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第十七章 原点回帰でキビCんです!
第十二話 『飲め飲め!』 「飲む飲む!」 という状態で、なぜか早々と目的のモノをゲッツ! なんですよね…
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何というご都合主義。
思わぬカタチで炎の真竜とご対面となった。
「お……お久しぶりです、炎の真竜」
『まあ待ちなさい。折角気持ちの良い時間を過ごしておるのじゃ。堅い挨拶は抜きにして、温泉を堪能しようではないか』
「……そうですね♪」
そう言って私と炎の真竜は、打たせ湯に身を委ねた。
「『はあああああ………」』
「……サーチは何処へ行ったのでしょうか……」
「あ、でも脱ぎ散らかしてあるビキニアーマーや下着を辿っていけば……」
「……流れ的に、パンツの落ちてる先がサーチ姉のいる場所……似た童話の記憶があり……」
『ほほぅ! お主も相当イケる口のようじゃな』
「いやいやいや、炎の真竜様には敵いませんよぅ……ほら、もう1杯もう1杯」
『ぐびぐびぐび……ぷはあ! 次はお主の番じゃ! まあお主は瓶から直接飲んでも大丈夫じゃろ』
「あー、そんなこと言っちゃいますか? なら飲んじゃいますよ? 私はお金払いませんよー」
『おお、良い意気じゃ! 金なんぞ儂が全部払っちゃるわい! この宿の備蓄が無くなるまで飲み干してしまえ!』
「なーらイッちゃいまーす……」
ごっごっごっ!
「ぶはあああ! 美味しい……!」
『大した娘じゃ! それよりお主、以前来た時よりも胸が大きくなったのう!』
「あぁーー! わかってくれる? わかってくれますーー?」
『おぅ、わかるわい! 一気飲みしておる際の、揺れる胸! 真に見事じゃったわい!』
「うん! 普段なら変態認定して、半殺しにするとこだったけど……あんたは許す!」
『何か態度がデカくなったが、気にせんわい! もっと飲もうぞ!』
「おー!」
「……あ、サーチのパンツ見つけました。この柄は間違いありません」
「…………何故ヴィーは、サーチのパンツの柄を把握してるの…………?」
「うぐっ!? すっごく酒臭い……間違いなく、サーチ姉はここ」
「あーーっはっはっはっは!!」
『ワーーッハッハッハッハ!!』
『おお、なかな柔らかい……! 良い張りをしとるのう!』
「何を触ってるのかなあ……? 秘剣“竹蜻蛉”!」
『ぐっはあ! ワハハハハ! 良い一撃じゃ! ますます腕を上げたようじゃのう!』
「ていうか……未完成ながら秘剣“竹蜻蛉”食らっておいて、『ぐっはあ!』 だけで立ち上がるあんたも、十二分にスゴいわよ……」
『ワハハハハハハ! 当たり前じゃ、儂は炎の真竜じゃぞ! これぐらい大した事ないわい!』
「……普通の攻撃ですぐに死にかける、氷の真竜もいますけど……」
『あれは魔術に特化しておるからのう……打撃にはからっきしじゃ』
「……もしかして……あんたは打撃に特化?」
『そうじゃ! 儂は|≪灯り≫《ライト》の魔術でも死ねるぞい!』
ある意味スゴいな!
『そうじゃろう、そうじゃろう! まあ飲め飲め! ワッハッハッハッハ!!』
「……どういう理屈で『飲め飲め!』 になるのか、よくわかんないけど……いただきます」
そう言って炎の真竜に注いでもらっていると。
「あ、サーチ姉いた」
「もう、探しましたよサーチ!」
「あ、やっぱり飲んでる! すっごい酒の匂い!」
「酒池肉林?」
「リジー、その4文字熟語は現状とは違うからね?」
リジーの言葉を聞いたとたんに、炎の真竜が大笑いを始めた。
『ワーーッハッハッハッハ!! 酒池肉林とは愉快なり! よければお主らも温泉に入らぬか?』
ヴィー達は戸惑ったような仕草を見せる。どうしたんだろ?
「あの……サーチ、この方の性別は?」
あ、そういうことか。
炎の真竜は見た目では、オスかメスかわかんないからね……。
ちなみに炎の真竜の外見は、小型のドラゴンだ。
『儂か? 儂は炎の化身故に雌雄同体じゃ! ワーーッハッハッハッハ!!』
よく笑うドラゴンだこと。
「……雌雄同体だったら……良いんじゃないですか?」
「そうですね。私は入ります」
「………………悩む」
露出を嫌うリジー以外は、さっさと装備品を外し始める。
「え? ヴィー姉もエイミア姉も入っちゃうの?」
「リジーも入るなら、さっさと脱ぎなさい。1人だけ見学なんて嫌でしょう」
「リジー、先に入りますね~~♪」
オタオタするリジーを尻目に、2人は湯船に入ってきた。
「うわ~~、温かいです~!」
「温かさがじんわりと浸透してきます。軟らかいお湯ですね」
あ、リジーが羨ましそうにしてる。なら。
「リジー」
「何、サーチ姉? ってわわ!?」
ざっぱあああん!
