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(番外編)時は待たず②
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必死に馬を駆けさせる。
昔、デートで30分遅刻した時、彼女は待っていた。『お仕事ですものね』とにっこりほほ笑み……ほほ笑みのままデートを終えた。ずっとほほ笑んでいるんだ。想像してもらえるだろうか?なにを言っても返事はなく、ただほほ笑んでいる様子を!
しまった!あの時のことを思い出さなきゃよかった。キリキリと胃が痛い。
家に着いた!無理をさせた馬に美味しい餌と水を十分頼む!と厩番に言って、ぜーぜーと馬より呼吸が激しい自分の肺に空気を取り込む。
使用人たちが、旦那様、大丈夫ですか!?と心配してくれるが、今はそれどころではない!
愛する妻のいる部屋に一直線で走る。階段を駆け上る。ドアの前で膝をつきそうになるが、耐えろ!耐えるんだ!と自分を鼓舞する。
髪の毛や服装を整える。ドアノブに手をかける前に、小さな気配を感じた。
「おかえりなさいお父様」
にっこり微笑んだのは我が家の次女のリアンだった。手には本を持っている。
「リ、リアン、お母様のご機嫌はどうだ」
「お父様、私にそれを聞いて、次の行動を考えるのはちょっとずるいわ。お母様との約束の時間に間に合わなかったのでしょう?」
ギクッとする。このリアン、我が娘ながら鋭いところがあり、侮れない。
「素直に謝るのが一番だわ。そのほうが誠実だと思うの」
そう言って、去っていく。生意気な!と怒るより呆気にとられる。
リアンは世界商人になれそうな素質を間違いなく持っている。だが、妻はリアンはダメよと言うのだった。なぜかはわからないがリアンを勉強させるのはいいと言うのに、商人にする許可は出ない。まぁ、後継者などいらないといえばいらない。他の親族から当主を選べば良いだけだと思う。かくいう自分も当主を辞めかけたのだから……。
勇気を持って、ドアノブに手をかける。とりあえずリアンの策を採用だ!素直に謝ろう。
「遅くなってすまなかった」
窓辺のソファーに三女を抱っこして、こちらに視線をよこした。三人の娘がいるとは思えない美しさと若さを持つ女性。相変わらず我が妻は素晴らしく……ううっ……怖い。
刺すような視線が突き刺さる。
「おかえりなさい」
待っていたとは言ってくれない。……よし。とりあえず声は優しい。
「急いで帰ってきたんだが、間に合わなくてすまなかった!結婚記念日に出かける約束をしていたのに……」
そうねと彼女は呟き、赤ん坊を乳母に渡し、部屋から出るように指示をした。り、臨戦態勢を整えるわけじゃないよな?
「急いで来てくださったのはわかります」
ハイ……と頷くしかない。
「あなたがお仕事してくれるおかげで、この家は成り立っている。そう理解してます」
ハイ……と再び頷く。目を合わせられない!五家の当主として、様々な危険を乗り越え、他の商人を出し抜いた自分なのだが……妻には……どうも弱い。
「お願いがあるの」
「な、なんだろうか!?なんでもきくぞ!」
「あなたは結婚記念日のこの日までに帰ることを約束するっていうけれど、待つ方にしたら、来ない人を待っているのは辛いわ」
え……それはどういうことだ?と聞き返す。
「この日に帰ってくると楽しみに待っていて来なかった時の気持ちわかるかしら?」
「楽しみにしてくれているのか!?」
「もちろんよ」
帰ってくるのを楽しみに!?これは素直に嬉しい。
「あなた?喜んだ顔をしている場合じゃないでしょ。今後、帰ってくる日を言わないでほしいの」
「ええええっ!?」
「待つのは疲れるのよ」
「いや、ごめん!ほんとーに反省してる!!」
「責めてるわけじゃないのよ?」
わかっているけど……なんか待っててくれるのが嬉しいし……えーと……。
「レストランは予約をキャンセルしたし、昨夜の豪華な夕食は食べきれなかったので、使用人たちで食べてもらったの。新調したドレスは今度の夜会で着ることにするから無駄にはしないわ」
「用意してくれていたのか……」
「レストランでお食事は無理でも、家でお祝いしてもいいじゃないですかと、コック長が気を利かせて作ってくれたのよ」
……それも間に合わなかったと。
「それに夜、眠れなくなるの」
「えっ?」
「約束した日がすぎたら何かあったのではと思うのが普通よ。そう考えていると夜、寝れないわ」
「そんなに心配してくれてるのか!?いや……君がそこまで愛してくれていたなんて知らなかった!すごくすごくうれしい!涙が出そうだ!」
「どうぞ、好きなだけ泣いてくれていいわ」
……淡々と言われると、泣きにくい。
「お願いしたいことはそれだけよ。心配させるなら、帰ってくる日は伝えないでちょうだい」
「なんか責められてないはずだけど、反省したよ!確実に帰れる日を知らせることにする!安易なことは言わないことにする」
よかったですと愛する妻は言った。すごく胸に刺さった……怒られるよりきつかった気がしたが、気のせいだろうか?
