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友達
retry19:屋上の集い
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「テストも終わった事ですし、みなさんで遊びに行きませんか?」
昼休みにいつもの屋上で昼食をとるミカ達。暑さもあるが、自分達以外誰もいないこの場所が密かにお気に入りだったりするミカ。自分のお弁当を食べながら、話を切り出したリイの方に顔を向ける。
「ほら、もうすぐ夏休みですし、みなさんの時間が合えばいろんなところに行きたいんですが、いかがでしょう?」
リイはニコニコと笑顔で話をする。頭の中は既に行きたい場所で溢れているのだろう。その話にすぐに賛成したのは吉田だった。
「ええやん。夏ならではのスポット行って、みんなで楽しむの悪くないやろ」
「いいですね!夏といえば……」
「海!」
「夏期講習」
リイの問いかけに吉田と丸井の返事が重なる。2人は眉根を寄せてお互いを睨みつけた。
「はぁ?何言うとんの?遊び行く言うてんねんで。そんなん海でめっちゃはしゃいで焼きそば食べるんがセオリーやん」
「わざわざ暑い中に人混み行って汗かきたくねぇ。だいたい夏実、テスト終わったーとか呑気なこと言ってるけどな、お前のレベルじゃまず補習の心配した方がいいぞ」
丸井の言葉にリイはギクリとして両手で顔を隠す。
「うう、返す言葉もございません」
今回のテストでリイは丸井に勉強を教わっていたのだ。そもそも、放課後に丸井が曲作りで図書室にいる横でテスト勉強を始めていたリイ。その進み具合の悪さにイライラした丸井が面倒をみてあげていた。
「だいたい休みの日にまで何でお前らと一緒にいなきゃなんねぇんだ。平日だけで十分だろ」
丸井はとにかく遊びに行くのが嫌らしく、惣菜パンを食べながら文句を言った。しかしここで彼につっこむのが望杏だ。
「でもマルマル。こないだミカちゃんとなっちゃんがお祭りの話してた時、浴衣とか調べてたじゃん。男物の」
「なっ!?ばっか!お前っ!」
「えー?なになに?浴衣なんて気合い入りまくりやん。うける」
思わぬ攻撃に丸井が慌てるが時既に遅し。吉田はニヤニヤと丸井を小突く。
「え、丸井さんも一緒にお祭り行けるんですか?花火も上がるのですっごく盛り上がるみたいですよ!」
「おい丸井。意地を張ってても仕方ないぞ」
純粋に喜ぶリイ。静かに諭すミカ。両名が吉田に加勢する。3人の言葉に丸井はたじろぎ、少し考えた後、大きなため息をついた。
「……わかったよ!行けばいいんだろ」
「やったー!マルマルありがとー!」
「うぜぇ、くっつくな!」
丸井が折れた事で嬉しそうに抱きつく望杏とそれを鬱陶しそうに剥がす丸井。隣では吉田とリイが話し込む。
「夏実ちゃんは浴衣って着るん?」
「ミカさんと一緒に着たいですねーとは話してます。でも着付けが難しそうなんですよね、動画みて覚えないと」
リイがニコッとしながら答えると吉田はニヤッと意地の悪い笑みを浮かべた。
「じゃあ、僕が教えたろか?浴衣の着付け」
「え、いいんですか!?」
「もちろん。僕こう見えても結構器用やねんで?まあ、ただではやらへんけど」
「ええ!?お金とるんですか?」
「いややなぁ、取るのは愛やで」
そう吉田がリイを揶揄えば間に受けたリイが顔を赤くさせて動揺する。
「わ、私でよければいくらでもどうぞ!あ、でもその……愛ってどんなのですか?」
「……は?え、いや冗談やから」
