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第十二章 保護活動でFになっちゃった。

第二十五話 へヴィーナって頭の蛇とのトラブルが絶えないみたいで大変そう…だから仲間にしちゃうんですよね!

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うにょうにょうにょうにょ。
ぐいっ!バクッ
シャシャシャシャ…
シャアアアア!

「…すっげえ気になるわね…」

「す、すみません…」

雑音の主であるへヴィーナは、何だかこじんまりとしていた。

「頭の蛇ってへヴィーナの意思で動かしてるのかと思ってた…」

「…一応1匹づつ脳があります…個々で性格も違ってますね」

「ええ!?めんどくさそうね」

「はい。はっきり言って面倒くさいですイタッ!」

突然頭を押さえて踞るへヴィーナ。蛇が頭に噛みついてる?

「どうしたんですか!?『シャアア!』ひええっ!?」

心配して駆け寄ったエイミアは、へヴィーナの頭の蛇の威嚇に腰を抜かす。

「イタ、イタタタ…エ、エイミアさんになんて事を…!!いい加減にしないとポニーテールの刑ですよ!!」

「「「シャシャ!?」」」

…変な蛇の鳴き声?の後、蛇達は力なくダランと垂れ下がり…。
へヴィーナも回復したようで、何事もなかったかのように立ち上がった。

「エイミアさんには、大変申し訳ないことを…」

「え?あ、大丈夫です大丈夫です…」

「ちょっと待ってください…エイミアさんに威嚇したのは誰?」

「「シャシャ!」」

「シャ、シャアアア…」

へヴィーナが空中に視線を向けて話しかけると、数匹の蛇に連行?されて1匹の蛇が出てきた。

「私に対する八つ当たりならまだしも、他の人に迷惑かけちゃ駄目です!さあ、エイミアさんに謝りなさい!!」

へヴィーナの頭に噛みついてたの、八つ当たりだったのね。

「……シャシャア」

「『ふん、悪かったな』じゃありません!ちゃんと誠心誠意謝りなさい!」

「………シャ!」

あ、今のは私でもわかった。
たぶん蛇語で「ふん!」じゃないかな。

「……刑罰執行、雑巾絞りの刑」

へヴィーナはそう言うと、件の蛇を掴み…。

ギュウウウゥゥゥ!

「じゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

…絞った。
な、なるほど…雑巾絞りの刑ね…。

「さ、謝りなさい」

「…………シャ、シャシャ…がくっ」

…たぶん「す、すみませんでした…」の後で気絶したのかな…。

「というわけです。エイミアさん、このを許してあげて下さい」

「はははい!許します許します…って、何でへヴィーナさんが涙目なんですか?」

「えっ?ななな何ででしょうね…」

…それぞれ意思があるって言ったって、身体の一部には違いないんだから…自分も痛いのか。
自爆技なのね、雑巾絞りの刑って…。

「すみませんでした。では行きましょう」

そうね、夜になる前に集落くらいには入りたいし…。

「待って!待ってくださああい!」

叫び声に足を止め、振り返ってみると。

「…立てないんです…」

顔を真っ赤に染めて座り込んでいるエイミアがいた。
…そういえばさっき腰を抜かしてたわね。

「なーにやってんだ…ほら、立てよ」

「待ってリル。腰が抜けてるんだからしばらく動けないわよ」

「へ?エイミア腰が抜けてるのか」

「いい言わないでくださいよおおお!!」

「なら私の責任です。私がおんぶしていきますね」

「…腰が抜けてるんだから、おんぶそれしかないんだけど…へヴィーナがそこまで責任を感じなくてもいいのよ?」

「へ?責任?」

へヴィーナはパチクリと瞬きし。

「責任ということよりも…このメンバーでは私が適任・・・・かと思いまして」

…笑った。

がしっ

「っわっ!」

へヴィーナはエイミアを片手で放り投げる・・・・・・・・

「ひえええええええっ!!」

くるくる回りながら落ちてくるエイミアを。

ぼふっ!