「と、とにかく結婚記念日のやり直しをしよう!償わせてくれ!」
コンコンとノックされる。妻が入りなさいと言うとリアンが顔を出した。
「お話、終わった?そろそろいいかなぁと思ったの」
そうねと妻は言って立ち上がる。そして大きめの部屋へ案内し、開いた。そこには子どもが作ったような飾り付けとごちそうがテーブルに並んでいた。垂れ幕に『けっこんきねんびおめでとう』とつたない文字で書いてある。
「リアンが用意しようと皆に声をかけてくれて、今朝から走り回っていたの。そろそろお父様が帰ってくるわよと、まるで予言者のように言ってたのよ」
チラッとリアンを見ると得意げな顔をしていた。
「なんで、お父様が今日、帰るってわかったんだ?」
聞いてみたくなった。リアンは人差し指をたてて、ヒミツと意味ありげにそう言って、笑ったのだった。将来、この娘の旦那になる相手は大変だなと思った。
可愛い娘3人と愛する妻と祝う結婚記念日。うん。悪くはない。むしろ最高だった。
待たせてしまった妻に申し訳ないと思いながらも、各国を飛び回る世界商人にとって、帰ることができる場所がある自分はなんて幸せなんだろうか。ほとんどの世界商人はいくつもの顔を持ち、一か所とどまることは稀だ。死ぬまで続く。
ありがとうとかすれた声で、お礼を言った。そしてフラッとし、世界がゆらぐ。
「あ!お父様大丈夫!?」
リアンの心配する声。ぱたっと疲れからその場に倒れてしまった。妻が『もうっ!無理しちゃってたのね!』と怒る声が可愛かった。
時は待たない。
でも時は待たずとも愛する妻は待っててくれるのかと幸せな気持ちで眠ったのだった。
昔、デートで30分遅刻した時、彼女は待っていた。『お仕事ですものね』とにっこりほほ笑み……ほほ笑みのままデートを終えた。ずっとほほ笑んでいるんだ。想像してもらえるだろうか?なにを言っても返事はなく、ただほほ笑んでいる様子を!
しまった!あの時のことを思い出さなきゃよかった。キリキリと胃が痛い。
家に着いた!無理をさせた馬に美味しい餌と水を十分頼む!と厩番に言って、ぜーぜーと馬より呼吸が激しい自分の肺に空気を取り込む。
使用人たちが、旦那様、大丈夫ですか!?と心配してくれるが、今はそれどころではない!
愛する妻のいる部屋に一直線で走る。階段を駆け上る。ドアの前で膝をつきそうになるが、耐えろ!耐えるんだ!と自分を鼓舞する。
髪の毛や服装を整える。ドアノブに手をかける前に、小さな気配を感じた。
「おかえりなさいお父様」
にっこり微笑んだのは我が家の次女のリアンだった。手には本を持っている。
「リ、リアン、お母様のご機嫌はどうだ」
「お父様、私にそれを聞いて、次の行動を考えるのはちょっとずるいわ。お母様との約束の時間に間に合わなかったのでしょう?」
ギクッとする。このリアン、我が娘ながら鋭いところがあり、侮れない。
「素直に謝るのが一番だわ。そのほうが誠実だと思うの」
そう言って、去っていく。生意気な!と怒るより呆気にとられる。
リアンは世界商人になれそうな素質を間違いなく持っている。だが、妻はリアンはダメよと言うのだった。なぜかはわからないがリアンを勉強させるのはいいと言うのに、商人にする許可は出ない。まぁ、後継者などいらないといえばいらない。他の親族から当主を選べば良いだけだと思う。かくいう自分も当主を辞めかけたのだから……。
勇気を持って、ドアノブに手をかける。とりあえずリアンの策を採用だ!素直に謝ろう。
「遅くなってすまなかった」
窓辺のソファーに三女を抱っこして、こちらに視線をよこした。三人の娘がいるとは思えない美しさと若さを持つ女性。相変わらず我が妻は素晴らしく……ううっ……怖い。
刺すような視線が突き刺さる。
「おかえりなさい」
待っていたとは言ってくれない。……よし。とりあえず声は優しい。
「急いで帰ってきたんだが、間に合わなくてすまなかった!結婚記念日に出かける約束をしていたのに……」
そうねと彼女は呟き、赤ん坊を乳母に渡し、部屋から出るように指示をした。り、臨戦態勢を整えるわけじゃないよな?