あまりにも純粋なリイに吉田が固まる。彼はイタズラのつもりで言ったのだが、思った以上に効き目があったようだ。そこに助け舟を出したのはミカだった。
「まったく、リイはそうやってすぐに騙されるな。吉田もリイは何でも信じるんだから揶揄うのはよせ」
ミカが呆れながら言えばリイも吉田も素直に応じる。
「ああ、着付けはほんまにできるから。夏実ちゃんも四季さんも必要なら頼ってな。もちろん無償でやったる」
「はい、ありがとうございます」
リイがお礼を言い、この話は終わりかと思っていると望杏と戯れていたというと語弊があるが、そんな丸井がボソッと呟く。
「……吉田お前、裸の女に着付けられんのか?」
その言葉に吉田はピシッと音を立てて固まる。そして、ゆっくりと丸井の方を向いた。その顔は笑顔だが、どこか黒いものを感じる。
「……丸井くん。いやあんたは呼び捨てで十分やな。丸井、そんなん考えるなんて、やらしぃなぁ」
「はぁ!?ち、違ぇよ!お前がっ!」
「いやーん。へんたーい」
吉田は丸井を揶揄い煽る。その煽りに丸井はキレる寸前。
「浴衣って裸で着るの?」
「旅館とかでは上だけは下着つけないとかそういうのもあるだろうが、普通に夏祭りで着る場合は上下下着はつけるんじゃないか?」
「びっくりしちゃいました。でもあんなに慌てる丸井さんも新鮮で何だか可愛くて素敵ですね」
望杏の質問にミカが冷静に答えて、リイは相変わらず呑気な回答をしている。その間にも吉田と丸井のやり取りはヒートアップしていた。
「丸井は興味ありませーんみたいな顔してムッツリなんやな」
「ちげーよ!もうお前黙れ!」
「浴衣よりも水着が拝める海やプールの方がええんやない?そこ行く?」
「行かねぇーって!いい加減にしろよ!」
「恥ずかしがることないで?男なんてみーんな、下半身に正直な生き物や。まあムッツリ丸井にはこの手の話は刺激が強すぎるんかもな」
「っだー!もう、うるせぇ!」
丸井の一言が屋上に響いた。その一言でビクッと肩を揺らすリイ。望杏とミカは黙っており、吉田はニヤニヤしたまま。
「ほんっと、いけすかねぇ奴だなお前」
「そりゃ奇遇やな。僕もあんたとは気ぃ合わんって思っとるし?」
ペースを崩される丸井に、煽りまくる吉田。この2人はこんなにも相性が悪いのかとミカは呆れる。最近感情が理解できるようになった望杏は、対立する2人に興味津々という感じで眺めていた。逆にリイは1人オロオロしている。自分が遊びに行きたいなどと言い出したところから始まったこの流れがいたたまれないのだろう。それを見兼ねたミカはため息を吐き、一触即発しそうな丸井と吉田に「ストップ」と声をかけた。
「2人とも、もうやめておけ。リイが怯えてる」
「す、すみません。私のせいですよね」
ミカの言葉にリイはしゅんとうなだれる。ミカはそんなリイの頭を撫でてやり慰めた。その様子を見ていた吉田と丸井は顔を見合わせるとバツが悪そうな顔をして目を逸らした。
「……まあ、すまんかったな。つい調子乗ったわ」
「いや、俺も……悪かった」
吉田と丸井が謝る。その事に望杏は目を丸くさせた。
「え?2人ともどうしたの?もう言い合うの終わり?解決したの?」
感情の急激な変化についていけない望杏は、ただただ争っていた2人がお互い謝るという現象が謎のようでいた。そんな望杏の肩をポンポンと叩きつつ、ミカはとりあえずこの場をどうしようか考えようとしたところで、タイミングがいいんだか悪いんだかチャイムが鳴る。
「っ……あ、鳴っちゃいましたね!早く片付けないと午後の授業に遅れちゃいますね!」
