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第六章 Dに復帰は水泳で

第四話 人魚の巣に突入!…で…マーシャンって結構チートなんですよね…(美少年と美人に限る)

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船からジャンプして人魚の巣へ跳び移る。

 「マーシャン!水中で息できるヤツお願い!」

 「…≪水中呼吸≫じゃな。MP馬鹿食いするんじゃよ…」

つべこべ言わずにさっさとしなさい!
…とか言うと拗ねるのでスルーする。
 人魚の巣の表面に内部に入れそうな穴がないか探す。
 人魚が出てくる穴があるばずなんだけど…。

ごばあんっ!

なにごとー!?

 「サーチ、穴あけたぞい」

 「え!?え!?えー!?…大丈夫なの!?」

 「たぶん大丈夫ではないの…ほれ」

ぎゃー!
いっぱい人魚がわいてきたー!

 「マーシャンのアホウ!」

とりあえずマーシャンに毒づきながら飛びついてきた人魚を蹴っ飛ばす。

 「阿呆ではない!何も考えておらんだけじゃ!」

マーシャンも負けじと≪雷光弾≫エレキバレットを連発する。
 当たった人魚が数匹巻き込んで海の底に沈んでゆく。

 「何も考えてないからアホなのよ!」

≪偽物≫イミテーションでリングブレードを作り出し、人魚の頸動脈を切断する。
 凄まじい血飛沫をあげて2匹の人魚が倒れ伏す。

 「阿呆阿呆言う輩が真の阿呆なのじゃ!」

杖を人魚の巣の表面に突き立てて≪雷光弾≫エレキバレットを唱える。濡れた表面を電気が走る。

ギエアアアア!

 纏まっていた人魚達が苦悶の叫びをあげる。

 「マーシャンでも多少は・・・難しい言葉知ってるのね!」

 動けなくなってる人魚に次々と止めを刺す。

 「難しくはないわ!どこまでワシを愚弄するか!」

 少し力を溜める仕草をしてから最大級の≪雷光弾エレキバレット≫を放つ。
…え?もう人魚いないけど?
…て!わ、私にかい!

 「ぅわ!」

ギリギリで避ける。

 「ちょっと!何すんのよ!」

 一気に間合いを詰めてマーシャンのバックを取る。
 素早く手を取って首に腕を絡める!

 「んぎああああああああ!!首が絞まる首が絞まる!」

 「絞めてんだから当然よ!」

 私のコブラクラッチががっちりと極る。

 「ストップストップストップぎぶぎぶぎぶー!」

ちょっと顔色がヤバくなってきたので離す。

 「はあはあ…な、何やら黄色いお花畑が見えたような…おお、死んだ婆様が手を振って」

 「ちょっと待て逝くな逝くな」

うん、定番な感じはするけど体張ってまでしなくていいから。

 「それじゃ内部に行くからあとはよろしく!」

そう言って私はマーシャンの首根っこを掴んで穴に飛び込んだ。


…やっと行ったか。

 「ねえ、リル。あの2人ってコンビネーション良いのかな?悪いのかな?」

 知らねえよ。

 「…んなこと言ってる場合じゃ…ねえぜ!」

 素早く矢を腕につがえる。
 最近覚えた≪身体弓術≫の強化スキル≪重復弓術≫で3本同時に矢を放つ。
 横でエイミアが体を擦ってせいでんき?を溜める。

 「…いきます!皆さん離れてください!」

 全員がエイミアから距離をとった瞬間、光が爆発する。

バリバリバリバリ!ちゅどおおおん!

…これで一掃できてりゃ楽なんだけどな…。
サーチ、マーシャン頼むぜ…。

バリバリ!

 「あっぶね!」

 「あ、リルごめんなさい!皆さんも避けてくださーい!」

 早くしてくれ!人魚じゃなくてエイミアが危ない!


 「…なんか嫌な予感がしたんだけど」

 「…奇遇じゃな。ワシは寒気がした」

 「「…急ごう」」 


 人魚の巣の内部は思った以上に広い。
…ていうか外見に比べて広すぎでしょ!!

 「…ふうむ…空間に干渉して擬似的なダンジョンになっとるな」

 「ダンジョンに?」

 「うむ…ワシが遭遇したことがある人魚の巣は全て空間に干渉する力を持っておった。そして普通のダンジョンと同じようにモンスターを生み出すこともできる…じゃが人魚限定じゃ」

 「ちょっと待って…『マーシャンが遭遇した人魚の巣』って…一体いくつの巣と遭遇したのよ!?」

 「…サーチは知らぬか。昔は空を飛ぶ・・・・人魚の巣もあったのじゃよ」

 「へ…?」

 空を…飛ぶって。

 「…岩が?」

 「そうじゃ。但し生み出せるモンスターは人魚限定じゃと言ったじゃろ?気味が悪い話になるが…空を飛ぶ人魚の巣が通るとな、呼吸ができず窒息死した・・・・・人魚が降ってくるんじゃよ…」

うわ~…意味ねえ。

 「でじゃ。人魚の巣には良質な浮遊石があるからのう…これといった攻撃手段がない空を飛ぶ人魚の巣はあっという間に狩り尽くされ絶滅した」

シュール過ぎて笑えないわよ!

 「しかし…水中じゃと厄介なことこの上ない」

まーね。だから私達が危険を冒して内部に侵攻してるんじゃない。

 「ねえ…人魚いないね」

 「粗方外へ出ていっておるようじゃ。強い魔力の反応は中央にあるだけじゃな」

うーん、守護神ガーディアンがいるのかな。

 「じゃあ今がチャンスね。一気に中央まで進みましょう!」

そう言って泳ぐスピードをあげた。
…今さらだけど…穴に飛び込んだ時から水中です。


 「ぎゃあ!た、助けてくれー!人魚がー!」

 「わかりました!」

 「あ、いや、電気はやめ」

バリバリバリバリ

「ぎいああああ!」

 「…よし、人魚は倒しましたよ…あれ?大丈夫ですか?もしもーし?」

 頼む。
サーチ、マーシャン。早くしてくれ!
 人魚の被害よりエイミアの電撃の被害のほうが深刻なんだよ!


 「…あった」

 人魚の巣の中央。
ついにバカでかい浮遊石を発見した。
ただ、その周りには女王人魚が陣取っている。こいつが守護神ガーディアンね!

 「…どうする?時間もないし一気に…マーシャン?」

…なぜかマーシャンは女王人魚を見てポカンとしている。

 「?マーシャン?どうしたの、マーシャン?」

しばらくポ~…としていたマーシャンが呟いた。

 「…好みじゃ」

すざっ!

 縮地並みのスピードで私と女王人魚が後ずさった。

 「…さあ…妾と戯れるのじゃー!」

 女王人魚が声にならない悲鳴をあげた。
そして。


 「ふう…満足なのじゃ♪」

…めっちゃ艶々したマーシャンと。
…気の毒な女王人魚は水中なのに頬を涙で濡らしていた。

この隙に私が浮遊石を破壊。
こうして決着はついた。


 突然人魚達が粉状になって消滅したことで、戦いが終わったことを理解した。
 怪我人も多数でたが、死者は0だった。
…怪我人のほとんどがエイミアの電撃の巻き添えだが。

 「あ、サーチ達が帰ってきましたよ」

 甲板に光が現れる。
たぶん、マーシャンの脱出魔術だな。

 「お帰り!お疲れさ…ま?」

 光が消えて、現れたのは。

 異常に上機嫌なマーシャン。

 少し頬を赤く染めたサーチ。

そして。
 咽び泣く女王人魚だった。
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