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家族⑷
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新幹線で3時間ほどかけて実家へと向かう。母親の手術は無事成功に終わったと1週間前美鈴から電話があった。ちょうど、すぐにGWに入る時期で、それに合わせて帰省することにした。今日は、このまま病院に行くことにしていて、そこで美鈴とも待ち合わせをしている。真野に今回の帰省の話をすると、すごく喜んでちゃんと母親と仲直りしないとダメだと言われた。なるべく善処すると約束させられて、家を出てきていた。
それでも、病室に入る前は緊張して呼吸を整えてから中に入ると、4人部屋の右側奥に美鈴の姿を見つけた。
「あ、春人……久しぶりだね。お母さん、春人来たよ」
美鈴が声をかけた先には、ベットに横になっている何だか一回り小さくなった母親の姿が見えた。母親は、こちらに視線を向けて、小さく頷き、その顔が思っていたよりも、元気そうでホッとする。
「調子どう?」
「うん。まぁ……」
それ以上会話は続かず、2人とも黙ってしまう。その空気を破ってくれた救世主は、美鈴だった。仕事は順調かとかいつまでいれるのかとか、いつもは口うるさくうんざりするような言葉が今は、ありがたかった。そこにプルルルル……と耳慣れた音が響く。
「あ、ごめん。電話だわ。ちょっと出てくる」
そう言い残すと、美鈴は電話を耳に当てて病室を出て行く。残されたオレと母親の間にはまた、無言の空気が流れ込み、カーテンで区切られていたけど、隣のベットの患者と看護師の声が嫌でも耳に入ってくる。
「しばらく、帰らなくて悪かった……父さんにも謝りに、手を合わせに行こうと思ってる。」
「うん……」
「それに、母さんにも……嫌な思いさせてしまったと思ってる……」
最後の方は、目を逸らし俯き加減になってしまう。また、沈黙の重い空気に包まれそうになった時、母親が口を開いた。
「私の方こそ……春人にずっと辛い思いをさせてきたのかなって。でも……春人に幸せになってもらいたいと思っていたのよ」
「うん……それはわかってる……」
「私だって、別にそういう人達に偏見とかあったわけじゃないの……でも…でもね……自分の息子ってなるとやっぱり……なんて言うか、気持ちが追いつかなくって。それに、若い頃の一時の感情とか、両方対象の人もいるし……あえて厳しい道に行かなくてもいいと思ってたのよ……」
「でも、オレは……」
「うん……もう、わかってるの……春人のためって言いながら、結局、私のエゴだったのよ……ごめんなさい……」
まさか、母親がそんな風に思っていたとは思わなかった。自分のことはわかってもらえてないとずっと思っていた。もしかしたら、母親は色々と調べてたのかもしれない。普通の恋愛よりも周りの目が厳しいのは確かなのだ。だけど……とも思う。オレの気持ちを無視して欲しくなかった。どんなに心配されたとしても、それはオレが望むところではないのだ。
母親の思いとオレの思いを考えたとき、急に真野のことが頭を掠めた。オレが真野との将来を躊躇するのと同じではないかということ。どんなに気にかけて心配したとしても、結局真野の気持ちを無下にしてはいけないということ。オレの真野に対する不安は、母親がオレに対して抱いているものと同じなのではないかということ。結局、お互いに思いを言葉にしないと、真意はつたわらないということだ。
それでも、病室に入る前は緊張して呼吸を整えてから中に入ると、4人部屋の右側奥に美鈴の姿を見つけた。
「あ、春人……久しぶりだね。お母さん、春人来たよ」
美鈴が声をかけた先には、ベットに横になっている何だか一回り小さくなった母親の姿が見えた。母親は、こちらに視線を向けて、小さく頷き、その顔が思っていたよりも、元気そうでホッとする。
「調子どう?」
「うん。まぁ……」
それ以上会話は続かず、2人とも黙ってしまう。その空気を破ってくれた救世主は、美鈴だった。仕事は順調かとかいつまでいれるのかとか、いつもは口うるさくうんざりするような言葉が今は、ありがたかった。そこにプルルルル……と耳慣れた音が響く。
「あ、ごめん。電話だわ。ちょっと出てくる」
そう言い残すと、美鈴は電話を耳に当てて病室を出て行く。残されたオレと母親の間にはまた、無言の空気が流れ込み、カーテンで区切られていたけど、隣のベットの患者と看護師の声が嫌でも耳に入ってくる。
「しばらく、帰らなくて悪かった……父さんにも謝りに、手を合わせに行こうと思ってる。」
「うん……」
「それに、母さんにも……嫌な思いさせてしまったと思ってる……」
最後の方は、目を逸らし俯き加減になってしまう。また、沈黙の重い空気に包まれそうになった時、母親が口を開いた。
「私の方こそ……春人にずっと辛い思いをさせてきたのかなって。でも……春人に幸せになってもらいたいと思っていたのよ」
「うん……それはわかってる……」
「私だって、別にそういう人達に偏見とかあったわけじゃないの……でも…でもね……自分の息子ってなるとやっぱり……なんて言うか、気持ちが追いつかなくって。それに、若い頃の一時の感情とか、両方対象の人もいるし……あえて厳しい道に行かなくてもいいと思ってたのよ……」
「でも、オレは……」
「うん……もう、わかってるの……春人のためって言いながら、結局、私のエゴだったのよ……ごめんなさい……」
まさか、母親がそんな風に思っていたとは思わなかった。自分のことはわかってもらえてないとずっと思っていた。もしかしたら、母親は色々と調べてたのかもしれない。普通の恋愛よりも周りの目が厳しいのは確かなのだ。だけど……とも思う。オレの気持ちを無視して欲しくなかった。どんなに心配されたとしても、それはオレが望むところではないのだ。
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