一番に動いたのはリイだった。明るくみんなに声をかけて、お弁当を片付け始める。その笑顔は少し無理をしているとミカにはわかった。なぜなら、リイの心に杭が現れたからだ。前のとは違い、一般的な普通のものなので、そのうち消化されるだろうが、この状況はリイにとっては悔やむものになってしまったなと眉根を寄せる。
悔やむという点では丸井と吉田の心にも小さな杭ができていたが、リイのよりたいしたことないので放置して大丈夫だろう。今はまずリイだ。
「リイ……」
「さ、行きましょう!」
ミカが声をかけようとすると、リイはちょうど立ち上がった。そして、一番に屋上を出ていく。その後ろ姿を見て残された4人は顔を見合わせた。
「なっちゃん、変だったね」
ストレートに告げてくる望杏の発言に丸井と吉田はギクッとする。
「え、いや……」
「まぁ……その」
2人はしどろもどろになるが望杏のストレートな言葉は続く。
「なんで、なっちゃんは先に行っちゃったんだろ」
その言葉に2人は顔見合わせると気まずそうにして、言いにくそうにしながらも言葉を発した。
「それは……だな……」
「……すまんかったな」
吉田は望杏に素直に謝り、丸井もバツ悪そうに謝る。そんな2人を見て望杏はキョトンと首を傾げた。
「ヨッシーとマルマルが悪かったの?」
「まあ今回はそうだろうな」
ミカが代わりに答えると望杏は「ふーん」と返した後に「じゃあ」と切り出す。
「なっちゃんが元気になるようにみんなで遊びに行けばいいね」
望杏の発言に3人は目を丸くする。この流れで?という感じでお互いに顔を見合わせた。
「だって、なっちゃんは元々みんなで遊びに行きたがってたじゃん。海とかお祭りとかは夏休みにならないと行けないけど、今日どこか遊びに行くのはすぐできるよね?どこ行く?」
まさかすぎる提案だが、確かになとミカは思った。それが一番リイの心の後悔を無くすにはちょうどいい方法なのだろう。
「リイが行きたい場所がいいんだろうが……とりあえず教室に戻ろう。このままだと全員遅れる」
ミカの言葉に3人は頷いて屋上を後にした。
昼休みにいつもの屋上で昼食をとるミカ達。暑さもあるが、自分達以外誰もいないこの場所が密かにお気に入りだったりするミカ。自分のお弁当を食べながら、話を切り出したリイの方に顔を向ける。
「ほら、もうすぐ夏休みですし、みなさんの時間が合えばいろんなところに行きたいんですが、いかがでしょう?」
リイはニコニコと笑顔で話をする。頭の中は既に行きたい場所で溢れているのだろう。その話にすぐに賛成したのは吉田だった。
「ええやん。夏ならではのスポット行って、みんなで楽しむの悪くないやろ」
「いいですね!夏といえば……」
「海!」
「夏期講習」
リイの問いかけに吉田と丸井の返事が重なる。2人は眉根を寄せてお互いを睨みつけた。
「はぁ?何言うとんの?遊び行く言うてんねんで。そんなん海でめっちゃはしゃいで焼きそば食べるんがセオリーやん」
「わざわざ暑い中に人混み行って汗かきたくねぇ。だいたい夏実、テスト終わったーとか呑気なこと言ってるけどな、お前のレベルじゃまず補習の心配した方がいいぞ」
丸井の言葉にリイはギクリとして両手で顔を隠す。
「うう、返す言葉もございません」
今回のテストでリイは丸井に勉強を教わっていたのだ。そもそも、放課後に丸井が曲作りで図書室にいる横でテスト勉強を始めていたリイ。その進み具合の悪さにイライラした丸井が面倒をみてあげていた。
「だいたい休みの日にまで何でお前らと一緒にいなきゃなんねぇんだ。平日だけで十分だろ」
丸井はとにかく遊びに行くのが嫌らしく、惣菜パンを食べながら文句を言った。しかしここで彼につっこむのが望杏だ。
