【完結】総受け主人公のはずの推しに外堀を埋められた！？

反則的に可愛すぎて反則！⑴

シガンたんたち生徒が授業中は俺のような護衛や召使は別の部屋が用意されている。
食堂みたいまぁまぁ立派なところで一息つく。

「(それにしても今日の寝起きシガンたん可愛かったなぁ～)ふふっ」

やっばい！知らないうちに声に出してにやけてた…俺本当にいつか変質者扱いされそうな未来が見えるんだが、大丈夫だろうか…

「おぉ、ベルデがそんな表情するなんて珍しい。」

「っ！」

いきなり声を掛けられてちょっとだけ、ちょこっとだけ肩が跳ねる。

「びっくりした…ダグラス先生、お久しぶりです。」

俺に話しかけてきたのは俺の元担任で、シガンたんの現担任兼攻め要員の一人でもあるダグラス＝デートリア。若干の緩いパーマがかかった紺色の髪に同色の瞳はいつも心を見透かされているようで俺は苦手だが、見た目はとてつもなく大人な感じの危険な雰囲気を纏っている。

今だってサラッと自然に隣の席に座っているあたり、経験値の差が見て取れる。

「まさか、あの天才とも謳われたベルデが護衛としてまた学園へ来るとはなぁ。しかも、鉄壁の仮面がこうも簡単に崩れるのを見ると、ちょっと先生妬いちゃう。」

「何を言っているんですか。先生がそんなこと言っても大丈夫なんですか？」

「だってもうベルデの先生じゃないしなぁ。ってことでこれから俺の部屋来ないか？」

「行きません。シガン様の授業が終わるまでは此処に待機しておりますので。いつでも駆けつけられるように…」

「あーあ、いつからそんなに健気な一途になったのやら。俺のときも少しはそう言うところを発揮してほしかったねぇ。」

俺のときってなんだ、何もなかったわ。勘違いしそうなニュアンスで話すのやめてほしい。本当にこの会話を聞いた人に色々勘違いされそうなんだけど！そう言うのは是非シガンたんにして！絶対俺じゃないから！