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ミカヤ過去編
ミカヤ・ストレリチア 前編
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5年前…
私は自殺しようとした。
元からこの世界に自分の味方なんていなかったんだ。
両親は父母ともに王族の家庭に生まれた。
父は横暴な性格でよく母に手を出していた。
そんな父に嫌悪感を抱いた私は言った。
「もうママを叩かないで!」
その一言が全ての始まりだった。
その日から毎日毎日私は父に殴られる日々。
もちろん周りに頼れる人はいない。
母はきっと自分から的が外れたのをいいことに口を出さなかったのだろう。
そんな生活から5年がたった。
今考えればよく5年も耐えたと…。
私は限界だった。
自分がいるこの狭い世界から抜け出すために脱出を図った。
運よく父の不在中に外に出ることができた。
ろくに見たこともなかった空に人に川に。
私の目にはすべてが美しく見えた。
そんなのも束の間。後方で騎士団たちが走ってくるのを見た。
きっと私を探しているのだ。
ここにも逃げ場が無くなるのか。
無心に私は逃げ続けた。
路地裏で…橋の下で…。
一夜を明かす寸前だった。
一人の男が現れたのだ。
私は誰も信じれなかったためかその場から逃げ出そうとした。
だがその男は。
「おい、嬢ちゃん。家出かい?腹減ってねぇか?」
今の私は食べ物も居場所も無かったからかその男が光に見えた。
それしか生きる方法がないとみたのだ。
「俺はバーゼルト。嬢ちゃんは?」
「み、ミカヤ。ミカヤ・ストレリチア」
「いい名前だ。」
「やめてよ。私はあまり好きじゃない…から」
「へぇ。まぁいいや。ところで嬢ちゃん。ひとつおじさんと賭けをしてみねぇか?」
「賭け?」
「あぁ。ルールは簡単。嬢ちゃんがコインを跳ねてくれ。俺と嬢ちゃんで裏か表かを決める。当たった方がひとつ言うことを聞こう。」
私はなぜこんなことをするのか。訳はわからなかった。
「どだ?面白そうじゃねぇか?」
「賭けはあまり好きじゃない…。」
「お堅いなぁ。ほれ。コイン弾いてくれ。」
(本当にこいつは信用していいのか?)
パチンッという音とともにコインが空を舞う。
「裏」
男が言ったので慌てて
「表」
カチャンと地面にコインが落ちる様をみて男はニヤニヤしていた……が。次第にその顔は驚愕へと変わる。
「表ッ!?だと…」
「どうしたの?イカサマでもしようとしてた?」
「あ、いや。絶対裏になるコインというのを使ったんだがな。子供相手にちと恥ずかしいことをしちまったな。でも嬢ちゃんも運がいいらしいな。いいぞひとつ願いを」
「私は運良くないよ。どうせそんなことだろうと思って【絶対表になる投げ方】をしてみたの」
「やっぱりあんたただ者じゃねぇや」
笑いながら男は言う。
「おじさん。私に居場所を頂戴。」
「居場所…ねぇ。実の話なんだが俺にも居場所はない。この成りで盗賊だ。」
「じゃあ私もついてく…」
「それはダメだ。嬢ちゃんは家に帰りな。」
そんな時に。また騎士団の見回りが探しに来ている声が聞こえた。
「ん?何の声だ?」
「私を探しているの…でも家には帰りたくない。」
「てことは嬢ちゃん王族だろ?」
瞬間。騎士団たちが路地裏に入ってきた。
「お嬢様!ここにおられたのですね。ん?その男は何です?」
「あぁ。一人でいたから飯をな。というかお前ら女の子一人探すのにちと物騒じゃねぇか?」
「失礼ですがあなたにこちらの事情は関係ない。立ち去ってください。」
「あぁすまなかった。わかった。わかったから。」
容赦なく剣を突きつける騎士団たちに立ち去ろうとするバーゼルト。
「ミカヤお嬢様。どうして出ていかれたのですか?」
「もうあの屋敷へは戻りたくない。」
「ええ。大丈夫ですよ。もうあなたの知っている王様と王女様はいない。」
「ど、どういうこと!?」
「あの二人はどうやら知ってはいけない部分に触れたようだ。」
「知っては…いけない?」
「しかしながら、それももうあなたに説明する必要はない。」
「ここで死んでいただきます。ミカヤお嬢様」
死ぬって…。嫌だよ。
「待って!どうして殺そうとするの?」
「どうして?愚問だな。もうあなたには王族という肩書きがない。つまりは必要がないんだよ
新しい王にとって…ね?」
だからって。腐ってる…。
「大人しくしていてください?別にいたぶるのが好きな訳ではないので…。」
そう言うと騎士団長は剣を振った。
グシャ!!
