
「やるさ。優希も打ち合わせした通りちゃんとやれよ!」
「別に構わないが、ほんとにウケるのか?」
「ウケる!断言は出来ないけど、きっとウケる」
そうして俺達の劇は始まった。
ここまで練習してきて今更、変更なんて皆は納得しないよね……と言った藤原に、真生は「俺が暴走したことにすりゃーいーじゃん」と笑い、劇の最後の方の変更に関しては俺と真生と藤原3人の秘密ということにした。
ーー本当にこんなんで上手くいくのかよ……。
***
そして何だかんだで文化祭当日。各クラス出店を出したり、お化け屋敷をやったり喫茶店をやったり。
部活ごとの発表も外のステージで行われたり。
俺が想像していた以上に学校全体が盛り上がっていた。
俺達のクラスは、体育館で発表することになっている。
体育館での催し物は午後から始まり、決められた順番で発表していく。
「ねえ、2年A組楽しみだねー!」
「坂口先輩と本郷先輩が出る劇でしょ!? 見逃せない!」
ーーそんな話をされてもなー、どうなるのか俺は本当に不安だ。
そして時間はあっという間に過ぎ、俺らの前の3年C組の発表がもうすぐ終わるという頃、俺達は体育館に併設されたバスケ部の部室を借りて衣装に着替えていた。
「おー! 優希も真生もめっちゃカッコイイじゃん!!」
俺は全身黒のスーツに黒いマント。優希はなんか……勇者というより王子っぽい衣装だった。
転生前の勇者役は違うやつがやるため、真生は初めから勇者の衣装だ。
俺達男子が部室から外に出ると、バレー部の部室で着替えていた女子も外に出てきた。
「女神、なんだそのヒラヒラした服は。」
「綺麗でしょー!」
そう言ってクルクル回る佳奈の後ろに目を向けると、俺は目を見開いて固まった。
「ほら! 優珠も!!」
「あ、うん。どうかな……?」
優珠は、姫役だったか。フワフワした真っ白なドレスを身にまとい、長い髪もおろしていて。
俺が固まっていると、誠がニヤニヤしながら近づいてきた。
「おーい、優希! なんか言ってやれよー!」
「え、あ……ああ。似合う」
俺がそう言うと、優珠は顔を真っ赤にさせた。
「ありがとう、優希も……カッコイイよ」
「サンキュ」
そして、ついに俺達の劇の番になる。開演5分前。ステージでは、誠たち裏方が劇の道具や背景を準備していた。
「おい! 優希、見ろよ!」
俺は真生に呼ばれて、舞台袖から客席をそっと覗いてみた。
そこには俺と真生の母親が話している姿があった。
それから俺は体育館を見回して固まる。
「お、おい……どんだけ人入ってんだよ」
「ビビるよなー。客席はもちろん満席。立ち見も入り切ってないし。ほら、体育館の上まで人で埋まってるぞ」
よく見ると、他校の不良グループまで見に来てやがる……。
「おい、真生。ほんとーに、アドリブのアレ……やんのか?」
「やるさ。優希も打ち合わせした通りちゃんとやれよ!」
「別に構わないが、ほんとにウケるのか?」
「ウケる!断言は出来ないけど、きっとウケる」
そうして俺達の劇は始まった。
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