「急いで来てくださったのはわかります」
ハイ……と頷くしかない。
「あなたがお仕事してくれるおかげで、この家は成り立っている。そう理解してます」
ハイ……と再び頷く。目を合わせられない!五家の当主として、様々な危険を乗り越え、他の商人を出し抜いた自分なのだが……妻には……どうも弱い。
「お願いがあるの」
「な、なんだろうか!?なんでもきくぞ!」
「あなたは結婚記念日のこの日までに帰ることを約束するっていうけれど、待つ方にしたら、来ない人を待っているのは辛いわ」
え……それはどういうことだ?と聞き返す。
「この日に帰ってくると楽しみに待っていて来なかった時の気持ちわかるかしら?」
「楽しみにしてくれているのか!?」
「もちろんよ」
帰ってくるのを楽しみに!?これは素直に嬉しい。
「あなた?喜んだ顔をしている場合じゃないでしょ。今後、帰ってくる日を言わないでほしいの」
「ええええっ!?」
「待つのは疲れるのよ」
「いや、ごめん!ほんとーに反省してる!!」
「責めてるわけじゃないのよ?」
わかっているけど……なんか待っててくれるのが嬉しいし……えーと……。
「レストランは予約をキャンセルしたし、昨夜の豪華な夕食は食べきれなかったので、使用人たちで食べてもらったの。新調したドレスは今度の夜会で着ることにするから無駄にはしないわ」
「用意してくれていたのか……」
「レストランでお食事は無理でも、家でお祝いしてもいいじゃないですかと、コック長が気を利かせて作ってくれたのよ」
……それも間に合わなかったと。
「それに夜、眠れなくなるの」
「えっ?」
「約束した日がすぎたら何かあったのではと思うのが普通よ。そう考えていると夜、寝れないわ」
「そんなに心配してくれてるのか!?いや……君がそこまで愛してくれていたなんて知らなかった!すごくすごくうれしい!涙が出そうだ!」
「どうぞ、好きなだけ泣いてくれていいわ」
……淡々と言われると、泣きにくい。
「お願いしたいことはそれだけよ。心配させるなら、帰ってくる日は伝えないでちょうだい」
「なんか責められてないはずだけど、反省したよ!確実に帰れる日を知らせることにする!安易なことは言わないことにする」
よかったですと愛する妻は言った。すごく胸に刺さった……怒られるよりきつかった気がしたが、気のせいだろうか?
「と、とにかく結婚記念日のやり直しをしよう!償わせてくれ!」
コンコンとノックされる。妻が入りなさいと言うとリアンが顔を出した。
「お話、終わった?そろそろいいかなぁと思ったの」
そうねと妻は言って立ち上がる。そして大きめの部屋へ案内し、開いた。そこには子どもが作ったような飾り付けとごちそうがテーブルに並んでいた。垂れ幕に『けっこんきねんびおめでとう』とつたない文字で書いてある。
「リアンが用意しようと皆に声をかけてくれて、今朝から走り回っていたの。そろそろお父様が帰ってくるわよと、まるで予言者のように言ってたのよ」
チラッとリアンを見ると得意げな顔をしていた。
「なんで、お父様が今日、帰るってわかったんだ?」
聞いてみたくなった。リアンは人差し指をたてて、ヒミツと意味ありげにそう言って、笑ったのだった。将来、この娘の旦那になる相手は大変だなと思った。
可愛い娘3人と愛する妻と祝う結婚記念日。うん。悪くはない。むしろ最高だった。
待たせてしまった妻に申し訳ないと思いながらも、各国を飛び回る世界商人にとって、帰ることができる場所がある自分はなんて幸せなんだろうか。ほとんどの世界商人はいくつもの顔を持ち、一か所とどまることは稀だ。死ぬまで続く。
ありがとうとかすれた声で、お礼を言った。そしてフラッとし、世界がゆらぐ。
「あ!お父様大丈夫!?」
リアンの心配する声。ぱたっと疲れからその場に倒れてしまった。妻が『もうっ!無理しちゃってたのね!』と怒る声が可愛かった。
時は待たない。
でも時は待たずとも愛する妻は待っててくれるのかと幸せな気持ちで眠ったのだった。
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