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描く未来は常に明るく怠惰で
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廊下を歩きつつ、オレはにまにま笑う。
「な、なに?ウィル、なぜ笑ってるの?上機嫌じゃない?ベラドナに会った後なのに、おかしいわよ?」
リアンが気味悪そうにオレを見た。
「そうだよなぁ。王子や王女がいれば、エイルシア王家がどうだとか後継者がどうだとか……解決だよな。リアンがそんなふうに決心してくれていたことを知らなくて悪かった」
「えっ!?は、はい!?なにが!?」
オレはなんて鈍感だったんだろう。自分の鈍感さを呪いたい。
「オレはリアンがのんびり怠惰に過ごし、好きなことをして後宮で暮らしてくれるといいなと思っていたんだ」
「ええ……まぁ……怠惰に過ごすことを目的にしてるわよ」
「だから子どもは、まだまだ先で良いと思っていた。然るべき時に、子どもが欲しいなと思った時でいいやと遠慮していた!これからは……」
やっとリアンは話の真相がわかったらしく、顔を赤らめた。
「ま、待って!ウィル!!この話は部屋に帰ってからにしてえええええ」
相変わらず恥ずかしがり屋のリアンだよなぁ。
「ベラドナの話から、どうしたらこうなるのよ!?」
部屋に入った瞬間、リアンは問い詰めるように言った。もう大丈夫だろうと、オレは心置きなく、口を開くことにする。アナベルとセオドアがいるが、それはリアンにとって信頼してる2人だから、別に良いのだろうと判断した。
「リアンが言ったんじゃないかー!『素敵なウィルバートと可愛い子どもたちと怠惰に過ごしてみせるわよっ!』って。そのまえに何人も子どもがほしいってことも……」
ガションッとティーカップが音を立てた。アナベルが動揺して倒したらしい。
「お嬢さまが!?そんなことを!?」
「確かに言ったけど、そういう意味じゃなくて、ベラドナが不吉なことを言うから……っ!?」
オレはリアンの頬に触れて手を滑らせ、顎に手をやる。真っ赤になってるリアンが可愛いすぎる。
「ちょちょちょちょっと待ちなさい!ウィル!」
「オレは随分待たされてるし、待ってるし、我慢した!それもリアンが王妃としての負担を感じないようにしたいからだ!まぁ、今まで事件だらけで、時間も無かったこともある。とりあえず今は解決して、ようやく落ち着けそうだし?リアンもその気だし?」
「私はその気じゃないわよ!勘違いよっ!」
「本当に?」
後ろへ後ろへと下がっていったリアンはソファーに追い詰められて、ペタンと座る。アナベルが察して失礼しますっ!と部屋から素早く出ていった。
「セオドア、下がれ。当分、この部屋に誰も近寄らせるな」
ハイとセオドアも部屋から出ていった。リアンの目が動揺し、泳いでいる。
「リアンはすごいよな。どんなときでも明るい国やオレの未来を描けるんだな」
一瞬、ベラドナの言葉が不穏で、オレは動けなくなった。また闇に放り出されるのか?と寂しい孤独な少年のウィルバートが見えた。だけど、それは数秒間のことだけで、今は平気だ。晴れた日のようにスッキリとリアンとの幸せな未来をオレも見ることができる。
なにより眼の前にドキドキし、緑の目が潤んでるリアンがいることが、もう可愛すぎて……。
「確かに私、ウィルバートに、どんな未来だって描いてあげられるわ。それは、他の人じゃだめなの。あなただからこそだと思うの。あのね……その……私、あなたのこと好………っ!」
その先は、わかってるよとオレは心に満ちた光を感じながら、喋ってるリアンの口を塞いだ。
オレはリアンの笑顔と未来を守りたい。オレは失うばかりじゃない。こんな自分に何ができるんだ?死ぬまで王として立ち続けなければならないのか?と孤独の淵にいた幼い自分はもういない。
