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第三章 谷間作るにはCはいる

第四話 エイミアの想いが…届いた相手がマズいんですよね…

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フラグってあるよね。
 戦いにいく若い男の人が「戦いが終わったら結婚云々」なんて言う。
すると大体お亡くなりになる…ていうアレ。
…たぶん、これも同じなんでしょうか…。


 「おい!昨日ドラゴンが何とかって言ってたのサーチだろ!」

 「バカ言わないでよ!言い出したのはリルじゃない!大体さぁ、今更そんなこと言ったってどうしようもないでしょ!」

 「二人とも!言い争ってる暇があったらあれ・・何とかして下さい!」

 「「何とかできるんなら逃げてない!!」」

ゴオオッ!!

 「あちっ!熱い熱いあちーっ!」

 「髪が!髪の毛がー!」

 「あっつーい!」

ビキニアーマーだと尚更熱い!
とにかくブレスはヤバい!とにかく逃げの一手!

まあ、何が起きているかというと。
…ドラゴンに追いかけられてます。


 少ーし時間を遡ります。


 夜の作戦会議。
エイミアが着替えをしてる間に少しリルと話す。

 「リルの…≪身体弓術≫だったっけ…射程ってどれくらい?」

 「…ホワイトヤタを撃ち落とせってか?」

まあ実際に空飛ぶ相手への攻撃手段はリルの弓しかないし。

 「あのなあ…地上にいる相手ならともかく…空飛んでるヤツを射るのがどれだけ難しいか判るか?」

 難しいよねー。
 前世でも散々狙撃で苦労したから…。

 「だったら弓みたいに一点に攻撃を集中するタイプじゃなく…魔法の広範囲攻撃みたいなのがベストってことよね…」

まあそれしか選択肢はないよね。

 「となると…エイミアに頑張ってもらうしかないな」

 話がそういう結論になった時に、タイミングよくエイミアが戻ってきた。 


エイミアの≪蓄電池≫バッテリーチャージによる攻撃で撃ち落とす、あるいは動きを鈍らせてリルの≪身体弓術≫で止めを刺す。この二段構えでいくことで決まった。

 「うまくいくでしょうか…」

 「まあこれ以外に方法がない、ていうのが事実だし…」

 「やるしかない、て事だ。悪いがエイミア頑張ってくれ」

 「うん、わかりました」

 次の日に備えて早めに就寝した。


 朝。
 日が昇ってすぐに行動を開始した。

 「う~ん…匂いがわかんねえ」

 「となると…目視で確認するしかないわね」

…かなり絶望的な探索方法だわ…。
よく例えにある「砂漠で金一粒を探す」並みね…。

 「ねえねえ」

 「…なに?エイミア」

ものすごく不思議そうな顔をしたエイミア。

 「空飛んでるホワイトヤタを探すよりも…地上に居る時を狙ったほうがいいんじゃないですか?」

まあ理屈上はそうなるけど。

 「それができれば苦労は無いわよ…」

 「あの…ホワイトヤタも一応寝たりするときは飛びませんよね?住み処とかは無いんですか?」

 住み処!
そうか、その可能性があった!

 「ホワイトヤタって確か小さくても3mはあるんですよね?」

そうだ。ホワイトヤタって結構大きいんだ。
このあたりの樹では支えられないくらいの体重はあるはず。
だから森は有り得ない。

 「だったら住み処の場所は限られるな。この辺りの地形を考えても…」

 「山頂近くの崖…辺りが怪しいわね」

 「ちょっとした横穴でもあれば絶好の住み処です」

うーん。
 早めに気づくべきだったわ。


 「…リル!あそこ!」

 目的地の崖の下に着いてすぐ。
10mほど上にぽっかりと穴が開いているのが確認できた。

 「おおっ!なんかそれっぽいな!」

リルも嬉しそうだ。
 運が良ければ簡単にホワイトヤタを仕留められる…かも。

 「あとは…どうやって誘い出すか、だな」

それは私に考えがある。

 「任せて。これを使うわ」

そう言って私は丸い玉を出した。

 「…何それ?」

 「モンスターが嫌う匂いを出す草を乾燥させて丸くしたの。これに火をつけて巣穴に放り込めば…」

 「成る程な。でもどうやって放り込むんだ?」

リルの肩を叩く。あなたの出番よ。

 「おい…まさか矢に括って撃ち込め、とか言わないよな?」

 「そのまさか、よ」

 「バカ言うな!そんな重いものムリに…」


その時。
 『何か』がきた。


 「…なんだ!?」

 何これ…ものすごい重圧感…!
 何か…とんでもないヤツが…近くにいる…!

 「…撤退するよ!」

 私の言葉にリルも頷く。

 「ああ…これは…危険すぎるな」

そう言いつつ、荷物をまとめ始める。


…エイミア以外は。


 「サーチ!何かが飛んでる!」

そう言って静電気を帯び始めるエイミア。

 「ちょっ!待ってエイミア、撤退…」

 「我が想いよ、形となれ!静かなる雷よ!空を駆ける魔物に届け!」

 少し遅かったー!

 「…ていうか届いちゃだめー!」

 「わぶっ!?」

エイミアを抑え込む。
けど。

どおおおん…

「おい…当たったぞ…」

…。
…やばい…。
なんか下りてきた…。

 「あれ…ドラゴンに見えない…?」

 「…見えるな…」

 「…誰か…耐性半端ない…て言ってなかった…?」

 「耐性あっても…ダメージ0じゃないし…」

 「……」

 「……」

そして。
 人間には聞こえない音域のドラゴンの叫びが轟く。
その凄まじい振動は人間以外の生物を戦慄させ、大地を震わせる。
その震動を合図に。

 「「「に、逃げろ!」」」

…まわれ右した。


そして、現在いま。

こうして私達はドラゴンに追われることになった。

 「ほ、ホワイトヤタってドラゴンだっんですね」

 「んな訳ないだろ!」

 「ちょっと勘違いしました!てへっ」

リアルにてへペロしてる場合かっ!
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