「でもマルマル。こないだミカちゃんとなっちゃんがお祭りの話してた時、浴衣とか調べてたじゃん。男物の」
「なっ!?ばっか!お前っ!」
「えー?なになに?浴衣なんて気合い入りまくりやん。うける」
思わぬ攻撃に丸井が慌てるが時既に遅し。吉田はニヤニヤと丸井を小突く。
「え、丸井さんも一緒にお祭り行けるんですか?花火も上がるのですっごく盛り上がるみたいですよ!」
「おい丸井。意地を張ってても仕方ないぞ」
純粋に喜ぶリイ。静かに諭すミカ。両名が吉田に加勢する。3人の言葉に丸井はたじろぎ、少し考えた後、大きなため息をついた。
「……わかったよ!行けばいいんだろ」
「やったー!マルマルありがとー!」
「うぜぇ、くっつくな!」
丸井が折れた事で嬉しそうに抱きつく望杏とそれを鬱陶しそうに剥がす丸井。隣では吉田とリイが話し込む。
「夏実ちゃんは浴衣って着るん?」
「ミカさんと一緒に着たいですねーとは話してます。でも着付けが難しそうなんですよね、動画みて覚えないと」
リイがニコッとしながら答えると吉田はニヤッと意地の悪い笑みを浮かべた。
「じゃあ、僕が教えたろか?浴衣の着付け」
「え、いいんですか!?」
「もちろん。僕こう見えても結構器用やねんで?まあ、ただではやらへんけど」
「ええ!?お金とるんですか?」
「いややなぁ、取るのは愛やで」
そう吉田がリイを揶揄えば間に受けたリイが顔を赤くさせて動揺する。
「わ、私でよければいくらでもどうぞ!あ、でもその……愛ってどんなのですか?」
「……は?え、いや冗談やから」
あまりにも純粋なリイに吉田が固まる。彼はイタズラのつもりで言ったのだが、思った以上に効き目があったようだ。そこに助け舟を出したのはミカだった。
「まったく、リイはそうやってすぐに騙されるな。吉田もリイは何でも信じるんだから揶揄うのはよせ」
ミカが呆れながら言えばリイも吉田も素直に応じる。
「ああ、着付けはほんまにできるから。夏実ちゃんも四季さんも必要なら頼ってな。もちろん無償でやったる」
「はい、ありがとうございます」
リイがお礼を言い、この話は終わりかと思っていると望杏と戯れていたというと語弊があるが、そんな丸井がボソッと呟く。
「……吉田お前、裸の女に着付けられんのか?」
その言葉に吉田はピシッと音を立てて固まる。そして、ゆっくりと丸井の方を向いた。その顔は笑顔だが、どこか黒いものを感じる。
「……丸井くん。いやあんたは呼び捨てで十分やな。丸井、そんなん考えるなんて、やらしぃなぁ」
「はぁ!?ち、違ぇよ!お前がっ!」
「いやーん。へんたーい」
吉田は丸井を揶揄い煽る。その煽りに丸井はキレる寸前。
「浴衣って裸で着るの?」
「旅館とかでは上だけは下着つけないとかそういうのもあるだろうが、普通に夏祭りで着る場合は上下下着はつけるんじゃないか?」
「びっくりしちゃいました。でもあんなに慌てる丸井さんも新鮮で何だか可愛くて素敵ですね」
望杏の質問にミカが冷静に答えて、リイは相変わらず呑気な回答をしている。その間にも吉田と丸井のやり取りはヒートアップしていた。
「丸井は興味ありませーんみたいな顔してムッツリなんやな」
「ちげーよ!もうお前黙れ!」
「浴衣よりも水着が拝める海やプールの方がええんやない?そこ行く?」
「行かねぇーって!いい加減にしろよ!」
「恥ずかしがることないで?男なんてみーんな、下半身に正直な生き物や。まあムッツリ丸井にはこの手の話は刺激が強すぎるんかもな」
「っだー!もう、うるせぇ!」
丸井の一言が屋上に響いた。その一言でビクッと肩を揺らすリイ。望杏とミカは黙っており、吉田はニヤニヤしたまま。
「ほんっと、いけすかねぇ奴だなお前」