リアンと怠惰にすごす幸せを味わいたい。これからもずっとずっと。何があろうとも。
「な、なに?ウィル、なぜ笑ってるの?上機嫌じゃない?ベラドナに会った後なのに、おかしいわよ?」
リアンが気味悪そうにオレを見た。
「そうだよなぁ。王子や王女がいれば、エイルシア王家がどうだとか後継者がどうだとか……解決だよな。リアンがそんなふうに決心してくれていたことを知らなくて悪かった」
「えっ!?は、はい!?なにが!?」
オレはなんて鈍感だったんだろう。自分の鈍感さを呪いたい。
「オレはリアンがのんびり怠惰に過ごし、好きなことをして後宮で暮らしてくれるといいなと思っていたんだ」
「ええ……まぁ……怠惰に過ごすことを目的にしてるわよ」
「だから子どもは、まだまだ先で良いと思っていた。然るべき時に、子どもが欲しいなと思った時でいいやと遠慮していた!これからは……」
やっとリアンは話の真相がわかったらしく、顔を赤らめた。
「ま、待って!ウィル!!この話は部屋に帰ってからにしてえええええ」
相変わらず恥ずかしがり屋のリアンだよなぁ。
「ベラドナの話から、どうしたらこうなるのよ!?」
部屋に入った瞬間、リアンは問い詰めるように言った。もう大丈夫だろうと、オレは心置きなく、口を開くことにする。アナベルとセオドアがいるが、それはリアンにとって信頼してる2人だから、別に良いのだろうと判断した。
「リアンが言ったんじゃないかー!『素敵なウィルバートと可愛い子どもたちと怠惰に過ごしてみせるわよっ!』って。そのまえに何人も子どもがほしいってことも……」
ガションッとティーカップが音を立てた。アナベルが動揺して倒したらしい。
「お嬢さまが!?そんなことを!?」
「確かに言ったけど、そういう意味じゃなくて、ベラドナが不吉なことを言うから……っ!?」
オレはリアンの頬に触れて手を滑らせ、顎に手をやる。真っ赤になってるリアンが可愛いすぎる。
「ちょちょちょちょっと待ちなさい!ウィル!」
「オレは随分待たされてるし、待ってるし、我慢した!それもリアンが王妃としての負担を感じないようにしたいからだ!まぁ、今まで事件だらけで、時間も無かったこともある。とりあえず今は解決して、ようやく落ち着けそうだし?リアンもその気だし?」
「私はその気じゃないわよ!勘違いよっ!」
「本当に?」
後ろへ後ろへと下がっていったリアンはソファーに追い詰められて、ペタンと座る。アナベルが察して失礼しますっ!と部屋から素早く出ていった。
「セオドア、下がれ。当分、この部屋に誰も近寄らせるな」
ハイとセオドアも部屋から出ていった。リアンの目が動揺し、泳いでいる。
「リアンはすごいよな。どんなときでも明るい国やオレの未来を描けるんだな」
一瞬、ベラドナの言葉が不穏で、オレは動けなくなった。また闇に放り出されるのか?と寂しい孤独な少年のウィルバートが見えた。だけど、それは数秒間のことだけで、今は平気だ。晴れた日のようにスッキリとリアンとの幸せな未来をオレも見ることができる。
なにより眼の前にドキドキし、緑の目が潤んでるリアンがいることが、もう可愛すぎて……。
「確かに私、ウィルバートに、どんな未来だって描いてあげられるわ。それは、他の人じゃだめなの。あなただからこそだと思うの。あのね……その……私、あなたのこと好………っ!」
その先は、わかってるよとオレは心に満ちた光を感じながら、喋ってるリアンの口を塞いだ。
オレはリアンの笑顔と未来を守りたい。オレは失うばかりじゃない。こんな自分に何ができるんだ?死ぬまで王として立ち続けなければならないのか?と孤独の淵にいた幼い自分はもういない。
リアンと怠惰にすごす幸せを味わいたい。これからもずっとずっと。何があろうとも。
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