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主人と相思相愛
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「お嬢様!起きてくださいっ!」
もうちょっと~とゴソゴソと布団の中に潜り込むのは、わたしの主人のリアンお嬢様。
後宮の中での争いに勝利(!?)し、めでたくこの国の王妃の座を手にしたのだけれど……。
「身だしなみをきちんとしてください。陛下がいつこちらへ来ても良いようにしておかなければいけません」
布団を引っ剥がす。本がバサバサッと落ちた。お嬢様はまた夜遅くまで読書をしていたらしい。
ため息をついて、本を拾う。
『治水工事について』『地域活性化を目指す』『国家予算の゙使い方』……読書傾向がおかしい。
どの本の題名も王妃が読むに相応しいとは言えないものばかり。うちのお嬢様はむしろ宰相でも目指しているんですかね?と言いたくなる。
一国の王妃とは思えない寝癖で起きてきて、欠伸をする。慌てて鏡台へと向かわせて、美しい金色の髪を梳かす。大きな愛らしいペリドットの目に長い睫毛、艷やかな白い肌を持ち、容姿は間違いなく美しい女性なのだ。
三度の飯より兵法、魔法、内政、外交などを学ぶのが大好きというオタクであり、国と陛下のピンチを察したら持てる策を使い、自分の身を犠牲にしても助けようとする男前な性格である。
繰り返すけれど、静かにし、口を開かなければ、とても綺麗なお嬢様なのだ。
「アナベル、今日の朝食なに?」
「今日の予定じゃなくて朝食聞くのはやめてくださいよ。何か召し上がりたいものありましたか?」
「チーズ入りのオムレツが食べたいわ」
「用意してあります」
そうわたしが答えるとリアン様は目をパチっと開けた。
「どうして食べたいってわかったの!?」
「最近、召し上がっておらず、さらに昨日の夕食は魚料理でヘルシーでしたから、今朝はチーズを足したオムレツが食べたくなるのでは?と思っていたのです」
そう答えると、リアン様はさすがだわとつぶやいていた。
「リアン、今日は朝食、一緒に食べれそうかい?」
ガチャっと扉を開けて軽いノリで入ってきたのは、この国の王であるウィルバート様だった。金の髪に青い目をした絵本に出てくるような綺麗な顔立ちの王様。王も王妃も素敵なのだが、私は平凡な茶色の髪と茶の目をしたメイド。
わたしはすぐにサッと一礼し、リアン様の後ろへ下がる。
「アナベルが起こしてくれたおかげで、ぎりぎり間に合ったわ!ウィルは今日は忙しくないの?大丈夫なの?」
もともと同じ有名私塾に通い、ご学友でご友人同士だったリアン様とウィルバート様は二人きりで接する時は、いまだに王と王妃という雰囲気があまりなく、町によくいる恋人同士のような掛け合いである。それがとても微笑ましい。
「うん。食事は一緒にとれるよ。それにしてもアナベルはさすがだなぁ。寝てるリアンを起こせるなんてすごいと思うよ」
「い、いえ!わたしの仕事ですから、当然のことです」
思わぬお褒めの言葉に内心、慌ててしまう。
「ふふっ。私のメイドは世界一よ」
リアン様が誇らしげに言う。その言葉にうれしくなってしまう。
世界一はリアン様です。あの拾って頂いた日からずっとリアン様はわたしの大好きな世界一の主人なんです。そう思い、微笑む。彼女のお傍にいて、ずっと仕える。そう決心したあの雨の日を生涯わたしは忘れないだろう。
もうちょっと~とゴソゴソと布団の中に潜り込むのは、わたしの主人のリアンお嬢様。
後宮の中での争いに勝利(!?)し、めでたくこの国の王妃の座を手にしたのだけれど……。
「身だしなみをきちんとしてください。陛下がいつこちらへ来ても良いようにしておかなければいけません」
布団を引っ剥がす。本がバサバサッと落ちた。お嬢様はまた夜遅くまで読書をしていたらしい。
ため息をついて、本を拾う。
『治水工事について』『地域活性化を目指す』『国家予算の゙使い方』……読書傾向がおかしい。
どの本の題名も王妃が読むに相応しいとは言えないものばかり。うちのお嬢様はむしろ宰相でも目指しているんですかね?と言いたくなる。
一国の王妃とは思えない寝癖で起きてきて、欠伸をする。慌てて鏡台へと向かわせて、美しい金色の髪を梳かす。大きな愛らしいペリドットの目に長い睫毛、艷やかな白い肌を持ち、容姿は間違いなく美しい女性なのだ。
三度の飯より兵法、魔法、内政、外交などを学ぶのが大好きというオタクであり、国と陛下のピンチを察したら持てる策を使い、自分の身を犠牲にしても助けようとする男前な性格である。
繰り返すけれど、静かにし、口を開かなければ、とても綺麗なお嬢様なのだ。
「アナベル、今日の朝食なに?」
「今日の予定じゃなくて朝食聞くのはやめてくださいよ。何か召し上がりたいものありましたか?」
「チーズ入りのオムレツが食べたいわ」
「用意してあります」
そうわたしが答えるとリアン様は目をパチっと開けた。
「どうして食べたいってわかったの!?」
「最近、召し上がっておらず、さらに昨日の夕食は魚料理でヘルシーでしたから、今朝はチーズを足したオムレツが食べたくなるのでは?と思っていたのです」
そう答えると、リアン様はさすがだわとつぶやいていた。
「リアン、今日は朝食、一緒に食べれそうかい?」
ガチャっと扉を開けて軽いノリで入ってきたのは、この国の王であるウィルバート様だった。金の髪に青い目をした絵本に出てくるような綺麗な顔立ちの王様。王も王妃も素敵なのだが、私は平凡な茶色の髪と茶の目をしたメイド。
わたしはすぐにサッと一礼し、リアン様の後ろへ下がる。
「アナベルが起こしてくれたおかげで、ぎりぎり間に合ったわ!ウィルは今日は忙しくないの?大丈夫なの?」
もともと同じ有名私塾に通い、ご学友でご友人同士だったリアン様とウィルバート様は二人きりで接する時は、いまだに王と王妃という雰囲気があまりなく、町によくいる恋人同士のような掛け合いである。それがとても微笑ましい。
「うん。食事は一緒にとれるよ。それにしてもアナベルはさすがだなぁ。寝てるリアンを起こせるなんてすごいと思うよ」
「い、いえ!わたしの仕事ですから、当然のことです」
思わぬお褒めの言葉に内心、慌ててしまう。
「ふふっ。私のメイドは世界一よ」
リアン様が誇らしげに言う。その言葉にうれしくなってしまう。
世界一はリアン様です。あの拾って頂いた日からずっとリアン様はわたしの大好きな世界一の主人なんです。そう思い、微笑む。彼女のお傍にいて、ずっと仕える。そう決心したあの雨の日を生涯わたしは忘れないだろう。
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