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望桜の妨害と桜の援護

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昨日は念願の俊とのお付き合い記念日になった………
そして、今日から二学期の始まりである。今は、始業式だ。
「本日をもって、二学期の始業とする」
校長のこの一言で、新たな学期が幕を開けた。
「蘭、家に帰る前に一緒に昼…食べないか?」
俊が走りながら言ってきた。もちろんと言おうとしたその時だった……
「俊、帰るわよ。お昼作ってあるから。」
「おい、姉ちゃん。放せ。それに、俺の家なら蘭の寮だぞ?」
「知ってるわよ。私の部屋に作ってあるから安心しなさい。」
「そうか。って、女寮だろ?大問題だよぉぉ。」
こうして、望桜さんに俊は強制連行された。
望桜さん……一瞬だけど物凄く僕を睨んでたような………
「蘭く~ん」
桜だ。相変わらず、無邪気な笑顔だな。
「蘭くん。望桜さんに嫉妬してたでしょ?」
「そんなことは……」
この先が言えない。図星である。
「ってか、何の用?」
「蘭くんに言いたいことがあってね……実は、望桜さんは俊とは実の兄弟ではないみたいなんだ……」
なん……だって?
「なんでそれを桜が知ってるんだ?」
「姫田財閥……この名前を使えばなんでも調べられるんだよ?」
少しアウトな気もするけど、桜は僕らの恋を応援してくれてるんだもんな。
それなら、それに応えるべきだ。
「それじゃあ、しようと思えば望桜さんが俊と恋をすることも?」
「うん。可能だし、血は繋がってないから法律的にもなんの問題もない。
このままじゃ奪われちゃうよ?」
ようやく結ばれた俊を奪われる?そんなのあり得ない。
っていうか許さない。
「望桜さんの部屋は分かる?」
「分かるよ。それじゃあ、俊を取り返しに突撃だ!」
こういう時の桜は頼りになる。

~望桜の部屋~
「俊、実はね。
私、貴方の実の姉ではないの。いわゆる、義姉……私は、高宮家の養子なの……」
「嘘…………だろ?」
その頃、俊は望桜に直接真実を打ち明けられていた。

「だから、私と結婚前提に付き合ってくれない?私、貴方のことが好きなの。」
「断る……俺には心に決めた人がいるからね。」
「そう……ごめんなさいね。ほんとは、こんなことしたくなかったけど。」
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