「うわっぷ!」

背中で受け止めて、そのままおんぶした。
…すっげえ力…。

「…メドゥーサのもう1つの種族スキル|≪常に全力≫《オールウェイベスト》は伊達じゃありませんので」

オールウェイベスト!?
ずいぶん爽やかな名前のスキルね…。

「…要は≪怪力≫」

あ、その方がわかりやすい。

「ちょっとリジーさん!?せっかく改名したのに」

「…勝手に改名したのね。正しくは?」

「………………≪馬鹿力≫です」

改名したくなるの、わからないでもない…。

「でもスキル名に夢を見過ぎだよ。≪怪力≫くらいがちょうどいいんじゃねえか?」

「…そうね。そのくらいの方が自然でいいと思うわよ?」

「………………えぇ~…」

…めっさ不満そうね。
ま、個人の自由だからいいけど…。

「そこはへヴィーナ自身の問題だから…本人が納得すれば、それが一番いいんじゃない」

「…ま、そりゃそうだな」

「…うん。本人次第」

「よーし!今度こそしゅっぱー…」

「ままま待ってください!」

ちっ!またかよ!

「今度は誰よ!…ってまたエイミア!?今度は何なのよ!」

「わ、私おんぶされたまんま移動なんですか!?」

「仕方ないじゃない!あんたが腰を抜かしたんだから!」

「マズいマズいマズいです!!私そんな恥ずかしい状態で街に入るんですかっ!?」

……あー……。

「…確かに恥ずかしいわね」

「…私だったら一生モノの心的外傷だな」

「…私だって嫌」

「そうなんです!なら…」

「「「でも自分の恥じゃないから無問題」」」

「…というわけでへヴィーナよろしく」

「ひいいいいどおおおおいいいいいぃぃぃ!!」

泣こうが叫ぼうが喚こうが、今はへヴィーナの背中。どうしようもない。

「んじゃあ今度こそ行くよおお!」

「おー!」
「そんなああああ!」
「…おー」
「………」

…あれ?1人反応がおかしかったような…?
最初がリルで次がエイミア、その後リジーだから…。
…へヴィーナ?

「…今度はへヴィーナ?」

「え!?ちちち違います!!そうじゃないんです…」

「…じゃあ何なのよ」

「あああの……ええっと……せ、背中の…」

「…背中の?」

「……か、感触が……」

感触…?
後ろにいるエイミアが目に入り…。
…ああ!

「エイミアの…」

「はい…ずっとこの感触はいろいろマズくて…」

…でしょうね。

「…大丈夫。へヴィーナは私やリジーよりも大きいから…」

「はあ、どうも……でも…エイミアさんを見ると、慰めにもならないと言うか…」

…それもわかるわ。わかるけど…。

「…私、自分を引き合いに出してまで励ましたのに…」

「ああ!すすいませんっ!!決してそういうわけでは!!」

「………わーたーしーもー、傷ついたな~…」

「本当に申し訳ありません!!…な、何か償えれば…」

「…ホントに?」

「はい!私に出来ることでしたら何でも」

「じゃあ教えてもらった秘湯に行きましょ!みんな良いわよね!!」

「いいぜ~。確かすぐ近くだったよな」

「帝都へ行く途中で十分寄れますよ…抜けた腰も治したいですし」

…治…るの?
それより自分だけで入れない・・・・・・・・・ことを忘れてない?

「疲れたな。今日は秘湯で、一泊で」

…何気に五七五だし。

「へ?秘湯って…温泉入るだけですか?」

「そうよ。私達のパーティ加入条件は『裸の付き合い』なんだから!」

「へ?パーティ加入!?」

「「「「ようこそ、竜の牙折りドラゴンブレーカーへ!」」」」

「………よ、よろしくお願いいたします…」

こうして。
かなり強引ながら、新たな仲間が増えました。
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