私は自殺しようとした。
元からこの世界に自分の味方なんていなかったんだ。
両親は父母ともに王族の家庭に生まれた。
父は横暴な性格でよく母に手を出していた。
そんな父に嫌悪感を抱いた私は言った。
「もうママを叩かないで!」
その一言が全ての始まりだった。
その日から毎日毎日私は父に殴られる日々。
もちろん周りに頼れる人はいない。
母はきっと自分から的が外れたのをいいことに口を出さなかったのだろう。
そんな生活から5年がたった。
今考えればよく5年も耐えたと…。
私は限界だった。
自分がいるこの狭い世界から抜け出すために脱出を図った。
運よく父の不在中に外に出ることができた。
ろくに見たこともなかった空に人に川に。
私の目にはすべてが美しく見えた。
そんなのも束の間。後方で騎士団たちが走ってくるのを見た。
きっと私を探しているのだ。
ここにも逃げ場が無くなるのか。
無心に私は逃げ続けた。
路地裏で…橋の下で…。
一夜を明かす寸前だった。
一人の男が現れたのだ。
私は誰も信じれなかったためかその場から逃げ出そうとした。
だがその男は。
「おい、嬢ちゃん。家出かい?腹減ってねぇか?」
今の私は食べ物も居場所も無かったからかその男が光に見えた。
それしか生きる方法がないとみたのだ。
「俺はバーゼルト。嬢ちゃんは?」
「み、ミカヤ。ミカヤ・ストレリチア」
「いい名前だ。」
「やめてよ。私はあまり好きじゃない…から」
「へぇ。まぁいいや。ところで嬢ちゃん。ひとつおじさんと賭けをしてみねぇか?」
「賭け?」
「あぁ。ルールは簡単。嬢ちゃんがコインを跳ねてくれ。俺と嬢ちゃんで裏か表かを決める。当たった方がひとつ言うことを聞こう。」
私はなぜこんなことをするのか。訳はわからなかった。
「どだ?面白そうじゃねぇか?」
「賭けはあまり好きじゃない…。」
「お堅いなぁ。ほれ。コイン弾いてくれ。」
(本当にこいつは信用していいのか?)
パチンッという音とともにコインが空を舞う。
「裏」
男が言ったので慌てて
「表」
カチャンと地面にコインが落ちる様をみて男はニヤニヤしていた……が。次第にその顔は驚愕へと変わる。
「表ッ!?だと…」
「どうしたの?イカサマでもしようとしてた?」
「あ、いや。絶対裏になるコインというのを使ったんだがな。子供相手にちと恥ずかしいことをしちまったな。でも嬢ちゃんも運がいいらしいな。いいぞひとつ願いを」
「私は運良くないよ。どうせそんなことだろうと思って【絶対表になる投げ方】をしてみたの」
「やっぱりあんたただ者じゃねぇや」
笑いながら男は言う。
「おじさん。私に居場所を頂戴。」
「居場所…ねぇ。実の話なんだが俺にも居場所はない。この成りで盗賊だ。」
「じゃあ私もついてく…」
「それはダメだ。嬢ちゃんは家に帰りな。」
そんな時に。また騎士団の見回りが探しに来ている声が聞こえた。
「ん?何の声だ?」
「私を探しているの…でも家には帰りたくない。」
「てことは嬢ちゃん王族だろ?」
瞬間。騎士団たちが路地裏に入ってきた。
「お嬢様!ここにおられたのですね。ん?その男は何です?」
「あぁ。一人でいたから飯をな。というかお前ら女の子一人探すのにちと物騒じゃねぇか?」
「失礼ですがあなたにこちらの事情は関係ない。立ち去ってください。」
「あぁすまなかった。わかった。わかったから。」
容赦なく剣を突きつける騎士団たちに立ち去ろうとするバーゼルト。
「ミカヤお嬢様。どうして出ていかれたのですか?」
「もうあの屋敷へは戻りたくない。」
「ええ。大丈夫ですよ。もうあなたの知っている王様と王女様はいない。」
「ど、どういうこと!?」
「あの二人はどうやら知ってはいけない部分に触れたようだ。」
「知っては…いけない?」
「しかしながら、それももうあなたに説明する必要はない。」
「ここで死んでいただきます。ミカヤお嬢様」
死ぬって…。嫌だよ。
「待って!どうして殺そうとするの?」
「どうして?愚問だな。もうあなたには王族という肩書きがない。つまりは必要がないんだよ
新しい王にとって…ね?」
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「大人しくしていてください?別にいたぶるのが好きな訳ではないので…。」
そう言うと騎士団長は剣を振った。
グシャ!!
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