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メイドと騎士は言葉をかわす
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陛下のいつも後ろに控え、影のようにいる騎士の方がわたしに話しかけてきた。銀髪の騎士で、あまり愛想が良くないのに、メイド仲間からはとても人気がある。
「リアン様は変わってるな。陛下の周りに寄って来る女性を数多く見てきたが、あんなに変わったお嬢様はいなかった」
思わずムッとしてしまう。確かに、普通の貴族のお嬢様よりもかなり……いえ、少し変わってるとは思いますけど。
「わたしはリアン様を貶すような言葉は聞きたくありません」
お嬢様のいないところで陰口はよく聞かれる。嫉妬や羨望の入り混じる後宮にいるのだし、ましてや陛下はリアン様しか娶らないと宣言してしまった。王妃はたった一人のため、色々なことを言われても仕方ないという部分もあるとはわかっている。
この騎士の方が言うように、確かにお嬢様はちょっと変わっているのかもしれない。ドレスや宝石などを欲しがる代わりに、貴重な本や欲しい知識、情報……それらが手に入ったときのほうがイキイキとしているからだ。
でも傍でお嬢様を護衛してくれていた陛下直属の護衛騎士のセオドア様までそう言うなんてと少ししょんぼりしてしまった。彼はお嬢様を認めてくれている味方だと思っていた。
「貶してるわけじゃない。褒めてもいないけれどな」
後宮へ来た時から、お嬢様の護衛もしてくださっているから、きっと良さも知っているはずなのに、今さら、なぜそのようなことを言うのだろうと、少し腹立たしくなり、わたしはキッと強い視線を送る。
「お嬢様は誤解されがちで、王妃としては方向性が間違ってますが、国のため陛下のためにがんばってると思うのです」
「王妃としての方向性が特殊な方へいってるのは気付いているよな?それについて言いたいのだが……」
「セオドア様にはお嬢様の護衛をしていただいてとても助かっています。だけど傷つくような言葉をお嬢様に言わないでほしいのです」
「傷つく?あの王妃が?」
「そうです!意外と繊細なんですよ!」
「繊細!?」
別の者を見てるんじゃないよな?と失礼な言葉を付け足してくるセオドア様。陛下の前ではおとなしい方なのに、本当はこんな方なのねと思う。
「えーと、怒らせるつもりはなかったんだ。そうじゃなくて……」
さっきから何を言いたいのだろう?
「あのお嬢様と一緒にいると、傍にいるメイドにも危険が及ぶんじゃないかと危惧している。そのうちきっと怖い目に合うかもしれない。そうなれば……」
「わかってます!良いんです。わたしはお嬢様のために役立ちたいと思ってます」
「ほんとに似てるな」
「え?」
セオドア様が憂鬱そうな顔をした。あまり表情を表に出さない方なのに、どこか浮かない顔をしてそう呟き、踵を返して行ってしまった。
なんだったのかしら?何を話そうとされていたのか、けっきょくわからなかったのだった。
「リアン様は変わってるな。陛下の周りに寄って来る女性を数多く見てきたが、あんなに変わったお嬢様はいなかった」
思わずムッとしてしまう。確かに、普通の貴族のお嬢様よりもかなり……いえ、少し変わってるとは思いますけど。
「わたしはリアン様を貶すような言葉は聞きたくありません」
お嬢様のいないところで陰口はよく聞かれる。嫉妬や羨望の入り混じる後宮にいるのだし、ましてや陛下はリアン様しか娶らないと宣言してしまった。王妃はたった一人のため、色々なことを言われても仕方ないという部分もあるとはわかっている。
この騎士の方が言うように、確かにお嬢様はちょっと変わっているのかもしれない。ドレスや宝石などを欲しがる代わりに、貴重な本や欲しい知識、情報……それらが手に入ったときのほうがイキイキとしているからだ。
でも傍でお嬢様を護衛してくれていた陛下直属の護衛騎士のセオドア様までそう言うなんてと少ししょんぼりしてしまった。彼はお嬢様を認めてくれている味方だと思っていた。
「貶してるわけじゃない。褒めてもいないけれどな」
後宮へ来た時から、お嬢様の護衛もしてくださっているから、きっと良さも知っているはずなのに、今さら、なぜそのようなことを言うのだろうと、少し腹立たしくなり、わたしはキッと強い視線を送る。
「お嬢様は誤解されがちで、王妃としては方向性が間違ってますが、国のため陛下のためにがんばってると思うのです」
「王妃としての方向性が特殊な方へいってるのは気付いているよな?それについて言いたいのだが……」
「セオドア様にはお嬢様の護衛をしていただいてとても助かっています。だけど傷つくような言葉をお嬢様に言わないでほしいのです」
「傷つく?あの王妃が?」
「そうです!意外と繊細なんですよ!」
「繊細!?」
別の者を見てるんじゃないよな?と失礼な言葉を付け足してくるセオドア様。陛下の前ではおとなしい方なのに、本当はこんな方なのねと思う。
「えーと、怒らせるつもりはなかったんだ。そうじゃなくて……」
さっきから何を言いたいのだろう?
「あのお嬢様と一緒にいると、傍にいるメイドにも危険が及ぶんじゃないかと危惧している。そのうちきっと怖い目に合うかもしれない。そうなれば……」
「わかってます!良いんです。わたしはお嬢様のために役立ちたいと思ってます」
「ほんとに似てるな」
「え?」
セオドア様が憂鬱そうな顔をした。あまり表情を表に出さない方なのに、どこか浮かない顔をしてそう呟き、踵を返して行ってしまった。
なんだったのかしら?何を話そうとされていたのか、けっきょくわからなかったのだった。
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