リジーをムリヤリ温泉内に引き摺りこむ。
「がぼぼぼぼぼっ!? ぶはあ……サ、サ、サーチ姉!!」
「あはは、これで脱ぐしかないわね」
「う~~……もう!」
リジーが剥れながらも、装備していた鎧を無限の小箱へ片付ける。
「サーチ姉には今度、呪われアイテムの掃除、手伝ってもらう!」
「わかったわよ。今度付き合ってあげるから」
「「付き合う!?」」
ヴィーとエイミアが激しく反応する。
「……ていうか、何であんたらは『付き合う』っていう言葉に、いちいち反応するわけ!?」
「「……だって……」」
『ワッハッハッハッハ!! 良い娘達ではないか! 両手に花、というのも良いモノじゃぞ?』
……ヴィーとエイミアが、スゴ~~~~く複雑な顔をしてるから止めれ。
「私はそういうつもりは一切ありません!」
「「えぇっ!?」」
「だから……いちいち反応するなっつーの! 今は、てことよ! 七冠の魔狼の件が解決しないと、色恋どころじゃないでしょうが!」
「あ、そういう事ですか……」
「私はてっきり……」
『おお、そうじゃった。今は七冠の魔狼の件が、最優先課題じゃったな』
そう言うと炎の真竜は、無限の小箱から靴を取り出した。
『ほれ。これをやるわい』
「……それは?」
『儂の対極に位置するモノ。「怠惰」の対となる「七つの美徳」の化身、勤勉の靴じゃ』
「勤勉の……靴ぅ?」
どういう靴なのよ。
『先日、儂の寝床の近くから出てきたのじゃ。お主達が探しておるのは、これじゃないかの?』
私はリジーに視線を向けた。リジーは嫌そうな顔をして頷く。間違いないらしい。
「あ、ありがとうございます!」
『なあに。儂もこの世界は好いておる。故に滅びるのを見過ごす事はできぬ』
ようし! 今回は手早く手に入ったから……。
「みんな! 今夜は飲み明かすわよーー!」
『ほっほ。儂の奢りじゃ! 遠慮せずに飲み干すが良いぞ!』
「「「「イェーーイ!!」」」」
「……流石に可哀想だから……もういいわよ、リル」
ゴシゴシゴシゴシ……
「うぅ~、呪ってやるぅ~……」
思わぬカタチで炎の真竜とご対面となった。
「お……お久しぶりです、炎の真竜」
『まあ待ちなさい。折角気持ちの良い時間を過ごしておるのじゃ。堅い挨拶は抜きにして、温泉を堪能しようではないか』
「……そうですね♪」
そう言って私と炎の真竜は、打たせ湯に身を委ねた。
「『はあああああ………」』
「……サーチは何処へ行ったのでしょうか……」
「あ、でも脱ぎ散らかしてあるビキニアーマーや下着を辿っていけば……」
「……流れ的に、パンツの落ちてる先がサーチ姉のいる場所……似た童話の記憶があり……」
『ほほぅ! お主も相当イケる口のようじゃな』
「いやいやいや、炎の真竜様には敵いませんよぅ……ほら、もう1杯もう1杯」
『ぐびぐびぐび……ぷはあ! 次はお主の番じゃ! まあお主は瓶から直接飲んでも大丈夫じゃろ』
「あー、そんなこと言っちゃいますか? なら飲んじゃいますよ? 私はお金払いませんよー」
『おお、良い意気じゃ! 金なんぞ儂が全部払っちゃるわい! この宿の備蓄が無くなるまで飲み干してしまえ!』
「なーらイッちゃいまーす……」
ごっごっごっ!
「ぶはあああ! 美味しい……!」
『大した娘じゃ! それよりお主、以前来た時よりも胸が大きくなったのう!』
「あぁーー! わかってくれる? わかってくれますーー?」
『おぅ、わかるわい! 一気飲みしておる際の、揺れる胸! 真に見事じゃったわい!』
「うん! 普段なら変態認定して、半殺しにするとこだったけど……あんたは許す!」
『何か態度がデカくなったが、気にせんわい! もっと飲もうぞ!』
「おー!」
「……あ、サーチのパンツ見つけました。この柄は間違いありません」
「…………何故ヴィーは、サーチのパンツの柄を把握してるの…………?」
「うぐっ!? すっごく酒臭い……間違いなく、サーチ姉はここ」
「あーーっはっはっはっは!!」
『ワーーッハッハッハッハ!!』
『おお、なかな柔らかい……! 良い張りをしとるのう!』
「何を触ってるのかなあ……? 秘剣“竹蜻蛉”!」
『ぐっはあ! ワハハハハ! 良い一撃じゃ! ますます腕を上げたようじゃのう!』
「ていうか……未完成ながら秘剣“竹蜻蛉”食らっておいて、『ぐっはあ!』 だけで立ち上がるあんたも、十二分にスゴいわよ……」
『ワハハハハハハ! 当たり前じゃ、儂は炎の真竜じゃぞ! これぐらい大した事ないわい!』
「……普通の攻撃ですぐに死にかける、氷の真竜もいますけど……」
『あれは魔術に特化しておるからのう……打撃にはからっきしじゃ』
「……もしかして……あんたは打撃に特化?」
『そうじゃ! 儂は|≪灯り≫《ライト》の魔術でも死ねるぞい!』
ある意味スゴいな!