「そりゃ奇遇やな。僕もあんたとは気ぃ合わんって思っとるし?」
ペースを崩される丸井に、煽りまくる吉田。この2人はこんなにも相性が悪いのかとミカは呆れる。最近感情が理解できるようになった望杏は、対立する2人に興味津々という感じで眺めていた。逆にリイは1人オロオロしている。自分が遊びに行きたいなどと言い出したところから始まったこの流れがいたたまれないのだろう。それを見兼ねたミカはため息を吐き、一触即発しそうな丸井と吉田に「ストップ」と声をかけた。
「2人とも、もうやめておけ。リイが怯えてる」
「す、すみません。私のせいですよね」
ミカの言葉にリイはしゅんとうなだれる。ミカはそんなリイの頭を撫でてやり慰めた。その様子を見ていた吉田と丸井は顔を見合わせるとバツが悪そうな顔をして目を逸らした。
「……まあ、すまんかったな。つい調子乗ったわ」
「いや、俺も……悪かった」
吉田と丸井が謝る。その事に望杏は目を丸くさせた。
「え?2人ともどうしたの?もう言い合うの終わり?解決したの?」
感情の急激な変化についていけない望杏は、ただただ争っていた2人がお互い謝るという現象が謎のようでいた。そんな望杏の肩をポンポンと叩きつつ、ミカはとりあえずこの場をどうしようか考えようとしたところで、タイミングがいいんだか悪いんだかチャイムが鳴る。
「っ……あ、鳴っちゃいましたね!早く片付けないと午後の授業に遅れちゃいますね!」
一番に動いたのはリイだった。明るくみんなに声をかけて、お弁当を片付け始める。その笑顔は少し無理をしているとミカにはわかった。なぜなら、リイの心に杭が現れたからだ。前のとは違い、一般的な普通のものなので、そのうち消化されるだろうが、この状況はリイにとっては悔やむものになってしまったなと眉根を寄せる。
悔やむという点では丸井と吉田の心にも小さな杭ができていたが、リイのよりたいしたことないので放置して大丈夫だろう。今はまずリイだ。
「リイ……」
「さ、行きましょう!」
ミカが声をかけようとすると、リイはちょうど立ち上がった。そして、一番に屋上を出ていく。その後ろ姿を見て残された4人は顔を見合わせた。
「なっちゃん、変だったね」
ストレートに告げてくる望杏の発言に丸井と吉田はギクッとする。
「え、いや……」
「まぁ……その」
2人はしどろもどろになるが望杏のストレートな言葉は続く。
「なんで、なっちゃんは先に行っちゃったんだろ」
その言葉に2人は顔見合わせると気まずそうにして、言いにくそうにしながらも言葉を発した。
「それは……だな……」
「……すまんかったな」
吉田は望杏に素直に謝り、丸井もバツ悪そうに謝る。そんな2人を見て望杏はキョトンと首を傾げた。
「ヨッシーとマルマルが悪かったの?」
「まあ今回はそうだろうな」
ミカが代わりに答えると望杏は「ふーん」と返した後に「じゃあ」と切り出す。
「なっちゃんが元気になるようにみんなで遊びに行けばいいね」
望杏の発言に3人は目を丸くする。この流れで?という感じでお互いに顔を見合わせた。
「だって、なっちゃんは元々みんなで遊びに行きたがってたじゃん。海とかお祭りとかは夏休みにならないと行けないけど、今日どこか遊びに行くのはすぐできるよね?どこ行く?」
まさかすぎる提案だが、確かになとミカは思った。それが一番リイの心の後悔を無くすにはちょうどいい方法なのだろう。
「リイが行きたい場所がいいんだろうが……とりあえず教室に戻ろう。このままだと全員遅れる」
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