『そうじゃろう、そうじゃろう! まあ飲め飲め! ワッハッハッハッハ!!』
「……どういう理屈で『飲め飲め!』 になるのか、よくわかんないけど……いただきます」
そう言って炎の真竜に注いでもらっていると。
「あ、サーチ姉いた」
「もう、探しましたよサーチ!」
「あ、やっぱり飲んでる! すっごい酒の匂い!」
「酒池肉林?」
「リジー、その4文字熟語は現状とは違うからね?」
リジーの言葉を聞いたとたんに、炎の真竜が大笑いを始めた。
『ワーーッハッハッハッハ!! 酒池肉林とは愉快なり! よければお主らも温泉に入らぬか?』
ヴィー達は戸惑ったような仕草を見せる。どうしたんだろ?
「あの……サーチ、この方の性別は?」
あ、そういうことか。
炎の真竜は見た目では、オスかメスかわかんないからね……。
ちなみに炎の真竜の外見は、小型のドラゴンだ。
『儂か? 儂は炎の化身故に雌雄同体じゃ! ワーーッハッハッハッハ!!』
よく笑うドラゴンだこと。
「……雌雄同体だったら……良いんじゃないですか?」
「そうですね。私は入ります」
「………………悩む」
露出を嫌うリジー以外は、さっさと装備品を外し始める。
「え? ヴィー姉もエイミア姉も入っちゃうの?」
「リジーも入るなら、さっさと脱ぎなさい。1人だけ見学なんて嫌でしょう」
「リジー、先に入りますね~~♪」
オタオタするリジーを尻目に、2人は湯船に入ってきた。
「うわ~~、温かいです~!」
「温かさがじんわりと浸透してきます。軟らかいお湯ですね」
あ、リジーが羨ましそうにしてる。なら。
「リジー」
「何、サーチ姉? ってわわ!?」
ざっぱあああん!
リジーをムリヤリ温泉内に引き摺りこむ。
「がぼぼぼぼぼっ!? ぶはあ……サ、サ、サーチ姉!!」
「あはは、これで脱ぐしかないわね」
「う~~……もう!」
リジーが剥れながらも、装備していた鎧を無限の小箱へ片付ける。
「サーチ姉には今度、呪われアイテムの掃除、手伝ってもらう!」
「わかったわよ。今度付き合ってあげるから」
「「付き合う!?」」
ヴィーとエイミアが激しく反応する。
「……ていうか、何であんたらは『付き合う』っていう言葉に、いちいち反応するわけ!?」
「「……だって……」」
『ワッハッハッハッハ!! 良い娘達ではないか! 両手に花、というのも良いモノじゃぞ?』
……ヴィーとエイミアが、スゴ~~~~く複雑な顔をしてるから止めれ。
「私はそういうつもりは一切ありません!」
「「えぇっ!?」」
「だから……いちいち反応するなっつーの! 今は、てことよ! 七冠の魔狼の件が解決しないと、色恋どころじゃないでしょうが!」
「あ、そういう事ですか……」
「私はてっきり……」
『おお、そうじゃった。今は七冠の魔狼の件が、最優先課題じゃったな』
そう言うと炎の真竜は、無限の小箱から靴を取り出した。
『ほれ。これをやるわい』
「……それは?」
『儂の対極に位置するモノ。「怠惰」の対となる「七つの美徳」の化身、勤勉の靴じゃ』
「勤勉の……靴ぅ?」
どういう靴なのよ。
『先日、儂の寝床の近くから出てきたのじゃ。お主達が探しておるのは、これじゃないかの?』
私はリジーに視線を向けた。リジーは嫌そうな顔をして頷く。間違いないらしい。
「あ、ありがとうございます!」
『なあに。儂もこの世界は好いておる。故に滅びるのを見過ごす事はできぬ』
ようし! 今回は手早く手に入ったから……。
「みんな! 今夜は飲み明かすわよーー!」
『ほっほ。儂の奢りじゃ! 遠慮せずに飲み干すが良いぞ!』
「「「「イェーーイ!!」」」」
「……流石に可哀想だから……もういいわよ、リル」
ゴシゴシゴシゴシ……
「うぅ~、呪ってやるぅ~……」
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